2019年09月07日

ホール・バルティカ 第8回演奏会

日時:2019年8月25日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:リャードフ/魔法にかけれた湖
   エルベルディン/マニフィカート -*
   ワーグナー/タンホイザーより「巡礼の合唱」
   メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」より「夜想曲」
   ラッター/マニフィカート -**
(アンコール)失念

独唱:丸山晃子(S) -*,-**、高原いつか(MS) -*
バンドネオン:仁詩 -*
アルボカ(スペインの角笛):楠元美子 -*
打楽器:深田瑞穂 -*、川向千草 -*

合唱:混声合唱団ホール・バルティカ
管弦楽:セント・マーティン・オーケストラ

指揮:河崎 聡(音楽監督)

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スペインのエルベルディンと、イギリスのラターによるマニフィカトをメインにした演奏会。 スペインの民族楽器を交えてエキゾティックなエルベルディ、合唱と独唱が清らかに絡んで癒されるラター、ともに20世紀の宗教音楽とは清澄な祈りを感じさせるとても良い時間を過ごせました。

久しぶりのシンフォニーホールですが、まず驚いたのが自由席だったこと。 1回中央に特別指定席を設けておられましたが、2階席最前列も自由席。 あいにくホールに到着したのが少々遅くなってそこは断念しましたが、左サイドのLG-2を確保。 足元が広くてちょっと得した気分。

オーケストラの編成は 10-8-7-6-5 の対向配置。 自由入場で楽器練習される団員さんが徐々に増えて気分も自然と高揚しますね。

まずは演奏のみの曲でオープニング。 リャードフの「魔法にかけれた湖」ですが、初めて聴く曲ながら、ロシアの平原の夕暮れ時、遠くには影になった山脈が望め、残照の残る空には星が瞬き始めた・・・そんな絵巻物でも見ているような気分となりました。 気づくと舞台の照明もやや落とし、ステージ後方のオルガンの銀色のパイプには薄青い照明を当てるなど、なかなか良い雰囲気を作っていました。

合唱団は女声のみ、独唱者とバンドネオンも加わったエルベルディンのマニフィカート。 聖母マリアへの讃歌ですが、このエルベルディンのは晴れやかな華を持った曲調で、バンドネオン、アルボカという角笛、タンバリンなどの打楽器など随所にスペインそれも片田舎と解説にあるような風情が楽しめる曲ですね。 特に角笛、ツィンクみたいな形でしたがオーボエ奏者が演奏されるだけあってラッパではなく和音の出る笛のような音で魅了していました。 肝心の合唱・演奏ともにやわらかな響きを基調として刺激的な要素は(角笛を除いて)なく、美観を漂わせた演奏に身をゆだねました。

前半最後はワーグナーの「巡礼の合唱」、男声も加わって最後は力強く熱っぽく盛り上げました。 冒頭のホルンや木管など柔らかく落ち着いた響き。 いつもはアグレッシブな演奏のセントマーティンですが、今回はこの他の演奏もそうでしたが、包み込むような落ち着いたサウンドでした。 徐々に熱い演奏として、リリックな女声に力強い男声。 メリハリつけて、最後はトロンボーン、チューバの芯のある響きも交えて歌い上げました。

20分の休憩のあと、まずは演奏のみの曲としてメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」より「夜想曲」。 今度もステージの照明を落としてパイプオルガンに緑色の照明を当てて雰囲気を作っていましたね。 透明感の高い高音弦と落ち着いた低弦によるアンサンブルが印象的でした。 冒頭のホルンちょっと危なっかしい感じもしましたが、後半よく持ち直して包み込むような響きで曲をうまく彩っていました。

独唱のソプラノ歌手とハープが加わってラターのマニフィカート、ミュート・トランペットだったかないきなりバーンスタイン風の賑やかな開始。 合唱も明るい歌声で、合唱・管弦楽が立体的に響いていましたね。 続いて落ち着いた色合いとして、静かな力のこもった合唱。 決して暗くならず、河崎さん緻密に合唱もコントロールされて曲を進めます。 金管・打楽器が入って雄大な音楽なれば、合唱もまた堂々と歌って音対決のような感じとなりましたが、圧巻はそれが退いてからのソプラノ独唱と合唱の絡み。 清楚な独唱に座ったままの合唱もからんで自然なもりあがり。 うっとりとしました。 合唱はこのあと立って力強くミュージカル風となりましたが、またソプラノ独唱と合唱、ハープ、木管、そして弦楽四重奏などとの絡みがゆったりと流れていって癒しの時間。 独唱、ハープと男性合唱がポイントだったでしょうか。 そして最後はまたバーンスタイン風となって輝かしく、かつカッコよく幕となりました。

2曲のマニフィカートを中心に据え、管弦楽曲も配したオムニバス的な演奏会でしたが、曲の配置の妙もあって、各々の演奏、また演奏会全体としても充実した内容に満足しました。
もちろんそこには混声合唱団ホール・バルティカの一本筋が通っていながらも柔らかさを失わない声、いつもの古典派音楽で聴かせる尖ってアグレッシブな演奏とは一線を画し丁寧で柔らかく包み込むようなセント・マーティン・オーケストラの演奏、河崎さんを中心に一つにまとまっていたことが大きかったように感じました。 素敵な時間を過ごすことができました。 ありがとうございました。

