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2018年02月17日

オーケストラ千里山 第26回演奏会

日時:2018年2月12日(月・祝) 14:00開演(13:00開場)
場所:豊中市立文化芸術センター・大ホール

曲目:ロッシーニ/歌劇「セビリアの理髪師」序曲
   シューマン/交響曲第4番 ニ短調 作品120
   ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 作品68
(アンコール)ブラームス/ハンガリー舞曲 第1番

指揮:安野英之

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P2170034 posted by (C)fronte360

分厚い弦の響きをベースにした躍動的で生命感あふれたシューマンとブラームス、晴れやかな響きが印象的だったロッシーニ、新体制となったオーケストラの門出を祝すのにふさわしい充実した演奏会でした。

思い起こせば、かつてこのオケが団内指揮者を押し立てて演奏会をされていて、それを聴かせてもらったのが第7回演奏会でした。 第8回演奏会より演奏のレベルアップを目指されてプロ指揮者による演奏会に方向転換。 活動を続けてこられましたが、今回より更なるレベルアップを図るため、新体制となって、毎回の練習にプロトレーナーを招へいし、更に客演コンサートマスターの栄嶋道広さんも毎回練習に参加されていたそうです。 そこに指揮者が安野英之さん。 栄嶋さんとは天理のオケなどで共演を重ねておられますので、息が合わないはずがありませんね。 万全の体制をもっての離陸でしょう。

もちろんオケも十二分に練習を積まれたのでしょう。 要所を指示する程度の動きの安野さんが楽しそうに曲を進めていて、オケに信頼を寄せて、けっして煽ったりすることなどなく、クライマックスでも曲を存分にドライブしていたのが印象的でした。 オーケストラは各パートがしっかりと纏まっているのは当然として、管打楽器の響きと弦楽器の響きがともによく調和し、けっして派手さはありませんけれど、全員一丸となってしっかりと地に足が着いた演奏を展開していました。 そんな中、栄嶋さんが前後によく動いて一際目立っておられたのは、いつもどおりといえばいつもどおり、ですね。 栄嶋さんもにこやかで常に楽しそうに弾いておられる姿は音楽、音の楽しみのそのもの、って感じがしてけっして嫌いではありません。

肝心の音楽、ロッシーニの「セビリアの理髪師」序曲、ロッシーニらしい明るい軽やかな響きと、押し出しの強い響きが交差した演奏。 両者がスペクタクルに展開する演奏で、クラリネットやホルンも明るく響いてとても晴れやかな気分になりました。

シューマンの交響曲第4番、重厚というより多層的な響きが折り重なる堅牢な響きによる開始。 その中から栄嶋さんの伸びやかなヴァイオリンの響きも聴こえてきたようです。 粘りもあり、堅牢なゴシック建築を見るような第1楽章より圧倒されました。 第2楽章の冒頭、オーボエの響きにチェロが寄り添ったしっとりとした表現に感じ入りました。 こんな風に聴いたの初めてです。 また栄嶋さん入魂のソロもしっとりしていて全体の枠からはみ出さず素晴らしかった。 第3楽章での重いティンパニの響き、そして終楽章でも芯のある打音で曲を支えていました。 ホルンの斉奏もまろやかに響かせて、充実して落着いた盛り上がり。 シューマンらしいくぐもったような響きに終始魅了された演奏でした。 この曲、コンビチュニー指揮ゲヴァントハウス管弦楽団による演奏に刷り込まれているのですが、決して遜色のない分厚い響きと躍動感を持っていて十二分に満足する演奏に出会えて幸せでした。

メインのブラームスの交響曲第1番、深い打音のティムパニ、芯のある低弦に艶やかな高音弦のアンサンブル、こちらもいかにもブラームスといった感じの充実した開始でした。 よく訓練されたオケを要所を締めながら時に開放して鳴らす安野さん、生命感を持った覇気ある演奏でした。 第2楽章でも抑制をうまくかけて、響きが前でなく横から回り込むような充実した響き。 オーボエのソロ、裏で吹く他の木管や弦も絡んで厚みを増して素敵でした。 栄嶋さんのソロはここでも艶やかでしたが全体に見事に溶け込んでいました。 第3楽章は豊かな木管アンサンブル、クラリネットがべっぴんさんの響きを聴かせてくれましたね。 そして圧巻の終楽章、重戦車のように進めたかと思うと、伸びやかさに深さもあるホルンのソロ、落着いたトロンボーン、それらが呼応してまた徐々に熱くなってゆく。 押しは強いけれど、柔らかさを忘れない響きでのフィニッシュ。 充実感に満たされたブラームスでした。

