2020年05月31日

バルビローリ/ハレ管、ドヴォルザーク/交響曲第8番「イギリス」

新型コロナの緊急事態宣言、全国で解除されましたが、お家で良い音楽を♪

シューベルトの「グレート」を聴いて久しぶりにバルビ節を堪能したので、LPレコード時代より親しんでいたドヴォルザークの「イギリス」も引っ張り出してきました。 1998年頃、EMI原盤を廉価に出していた DISKY の輸入盤CD。 「グレート」で聴かせるしっとりと歌い込むバルビ節とは違い、ロマンティックで濃厚な歌で彩られたバルビ節です。

「イギリス」の出版社より出されたので「イギリス」と呼ばれていましたが、最近このように言わないみたいですね。 そもそも音楽そのものは英国とは関係なく、郷愁に満ち溢れたボヘミヤの旋律が満載な曲。

バルビローリは、郷愁のボヘミヤの旋律に感情を過多と思えるほどに込め、独特な熱い歌いまわし、金管や打楽器を強奏させるなど変幻自在。 「グレート」では、ゆったりとシューベルトの歌の世界を展開、グイグイと押すのではなく、丹念に歌い込んだ旋律で巻き込むよう・・・と書きましたけれど、こちらはもうグイグイと押してきます。 ハレ管も少々荒っぽく豪快な演奏で応えていますが、終楽章など力を出し切ったのか響きが混濁しているようにも思いますが、音楽の推進力は健在(なんか一所懸命なアマオケみたい?)。 巧い演奏ではないと思うけれども、血沸き肉躍る聴き応え十分な名演です。

今回比較試聴として、名盤との誉れ高いセル/クリーヴランドの「イギリス」も聴きなおしてみましたが、丹念な棒とオケの巧さで、精緻ながらも伸びやかな歌で聴かせます。 しかしバルビローリの後だからかな、巧いけれども、ちょっと曲を外から見ている感じもして物足りなくも感じました。

バルビローリのこの DISKY のシリーズで、交響曲第7番、第9番「新世界」のCDも持っているので聴きなおしてみましたが、いずれも熱い演奏です。 その中でもこの第8番が出色ですね。 LPレコード時代からの思い入れも大きいからでしょうけれど。 なおこの3曲とも NAXOS MUSIC LIBRALY でも聴けます。

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ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調 op.88
ドヴォルザーク/スケルツォ・カプリチオーソ op.66
ドヴォルザーク/「伝説」 op.59〜第4曲、第6曲、第7曲
  ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
    録音:1957年6月28,29日、8月3日(伝説)

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2020年05月30日

バルビローリ/ハレ管、シューベルト/交響曲第9番「グレート」

新型コロナの緊急事態宣言、全国で解除されましたが、お家で良い音楽を♪

ドラティによる「春の祭典」のCDが行方不明になったとき、CD棚をひっくり返していたら、新星堂の1000円盤CDも多量に出てきました。 1990年、EMIレーベルのCDを1000円でリリースしてくれた新星堂のシリーズより、ジョン・バルビローリによるシューベルトの「グレート」。 世評は低いですけれど、個人的にはこの演奏が大好きなので、久しぶりに聴きなおしてみました。

「グレート」って、その名のとおり長大なこともあって、LPレコード時代には2枚組になっていたりして、縁のない曲でした(マーラーは2枚組でも聴いていましたけれど)。 CD時代となって「グレート」も聴き始めましたが、どうもしっくりこなかったのですけれど、このバルビローリのCDで開眼しました。 以来、この曲を好きになり、色々と集めてみましたけれど、シューベルトの歌の世界をこれほどまでに美しく歌い上げた「グレート」ってないですね。

第1楽章、ホルン2本のユニゾンでの始まりよりどこか長閑な感じ。 ハレ管、分厚い響きでもないし、機能的でもありませんけれど、バルビローリの指揮に導かれ、しっとりと歌い込んだ旋律が魅力的。 しかも各声部が絡みあっていて、じつにゆったりとシューベルトの歌の世界が展開してゆきます。