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2019年07月06日

天理シティオーケストラ 第19回定期演奏会

日時:2019年6月30日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:天理市民会館やまのべホール

曲目:ボロディン/交響詩「中央アジアの草原にて」
   ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番
   (アンコール)ショパン/ノクターン第13番 op48-1
   チャイコフスキー/バレエ「白鳥の湖」組曲より
      情景、ワルツ、小さな白鳥の踊り、ハンガリーの踊り
   チャイコフスキー/幻想序曲「ロミオとジュリエット」
   (アンコール)チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「花のワルツ」
   (アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー行進曲

独奏:竹内 奏(p)

指揮:安野英之(常任)

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ドイツ仕込みの竹内さんの重厚なピアニズムが光っていました。 アンコールを褒めるのは良くないかもしれませんが、ショパンのノクターンがこんなにも深い音楽であったのか、と唸りました。 ピアノ独奏曲はあまり聴かないのですけれど、心にズシンと響くものを感じました。

その竹内さんが独奏をされたラフマニノフのピアノ協奏曲。 冒頭の和音の深い響き、たっぷりとしたオケもまた渋い響きで応えて、ロシア音楽というよりもドイツ音楽のような印象でした。 プレトークで、ピアノが約50年前のものなので、アクションが古いタイプだから速いパッセージへの追随性がイマイチ、そんなお話もありましたが、濃厚なロマンティシズムきらびやかなラフマニノフというよりも、質実としたドイツ風、艶消しを施した黒光りする重厚さがにじみ出ていたように感じました。

第2楽章も強めのタッチで大きな呼吸、気持ちを静かに込めていつくしむような感じ。 アタッカで入った第3楽章、オケとの呼吸もバッチリで一体感を持って進みました。 強めのタッチで重厚に響かせていましたね。 弦の編成が 7-9-8-5-5 の小型のオケですが、スケール感を十分に感じさせる伴奏は端正でありながら雄大さをも感じさせました。 そして両者ががっぷりと組み、しっかりとした着地でのフィニッシュ。 丁寧でとてもよく纏まった演奏という印象。 安野さんの的確なサポートですから当然といえば当然なのでしょうけどね(その分、わくわく感に乏しいのがちょっと残念だったかな)。

そしてこのあとのアンコールが、前述したとおり。 こんな演奏をされるのなら、竹内さんでベートーヴェンのピアノ協奏曲もいいかもしれませんが、個人的にはブラームスのピアノ協奏曲を聴きたかったですね。

これに先立って演奏されたボロディンの交響詩「中央アジアの草原にて」、刺身のツマのような演奏ではなくしっかりとした演奏としたい、安野さんが言われていたように、各パートが落ち着いた響きでよく纏まっていました。 丹念に場面を描き分けていて、聴き応えありました。

休憩のあとはチャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」組曲より4曲、いずれも落ち着いてしっかりとした演奏でしたね。 安野さんの判りやすい指揮のもと、オケが自然と鳴っている感じ。 テンポを揺らす事なく、強弱アクセントでメリハリをつけますが、それもやや控えめだったかな。 対抗配置にした弦楽器より低弦がやわらかく下支えしていたの好感が持てました。

最後のチャイコフスキーの幻想序曲「ロミオとジュリエット」もまた「白鳥の湖」と同様ですね。 恣意的な細工はせず美しく、音楽を自然な高揚感で描いてゆきます。 音量が上がってクライマックスになるとともに安野さんの指揮棒の動きは逆に小さくなって、オケの集中力を高めさせているようでした。 オケもよく訓練されていて、派手にならず落ち着いた雰囲気での纏まり感のある演奏でした。 ここでもしっかりとした着地を決めました。

アンコールは、「白鳥の湖」はチャイコフキーの初期の作品で鳴りが良くないけれど、ということで鳴りの良い「花のワルツ」。 確かに明るく響いた音楽で華麗な感じも出て面白かったですよ。 それにアンコールの気軽さもあってか演奏する愉しさも音楽に含まれていたように感じました。 そして最後はお馴染みのラデツキーマーチ、会場と一体感を持ってのお開きで気持ちよく会場を後にできました。 いつもながら上質な音楽を楽しませていただきました。 皆さんお疲れさまでした。



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2019年06月28日

オーケストラ千里山 第28回演奏会

日時:2019年6月23日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:豊中市立文化芸術センター・大ホール

曲目:ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」作品55
   チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調 作品36
   (アンコール)マスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲

指揮:井村誠貴

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気迫に満ち、真摯にベートーヴェンと向き合った素晴らしい「英雄」交響曲でした。 あまりに気迫に満ちた第1楽章が終わったあと、拍手が自然と沸き上がったのも納得です。 井村さんらしく、ダイナミックかつドラマティックな曲の進行ですが、それを見事な音にしたオケにも大きな賛辞を送りたいと思います。
低弦奏者出身の井村さんらしく7本の低弦をしっかり指導、1本に聴こえる太い響きで曲を支え、そして栄嶋さんの薫陶による高音弦は伸びやかで艶とコクのある響き、これらが見事に調和。 よく訓練された弦楽アンサンブルにしばしば耳を奪われました。

そして要所を締めていたのがティムパニ。 先の細いマレットで終始タイトな響きで曲を引き締め、またこれに絡むトランペットはまるで打楽器。 ホルンのような見せ場は無いものの、抑制をしっかりとかけて吹き、控えめな華やかさで彩っていたのも良かったですよ。

いつもなら、メモを取りながら聴いていたりするのですが、メモをとる時間も勿体ないほど、音楽に集中して聴いていました。

20分の休憩のあとチャイコフスキーの交響曲第4番もまた熱演。 ダイナミックで底力のあるサウンドで、緩急を大きくつけていたのも印象的でした。 ベートーヴェンのような深遠さを感じさせないのがチャイコフスキーらしいところでしょうね。

そのぶんアンサンブルがより緻密になったせいか、冒頭の弦アンサンブルでざわついた感じも受けましたが、熱い想いですぐに回復。 起伏を持ったスケールの大きな音楽、要所で井村さんらしい色付けもして聴き応え十分(見応えも十分)。

ソリッドに響く金管ブラスに対して、凛としたオーボエや端正な木管が熱い空気の清涼剤となっていましたね。 ただ楽器の数が少なくなるとアンサンブルの精度が荒く感じたところもありましたが、アタッカで入った終楽章は迫力満点ながらきちんと計算された堂々たる音楽。 押して引いて、メリハリを効か、起伏を作ってフィナーレへとしっかりと導いていったラスト、アッチェランドかけてゴールへと雪崩れ込んだ感動的なラストでした。 ブラボーの嵐。

思い返すと、英雄のフィナーレは最後の最後までしっかりと呼吸、計算された堂々たるゴールがいかにもベートーヴェンらしく共感しましたが、チャイコフスキーならこういったゴールやね、やっぱり。 どちらも納得度の高い演奏に満足しました。

アンコールもまた熱かったですね。 ふだんアンコールの感想は書かないけれど、マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲もまたよく歌っていて素晴らしかった。 たっぷりとした弦アンサンブルに凛としたオーボエ、オケ全体の響きに芯と花があって聴き惚れました。 そしてアンコールにもブラボーが飛んで、もうお腹いっぱいでホールを後にしました。

皆さんお疲れさまでした。 またこんな素晴らしい演奏会にご招待いただきありがとうございました。



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2019年06月23日

京都フィロムジカ管弦楽団 第45回定期演奏会

日時:2019年6月16日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:大津市民会館・大ホール

曲目:ベルリオーズ/序曲「海賊」
   シューマン/交響曲第4番(1841年版〜初稿〜)
   ニールセン/交響曲第2番「四つの気質」

指揮:木下麻由加

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ニールセン、音の密度の濃さが他とは違っていましたね。 ニールセンなど北欧音楽を研究されている木下さん、自家薬籠中の曲でしょうか。 オケもまた弦楽器の編成が 9-7-6-7-4 と小型ながらも、伸び伸びとよく鳴らした熱演でありました。

第1楽章冒頭、あれよあれよという快速で進行しましたが、オケの響きに芯と艶もあって、キレ味抜群の目が回るような見事な開始。 エネルギッシュな音楽が展開で引きづり込まれました。 指揮者とオケの自信の現れでしょう。 第2楽章は掴みどころのない曲調を、木下さんが身体全体を使ってうまくコントロール。 ファゴットやホルンも健闘していました。 第3楽章、重厚な響きに粘りも加えてシンフォニスト・ニールセンの面目躍如たる演奏。 素晴らしかった。 低音楽器の粘りに対して、高音弦は数が少なくて不利だったでしょうが、音量を上げてもヒステリックになることなく、常に艶やコクも感じさせる巧さが印象的でした。 終楽章、軽快にスタート、木下さんは細かなニュアンスつけながら駆けてゆき、ティムパニと弦との呼応、引き締まったブラスで盛り上げたあと、フィニッシュ前にはヴィオラと2ndヴァイオリンによる陰鬱な音楽。 このあと行進曲調としてキレのよい着地でした。 シンフォニスト・ニールセンを堪能しました。 これならアンコール無しも納得です。

これに先立って演奏されたシューマンの交響曲第4番(1841年版〜初稿〜)は、いくつか録音を持っていて、またよく聴く好きな曲であることもあって、少々辛口な印象。 前半の2つの楽章は、噛んで含めるような感じに思え、もうちょっとここで粘って欲しい・・・など思いつつ、さらさらっと進んでいった感じ。 後半の2つの楽章は、こなれてきたせいでしょうか、オケの響きに粘りも出てきたようです。 力強い第3楽章ではホルンがいい感じで割って入ったり、たっぷりとしたオケと引き締まったコントラバスの対比も良かったですね。 アタッカで終楽章にはじっくりと腰を据えて入り、力強く弾む主題。 そして軽やかに駆けてゆきますが、キレのよい高音弦を始めとして、弦パートの分離も良いのですが、全体の響きにくぐもったシューマンらしい雰囲気も漂ってきました。 力強いティムパニが入って堂々たるフィニッシュでした。 シューマンの交響曲ってきちんと整理されて演奏されると面白味半減、みたいに思っている当方には前2楽章は物足りなかった、と偉そうにすみません。

冒頭のベルリオーズの海賊が、オケの機能の高さを証明したような演奏。 ここも丁寧でよく纏まった演奏でした。 明るく元気に、どことなくディズニー音楽っぽくもあったりもして、よく纏まった巧い演奏でした。 が、それだけ、ってな感じもしましたが、オープニングの掴みは上々ってな感じに思いました。

何といってもニールセンを聴いてしまえば、前2曲は所詮「前座」の趣き無きにしも非ず、だったでしょうか。 それにしてもいずれも巧い演奏でしたね。 皆さんお疲れさまでした。



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2019年06月10日

奈良女子大学管弦楽団 '19サマーコンサート

日時:2019年6月8日(土) 14:00開演(13:30開場)
場所:奈良女子大学・講堂

曲目:奈良女子高等師範学校校歌 (*)
   シベリウス/フィンランディア
   ドヴォルザーク/「スラヴ舞曲集」より第2番、第10番、第15番
   メンデルスゾーン/交響曲第4番「イタリア」
   (アンコール)メンデルスゾーン/結婚行進曲

合唱:奈良女子大学音楽部 (*)

指揮:木下麻由加(客演)

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奈良女子大学創立110周年記念事業関連イベントの一環として開催された演奏会は、大学講堂で立見も出るほどの超満員。 また前回訪れた演奏会では団員の少なさを内心危惧していましたが、新人も20名以上加わったそうで、熱気に満ちた演奏会となりました。

冒頭、音楽部の合唱による現役団員が伴奏をつけた校歌の演奏。 伝統ある女子大らしく柔らかでのびやかな歌声で、格調高さもうまく出ていたように感じました。 校歌っていいのものですね。

団長さんによる挨拶、曲目紹介のあと、仕切り直してシベリウスのフィンランディア。 これがとても素晴らしい演奏でした。 木下さんと奈良女オケは相性が良いのですが、パワフルさには少々弱いところがあるので、巧くまとめてくるのかと思いきや、良い意味で期待を大きく裏切られました。 たっぷりとした冒頭(ここまでは予想どおり)、ティムパニの強打も予想どおりでしたが粘り腰でぐっと引っ張ったのにハッとしました。 続く低弦は3本ながら深くくぐもるような響き、金管管楽器も渋い響きとしてとても立派な演奏。 木下さん、北欧音楽がご専門のとのこと。 時に踏み込んだり、溜めて粘ったり、小技を折り込みながらも、実にスムーズに曲を進めていましたね。 巧い。 オケもまたそれによく応えて、深く沈み込むような低音、木管は朴訥とした響きで割って入るなど、よく耳にする音楽ながら聴きごたえ満点でした。 感動しました。 演奏終了後にブラボーが出たのも納得です。

オケのメンバーチェンジをしてドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」。 いずれも朴訥した味わいのある演奏でしたね。 言い方は悪いかもしれませんが、かつてNAXOSのCDで馴染んだ、東欧の田舎オケの雰囲気を感じました。
第2番、たっぷりとして素朴な雰囲気を持ってスタート、木下さんにリードされてとてもバランスよくまとめられていました。 第10番、一番耳馴染みが多い曲かな、でも爽やかさと軽快さを持った演奏。 木下さんがタメをつくったりもしますけれど、臭くならないのが実に魅力的。 よく考えられた演奏だと感心しました。 第15番、軽快ながらもしっとりしてて、木の香りがするような温かみのある演奏で幕としました。 終わってみて、実に素敵な選曲に気づきました。

15分の休憩を挟んでメインのメンデルスゾーンの交響曲「イタリア」。 耳馴染みのある曲ですし、当日朝には偶然バーンスタイン/NYPの演奏を聴いてしまっていて、少々ハードル高めだったので申し訳ないですが、ちょっと雑然とした感じに思ってしまいました。
でもね、第2楽章は秀逸でしたよ。 低弦に芯があって、ヴィオラも奮闘していて、これらがいい味を出していました。 そしてたっぷりと練り込まれた音楽、低弦の縁取りでこの楽章には唸りました。 第3楽章もよかったな。 まずホルンが健闘、やわらかくも張りのある響き、続くフルートもいい味で、じっくりと腰の据わった音楽としていました。 ただ両端楽章はちょっと逸る気持ちが出ていたのかもしれませんね。 ストレートな音楽、といえば聞こえはいいけど、個人的にはもうちょっと練り込みが欲しかったかな・・わっ〜と鳴っていた感じ・・・と、偉そうにすみません。

アンコールは全員が登壇しての結婚行進曲。 ステージ満載となった奏者もさることながら、会場もお馴染みのメロディでヴォルテージが上がって、盛り上がりましたね。 いいお開きとなりました。 皆さんお疲れさまでした。 次回も木下麻由加姉さんの指揮とのこと。 今から楽しみです。


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2019年06月02日

アンサンブル・フリー 第29回演奏会

日時:2019年5月26日(日) 13:30開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール

曲目:薮田翔一/歌曲集《小倉百人一首》より「悲歌集」(管弦楽伴奏版、世界初演)*
  (アンコール)薮田翔一/新元号「令和」の由来になった万葉集 梅花の歌 三十二首 序文
   マーラー/交響曲第6番(改訂版)

独唱:藤井玲南(S) *

指揮:浅野亮介

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進取の気質に富んだアンサンブル・フリーらしい演奏会。 薮田翔一さんは、Wikipediaによると兵庫県たつの市出身で1983年生、東京音楽大学・大学院にて研鑽を積まれ、世界各国で作品が演奏されている方とのこと。 小倉百人一首の全100首をピアノ伴奏、弦楽四重奏伴奏として作曲されており、今回は作者自らが悲しみに彩られた16首を選んで「悲歌集」とし、世界初演となる管弦楽伴奏版が演奏されました。

有名な小野小町による第1曲目「花の色は うつりにけりな いたずらに・・・」の透明感が高く集中力のある演奏で幕が開きました。 1曲が1分ほどの短い曲こともあってオーケストレーションは幻想的でもあるし、時にダイナミックにも変化していましたが、いかんせん大編成オケなので藤井さんの歌がかき消され気味。 1曲1曲がなかなか沁みてこず、オムニバス的な感じになっていましたけれど、そんな中でも藤井さんはしっかりとしたテクニックの持ち主であることはよく判る落ち着いた歌唱に凛とした魅力を感じました。

後半、パンフレットに書かれた歌詞を見ながら聴くようになり、かき消され気味な歌詞を目で補うことで曲・歌を楽しむ余裕が出てきたようです。 最初からパンフレットを見るべきだったかもしれません(贅沢を言うならばプロンプターで歌詞表示あればまた違った感想になったかもしれません)。 一番心に残った演奏は、点描チックな伴奏が印象的だっだ参議雅経による第15曲目かな。 ピアノ伴奏、弦楽四重奏伴奏とも全く異なる管弦楽伴奏版らしいですが、弦楽四重奏版で改めて聴いてみたくなった曲でありました。

アンコールは、同じく管弦楽伴奏による歌曲。 Wikipedia によると 2019年4月1日、「平成」に次ぐ新元号「令和」発表数時間後に、同名の歌曲を発表し注目を集めている、と書かれた曲の管弦楽伴奏版でしょう。 先の小倉百人一首と同じ作風で、この中の更に一首を歌われたのかと思ったほど違和感ありませんでした。

20分間の休憩を挟んで、マーラーの交響曲第6番。 わざわざ改訂版と書いてありますが、パンフレットには版の違いについての記載はありません。 ただ今回の演奏では、中間楽章を アンダンテ → スケルツォ の順序で演奏していること。 ハンマーの打撃は2回だったこと、これがそれに合致することのようです。 もっとも当方など楽器はおろか譜面も読めないので、知ったかぶりです。

肝心の演奏ですが、オケの若いメンバーの息吹に満ち満ちたアグレッシブな演奏でした。 そして浅野亮介さんの指揮もまた、このオケを始めて聴いた2005年の第5回演奏会(マーラーの交響曲第4番)を彷彿とさせる独特な動きが懐かしかった(最近はそれなりの指揮っぽい動きになったと思っていましたが)。 オーケストラの弦楽器は 13-13-10-11-10 の通常配置。 コントラバス10本、チェロ11本という重量級の編成ではありましたが、意外と重低音が唸るでもなくキレより曲を進めていったような印象。 また、浅野さんの独特な動きが恣意的で煽るようにも見えるのですが、オケは結構冷静で落ち着いて曲を淡々と進めていたようにも感じました。 随分と以前のアンサンブル・フリーの演奏会でやっていましたが、できるだけ浅野さんの指揮を見ないようにして音楽を聴く、そんな昔のことも思い出しながら今回は曲を楽しみました。

第1楽章、キレ良くタイトな響きで曲が進みます。 機械仕掛けの人形のネジがどこか1・2本外れたようなハイテンションな動きの浅野さん、それをものともせずに一糸乱れないオケの巧さに脱帽です。 ただもう少し弦楽器にコクとかタメとか欲しい気もしますが、ここはぐぃぐぃと進む解釈なのでしょう。 ホルンが全般通して巧かったですね。 底鳴りのする見事な存在感を示していました。 あと終結部ではトライアングル4本、4人が立って演奏されていたのが印象に残りました。

第2楽章はアンダンテを演奏、落ち着いたしっとりとした弦アンサンブルに、管楽器のソロが巧く並んで素晴らしかった。 浅野さんもここでは違和感のない動きでしたね。 ただ曲が進むにつれて、スピードは落としてなぞるけれどもぐっと内面より沸き起っているような抑揚感があまり感じられず、年寄りにはチト物足りなかったかな。 でもホルンのソロはここでも滋味ある響きで光ってました。

第3楽章、切れ味鋭いティムパニ、良く揃った低弦による行進。 コントラバス10本、チェロ11本ですが、引き締まっているいるぶん意外と重低音を感じずサクっサクっと進めます。 トンロボーン、チューバもタイトな響きでした。 トリオにうまく入ると伸びやかになって、不安定に感じさせる部分もうまく演出し、集中力を高めての着地。 見事でした。

終楽章、凝縮させたサウンドで疾走、強烈な打音が更に追い打ちをかけて盛り上げます。 一転ホルンのソロがここでも良い味を出してましたね。 急緩をしっかりとつけ、若いメンバーの集中力の高さで乗り越えてゆきます。 爺ぃである当方には、もうちょっとタメを作って欲しいな、と思えなくもありませんが、自信に裏打ちされた音楽なので安心して聴いていられます。 ハンマーは舞台右奥で杭打ち用のハンマーでしょうか、大きかった。 ホルン10本のベルアップも壮観でしたが、4人が立って打つシンバルも迫力ありました。 雄大な音楽として堂々の着地。

浅野さんの腕がまだ下りないうちに拍手が沸き起こりましたが、腕がしばらく上がったままなので拍手は自然消滅。 腕を下ろしてから、パラパラとそして盛大な拍手へと変わってゆきました。 う〜んんん、もうちょっと我慢して欲しかったな、でも焦って拍手したい気持ちもわかる演奏でしたけれど。 とにかく若いメンバー、しかも腕っこきの皆さんによる気持ちのいい演奏会でした。 ちょっと若返った気分。 皆さんお疲れさまでした。



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2019年03月30日

六甲フィルハーモニー管弦楽団 第47回定期演奏会

日時:2019年3月17日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:神戸文化ホール・大ホール

曲目:ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」
   コダーイ/「孔雀」の主題による変奏曲 *
   ブルックナー/交響曲第3番
(アンコール)ドヴォルザーク/弦楽セレナーデ

指揮:森 康一,高橋茉莉子 *

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プログラムに団長さんが書かれている、団内指揮者の指揮のもとで作り上げていく音楽が大事、の言葉どおり指揮者とオケが一体となった意欲的な演奏の数々に感銘を受けました。

とくに今回初めてこのオケの指揮者として登壇された高橋さん、立ち位置をほとんど変えず、動きも腕が主体で曲全体を進めてゆく感じ。 こちらからは見えませんが視線も使って、各パートに指示をあたえているのでしょうね、小気味よい演奏で変奏曲の表情を次々に作ってゆきました。 オケ全体で指揮者を盛り立て、この曲を客席にしっかり届けようとよう、そんな演奏意欲を強く感じた演奏でした。

これに対して森さんの指揮は、指揮台の上で各パートの方を向き、上半身をしなやかに使って曲の表情をつけるもの。 さすがに手慣れた感を覚えますが、それとて指揮者と各パートが一体となって曲を進めて、繋いで、響きを合わせてゆきます。

冒頭の「謝肉祭」序曲、明るい響きを基調に、森さんが各パートに指示を与えながら丁寧にストレートに演奏してゆきました。 フィナーレではギアを上げて覇気を纏った演奏として終了。

ブルックナーの第3番の交響曲。 こちらはとてもよく練られた充実した演奏で、何より美しい演奏にほれぼれとしました。 演奏意欲を感じた素晴らしい演奏に感じ入りました。 練習ではオケ全体で相当話し合われたのかもしれませんね。 なお前曲で指揮されていた高橋さんも第2ヴァイオリン奏者として参加されていました。

第1楽章より堂々とし、かつ美しい演奏に、この曲っていい曲だなぁ、と改めて感じ入りました。 そしてゆったりと呼吸させた第2楽章、抑制のよく効いた金管、落ち着いて充実した弦楽アンサンブルが良かったですね。 回転運動の躍動感が見事だった第3楽章、底力を感じるけれども美しい響きが見事。 中間部での浮遊感もまた素晴らしい演奏でした。 終楽章も勇ましく始まりましたが、パワー一辺倒ではない立体的な演奏としました。 カラフルで何よりここでも美しい演奏に心奪われました。

いずれも指揮者がリードして引っ張ったり、抑え込んだりするのではなく、常に指揮者と各パートが一体になっていて、そして各パート間もまたうまく呼応しあって曲全体を構築し、進めていたのが印象的な演奏会でした。 皆さん素晴らしい演奏を(無料で届けてくださって)ありがとうございます。 そしてお疲れさまでした。


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2019年03月17日

大阪市民管弦楽団 第89回定期演奏会

日時:2019年3月10日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:J.シュトラウス2世/喜歌劇「こうもり」序曲
   ヒンデミット/組曲「気高き幻想」
   ブラームス(シェーンベルク編曲)/ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)
(アンコール)ブラームス/ハンガリー舞曲 第5番

指揮:藏野雅彦

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P3140873 posted by (C)fronte360

ヒンデミット、シェーンベルク、意欲的なプログラミングですが、演奏もまた真摯で前向き、とても意欲ある演奏でした。 みなさん聴いたことのない曲だから、ちょっとくらい間違っても、ちょっとくらい手かげんした安全運転の演奏でも・・・なんていう雰囲気は無かったですね。 藏野さんの的確で解りやすい棒によるコントロールが何よりだったと思いますけれど、どの場面でも全力で曲に向き合っていたオーケストラを讃えたいと思いました。

冒頭の「こうもり」序曲、藏野さんのハナ息とともに勢いよく始まりましたが、やわらかなオーボエや弦アンサンブル、たっぷりとさせて優雅に進めてゆきます。 手慣れた藏野さんの棒、抑制かけて軽く抑揚かけて歌わせますが臭くならず、勢い増しても力まずと、琥珀色のアンサンブルを堪能しました。

ヒンデミットの組曲「気高き幻想」、重層的なアンサンブルで始まった「導入部とロンド」。 コントラバスの響きをベースに、第2ヴァイオリンとヴィオラが中核を占めていました。 フルートの落ち着きのある音色も素晴らしいものでした。
「行進曲とパストラール」では、ピッコロの愛らしい響きで始まりました。 ここでも重層的に響かせた弦アンサンブル。 音量を増しても力みなく音圧を感じる落ち着いた響き。 また緊張感を高めてもヒステリックならない。 たっぷりとそしてしっとりとさせた美しい音楽でした。 終曲の「パッサカリア」は音圧を感じさせた低音金管楽器もまた全体に見事に調和していました。 いろいろな楽器が絡んでゆきましたが、藏野さんの見事な交通整理で形式的になることなく、分かりやすく客席に音楽を届けてくださいました。 それに見事に応えたオケ、響きを十分に内包させての充実したフィナーレでした。

20分間の休憩を挟んで、シェーンベルク編曲によるブラームスのピアノ四重奏曲第1番の管弦楽版。 原曲もどのような曲が思い出せないので、シェーンベルク編曲というよりシェーンベルクそのものの音楽を楽しんだ気分。 特に第2・4楽章は打楽器による多彩な響きが完全にブラームスを超越した感じでしたね。 しかしどの楽章でも、上手なソロのメロディも出てきますが、特定の楽器が突出するようなことはありません。 音色が統一され、相当練習を積まれたことでしょう。
腰の座ったサウンドで始まった第1楽章、マッチョな音楽でムキムキのブラームスだったでしょうか。 第2楽章は立体的なサウンド、オーボエが巧かったですね。 あと第2ヴァイオリンも奮闘していました。 粘り強い響きの行進曲とした第3楽章華やかながらも重層的なサウンドを楽しみました。 終楽章はカラフルなアメリカンサウンドだったでしょうか、ノリよくギアを一段上げてのフィニッシュとなりました。
いずれも真摯で覇気を感じる演奏に大きな拍手を送りました。 オケの皆さんもやりきった感のある表情も垣間見えました。

アンコールはお馴染みのハンガリー舞曲。 堂々とした凱旋行進曲のような気分になった演奏でお開き。 充実した演奏会でした。 皆さんお疲れさまでした。





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2019年03月10日

紫苑交響楽団 第33回定期演奏会

日時:2019年3月3日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:いたみホール(伊丹市立文化会館)・大ホール

曲目:シベリウス/交響詩「フィンランディア」
   シベリウス/交響詩「トゥオネラの白鳥」
   チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」
   シベリウス/交響曲第2番
(アンコール)シベリウス/悲しきワルツ

指揮:牧村邦彦

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牧村さんの指揮は多くを語りませんが、要所をしっかりと抑えたリード。 それにオケがしっかりと応え、立体感のある演奏はいずれも覇気に満ち、堂々とした演奏内容に脱帽です。

冒頭の「フィンランディア」、底力のある響きをたっぷりと鳴らして、最初からこんな全開で大丈夫かいな、と余計な心配をさせるほどの迫力満点の演奏。 パワフルなだけでなくオーケストラ全体の響きが琥珀色に輝いているみたい。 耳に馴染んだ曲ですが、見事なオーケストラ・サウンドに聞き惚れました。

「トゥオネラの白鳥」は透明感の高い演奏で、オペラ指揮者の牧村さんの本領発揮でしょうか、物語を知らない人でも白鳥の情景が目に浮かぶよう。 先の曲とは一転、沈んだ表現、透明感の高いやわらかな響き、コールアングレを始めとしてオケの巧さも際立っていました。

「くるみ割り人形」は組曲の8曲を演奏。 スタイリッシュな牧村さんの棒のもと、いずれの曲も特徴をうまく出していて飽きさせません。 最後の「花のワルツ」は華やかさを抑えてしっとり感を出したたっぷりとした演奏が上品でした。 どの曲も華やかだけど落ち着いていて、還暦を迎えた牧村さんの年輪が出ていた、のでしょうか(たしか同い年)。

休憩を挟んでメインの交響曲第2番。 密度の濃い演奏でした。
響きのすき間をきちんと埋めて歌い繋いでいった第1楽章、明るい響きながら密度の濃い演奏に曳き込まれました。 第2楽章では今度は間合いをしっかりととりつつも歌いつないでゆく。 キレの良さもあり、立体的でドラマティックでもありました。 張りのある弦アンサンブルに木管のアンサンブルも響きが絡み合って素敵だった第3楽章より、ゆったりと繋いだ終楽章、雄大な情景が目に浮かびました。 抜けるトランペット、パワフルなホルンやトロンボーンが目立ちすぎることなく、これらを背景にたっぷりとした弦アンサンブルが充実。 ここでも立体感のある演奏に心奪われました。 牧村さんの要所をしっかりと抑えたリードに見事に応えたオーケストラ、全員一丸となった熱い演奏でした。 これほどまでに熱くしかもクールでカッコ良い演奏に出会うとは思ってみませんでした。 うーんん、巧かった。

アンコールは、牧村さんのリードで今度は情感たっぷりな悲しきワルツ。 先ほどまでの真正面から真摯に曲に対峙した演奏とは一味違った感じですね。 さすが関西人、サービス精神も感じて、どっぷりと音楽に浸かった演奏会。 満足しました。 皆さんお疲れさまでした。

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2019年02月24日

オーケストラ・ソノリテ 第36回定期演奏会

日時:2019年2月17日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール

曲目:シューベルト/「ロザムンデ」序曲
   シベリウス/交響曲第7番
   ブラームス/交響曲第1番
(アンコール)モーツァルト/ディヴェルティメント K.138 第2楽章

指揮:白谷 隆

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白谷さんのしっかりとした指揮に導かれ、いずれの曲も真正面から作品に対峙した演奏で聴き応えありました。 白谷さんが振られた第31回定期演奏会の感想文に「オーソドックスに曲に向き合ってオーケストラを美しく響かせる演奏に徹していたように感じました」と書いていましたが、今回これに加えて押し出しの強さみたいなものも増したように感じました。 各曲の曲想をうまく描きながらも終始オーケストラ全体を鳴らしていたのが印象に残りました。

そのオケの鳴らし方ですが、オーケストラ全体を等価に鳴らしているように感じました。 白谷さんはホルン奏者でもあって、オーケストラの最上段よりオーケストラ全体を俯瞰されていたからかな、などと勝手に思ったりもしていますが、ソロの旋律を奏でる楽器を際立たせることや、あるパートに力を入れて特に強調させるようなことは無く、淡々と振っていらっしゃいます。 弦楽アンサンブルも、低弦の上に中音弦乗せて更に高音弦を歌わせる(弦楽奏者出身の指揮者に多いように思いますが)のではなく、低弦・中音弦・高音弦が掛け合いをやっているような感じかな(うまく言えませんが)。 常にオーケストラ全体を統率して均等に鳴らしているって感じでしょうか。

これが一番巧くはまっていたのがシベリウスの交響曲第7番と思います。 ちょっと難解で、緻密な音のパッチワークのような曲ですが、きちんと仕切って分かりやすく届けて下さいました。 常に落ち着いた打音のティムパニ、低音金管楽器の渋い響きも全面に出るのではなく全体を彩り、弦のアンサンブルは少々熱っぽくもまたウォーミーな響きでした。 分かりやすく整理した音楽を届けて下さいました。 そして神秘的で厳かなフィニッシュもたっぷりとさせて感動的でした。 ただ、観客席からの拍手がちょっと早かったかな・・・もうちょっと余韻に浸りたかったけれど・・・難しい曲だから、ここで曲が終わったのを知ってるぞ、とばかりの拍手と感じました。

観客席が一番沸いたは、やはりメインのブラームスの交響曲第1番。 一見淡々と曲を進めていました。 第1楽章終結部のホルンを強奏させたり、第2楽章も美しいソロ・ヴァイオリンでしたが、さえも特に際立たせることはありません。 常にオーケストラ全体で包み込むようにして、オケ全体が押し寄せてくる感じ。 終楽章のトロンボーンの厳かな響き、トランペットも突き抜けるのではなく全体の響きの中にうまく溶け込んでいました。 自然な高揚感に満ちていて、またキビキビとした運動性を感じさせた演奏は覇気に満ちていました。 これが客席を刺激したのではないかな。 各ソロもよかったけど全体の勝利みたいな感じ。

ロザムンデ序曲は、シューベルトの歌謡性を交えてキビキビと曲を進めていました。 颯爽として若々しい感じでしたね。 こちらも金管の響きをうまく散りばめたブレンドされたオーケストラ全体の若々しい響きが印象に残りました。

真正面から作品に対峙した演奏はいずれも聴き応えあって満足して会場を後にしました。



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