安野さん、時おりオケの響きを聴くだけで指示をしない場面も散見されたように、全員がよく持ち場を守り、充実した演奏となっていたのは繰り返しますが訓練の成果でしょう。 アンコールのハンガリー舞曲、こちらは開放的な鳴らすことを目指した演奏だったのですが、同じオケでもこうも違うブラームスを聴かせるサービスもあってのお開きでした。 この両者を聴き比べただけでも本プロのブラームスの交響曲の練習の成果を垣間見た気持ちになりました。 とにかく素晴らしい演奏を有難うございました。 そしてお疲れさまでした。

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2018年02月12日

オーケストラ・ソノリテ 第34回定期演奏会

日時:2018年2月11日(日) 13:30開演(12:45開場)
場所:尼崎市総合文化センター・あましんアルカイックホール

曲目:シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
   ドビュッシー(ビュッセル編)/小組曲
   ベルリオーズ/幻想交響曲
(アンコール)ベルリオーズ/ファウストの劫罰より「妖精の踊り」

指揮:浦 優介

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新鋭指揮者の浦 優介さんに率いられたソノリテは、フランス語で「響き」を意味する「ソノリテ」のごとく、響きの美しさを導き出され、とても充実した演奏会でした。

冒頭のシャブリエの狂詩曲「スペイン」より、フレッシュな感覚でありながら前のめりになることなく、キラキラと輝くような響きながら、ちゃんと響きの角をなめらかにして刺激的にすることなく演奏で会場を魅了していました。 ここまでくると、もうちょっと押し出し強くパワフルにして欲しいな、という場面もありましたが、これは欲張りですね。

ドビュッシーの小組曲もよかった。 全体的にやわらかな響きで満たされていて、端正なソロ楽器の響きがきちんとアクセントになっている。 弦楽アンサンブルもまた見事でした。 高音弦の透明感とコントラバスを6本から4本に減らした低音弦の寄り添うような柔らかな響き。 その間を埋めるヴィオラもしっとりとした良い響きでした。 浦さん、しっかりと曲を掴んで、オケをドライブして、とても判りやすい演奏となっていたのがまた印象的でもありました。

判りやすい演奏といえば、メインの幻想交響曲。 しっかりとした構成感をもって、きっと進めていましたね。 そして後半になると、次第に熱気を孕んできて迫力ある演奏として会場を沸かせました。 3つの言葉で表わすと「フレッシュ」「端正」「迫力」でしょうか。
個人的には、第2楽章にもっとルバートをかけたり(バルビローリの演奏の影響)、終楽章のダブル・ティンパニを躍動的にしてほしい(かつて聴いた大阪シンフォニカー、現大阪交響楽団の演奏の影響)とか思ってみたりしましたが、それもこれも整然と流れる演奏になっているからこそで、なかなかこのようにきちんと纏まった幻想交響曲はないですね。 ブラボーも頷けます。 全員が一丸となった演奏を堪能しました。

またアンコールも柔らかな響きに満ちていて、熱くなった会場の良い清涼剤になっていました。 とても充実した演奏会でした。 皆さん、おつかれさまでした。


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2018年01月25日

京都フィロムジカ管弦楽団 第42回定期演奏会

日時:2018年1月21日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:八幡市文化センター・大ホール

曲目:ブルックナー/序曲 ト短調
   ドヴォルザーク/交響的変奏曲
   ブラームス/交響曲第2番

指揮:柴愛

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京都フィロムジカらしい覇気ある演奏会でした。 指揮者の柴愛さん、弦楽アンサンブルをしっかりと纏めた聴き応えのある音楽つくりが印象的。 調べてみると京都フィロムジカとは4回目の共演なのですね(2011年第29回定演、2012年第31回定演、2014年第35回定演)。 弦楽器の編成は 9-9-8-9-6 だったでしょうか、中低弦に比重の高い構成ながら絶妙なバランス感覚で曲の屋台骨を構成していたのは弦楽奏者出身だからでしょう。 終始精緻に振ってオケをしっかりと纏めていましたが、ブラームスの交響曲第2番のフィナーレではギアを一段上げ、熱い音楽が迸るフィナーレは圧巻でした。

柴愛さん、奈良女オケで副指揮者をされていた2007年と2012年、牧村邦彦さんが常任指揮者を退任された直後の2014年の指揮を聴かせてもらっていますが、やはり弦楽アンサンブルの巧さが光っていました。 冒頭のブルックナーの序曲、若書きの習作で当方は初めて聴く曲ながら、冒頭の力強く深い響きから、まさにブルックナーの世界を醸成していた驚かされました。 そんなキレの良い弦楽器の各パートを纏めて小気味よく曲を進め、2管編成ながらもじつにスケールの大きな管楽器の響きで彩られた音楽でした。

続くドヴォルザークの交響的変奏曲も初めて聴く曲。 ドヴォルザークらしい郷愁も感じさせた開始より正確なアンサンブルで主題を変奏させてゆきました。 覇気あるオケと気鋭の指揮者による演奏、でも見方を変えると、マジメなオケと正確な指揮。 ちょっとスキマとかウィットも欲しくなるもので、常に前に前にと進む音楽に少々堅苦しさも感じたりもしました。 でもヴァイオリンのソロがオケ全体の響きにマッチしていたり、懐かしい旋律も見え隠れし、またフーガの妙味も感じさせ、フィナーレもまたカッコ良く熱く閉じました。 オケは頑張っていましたが、しかし少々聴き疲れしてしまった感じとなっておりました(すみません体力なくなってて)。

20分間の休憩のあと、今度はお馴染みのブラームスの交響曲第2番。 終楽章の冒頭、チェロ9本、コントラバス6本が壮観でした。 このように書くと単に低音がゴリゴリと鳴るイメージですが、綺麗に揃ったアンサンブルをやや明るめに響かせて、曲の底流を伸びやかに流していたのにぐっと魅かれました。 またヴァイオリンは9人編成だけれども快活で覇気のある響き、抑揚を巧くつけて歌うブラームス。 そこに金管楽器をストレートに響かせて輝かしく音楽となってコーダでは更に一段をギアを上げて圧巻のフィナーレ。 若さ溢れるブラームスに会場より大きな拍手が湧きあがりました。 ステージで演奏されていた方々を見ていると、やりきった感が漂っていました。 若さあふれた覇気ある演奏会。 アンコールが無かったのは、このやりきった感では不要なのと納得しました。

若いオケと指揮者による覇気に満ちた演奏会、皆さんお疲れさまでした。



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2018年01月13日

待兼交響楽団 第31回定期演奏会

日時:2018年1月8日(月・祝) 14:00開演
場所:川西市みつなかホール

曲目:シューマン/交響曲第4番
   チャイコフスキー/交響曲第1番
(アンコール)チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」第1幕第2場「ワルツ」

指揮:高 昌帥

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本年最初の演奏会、好きな曲2曲での公演を楽しませていただきました。 このオケの演奏会は今回で4回目ですが、高 昌帥さんとの演奏会は初めて。 このオケらしいエネルギッシュな演奏を楽しみました。

オケの弦楽器編成は 8-8-6-6-4 での通常配置、この小規模な編成より強靭な一撃と粘り強い響きで始まったシューマンの交響曲第4番。 明るめの響きながら重層的なシューマンの世界を見事に描きだしていました。 小編成による纏まりの良さの威力でしょう、木管楽器の響きや中音弦の響きもよく聴き取れて勉強になりました。 当然のことながら4つの楽章を続けての演奏。 緊張感が持続されての終楽章への移行から、躍動感あふれるリズム、緩急つけた大きな音楽としていたのが印象に残りました。

作曲家であり指揮もされる高 昌帥さん、作曲家らしい明晰な曲の展開が特長ですね。 決して興に乗って勢いに任せることなど皆無。 テンポをぐっと落としたかと思えば、快速で飛ばしたり、メリハリをつけで曲を進めてゆきますが、実に淡々とした指揮でオケをリードしていました。

オケはそんな指揮者にリードされ、各パートもよく纏まって元気いっぱい。 多少の荒さも感じるのはご愛嬌でしょう。 もうちょっと潤いが欲しいな、というのはこの規模では贅沢。 とにかく生気ある音楽が展開してゆきました。 個人的には冒頭に書いたとおりシューマンの演奏が好みかな。

チャイコフスキーの交響曲第1番も好きな曲です(余談ですが、第4番から始まる後期交響曲は忌避気味ですが、初期の3曲はいずれもお気に入り)。 ここではチャイコフスキーらしい歌謡性を前面に出した演奏として、オケの各ソロも奮闘して聴き応えありました。 第2楽章のオーボエやホルンも朗朗としていてよかったけれど、中間の楽章では全体的にケレン味のないちょっとストイックな演奏にされていたのかな、単調になっていたかもしれません。 たんに当方の集中力が続かなかっただけかも(すみません)。

いずれにしても、小編成ながら時に叩きつけるようなパワフルな演奏としながらも、高 昌帥さんの細部まで目を行き届かせた指揮でメリハリをつけていたのが印象的でした。 皆さんお疲れさまでした。


posted by fronte360 at 07:11| Comment(0) | 18-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする