2020年10月03日

アブラヴァネル/ユタ響、ブラームス/交響曲第2番

新型コロナウィルス感染、第2波を抑えて、お家で良い音楽を♪

ベートーヴェンの田園交響曲シリーズでしたが、秋も深まってきつつあるのでブラームスの田園交響曲とも呼ばれる交響曲第2番に変異しましょう(新型コロナも変異して弱毒化しないかな)。

今朝の早朝散歩時、アブラヴァネル/ユタ響でブラームスの交響曲第1番より順番に聴いてましたが、第2番の第1楽章にハマってしまいました。 スコアは読めませんが、スコアに書いてある(だろう)楽器がすべて緻密に鳴っている、、、でいて、冷たさは感じさせず、力感も感じさせる中庸な表現の妙。 いやぁ、巧いですねぇ。

帰宅してからステレオ装置に火を入れて、メインのダイヤトーンDS-77EXのスピーカーを駆動させ、ヴォリームを少々上げてまた聴いています。 演奏もさることながら、奥行きを感じせる録音も効果を助けてますね。 SBM 20bit DEGITAL リマスターによる優秀録音。 そして演奏もしっかりとヴィオラが鳴っていて、音楽にビシッと一本芯が通っている感じ。 いいですねぇ。

そして何より終楽章、これまで冷静にオケをコントロールしていましたけれど、ここでも感興に任せることはありませんが、熱量を高く保った演奏をきちんと交通整理させ、充分に感動的なフィナーレを形成しています。 職人技の光る演奏だと思います。

モルモン教の総本山から全面的なバックアップを得ていて、弦楽器などガダニーニ級の名器が揃って、また優秀な団員も多く集まっていると言われたユタ交響楽団。 アブラヴァネルの時代はその絶頂期にあることは間違いないでしょう。 日本では、ほとんど無名(わずかにルロイ・アンダーソンのレコードがキングから出ていた程度)ですけれど。

NAXOS MUSIC LIBRALY では、ブラームスの交響曲全集をすべて聴くことができますね。

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PA033016 posted by (C)fronte360

ブラームス/交響曲第2番 ニ長調 op.73
ブラームス/交響曲第3番 へ長調 op.90
   モーリス・アブラヴァネル指揮 ユタ交響楽団
    録音: 1976年5月17-24 モルモンTabernacle ソルトレイク・シティ (ユタ州)


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2020年09月26日

クリップス/ロンドン響、ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」

新型コロナウィルス感染、第2波を抑えて、お家で良い音楽を♪

ちょっとハマってしまった感のある田園交響曲シリーズ、29歳になった若きマゼールが颯爽とベルリンフィルをドライブした1956-60年の録音を聴いてましたが、そのことを頭から離してしますとまっとうな演奏ですね。 きちんと纏めたみたいな、ちょっとインパクトが少ない。 そこで次の音盤を。

レコード棚を漁っていたら、こんな盤も買っていたんやなぁ、と忘れてました。 今は亡き数寄屋橋ハンターの100円のシールが貼ってあるコロムビア・ダイアモンド1000シリーズのベスト・カプリング20より、ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン交響楽団。 カプリング曲は、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第3番。 ターンテーブルに載せて針を下ろすと、いきなりレオノーレが始まって吃驚。 慌てて飛ばして、田園を聴き進めます。

穏やかですね、自然な音楽の流れでとつとつと歌い上げてゆきます。 気持の和む田園交響曲。 白眉は盤面をひっくり返した第2楽章でしょう。 木管楽器がまろやかに唄い、弦楽器が寄り添いながら自然な高揚感。 そして空気感というのかな、音楽が前にではなく、横に拡がって包み込んでくれる感じですね。 安心感があるレガートでつないでゆくのですけど、決して甘ったるく感じさせないのはウィーンの職人技の成せるところかと。

第3楽章でも自然な高揚感、そして第4楽章の嵐の場面ではオケが強奏しているのですけれども響きの角を落とし刺激的な音を廃しても充分迫力。 そしてそのままのテンションを保ったまま終楽章の突入して高らかに歌いあげてゆきます。 変わったことは何一つしていない穏やかな田園ですが、それだけで終わらない懐の深い職人技の光る田園交響曲でした。

NAXOS MUSIC LIBRALY では、第5番や第7番はあるのですが、第6番は見当たりません。 ただし、田園交響曲で検索すると、第1楽章のみ出てきました。

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ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲第3番 op.72a
ベートーヴェン/交響曲第6番へ長調op.68「田園」
   ヨーゼフ・クリップス指揮 ロンドン交響楽団
    録音: 1960年1月 ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール (ロンドン)

レコード・プレーヤは、Techinics のリニアトラッキング・アームによる SL-6 (SL-10 や SL-7 のような人気機種ではないので安価で捕獲)。 YAMAHA の GTラックの上に置くと、周りにスペースが開いて淋しいので怪獣のソフビ人形を置いてます。
子供が小さい頃に買求めたものですが、親の趣味が反映されてます。 ジャイガー、ギロン、バルゴン、バイラス、ジグラ、ギャオス(これらは初期のガメラ・シリーズですね)あと、モスラ、ウィンダム(ウルトラセブンのカプセル怪獣、セブンが戦えないときに代理で戦ってくれる怪獣ですね)、ウルトラセブン、イカルス星人、エレキング、キングギドラです。

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2020年09月13日

アンセルメ/スイス・ロマンド、ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」

新型コロナウィルス感染、第2波を抑えて、お家で良い音楽を♪

オーマンディのある種優雅な田園交響曲の響きが脳裏にこびりついているので、他の田園も聴きたくなりました。 そしてまず取り出したのが、朝比奈隆指揮大阪フィルのよる最初の録音。 学研によって録音されたものですが、これが意外と言っては失礼ですが、きちんとした演奏ですね。 これを次に取り上げようと、ネット検索していたら、なんと自分の書いた拙い文章が出てきました(朝比奈隆/大阪フィルの「田園」(学研盤)、若々しくそして懐かしい田園)。 これを書いたときは、おっちゃんまだ存命だったのですね。 とにかく、拙い文章とはいえこれ以上のことを今も言えるとは思えず、次の音盤を。

アンセルメ/スイス・ロマンド、ストラヴィンスキーの3大バレエ曲などのロシア音楽や、近代フランス音楽が守備範囲と思われがちですけれど、ベートーヴェンの交響曲も素晴らしいんですよね。 情に流されない現代的な解釈、そして何より男性的で骨太な音楽。 聴きごたえ十分です。 まっさらの部分からベートーヴェンに立ち向かってゆく朝比奈隆の学研盤の解釈にも通じる部分があるようですが、オケの重量感がまるで違いますね。 

冒頭こそ密やかな感じで始まりますが、低弦の厚みが次第に増してきてしっかりと曲を支えて進んでゆきます。 第3楽章での低弦をブレンドした響き、ホルンの強奏、そして嵐の場面でのティムパニの強打などなど、独欧系とはまた違う肌触りの柔らかい重厚な響きが腹にズシリときます。 ゲルマンらしいゴツゴツとしたような解釈や響きを採り入れるのではなく、よりストレートな解釈でしょう。 そのように演奏を展開させているのは朝比奈やオーマンディも同じだと思いますが、男性的な響きの衣をかぶっているのがアンセルメの魅力ですね。 終楽章の朗々として晴れやかな(それでいて重みのある)田園交響曲です。

またオマケで収録されている「プロメテウスの創造物」も重厚な響き。 こちらもストレートに音楽を展開させて、こちらも腹にズシリと響く演奏で聴きごたえありました。

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ベートーヴェン/交響曲第6番へ長調op.68「田園」
ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲op.43
   エルネスト・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
    録音:1959年

なおこのレコードは、どこで捕獲したか不明ですが、キング・レコードより1961年に2,000円で発売されていたものです。 いわゆるペラ・ジャケの見開きで、開くと田園風景が広がります。 このレコードと同時期に発売されていたアンセルメのシェエラザードやカルメン組曲などのジャケットも広げることを意識したカッコ良いものでした。

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レコードは中折れの部分よりベートーヴェンやアンセルメの写真の下にあるポケットに入れる仕組みです。 解説は、村田武雄さん、簡単ながら譜例も示したアカデミックなものです。 クラシック音楽は高尚、そんな時代でしたね。

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2020年09月05日

オーマンディ/フィラデルフィア、ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」

新型コロナウィルス感染、第2波を抑えて、お家で良い音楽を♪

フィラデルフィアサウンド、1970年代の中学生時代よりクラシック音楽を聴き始めましたが、その頃は血気盛んで何も判らずに(今も判っているかははなはだ怪しいところですが)ムード音楽じゃあるまいし(なんじゃい)、なんて思っていましたけれど、馬齢を重ねて還暦を越えてしまったこの身には優しく心に響くようになりました。 そしてこのところ「田園」がお気に入りです。

いつの頃に捕獲したか記録が見当たりませんが、CBSソニーの2枚組2,500円のレコード。 「田園」「英雄」の2枚組です。 2001年秋、オーマンディによるブラームスの交響曲第1番のレコードを聴いてフィラデルフィアサウンドの裏に潜む重厚さに気づいたので(その時の記事)、その後どこかの中古レコード店で捕獲したのでしょうね。 まったく記憶にありません。

久しぶりに「田園」をターンテーブルに載せて、肌理の細かな暖かい音色による冒頭の響きから惹き込まれました。 シアワセな気分になりますね。 そして第2楽章の明るい木管楽器の響き、第3楽章でのホルンの柔らかな音色などなど、フィラデルフィアサウンドを満喫できますけれど、本当の魅力は分厚い弦楽器の響きなんですね。 嵐の場面などでもきちんと揃ったまま流れるように音量は上がっても無理なく自在に音楽を進め、そのまま終楽章そしてフィナーレへと進めてゆく完成度の高さは、ほんと見事としか言いようないなぁ。 凄い巧いオーケストラです。

オーマンディの統率力の成せる技なのでしょうが、全体が明るく柔らかな響きに覆われているせいか指揮に対応するオケのピリピリとした緊張感などありませんね。 すべてが計算され尽くされているのかとても自然な音楽の流れに身を委ねる感じ。 ライナー/シカゴなど、ピンと張りつめた緊張感が顔を覗かせるので、若い頃はある種このような判りやすいのに目(耳)が行って、スリリングさを面白がっていたりもしましたけれど。

「英雄」は堂々とした演奏ですね。 基本的に上述したとおりでもあるのですが、「田園」と比べると見せ場が少ない曲ですから、聴きどころが少ないみたい。 キレの良さとか、スピード感もって割り込んでくるティムパニの強打、を期待すると裏切られる演奏ですね。 揺るがない演奏でもあります。

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ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調op.55「英雄」
ベートーヴェン/交響曲第6番へ長調op.68「田園」
   ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
    録音:1961年4月9日(英雄)、1966年1月26日(田園)、フィラデルフィア、タウン・ホール


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2020年08月12日

バルビローリ/ハレ管、チャイコフスキー/交響曲第4番

新型コロナウィルス感染、第2波を抑えて、お家で良い音楽を♪

連日の猛暑・酷暑ですが、夏季休暇期間中も毎朝散歩しています。 だいたい朝9時までに10,000歩が日課となってます。 本当は、もっと早起きして8時までに戻って来たいところですが・・・ それはさておき、早朝散歩をしながら愛用のメモリプレーヤで音楽鑑賞しています。 ブログの毎日更新を止めてしまったので、適当に聴いてますけれど、久しぶりに聴いた、バルビローリ/ハレ管によるチャイコフスキーの交響曲第4番を聴いて嬉しくなってしまいました。 バルビ節全開、面白い!

チャイコフスキーの交響曲って、第1番「冬の日の幻想」を除いて、あまり自分から聴こうって思わないんです。 特に後期交響曲と呼ばれる4番、5番、6番なんて、最近では演奏会で耳にするくらい。 自分から盤を取り出して、選んで聴く、なんてことしたことありませんでしたが、この時も朝陽がまぶしくってメモリプレーヤの表示が見づらく、適当に選んでいたら、かかってしまった、そんな感じ。

バルビローリ/ハレ管によるチャイコフスキー、10年ぶりかなぁ、たまには、って聴き始めましたけど、やっぱりバルビローリですね。 第2楽章のメランコリックな旋律、バルビ節全開。 あまり耳にしない内旋律を重ねて歌わせたり、テンポを大きくうごかしながら歌いあげてますね。 そして終楽章が圧巻。 アッチェランドかけると、オケが猛烈に応え、ティムパニなど皮が破れそうなくらいの強打を連発して、あの温厚なバルビローリがやりたい放題、もう嬉しくなってしまいました。

オケのアンサンブルはあまり巧くなくって、ソロ楽器も少々怪しそうで安全運転を決め込んだり、何といっても録音が良くなくてデッドな響き、条件は決してよくありませんけれど、そんな中でも各パートの旋律を絡め、自在に歌わせ、バルビローリは自分の音楽の世界にとっぷりと浸ってますねぇ。 手兵ハレ管を自在に繰って自分の音楽を奏でられるって幸せでしょうね、聴いているこちらも幸せのお裾分けを頂いた気分です。

連日散歩をしていますので5番、6番、フィルアップされた小品も聴きましたけれど、やっぱ最初に聴いた4番が印象的ですね。 5番が面白いというネットの意見もありますけれど。 これらもまた NAXOS MUSIC LIBRALY で聴けます。 いかがでしょうか。

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チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調 op.36
チャイコフスキー/幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
  ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
    録音:1957年5月27,28日、1969年7月19日(ロメジュリ)


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2020年07月18日

エッシェンバッハ、モーツァルト/ピアノソナタ「トルコ行進曲付」

新型コロナウィルス感染、第二波防止に備えて、お家で良い音楽を♪

前回、ピリスを採り上げてから、モーツァルトの「トルコ行進曲付き」ソナタを愛聴するようになりました。 その比較試聴のために、アナログのレコードですが、クリストフ・エッシェンバッハのアルバムを聴いていたらこちらも、イイネ♪ と、今回はエッシェンバッハとなりました。

クリストフ・エッシェンバッハさん、孤児だったのですね。 以下、Wikipediaより

母マルガレーテ(旧姓ヤロス)は、出産と引き換えに亡くなった。ブレスラウ大学(現ヴロツワフ大学)の音楽学者だった父ヘルベルト・リングマンは、第二次世界大戦中にナチスの懲罰部隊に入れられ戦闘で命を落とした。孤児となったクリストフは、1946年、母の従姉妹であるヴァリドール・エッシェンバッハ(旧姓ヤロス)に引き取られる。
本人は次のように述べている。「悲惨な過去の生活のせいで口をきくこともできなくなっていたのである。ヴァリドール・エッシェンバッハはピアニストにして歌手、そして音楽教師で、夜遅くまでベートーヴェンやシューベルト、ショパン、ラフマニノフやバッハを弾いていた。私がまた口をきくことができるようになったのは、自分でも音楽を演奏したいか、と尋ねられて『はい』という言葉を発したときだった。

今では指揮者として名をはせているエッシェンバッハが、まだナイーブな青年だった頃に録音された、モーツァルトの「トルコ行進曲付き」ソナタ。 ピリスのも好きですが、エッシェンバッハのもまた、華燭とは別次元の純粋無垢な気持を呼び起こしてくれるような名演奏ではないでしょうか。

ピアノ教則本ペータース社のソナタ・アルバム、その教則本の順番にしたがってエッシェンバッハが録音したレコードも持ってますが、堅苦しい模範演奏にとどまらず、曲の持つ良いところをそっと届けてくれるようです(ピアノ弾けないもんで教則本に苦しめられた経験もありませんし)。 図書館で借りて録音したソナチネ・アルバムも時おり聴いていたりもします。

ピリスのもそうですが、若者が持つ特有の研ぎ澄まされた感性でしょうね、とても新鮮に感じられます。 そして自然な音楽の流れ、華燭ではなく、音楽が自然と呼吸しているようです。 これは、テクニック的にはとっても難しいようですね。 ペダルを出来るだけ使わず、指先だけのコントロールで制御しているようですね。

個性的な演奏ならグールドとかのレコードも持っていますけれど、CDではピリス、LPではエッシェンバッハのがいいな。 NAXOS MUSIC LIBRALY でも聴くことができます。 ピリスに旧盤はないみたいです。

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P7183004 posted by (C)fronte360

モーツァルト/ピアノソナタ 第11番 イ長調 K.331(300i)「トルコ行進曲付」
モーツァルト/ロンド ニ長調 K.485
モーツァルト/ロンド イ短調 K.511
モーツァルト/ピアノソナタ 第10番 ハ長調 K.330(300h)