白眉は第2楽章でしょうか、オーボエのソロはバルビローリ夫人のイヴリン・ロスウェルさんでしょうね。 明るく端正なオーボエにやさしく寄り添う夫唱婦随の演奏もさることながら、第2主題の旋律、レガートのかかった息の長い旋律、中間部では各楽器の旋律が繊細に絡み合って、本当に美しく優しい音楽だなぁ、と感嘆。

第3楽章、第4楽章も力でグイグイと押すのではなく、丹念に歌い込んだ旋律で巻き込むようです。 線が細いとか、オケが弱いとか、まぁ色々と意見があるようですけれど。 バルビローリ・ファンにはたまらない魅力的な演奏だと思います。 廃盤になって久しいようですね。 もったいないなぁ。

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シューベルト/交響曲第9番 ハ長調「グレート」
  ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
    録音:1966年

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2020年05月26日

カラヤン/ベルリンフィル、R.シュトラウス/アルプス交響曲

新型コロナの緊急事態宣言、全国で解除されましたが、お家で良い音楽を♪

今日も新型コロナ対策で急きょ付与された特別休日を取得して臨時休業です。

ルドルフ・ケンペ/ロイヤルフィルによるアルプス交響曲を聴いたあと、比較試聴として名盤・名演奏との誉れ高いカラヤン/ベルリンフィルの演奏も聴いてみました。

ケンペ/ロイヤルフィルを聴いた直後、ことに冒頭の「夜」から「日の出」にかけてのイメージは、こじんまりと纏めているなぁ。 それだけアラン・シヴィルを筆頭にしたロイヤルフィルが豪放に鳴らしていたからでしょうね。 でもね、カラヤンらしい語り口の巧さで機能の高いオーケストラを駆使し、登ってゆきます。

このCDもまた全曲が1トラックなのですけれど、「山の牧場」でカウベルが鳴って、その後「道に迷う」場面など、音楽によって手に取るような映像として脳裏に再現されてゆくさまは、さすがカラヤンの真骨頂。 じつに分かりやすい。 そして頂上に至るところに演奏のピークも持ってきているようです。 全開。 そのためか、下山途中の「嵐」の場面など、ウィンドマシーンが左右から聴こえるけれども音像としては小さな感じ、少々迫力不足のようにも感じますね。 そして「終末」「夜」でのエンディングも脂身を削いだ静かな終わり方。

最初こそ冒頭にも書いたように、こじんまり纏まった感じに思えましたけれど、繰り返し聴いていると、ほんと聴かせ上手な演奏ですね。 ド派手な演奏、との評価もあるようですが、とても丁寧に曲を分析し、細部まで丹念に磨き上げた響きで、映像を音にして届けてくれた演奏でした。

単なる迫力とは違う意味で圧倒的な演奏でありました。 NAXOS MUSIC LIBRALY でも聴けますね。

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R.シュトラウス/アルプス交響曲 Op.64
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   デイヴィッド・ベル(org)
    録音:1980年12月 ベルリン・フィルハーモニー


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2020年05月24日

コンヴィチュニー/LGO、シューマン/交響曲全集

新型コロナの緊急事態宣言、近畿の2府1県でも解除されましたが、お家で良い音楽を♪

かつてカラヤン/ベルリンフィルによるシューマンの交響曲全集を採り上げたとき、比較試聴用としてピックアップしていたコンヴィチュニー/ゲヴァントハウスとのシューマンの交響曲全集。 いつもながらの名盤なのは間違いないところですが、改めてじっくりと聴きなおしてみたら、かつての自分の書いていた感想とはちょっと違っていることに気が付きました。

堅牢なゴシック様式の演奏、質実剛健・重厚な音楽・・・確かにそうでもあるのですけれど、まずはテンポを遅めにとって、確かに重い響きではあるけれど、しなやかな演奏でもあるということ。

第2番の第1楽章〜第2楽章、バーンスタイン/NYP(旧録音)やクーベリック/BPO(旧録音)のが好きで、その演奏を思い出しながら結構興奮しながら聴くことも多かったためでしょうか、改めてじっくりと聴いてみると、低弦の響きがよく出ていますが、全体的に弦のアンサンブルがしなやかに流れてゆくんですよね。 ゴリゴリと前に出てくるのではなくて、かといって引きずっているような鈍重なアンサンブルではありません。 打楽器がズシリとくる打音を聴かせて、全体として堂々としているけれど、節度をきちんと保った、とても誠実な演奏。 まさしく正統派。

高校生だった頃、アナログLP時代ですが、シューマンの交響曲では第4番が一番好きで(今では第2番が一番好きですけれど)この曲の自分自身のリファレンスとしていましたが、これとてじっくりと聴きなおしてみたら、ゆったりしたテンポでしなやかに曲を進めてゆきます。 重厚な響きだけれども、質実剛健とはちょっと違うみたい。 少しも飾らず、淡々と自分たちの音楽を披露しているみたい。 そこには第3番「ライン」以外を初演しているゲヴァントハウスとしての自信でしょうか?

とにかくどの曲も落ち着いて、飽きのこない、懐の深い演奏です。 NAXOS MUSIC LIBRALY でも聴けますね。

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P5232786 posted by (C)fronte360

シューマン/交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」
シューマン/交響曲第2番 ハ長調 Op.61
シューマン/交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」
シューマン/交響曲第4番 ニ短調 Op.120
シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ Op.52
シューマン/「ゲノヴェーヴァ」序曲
シューマン/4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ヘ長調 Op.86 -*
シューマン/「マンフレッド」序曲
  フランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
   ペーター・ダム(hr)、ヘルマン・メルケル(hr)、
   ウェルナー・ピルツ(hr)、ゲオルグ・ベーナー(hr) -*
      録音:1960、1961年、ベタニア教会


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2020年05月23日

ケンペ/ロイヤルフィル、R.シュトラウス/アルプス交響曲

新型コロナの緊急事態宣言、近畿の2府1県でも解除されましたが、お家で良い音楽を♪

ドラティによる「春の祭典」のCDが行方不明になったとき、CD棚をひっくり返していたら、新星堂の1000円盤CDも多量に出てきました。 1991年当時、ワゴン等で売られていたバッタもんCDを除くと、ちゃんとしたレーベルのCDを1000円でリリースしてくれた新星堂には拍手喝采をしたものです。

色々とありますが、RCAレーベルより出ていた、ルドルフ・ケンペ指揮ロイヤルフィルによるアルプス交響曲をピックアップ。 アルプス交響曲を始めてまともに聴いたのがこのCDでした。 しかし、全曲を1つのトラックにしていたため、当時のポータブルCD装置(いわゆるCDウォークマン)では、毎度最初から聴くことになって、なかなか最後はおろか頂上にまで行きつかなかったり、途中で今どこ? と迷子になった記憶もあります。

久しぶりに聴きなおしてみると、ロイヤルフィル頑張ってますね。 豪快ですし、R.シュトラウスらしい華やかさや艶っぽさもよく出ているグラマラスな演奏です。 また、ケンペは、派手さのない手堅い職人肌の指揮者というイメージです。 そしてご存知のとおり R.シュトラウスとは相性もよく、この演奏でも表面的な効果は追っておらず、きちんと丁寧に振り分けて進めていってますが、先にも述べた気合のこもったオケの演奏とのマッチングで、とても聴き応えのある演奏に仕上がっていることを確認しました。 

ビーチャムが創設し、ケンペが再建したロイヤルフィル、1961年にビーチャム他界後の経営危機や「ロイヤル」の名称使用問題などのトラブルが発生して低迷(ケンペも辞任)。 エリザベス女王より「ロイヤル」使用許可が下りたのはこれが録音された1966年でした。 同年にケンペが復帰、まさに満を持しての録音だったのですね。 そして世界で初めてのアルプス交響曲のステレオ録音。 これを買った当時は、そんなことなど知りませんでした。 なんせ新星堂の1000円盤CDには解説など無かったですものね。

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R.シュトラウス/アルプス交響曲 Op.64
  ルドルフ・ケンペ指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
    録音:1966年4月27日 キングズウェイ・ホール、ロンドン

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2020年05月19日

小澤征爾/トロント交響楽団、ベルリオーズ/幻想交響曲

新型コロナの緊急事態宣言、奈良県では解除されましたが、お家で良い音楽を♪

今日もコロナ対策で急きょ付与された休暇を取得して臨時休業です。

ドラティによる「春の祭典」のCDが行方不明になったとき、CD棚をひっくり返していたら、若き小澤征爾による幻想交響曲のCDも出てきました。

クラシック音楽を聴き始めた中学生時代(1970-72年)、小澤さんは海外の一流オーケストラを指揮する若手としてまさに上り調子。 1970年にはサンフランシスコ交響楽団の音楽監督(1976年まで)となり、1973年にはボストン交響楽団の音楽監督も兼務されました(2002年まで)。 その後はご存知のとおりで、2002年のウィーン・フィルのニューイヤーの指揮者として登場して、お茶の間にもその名が知れ渡ったと思われます。

さてそんな小澤征爾さんの音楽ですが、ニューイヤーで指揮している姿、楽器が出来ない僕にとっても、見ていても非常に判りやすく、演奏もしやすいのだろうなぁ、と思います。 また一生懸命に音楽に打ち込んでおられることも見てとれるのですが、出てくる音楽が琴線に響くかというと、神経質でちょっと堅苦しい気分になってしまいました。

しかし1967年、小澤さん31歳の録音。 1964年から68年にかけて音楽監督をされていた当時の手兵トロント交響楽団との幻想交響曲。 録音もあまり上等とは言えず、名演奏・名盤とは言えないと思いますが、若き日の小澤さんの情熱に充ちた演奏は聴き応えあります。 かつて書いた文章があります。

「若いって良いことですね、なんて思ってしまう幻想交響曲です。 自分はこう思っている、こう演りたい、そんなものがほとばしり出ていますね。 そしてそれが変な独り善がりの演りたい放題になってなく、誠実できちっと纏めてあげているところに小澤さんの手腕の高さを感じさせます。 時に1967年、小澤さん31歳の時の録音。 潤いやコクには欠けるけれど、それを上回る若い情熱をストレートに感じる幻想交響曲です。」

「この31歳の小澤さんによる幻想交響曲は実に面白いものです。 とにかく自己主張がはっきりした演奏です。 音楽の主要旋律を浮かび上がらせていて、その対になる旋律にもきちんとスポットライトを当て、常にこれらが絡みあうように音楽を進行させています。 冒頭から、おっ〜こんな旋律があったのか、とちょっと耳からウロコ状態です。 聴きなれた曲なのに新鮮で、ぐっと惹きこまれてしまいます。 第2楽章はハープを左右に振り分けて対比させ、第3楽章の前半の室内楽的なアンサンブルも実に面白く聴けます。 第4楽章から終楽章にかけてはもう一気に突き進むといった感じでしょうか。 句読点をきちっとつけているので安心感があり、ドライブ感のあるオーケストラ・コントロールはさすが世界の小澤を充分に予感させるものです。」

リズム感、キレの良さ、曲との相性も良かったのでしょうね。

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ベルリオーズ/幻想交響曲 op.14
  小澤征爾指揮 トロント交響楽団
    録音:1966年12月1,3日、トロント、マッセイ・ホール


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2020年05月18日

ドラティ、シモノフ、ライナー、チャイコフスキー/大序曲「1812年」

新型コロナの緊急事態宣言、奈良県では解除されましたが、お家で良い音楽を♪

今日はコロナ対策で急きょ付与された休暇を取得して臨時休業です。

ドラティによる「春の祭典」のCDが行方不明になったとき、CD棚をひっくり返していたら、ドラティ指揮の大序曲「1812年」のCDを見つけました。

これは録音年こそ 1958年と古いのですけれど Mercury LIVING PRESENCE による優秀録音です。 しかも、ニューヨークのウェストポイント(陸軍士官学校)が保管する 1775年製の大砲(BRONZE CANNON)の発射音。 また鐘の音は、ローラ・スペルマン・ロックフェラーの名で呼ばれているニューヨークのリバーサイド教会の鐘塔のカリヨンの音を使っています。 蛇足ですがここのカリヨンの総重量は 500,000ポンド (230,000kg) で世界一だと Wikipedia に記載されていました。 これらはチャイコフスキーが意図していたであろう当時の大砲や教会の鐘を使うというコンセプトによるものでしょうが、そんな超豪華な鳴り物とは別にしても、演奏そのものもドラティらしいきちんとした造形美でしっかりと奏でられた名演だと思います。

そして大序曲「1812年」といえば、ユーリ・シモノフ指揮のも忘れられませんね。 知る人ぞ知るのトンデモナイ大砲の乱れ打ちが凄い(スコア無視)、打ち上げ花火?も左から右へとヒュ〜と飛び、極めつけは曲の最後の音に合わせてドッカ〜ン! と大砲の音が被ります。 しかし、この最後の1分以外の演奏がとってもしっかりとしたもので、このギャップが何とも言えません。 なお「1812年」以外の収録曲の演奏もまたロシア的な雄大さや力強さ、ほの暗い情感もよく表現された素晴らしい演奏です。 ⇒ かつてこんな文章も書いてましたね。

大序曲「1812年」で一番最初に買ったのが、ライナー指揮シカゴ交響楽団によるもの。 RCAグランプリ"1000"クラシカルの1000円盤、大砲の音が実射音ではなく大太鼓だったので当時は正直ちょっとガックリきたものです(友人の家でプレヴィンのを聴いていましたので)。 キレの良い巧い演奏ながらも艶っぽさも感じるライナー/シカゴの演奏。 ショルティ/シカゴの巧さとはちょっと次元が違っていて、超絶技巧のアンサンブルのなかに深みや肌合いの良さを感じます。 特別なものは一切入っていないけれども、最後に戻ってくるのはこの充実した演奏ですね。 惜しむらくは演奏にちょっとカットがあることかな。

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 チャイコフスキー/大序曲「1812年」op.49
   アンタル・ドラティ指揮 ミネアポリス交響楽団、ミネソタ大学ブラスバンド
    録音:1958年4月、ミネアポリス、ノースロップ記念オーディトリアム

 チャイコフスキー/大序曲「1812年」op.49
   ユーリ・シモノフ指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
    録音:1994年

 チャイコフスキー/大序曲「1812年」op.49
   フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団
    録音:1956年1月7日、 シカゴ、オーケストラ・ホール


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2020年05月17日

カイルベルト、ブラームス/交響曲第2番、第4番

新型コロナの緊急事態宣言、奈良県では解除されましたが、お家で良い音楽を♪

CD棚をひっくり返していると、懐かしい演奏が出てきました。 キング・レコードの世界の名曲1000シリーズのLPレコード時代からご贔屓のヨーゼフ・カイルベルトによるブラームスの交響曲第2番、第4番。 レコード盤1枚に、この2曲も詰め込んだ超お買い得廉価盤を覚えている方も多いのではないでしょうか。

レコード盤では片面に詰め込むため録音レベルを絞ったこともあるでしょうが、飾り気の少ない質実としたブラームスの世界との印象でしたが、CDとなってもイメージはまったく同じですね。 古い録音ではありますが、聴きやすい音で、全体そして内声部もうまく捉えていると思います。

第2番、ベルリンフィルの巧さが光っていますが、オケの音色はカラヤン・カラーで洗練された響きになる前のドイツの田舎オケみたいな剛直な音色ですね。 奇をてらったところなどなく、内声部をしっかりと鳴らした過不足のない演奏。 この曲のリファレンスとなる演奏となっています。

第4番、ハンブルグ国立フィルとは、ハンブルグ国立歌劇場管弦楽団のメンバーによるオケ(ウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーンフィルと同じ関係)ですが、非力なオケ・上手くないなどとネットで書かれていますけれど、こちらの演奏の方が好きですね。 カイルベルトの取り組み姿勢は第2番と同じですが、テンポを速めてサクサクと進めてゆき、オケがそれに必死でついて行こうとしています。

いずれも虚飾を排したブラームスの交響曲、このCDも今では廃盤になっているようですが、隠れた名盤として長く伝えてほしい演奏だと思います。

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 ブラームス/交響曲第2番 ニ長調 op.73
  ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1950年代後半〜1960年代前半
 ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 op.98
  ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1960年頃

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2020年05月16日

カール・リヒター、モーツァルト/レクイエム

新型コロナでの緊急事態宣言が奈良では解除されましたが、引き続きお家で良い音楽を♪

CD棚をひっくり返していると、懐かしい演奏が出てきました。 キング・レコードの世界の名曲1000シリーズのレコード時代からご贔屓のカール・リヒターによるモーツァルトのレクイエム。 バッハの筆致で演奏された峻厳なモーツァルトの死者のためのミサ曲。 とても格調高い演奏です。

死者のための音楽なので、微笑みや遊びは不要。 リヒターは、オーケストラ、合唱団、独唱者と一体となり、真摯に音楽に立ち向かっています。 とくに、冒頭の入祭唱、キリエそして怒りの日、オケと合唱が一体となって一気呵成に攻め込まれっぱなし。 もう、圧倒的な演奏です。

続く「奇しきラッパの響き」でのバス独唱(カール・クリスティアン・コーン)も存在感抜群。 一気に飛びますけれど、終曲「永遠の光」でのソプラノ独唱(マリア・シュターダー)も清楚です。 曲は冒頭の入祭唱、キリエの旋律に戻って大団円。 聴きごたえありますね。 これほどまでに力強いモーツァルトのレクイエムの演奏ってないのではないかな。

最近流行のピリオド楽器を使った古楽器奏法での神経質演奏とは真逆ですけれど、このような演奏の方が、心をワシ掴みに、されてしまいます。

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 モーツァルト/レクイエム K.626
  マリア・シュターダー(S)、ヘルタ・テッパー(A)
  ヨーン・ファン・ケステレン(T)、カール・クリスティアン・コーン(B)
  フランツ・エーダー(tb)
   カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団
    録音:1960年


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2020年05月14日

ホーレンシュタイン、マーラー/交響曲第4番

新型コロナで緊急事態宣言が出ていますので、せめてお家で良い音楽を♪

今日はコロナ対策で急きょ付与された休暇を取得して臨時休業です。

CD棚をひっくり返していると、懐かしい演奏が出てきました。 セラフィムの1000円盤レコード(青いジャケット)時代からご贔屓のホーレンシュタインのマーラーの第4番。 今では廃盤になっているようですが、ゆったりしたテンポでこれほどまでに耽美的、かつ力感を持った美しい演奏はないと思います。

第1楽章を 17:57 もかけて歌いあげてゆきます。 とても美しい音楽はゆるやかな起伏を持って自然体の様相で力を籠め、開放して歌う。 特に展開部、交響曲第5番の第1楽章冒頭のトランペットによるファンファーレ動機が顔を出す直前の部分の盛り上がり方、直前でテンポを落として緊張を溜め込んでからの爆発。 そして終結部もぐっとテンポを落とし込んでからの盛り上げて、ダメを押すかのような着地。 ホーレンシュタイン節が満喫できます。

第3楽章も 19:59 かけて変奏曲をじっくりと歌い込んでゆきます。 そして楽章の最後は壮大で急激な盛り上がり方もホーレンシュタインらしいところですね。 終楽章、マーガレット・プライスのやや硬めの声質が清涼感あります。 甘くない、とは缶チューハイの宣伝のようですが。

繰り返しになりますが、遅いテンポながら決して重くなることなく、また甘美なロマン性を持たせた奥行きの深い耽美的な演奏ながら甘っちょろくない。 豊かな表現力に感服します。 ロンドン・フィルも美しい音で貢献しています。 廃盤とは惜しい。

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 マーラー/交響曲第4番 ト長調
  ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
  マーガレット・プライス(S)
   録音:1970年

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