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2020年11月16日

大阪市民管弦楽団 第91回定期演奏会

日時:2020年11月14日(土) 18:00開演(17:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調「英雄」
   ショスタコーヴィチ/交響曲第9番変ホ長調
   チャイコフスキー/序曲「1812年」

指揮:牧村邦彦


コロナ禍となって初めての演奏会。 月並みながら、やっぱ生の音はええなぁ。 さっそうとした開始のエロイカ・シンフォニーは、曲が進むにつれて恰幅の良さを増し、円熟味を増した牧村さんと市民管による音のドラマを堪能しました。

コロナ対策を徹底した演奏会。 指定席の引き換え後、チケットに名前・住所・電話番号を記載、入場前の体温チェックと手の消毒のあと、チケットを自分でもぎって名前などを書いた長片を投函します。 ホール定員を半分とし、1席づつ開けた座席指定。 しかもステージ前の3列は空席として距離を保ってました。 アナウンスでは空調により10分で空気が入れ替わる、オゾンによる抗ウィルスなどとうたってました。 そんなホールに一番乗り、座席は2階バルコニー LD-1。 第1ヴァイオリンの真上、指揮者の牧村さんの表情がよく見える席ですね。

プログラムは簡潔に書かれていて、曲紹介など最小限。 演奏曲目は上記のように書かれているのみ(どこで休憩に入るかの記載もなし)。 この順番でするの? 普通逆やけど・・・と思ってステージを見るも、ステージ後方にはティムパニ1台のみ。 トップは、やっぱりエロイカ・シンフォニーやろな、と想像。 なお弦楽器奏者の譜面台は1人1台。 管楽器の方の座席もやや広めの間隔でしょうね。 そして三々五々団員の方がステージに集まってきて定刻となりました。 弦楽器の編成は、通常配置で 7-9-7-9-7。 第1ヴァイオリンが少ないですね。 弦楽奏者と打楽器奏者の方はマスク着用、牧村さんはマウスガードを着用しての登場です。

エロイカ・シンフォニー、軽快な打音で颯爽とした開始。 引き締まった楽器の生音がホールに響きます。 やっぱ生はええなぁ。 コントバスは正面がこちらに向いていますので、いい感じで低音が絡んでいて、牧村さんが颯爽と曲を進めてゆきます。 主題を繰り返し、展開部に入る頃より音楽が次第に熱くなってきたようです。 牧村さんらしくカッコ良い音楽造りなんですが、腕の動きは少なく、要所を締めているのですが、徐々に恰幅の良さ出て、流れる音楽にドラマが感じられるようになりました。 オペラ指揮者としての円熟の味でしょうね。 第2楽章の葬送行進曲も同様に、軽めにスタートして徐々に厚く熱くしていたようです。 濃厚で充実の楽章でした。 第3楽章スケルツォは最初から熱い音楽、木管奏者の好演もありますが、ホルンのトリオも充実。 目の前、左から右にホルンの音が飛んでゆくのが判るようでした。 そしてインターヴァルを少な目にとって熱い終楽章に突入。 各パートがよく揃って充実した変奏曲、オーボエはここでも好演。 終結部でのティムパニの打ち込みが気持ち良かったな。 そして牧村さん、アッチェランドなどかけることなく、常に冷静にオケをコントールしながらも十分に熱く充実した音楽を終えました。 曲の流れにドラマ性を感じさせた聴き応えのある素晴らしい演奏でした。

20分間の休憩のあと、ステージ上には打楽器が増え、コントラバスも1本追加されたようです。 弦楽器は 8-8-7-9-8 の編成、第1ヴァイオリンも増強されました。
ショスタコの第九、こちらは恰幅の良い堂々たる音楽でしたね。 総力戦の様相。 増強されたコントラバスの影響でしょうか。 ビンビンと響いてきました。 しかし個人的には、この曲はもうちょっとアイロニカルで洒脱な雰囲気での演奏が好みなので、ちょっと違和感をもった次第。 増強されましたが、第1ヴァイオリンの響きが薄く感じて、コンミスによるソロもちょっと遠い感じ、座席の影響からかもしれませんね(第1ヴァイリンの後方でしたし)。 しかし、演奏は低音金管楽器軍の健闘、ファゴットもシブイいい音でしたね。 音楽としては、とてもよく纏まっていたいい演奏だと思いました。

最後(トリ)は、チャイコの1812年。 冒頭、9本のチェロと4本のヴィオラによるロシア正教会の讃美歌が豊饒な響きで素敵でした。 うっとり。 掴みはバッチリで、この後も充実した演奏が展開されました。 そしてタイトでスピード感のある戦闘シーン、トランペットのソロも艶やかで素晴らしかった。 小康状態となり、ここをたっぷりと唄わせようと牧村さんも力が入ります。 2回目の小康状態だったかな、第1ヴァイオリンに向かって、ラ〜ラ〜♪ と思わず大声で唄って(唸って)ました。 入魂の演奏。 オケもまたそんな牧村さんによく反応して素晴らしい。 最後の戦闘シーン、大太鼓による大砲も見事でタイトで思い切りよく引き締まった打音。 ド迫力ありました。 カリヨンの鐘が打ち鳴らされ(第1ヴァイオリンの後方だったので自席からは見えませんがホールに響き渡って)祝典感満載(コロナ禍に打ち勝ったかのよう)な大団円。 聴き応え充分、満足した演奏でした。

コロナ禍のためか(練習時間がとれなく本番曲に集中?、演奏時間を短く?)アンコールはなし。 練習も大変だったことでしょう。 久々に聴いた生演奏ですが、そのことだけでなくよく練習されてよく纏まった演奏はやっぱり良いものですね。 特にエロイカ・シンフォニー、ドラマ性を感じた演奏に接することが出来たのは大きな収穫でした。 十分に満足した演奏会でした。 幾多の困難のなか、演奏者および演奏会に関わられたすべての関係者の皆さんありがとうございました。 そしてお疲れさまでした。

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2020年02月29日

オーケストラ・ソノリテ 第38回定期演奏会

日時:2020年2月23日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:いたみホール・大ホール

曲目:サン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」より「バッカナール」
   チャイコフスキー/バレエ組曲「白鳥の湖」より
    「情景」「ワルツ」「白鳥たちの踊り」「ハンガリーの踊り」「終曲」
   ラフマニノフ/交響曲第3番
(アンコール)ラフマニノフ/ヴォカリーズ

指揮:白谷 隆

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P2292486 posted by (C)fronte360

キビキビとオケをドライブする白谷さん、よく訓練されたオケが白谷さんにきちんと反応していました。 ソノリテ、その名のとおり響きの美しさも特徴的ですが、キレよくスピード感も十分にある演奏会を楽しみました。

サン=サーンスの「バッカナール」、白谷さんが大きく振りかぶって、ふわっとした響き、オーボエの凛とした響きによる上々の滑り出し。 金管も華やかで、弦アンサンブルもよく揃って艶やかです。 エキゾティック感もよく出ていました。 個人的にはもうちょっとエロっぽさが欲しかったかな。 カスタネット、女性奏者が台に右足を載せ膝のちょっと上あたりで叩いていたのも印象的でした。 活気ある音楽とした後半、ホルンの斉奏もパワフル、そしてぐぃっと盛り上げての着地。 聴きごたえ十分でした。 大きな拍手が沸きました。

続いて、チャイコフスキーのバレエ組曲「白鳥の湖」より5曲。 まずはお馴染み「情景」は、冒頭のオーボエの好演、瑞々しいハープ、情感たっぷりな見事な滑り出し。 壁のように響くホルンの強奏、弦アンサンブルは時に強く、時にしなやかに。 急激に盛り上げてパワフルな着地。
「ワルツ」、太い響きのピチカート、おちついた弦アンサンブル。 ちょっと艶消し気味の響きが上品です。 大きくうねるように盛り上げて、ぐっとこらえてはじけるようなたっぷりとした響き。 よかったですね。
「白鳥たちの踊り」、ファゴット裏で吹くクラリネットやフルートも美しく、上々の開始。 そんな木管と弦アンサンブルが艶やかに絡んで素敵でした。
「ハンガリーの踊り」、メリハリの利いた音楽、ここでも聴かせ上手な白谷さんの本領が発揮され、オケもそれによく応えてました。 引き締まった金管、力強い幕切れでした。
「終曲」、各パートがよく纏まって、引き締まった開始。 そのまま緊張感を保ったままティムパニも加わって雄大な音楽。 あまりの盛り上がりにティムパニ奏者の手よりマレットがこぼれてタイコの上をポンポンポンって転がりましたけど、態勢に影響なし(それほど力入っていたのでしょうね)。 急激な盛り上がりのあとはたっぷりとしたさせ、聴かせ上手な白谷さんですね。 各ソロにスポットライトを当てるような感じですが、オケもそれに応えて見事なソロを展開。 最後は落ち着いて、ぐっと底力をこめた演奏として全体を締めました。 ここでも大きな拍手。

15分間の休憩のあと、ラフマニノフの大曲・難曲でもある交響曲第3番。 こちらも白谷さんの指揮の元、オケの皆さんの好演が随所に光っていましたが、すみません、何故か曲全体としての印象が薄く感じた演奏でした。 終演後の会場からの拍手も、前2曲に比してちょっと少なかった印象。 皆さん曲を知らないってこともあるでしょうけれど、終演後のスピーチで白谷さんが、様々に絡み合っていて、とても難しい曲だと言われていましたように、個々の場面場面はよくできていても、全体でのまとまり感が希薄だったのかもしれません。 部分最適が全体最適にならなかった、ということかな(偉そうにすみません)。 これは指揮者の責任でしょうけれど。

第1楽章、クラリネットの太い響き、重厚な序奏より、オーボエ、ファゴット、第2ヴァイオリンと主題を繋ぎ、たっぷりとしたチェロによる第2主題。 シンフォニックな展開をキレよく進めます。 高音弦の数が少ないからでしょうか、もうちょっと粘り気あると、懐かしさも醸し出されたのかもしれませんね。
第2楽章、ハープの響きに乗せてホルンの遥かな響きで始まり、コンマスのソロがとても巧かったですねぇ。 情感漂う開始でしたね。 フルートやバスクラリネットも素敵でした。 中間部は活気のある演奏、突き抜けるミュート・トランペット、テキパキと進めてゆきます。 皆さん熱演なんですけど、全体としていまいちドラマを感じないのね。
第3楽章、スピード感を持った開始。 トランペットが雄弁でした。 第2主題も熱っぽく、白谷さんがキビキビと曲を進め、オケもよくそれに応えてました。 大太鼓入って重い響きがズシリ。 どこかアメリカンな響きによる演奏として、スピードアップ、パワフルに締めくくりました。 

アンコールは「ヴォカリーズ」、懐かしさをたっぷりと含んだラフマニノフらしい粘り気のある美しい演奏としてお開きとなりました。 メインの曲が交響曲第2番だったら、もっと違った印象の演奏会になっていたかもしれませんね。 でもみなさん巧かったですよ。 お疲れさまでした。

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2020年02月23日

オーケストラ千里山 第29回演奏会

日時:2020年2月16日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:いたみホール・大ホール

曲目:オッフェンバック/「天国と地獄」序曲
   伊福部昭/交響譚詩
   シューベルト/交響曲第8番ハ長調「ザ・グレート」
(アンコール)シューベルト/「ロザムンデ」より間奏曲第3番

指揮:佐々木宏

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天国的な長さとも称される「ザ・グレート」が秀逸でした。 何より常に締まった低弦がビシッと曲を支えていたのが良かった。 指揮者の佐々木さんがコントラバス奏者だからでしょうか。 芯がしっかりと通った上で、栄嶋さん率いる高音弦がアグレッシブかつ艶やかに、木管はチャーミングに美しいシューベルトの旋律を歌う。 すっかり魅了されました。 もちろん堂々とした金管ファンファーレ、ティムパニも落ち着いてしっかりと持ち場を守り、また打楽器扱いで見せ場のないトランペットもまた良い味を出して吹いてましたね。 いつまでも聴いていたかった「ザ・グレート」でした。

第1楽章、冒頭ホルンこそ慎重でやや手探りな感じは否めませんでしたが、頑張って乗り切ってからは艶やかな弦とチャーミングな木管が歌って惹き込まれました。 たっぷりと弾く栄島さん率いる高音弦や、しっとりしたヴィオラも素敵でしたが、5本ながらコントラバスがしっかりと曲を支えていて、また時にはぐぃっと切り込んで来るのに耳を奪われました。 以降ず〜っと低弦を主に聴いていたといっても過言ではありません。

第2楽章、やや音量が大きめのスタートでしたが、ここはオーボエ、クラリネットなど木管アンサンブルが大健闘。 さわやかでした。 そしてしっとりとした弦アンサンブル、第2ヴァイオリンも頑張ってましたね。 そしてここでもコントラバスが見事に会話をしていたのに魅了されて、たっぷりとシューベルトを味わいました。

第3楽章、重厚な弦とチャーミングな木管が交差するスケルツォ。 生き生きとした音楽ですが、ここでも低弦は表面にこそ立ちませんが、裏でしっかりとした良い味を出し、曲を支えてました。 中間部のトリオ、ややもっさりした感じもしましたけれど、主題を戻してからの木管の優雅な響き、力強い弦がまた交差して、力強い着地を見事に決めました。

終楽章、キレよく始まって快活で伸びやかながら、弦アンサンブルはとても力強く、アグレッシブな上々の滑り出し。 低弦ピッカート、まとまり感あってノリも良かったですよ。 時おり重い響きで打つティムパニも曲をしっかりと支えてました。 安定した土台にのって、音楽が延々繰り返され、雄大な音楽が素晴らしい。 そして畳みかけるように切り込んで、更に盛り上げてゆきましたが、最後は佐々木さんが腕をくるっと廻し、すっとした着地。 最近の解釈みたいですね。 スケール感も十分で覇気ある演奏に大満足しました。

アンコールのシューベルトの「ロザムンデ」間奏曲第3番、こちらも美しい演奏でしたね。 たっぷりとシューベルトを堪能させていただきました。 しあわせ。

これに先立って、冒頭のオッフェンバックの「天国と地獄」序曲、華やぎを感じさせた演奏でした。 何より栄嶋さんのソロ、ちょっと粘りつくような美音が耳に残りました。 オケは真摯でキレの良さと引き締まったダイナミズムを持った前半。 後半のお馴染みの運動会のメロディでは軽やかかつ迫力も秘めたしっかりとした演奏としていました。 運動会のメロディになると佐々木さん、ほとんど棒を振らず嬉しそうにオケを見て、オケを走らせておられました。

伊福部昭の交響譚詩は、総力戦ながら先ほどのキレの良さをそのままにしてストレートに進めた第1譚詩。 タイトに引き締めながらも渋い響きで彩った第2譚詩もまた総力戦。 オケの皆さんの真摯な気持ちが前向きに伝わってきた演奏でした。 とてもしっかりとした演奏で、芯のある低弦、突き抜ける金管、渋いヴィオラ、最後のしみじみとさせたコールアングレなどなど、とても巧くまとまった印象ですが、う〜ん、伊福部らしい土俗さが少々洗練されたなぁ、と少々欲張ってしまったりもした演奏でした。 偉そうにすみません。

とにかく、新型コロナウィルス騒ぎが続くなか、素敵な音楽に出会えて免疫力が高まりました。 ありがとうございました。 そして皆さんお疲れさまでした。


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2020年01月12日

西播磨交響楽団 第27回定期演奏会

日時:2020年1月5日(日) 14:00開演(13:30開場、後援会13:15開場)
場所:たつの市総合文化会館・赤とんぼ文化ホール・大ホール

曲目:第1部 音楽で世界一周!
    ロス五輪ファンファーレとテーマ
    映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」メドレー
    映画「ニューシネマ・パラダイス」メドレー
    タヒチ・トロット
    映画「天空の城ラピュタ」より「君をのせて」
    映画「アナと雪の女王」メドレー
    ジョン・ウィリアムズ・メドレー(スターウォーズ、ET、他)
   第2部 ニュー・イヤー・コンサート
    J.シュトラウス2世/喜歌劇「こうもり」序曲
    ヨーゼフ・シュトラウス/鍛冶屋のポルカ -*
    J.シュトラウス2世/常動曲
    J.シュトラウス2世/山賊のギャロップ
    オッフェンバック/ホフマンの舟歌
    オッフェンバック/天国と地獄
(アンコール)J.シュトラウス2世/美しく青きドナウ
(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー行進曲

独奏:見國一[師匠]、小田道哉[弟子](刀鍛冶実演)-*

指揮:原田芳彰

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青春18きっぷで行った甲斐がありました。 このように書いたのは5年前、2015年1月の第19回定期演奏会でしたが、今回もまた同じく、よく訓練されたオーケストラを、よく考えられた指揮でドライブし、良い雰囲気を醸し出していました。 前回と異なるのは、今回は1,100名入るホールが満員(前回はたつの市総合文化会館・アクアホールで座席数約500席なので倍以上の集客)。 満員の熱気のなかでの暖ったかい演奏会でした。

あと前回、指揮者の原田さんが一言もしゃべらず、ジェスチャーで進行していましたが、MCをされていたこと。 ここ数年MCをされているとか。 パンフレットに載っていないちょっとしたトリビアな情報を挟み込みながら、演奏する曲にうまく興味を結び付けていました。 しかも同年代(1コ下?)、宇宙家族ロビンソンとかの話題にもしっかりと追随できましたよ。
しかも今回、鍛冶屋のポルカで本物の刀鍛冶さんを登場させる企画で神戸新聞にも採り上げられたとか・・・超満員の理由はこんなところにもあったのかもしれません。 とにかく、よい演奏と知的で面白いMCによるニューイヤーコンサートとあっては、人気上昇なのもうなずけます。

ホールはJR姫新線・本竜野駅より徒歩20分ほどですが、せっかくなので10時過ぎに本竜野駅に到着。 国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された街並みを散策、龍野城、龍野歴史資料館、龍野公園より野見宿祢神社まで登って眺望も堪能してからの参戦となりました。

開演20分前に到着した赤とんぼ文化ホール。 長蛇の列で、会員の方を優先的に入場させていましたが、一般の方の長蛇は伸びる一方なんですが・・・最後尾を知らせるおじさんが、何を思ったのか内側にとぐろを巻くように誘導していたものだから、途中から列が崩壊(おじさんの姿も見えなくなりました)。 それでも誰も文句をいうこともなく、崩れた列のまま入場開始となりました。 いいお客さんですね。

雰囲気で混むことが予想されたので、座席は予め後ろから3列目27-15を確保しましたが、開演時刻にはここも満席となり、整列入場が始まる頃には立見のお客さんも現れるような状況となりました。 定刻、女性奏者の方々は各自カラフルなドレス姿で登場しますと、ステージがぱっと華やかになってニューイヤーの雰囲気。
ステージは、弦楽器の編成が 6-6-4-7-3 で、ヴァイオリンは両翼配置ですが、チェロ、コントラバスは右側に配置。 左のヴィオラの後ろには打楽器群が配置されてました。 ピアノはコントラバスの奥でしたね。
コンミスによるチューニングを終えると、指揮者の原田さんが黒のジャケット姿、インナーは黒の丸首シャツというラフないで立ちで登場。 第1部 音楽で世界一周!の幕開けは、ロス五輪ファンファーレ、華やかさの中にもしっかりとした落ち着きを持った演奏として始まりました。

お馴染みのナンバーの間には原田さんのMC、この効果もあって次々にかけられる曲毎に興味を抱かせられての鑑賞となりました。 演奏もまた、聴きやすく判りやすい解釈、要所に軽くスポットライトを当てたような感じ。 感心したのは、オケの各楽器の音のトーンが同じ、まとまりの良いところですね。 皆さんよく練習されたのでしょうし、日ごろからのチームワークの良さが出ているようにも感じました。 しかし安心しながらも、決して退屈しない、上質な演奏。 プログラムにはなかった、天空の城ラピュタの「ハトと少年」のトランペット演奏も、そんなほっこりとした感じ。 第1部のラストは、タイトなスターウォーズ、深い響きのジョーズなどの音楽も、オケの規模、身の丈をきちんと守ったうえでの熱演。 気持ちよく第1部 音楽で世界一周!を終えました。 身の丈をきちんと守りながらも、退屈させないなんて、本当に一所懸命で難しいことだと思います。 

20分間の休憩、指揮者の原田さん、第2部「ニューイヤーコンサート」は燕尾服に着替えての登場。 基本ここでの演奏の感想も第1部と同じですが、見どころは本物の刀鍛冶さんによる「鍛冶屋のポルカ」。 指揮台の斜め前に金床を置き、師匠と弟子の2人によるトン・テン・カン♪ ちょっとズレたのが元に戻ったりと、師匠の位置からは指揮台が身難いようで苦労されていましたが、お弟子さんは指揮者をまともに見える位置というメリットもあって重いハンマーを振り下ろし、なかなかどうして見事な一撃♪でしたね。 しかも2回も演奏されて、これぞ音を楽しむ、「音楽」の醍醐味を味あわせていただきました。 合せフェッチのように合わせるだけが能じゃありません。 よく判りました。

そして5年前にも聴いた「常動曲」、この時は原田さんはしゃべってなかったので、指揮をしながら道路標識の「とまれ」の逆三角形のマークを描いた紙を客席にゆっくりと持ち上げて示し、客席ににやりと笑いかけてのストップでした。 今回は指揮台をゆっくり降りて客席に向かって「終わりません、この曲には終わりがありません」と語ってのストップ。 このあと爪楊枝で指揮していたことを告白(小さくて見えませんでしたが)、プロでもこのような人が居るとのお話。 トリビアですね。 肝心の演奏もまた楽器の重なりもうまくハマって、いい感じでしたよ。

メリハリ利かせて楽しい山賊のギャロップ、落ち着いたサウンドのホフマンの舟歌、前半の木管のソロにうっとりさせられて後半の軽快なメロディも映えた「天国と地獄」、しかしここでも必要以上にドライブせずにしっかりとまとめた演奏を楽しみました。
カーテンコールで「この2曲が無いと盛り上がらない!」と原田さんがおっしゃって、アンコールとしてかけられた「ドナウ」と「ラデツキー」。 毎度これで新年の演奏会を締めておられるようですね。 お客さんも手慣れたもの。 原田さんに併せて手拍子を打ってのお開きとなりました。

じつは第1部の3曲目、演奏終了間際に突然演奏者の方が倒れるというアクシデントがあって、客席よりお医者さん探し、楽屋より毛布など持ってくるなどステージは大混乱もありました。 15分の臨時休憩もとって一時期どうなるか、と危惧しましたが、救急搬送されて命には別条ないとのこと。 安心しましたが、終演時間は16時半。 アンコール途中に席を立つ人もいらっしゃいましたけれど、大勢のお客さんが最後まで演奏会を楽しまれたようです。 終演後の笑顔にあふれたロビー、出口には刀鍛冶の見師匠さんが「弦楽器奏者募集」の小さなプラカードを持ってにこやかに笑っておられました。 長丁場となり心配もしましたが、暖かくほっこりともさせられた演奏会。 ここも ONE TEAM で頑張っておられる様子。 いい演奏会でした。 ありがとうございました。



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