  クリストフ・エッシェンバッハ(P)
    録音:1967年5月22-24日 ベルリン、イエス・キリスト教会


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2020年07月05日

ピリス/ジョルダン、ショパン/ピアノ協奏曲第1番、第2番

新型コロナウィルス感染拡大防止のために外出を控えて、お家で良い音楽を♪

今日も早朝散歩で1万歩ほど歩いてきました。 今朝は折畳傘をリュックに入れ、マスクも忘れずに携行したので、順調な滑り出し。 愛用のメモリプレーヤで聴くのは、昨日の実家詣の時に聴いていた続き、ショパンのピアノ協奏曲第2番。 ポルドガルの女流、マリア・ジョアオ・ピリスが 1977年に録音した旧盤ですね。

ショパンのピアノ協奏曲って、実は大好きなんですね。 でも、かつては美味しいメロディはピアノが全て持ってゆく協奏曲って、どこが良いのかさっぱり判らない時期が長くありました。 それに、男子たるものショパンが好きとはなんじゃい、男子ならベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、そしてマーラー、ショスタコーヴィッチ・・・、そんな感覚もありましたものね。 でもね、言い方悪いと思いますが、眉間に皺を寄せるような精神性の深さって必要なんでしょうか、ね。 美しい音楽をただ聴いていたい、でいいんじゃないかな。

その美しいショパンのピアノ協奏曲を存分に楽しませてくれるのが、このピリスがジョルダンと組んで録音した旧盤。 あいにくクリヴィヌと組んだ1番、プレヴィンを組んで録音した2番の新盤は未聴ですけれど、精神的に深くより繊細(神経質)になってゆく後年のピリスよりも、若きピリスの持つ清新さ、詩情の豊かさに気品を加えた演奏が似合っているような気がします。

オーケストラもモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団、超一流ではないオケがある種の寂莫感のようなものを増幅させているように思えます。 なんとなく紗がかかったようで少々遠い感じのする録音によるところも大きいと思います。 寄り添うようなファゴットなど木管の響きがお気に入りです。 特に第2番の協奏曲がいいな。

ちょうどメモリプレーヤに、中村紘子さんの第2番が入っていたので、それとも聴き比べました。 中村さん、頑張ってますね。 低音など強いタッチですし高音も華やかです。 ロシアで鍛えられたテクニックでしょうね。 またオケ(フィストゥラーリ/ロンドン響)も録音が良いせいもあって、手に取るような明快さで付けています。 ロマンティックを前面に出してますね。 でもそんなにハッキリとしたら疲れてしまいますよ(個人的に)。

ピリスさん、低音も高音も控えめ、タッチも軽め。 でもそれでただ各旋律をなぞって美しく奏でているのではなくて、ショパンが持っていたであろう望郷の思いや人生観などを表現しているように思えます。 そして先に書いたように、若さが持つ生一本なところもあって重くなりすぎず、甘ったるいだけの詩情にも陥っていない。 そんな風なことを感じながら自宅でも第1番、第2番とも聴き直していました。 NAXOS MUSIC LIBRALY でも聴くことができます。

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P7053003 posted by (C)fronte360

ショパン/ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11
ショパン/ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
  マリア・ジョアオ・ピリス(p)
   アルミン・ジョルダン指揮 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
     録音:1977年7月 モンテカルロ歌劇場


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2020年07月04日

ベニー・グッドマン、モーツァルト/クラリネット協奏曲、クラリネット五重奏曲

新型コロナウィルス感染拡大防止のために外出を控えて、お家で良い音楽を♪

前線の影響で九州では猛烈な雨、大雨特別警報が出て避難指示も出ているようです。 奈良は、早朝に強い雨が降っていましたが、ウェザー・ニュースによると朝7〜9時頃には雨マークがあっても降水量が1ミリ予報。 雨雲レーダーで見ても、しばらくは強い雨雲がやって来なさそうなので、この間隙を縫って早朝散歩に出てきました。 9時過ぎに帰宅、1万歩弱でした。

慌てて出たのでドタバタで・・・マスクを忘れて取りに帰り、マスクを持って出ると持って出ていた傘を置き忘れて、また家に戻って、情けないやらイライラとしてしまいました。 その時に愛用のメモリプレーヤで聴いていたのが、チャイコフスキーの交響曲第1番第1楽章。 こりゃ余計にイライラするばかり、と思って、ベニー・グッドマンのモーツァルトをチョイス。 気分が晴れました。

ベニー・グッドマン、言わずと知れたスィングジャズのクラリネット奏者ですが、モーツァルトを愛していたことは映画「ベニイ・グッドマン物語」でも描かれていましたね。 クラリネットの名手レジナルド・ケルに個人レッスンも受けていただけあって、意外と(と言っては失礼ですが)基本に忠実な演奏ではないでしょうか。 ヴィブラート満載で気持ち悪い、そんな意見もあるようですが、そうかな。 協奏曲の終楽章で聴かせる伸びやかなフレージングなど、好きですけどね。 モーツァルトが好きなんだな、楽しんでいるんだな、と感じさせるのは、聴き手としても幸せなことではないか、と思えるのですけれど(モーツァルトさんが嫌いでなければ)。

クラリネット五重奏曲の方が、ボストン響の首席奏者からなるカルテット相手だからでしょうか、ちょっとアカデミックな演奏を志向しているようにも思えます。 でも後半の2つの楽章になると明快な演奏でノッてきているような感じも。 ただ手持ちのCDでは、音量が上がると左の音がやや潰れ気味(メモリプレーヤで気付いたのでCDでも確認しましたが)?? NAXOS MUSIC LIBRALY では大丈夫みたい。 なんせこのCD、1991年に新星堂がリリースした1000円盤ですものね。

そんなこんなウォーキングより自宅に戻ってシャワーを浴び、散朝を食べながら、CDを取り出して聴きなおしては、NAXOS MUSIC LIBRALY でも確認したり、ゆるりとベニー・グッドマンのモーツァルトで過ごしています。 予報どおり奈良でも10時を回ったあたりより雨音が強くなってきました。 九州など各地で大雨の被害が出ませんように。

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P7043001 posted by (C)fronte360

モーツァルト/クラリネット協奏曲 K. 622
モーツァルト/クラリネット五重奏曲 K. 581
  ベニー・グッドマン(cl)
   シャルル・ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団
   ボストン・シンフォニー弦楽四重奏団
     録音:1956年7月 米国マサチューセッツ、タングルウッド


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2020年06月28日

バックハウス/イッセルシュテット、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番

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以前、トムシックによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を採り上げたとき、CD棚を漁っていたら、「鍵盤の獅子王」ヴィルヘルム・バックハウスとイッセルシュテット/VPOによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集も出てきました。 持っていたことすらすっかり忘れてました。 トムシックとの比較試聴では、獅子王に登場いただくのもちょっと気が引けたこともあり、内田光子や(記事にはしませんでしたが)杉谷昭子の演奏を聴いていました。 そしてここにきてようやく順不同でぽつぽつとバックハウスによるベートーヴェンのピアノ協奏曲に耳を通しましたが、これらの演奏でもまた今までの「鍵盤の獅子王」のイメージをちょっと改めないといけないみたい。 これまでいったい何を聴いていたんでしょうね。

鍵盤の獅子王という言葉の響きより、まっさきに第5番「皇帝」を聴きましたけれど、意外と大人しいというか、均整の取れた演奏なのですね。 もっとバリバリと弾きこなしてゆくのかと思いきや、しごくまともな感じ。 晩年ですからね。 それでもバリバリっていう感じですと、第3番がまだ獅子王に近いのではないでしょうか。 オケも気合入ったサポートしていますし、何よりカデンツァが圧巻でした。 いずれの曲も、余裕を持った表現と均整の取れた構成を持った、落ち着いた演奏といって良いと思いました。 そして何よりイッセルシュテットとウィーンフィルによる伴奏も魅力的ですね、緩徐楽章でのしっとりと寄り添うサポート、急速楽章でのバックハウスとの覇気あふれる伴奏もまたしっかりとしていて、はみ出すことがありません。 安心して聴いていられます。

そして通して5曲を聴いてみて一番感銘を受けたのが、第4番でした。 冒頭のピアノの楚々とした響き、そしてしっとりとサポートするオケによる共同作業が進められる。 ウィーンフィルという楽器もまた魅力なのかもしれません。 しかしバックハウスのピアノ、緩徐楽章でのキラキラと輝くような響きも、急速楽章での力強い響きもまた透き通るようで、そして何より節度が感じられる。 鍵盤の獅子王の荒ぶるイメージからは離れますが、とても格調高い演奏だと思いました。

この演奏もまた NAXOS MUSIC LIBRALY で聴くことができます。
そしてベートーヴェンのピアノ協奏曲(全5曲)、交響曲(全9曲)にシェリングによりるヴァイオリン協奏曲と序曲集もそえたハンス・シュミット=イッセルシュテットのアルバムが NAXOS MUSIC LIBRALY で聴くことができます。

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P6283000 posted by (C)fronte360

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
   ヴィルヘルム・バックハウス(P)
   ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
    録音:1958年 ウィーン、ゾフィエンザール

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2020年06月27日

ノイマン/チェコフィル、マーラー/交響曲第5番

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今では時々思い出したようにしか聴かなくなりましたが、今から30年ほど前にはほぼ毎日にようにマーラーの交響曲をとっかえひっかえ聴いていたものです。 特に毎週末の金曜日はお決まりでマーラーの交響曲第9番を聴いていたものでした。 結婚前は、LPレコードからカセット・テープにダビングしたノイマン/チェコフィルの第9番の演奏がお気に入りでした。 チェコフィルの卓越した美しい響きによる整った演奏ですね。

CD時代になって期待して買ったノイマン/チェコフィルのマーラーの交響曲。 まずは第1番、下手ではないけれど、どこか掴みどころがない感じ。 続いて第5番にも期待しましたが、こちらも美しい演奏でしたが、ここぞという場面で響きが弱かったりして物足りず・・・第9番で受けていた感銘には届きませんでした。 そのうちベルリン・クラシックより、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(LGO)との第5番がリリースされ、以降第6、7、9番と買い揃えましたが、いずれも音楽に推進力があってだんぜんLGOとのマーラーが面白い。 そんな個人的評価を持っていて、今回もLGOとの演奏を採り上げるべく聴いていましたけれど、念のためにチェコフィルとの第1番、第5番も再聴。 今までの考えをちょっと改める事態に至ったので、あえて今回はチェコフィルとの第5番(1977年録音)を採り上げたいと思います。

ノイマンがマーラーの交響曲第5番を録音したのは3度、1965年のLGO、チェコフィルとは1977年、1993年の2回。 1977年録音はチェコフィルとの一連のマーラー・ツィクルスの最初期の録音。 第1楽章冒頭よりミロスラフ・ケイマルのトランペットが朗々と鳴り渡り、第1楽章はトランペット協奏曲のように美しいラッパの響きで彩られています。 またホルン、ズデニェク・ティルシャルも美しい響き。 この両者をフィルアップしながら、弦楽アンサンブルも艶やかです。 しかし全体的には抑えた表現で丹念に曲を進めてゆきます。 LGOですと、ちょっとささくれだった響き、それをグィグィとまではいきませんが、推進力をもって進めてゆきます。 比べて聴くと、解釈には大きな違いは無いようですが、少々鳴りのわるい楽器を使って自分の表現をできるだけ出そうと努力している風にも思えますね。

第3楽章スケルッオの終結部、チェコフィルとで美しい響きの余韻を残すかのようにすっと終わります。 血気盛んだった若いころは、とても物足りなく思えたものです。 LGOとでも、すっと終わろうとしていますが、オケに力みが残っている感じですね。 第4楽章のアダージェットの美しさはチェコフィルの完勝。 少々鼻につくような美しさ、これも血気盛んだった頃には受け入れがたかったのかもしれません。 この楽章が終わった余韻に浸りながら第5楽章の冒頭の響きを味わうのが好きです。 やはりチェコフィルは美しい響きですね。 木管はもとより弦楽器がすべすべしています。 美しい響きを織りなしながら、けっして無理せず穏当。 これを実現することは実際にはとても難しいことなのでしょうが、穏当で予定調和でなんとなく物足りなく感じてしまう・・・そんなこともまた分かるような年代になってしまった、ということですね。

チェコフィルとの第5番は、NAXOS MUSIC LIBRALY 。 ここではチェコフィルとの全集も聴くことができます。 またLGOとの第5番も NAXOS MUSIC LIBRALY にありました。

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マーラー/交響曲第5番
   ヴァーツラフ・ノイマン指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
    録音:1977年 プラハ、芸術家の家

posted by fronte360 at 07:31| Comment(0) | 20-LP/CD音楽(Classical) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする