2017年08月10日

天理シティーオーケストラ 夏休み名曲コンサート〜エキサイティングオーケストラ!〜

日時:2017年8月6日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:天理市民会館・やまのべホール

曲目:シュランメル/ウィーンはいつもウィーン
   L.アンダーソン/「ブルータンゴ」
   L.アンダーソン/「忘れられた夢」
   L.アンダーソン/「フィドル・ファドル」
   メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲より第1楽章
   スメタナ/交響詩「我が祖国」より モルダウ
   指揮者体験コーナー
   (オッフェンバック/「天国と地獄」より「カンカン」(解説付き)
   チャイコフスキー/歌劇「エフゲニーオネーギン」よりポロネーズ

(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー・マーチ

独奏:杉谷歩の佳(vn、天理小学校4年生)

指揮:安野英之(常任)

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 外は猛暑でしたが、クーラーの効いたホールの中は「みんなが聴ける演奏会」で爽やかになれました。 乳飲み子から老若男女がオーケストラ音楽を楽しめるように、客席の照明は落とさず、小さい子供がじっとしていられる時間を意識したちょっと短めの演奏会。 それでも時にギャーとか鳴くお子さんもいましたけれど、大勢のお客さんはにこやかに音楽を楽しんでいました。

 オーケストラは対向配置で 5-5-4-4-3 の編成で、うきうきした気分になれるシュランメルの「ウィーンはいつもウィーン」で開幕。 スポーツ番組の幕開けのようでこれで気分が明るくなったように感じました。 ルロイ・アンダーソンの3曲、「ブルータンゴ」はスネアドラムが鎹(カスガイ)となって軽やかなラッパと滑るような弦楽器を結びつけたいい演奏でした。 「フィドル・ファドル」ではヴァイオリン奏者の10名が舞台上に一列に並んで立っての演奏。 ヴァイオリン奏者の方の演奏を真正面から見せたい、そんな思いがあったのだと感じました。

小学4年生にして既に京都市交響楽団とも共演経験のある杉谷歩の佳さんのヴァイオリンによるメンコン。 小柄な小学4年生だけれども、ダイナミズムのあるしっかりとした響き、カデンツァでの思い切りの良さが印象に残りました。 演奏後のトークでは「楽しかった」とのこと。 将来が大いに嘱望されますね。

そして「モルダウ」は、パンフレットに書かれたA〜Gまで譜例を順番に演奏、それぞれ何の場面であるかを解説されてから、通しでの演奏も初心者には嬉しい配慮ですね。 万年初心者の当方も、これは婚礼の場面だったのか、と知ったしだい。 楽しませていただきました。

指揮者体験コーナーは、3人の小学生が登壇しましたが、いずれも楽器を経験している子たちでした。 天理はウィーンのような音楽都市を目指していますが、着々と計画が進んでいるようですね。 そしてチャイコフスキーの「エフゲニーオネーギン」から「ポロネーズ」が演奏されて賑々しくプログラムが終了。 5型の小編成オケなの豪華絢爛なオーケストラサウンドとはいかないまでも、絢爛とした演奏で会場が盛り上りました。

そして最後はこのオケでお馴染みのラデツキー・マーチ。 会場からの拍手も手慣れたものですね。 10回目となった真夏のオーケストラ夏休み名曲コンサート。 これまでも何度か書いていますが、このような気軽に楽しめる演奏会がけっこう好きだったりします。 でも気楽に楽しませて貰っているものの、かかる曲目(プログラム構成)・お話し(解説の内容)・演奏が揃っていないと消化不良気味になってしまたったりもするものです。 が、さすがに10回目とあってとても楽しませて頂きました。 そして演奏終了後は、いつもどおり指揮者の安野さん自らロビーに出てアンケート回収。 頭が下がります。 どうも有難うございました。


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2017年07月09日

天理シティオーケストラ 第17回定期演奏会

日時:2017年7月2日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:天理市民会館やまのべホール

曲目:ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲第3番
   メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 -*
(アンコール)ベートーヴェン/ロマンス第2番
   シューマン/交響曲第3番「ライン」
(アンコール)ブラームス(シュメリンク編)/ハンガリー舞曲第5番
(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー行進曲

独奏:金関 環(vn) -*

指揮:安野英之(常任)

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金関さんの美音と安野さんによる質実としたシューマンの響きに大満足した演奏会でした。 今回もまたとても聴きごたえありました。

2004年3月このオケを始めて聴いた第3回定期演奏会でチャイコフスキーの協奏曲を弾かれていたのが金関さん。 その時も美音に唸らされましたが、今回もまたその美しい響きに魅了されました。 メンデルスゾーンの協奏曲も良かったけれど、アンコール曲のベートーヴェンのロマンス第2番が金関さんの特質により似合っていたのではないでしょうか。 伸びやかさと繊細さを併せ持ち、とくに高音域での濡れたような響きはもうなんとも言えない魅力でした。 少々長いアンコール曲でしたが、たっぷりと楽しませて頂きました。

メンデンルスゾーンの協奏曲は、第1楽章こそフレーズを早めに切ってやや小ぶりで硬いかなぁ(と生意気にも)思って聴いていましたが、第2楽章となって軟らかくゆったりとした呼吸のソロにのめり込みました。 美しい響きを満喫。 伴奏もまたたっぷりとした響きでゆったりとした盛り上がり。 安野さん、ソロとオケの間に立って両者ともにしっくりとくる音楽造りに徹しておられたのがよかったですね。 そして圧巻は第3楽章、金関さんの艶やさの中にしっかりとした芯をもった響き、軽快に旋律を滑らせてゆき舌をまきました。 巧い。 オケもどんどんと興にも乗ってきたのでしょうね、フィナーレに向けて熱気もはらんできて、エキサイティングなエンディグを形成した素晴らしい演奏に会場より大きな拍手が沸き上がりました。

メイン・プログラムのシューマンの「ライン」。 明るく響かせながらもシューマンらしいくぐもった弦の響き、これがとても素晴らしい演奏でした。 よく言われる説に、シューマンは作曲が下手で楽器の重ね過ぎによる不明瞭な響きとなってしまう、というのがありますけれど、そのくぐもったような響きこそシューマンらしさだと思っています。 個人的な感想ですが、管楽器奏者出身の指揮者の場合はオーケストレーションを少々いじって明瞭な響きを求める向きがありますが、安野さんは優秀なチェロ奏者でもあることより、きちんと纏めた弦楽アンサンブルを駆使され、たっぷりとして聴きごたえのある音楽を楽しませてもらいました。 こちらもまた素晴らしい演奏に唸りました。

第1楽章の冒頭、勢いつけてフレーズを早めに切り上げて進め、この楽章の終盤は押し寄せてくるような弦アンサンブルの響き、要所をしっかりと締めて堂々たる演奏として聴きごたえ十分。 第2楽章もまた充実した弦の響き、これをふっと抜いたようなアクセントもつけてましたね。 やや混とんとしたようなシューマンの響きも太い筆でなぞるようにもして聴かせ上手。 のめり込みました。 ホルンが全編にわたってタイトな響きで存在感満点で曲を引き締めていました。 また木管楽器も好演。 第1楽章冒頭のクラリネットや終楽章でのフルートも素敵でしたが、木管楽器チームが全編に渡って曲を彩っていたのが素敵でした。 フィナーレはオケの響きが混然一体となりましたが、最後の最後まできちんとした同じ色彩感で纏め上げた安野さん、派手さはないけれどその手腕の光った演奏に唸りました。 いい演奏でした。

冒頭の「レオノーレ」序曲第3番も落ち着いた音色で纏め上げた演奏でした。 各パートがよくまとまった真摯な演奏でしたけど、まだ少々エンジンが温まっていなかったような感じだったかな。 小ぶりなオケ、弦楽器が 8-7-6-5-4 の編成での対向配置でしたので、余計にそう感じたのかもしれません。 ここでもフルートの艶やかな響き、そして裏で吹いていたファゴットも素敵でした。

アンコールのハンガリー舞曲第5番で会場に勢いつけて、最後はお馴染みのラデツキー行進曲での〆。 ほぼ満員となった会場からの手拍子とともに陽気なお開きとなりました。 ホールから出るお客さんもとても満足そうな明るい表情で会場をあとにされていました。 またそんな中、今回もまた指揮者の安野さんみずからアンケート回収箱を持ってのお客さんをお見送り。 いつもながら頭が下がります。 みなさんお疲れさまでした。





 
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2017年06月25日

大阪市立大学交響楽団 June Concert 2017

日時:2017年6月17日(土) 18:30開演(17:30開場)
場所:いたみホール

曲目:グラズノフ/祝典序曲 Op.73 -*
   チャイコフスキー/バレエ組曲「眠りの森の美女」
    序奏とリラの精、パ・ダクシオン〜バラのアダージョ
    長靴をはいた猫、パノラマ、ワルツ
   カリンニコフ/交響曲第1番
(アンコール)チャイコフスキー/エフゲニー・オネーギンよりポロネーズ

指揮:井村誠貴(客演)、西原貴彦(学生-*)

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学生オケらしい清新さとやる気を強く感じた演奏会でした。 いつもはホール後方よりオケ全体を眺めつつ鑑賞させていただくのですが、今回は前から3列目での鑑賞。 指揮者の井村さんとオケの反応を間近で見させていただきました。

チャイコフスキーの「眠りの森の美女」、井村さんらしくよく気持ちを乗せた音楽造りが染みわたっていたようですね。 演奏者が楽しさを伝えようとする想い、そんな意気込みを強く感じで気持ちよかったですね。 もちろんスペクタクルなオケの機動力も発揮した巧さがあってこそで、学生オケらしいフレッシュなパワーがありました。

カリンニコフもまた井村さんらしく美しさの中に粘り気というか情熱を持った熱く濃い音楽造りでした。 芯のある低弦と艶やかでパワーのある高音弦がブレンドされた重量感のあるサウンドに、管楽器もまたよかったですね。 前の席なのでお顔は見えませんでしたが、オーボエやコールアングレも奮闘されてエキゾチックな雰囲気をよく出されていましたし、ホルンの遥かな響きもまた素敵でした。 終楽章にかけて目の前で奏される艶やかな第1ヴァイオリンが熱気を孕んできて、惹きこまれました。

これに先立って学生指揮の西原さんによるグラズノフの祝典序曲は、冷静で落ち着いた指揮でオケを牽引。 まさにオケと指揮者が者一丸となってきちんと制御された音楽、中低弦もしっかりと鳴らせて聴きごたえを感じました。

久しぶりに前の席で指揮者とオケの反応を見ながら聴く音楽も面白いものですね。 そして演奏終了後にきりっとして立つ学生さんを見上げていると若いっていいな、と素直に感じた次第。 フレッシュな演奏を堪能しました。 皆さんお疲れさまでした。



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2017年06月18日

オーケストラ千里山 第25回演奏会

日時:2017年6月11日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:マーラー/交響曲第2番 ハ短調「復活」

独唱:坂口裕子(S)、福原寿美枝(A)
合唱:オーケストラ千里山特別合唱団

指揮:井村誠貴

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オーケストラ・合唱・独唱に加えバンダが絡みあうこのスペクタクルな曲をダイナミックかつ真摯に演奏されたオーケストラ千里山と合唱団の皆さん、そしてオペラ指揮者らしく起伏をつけてドラマティックかつ緻密に演出された井村誠貴さんによる素晴らしい演奏会を堪能しました。 創立20周年を記念するのにふさわしい充実した演奏会でした。

今回、左サイド LD-6席からの鑑賞。 弦楽器は対向配置で 15-14-13-10-8 の編成、コントラバスの上あたりから井村さんの指揮姿もつぶさに見ることができました。 またコントラバスを除くオーケストラ奏者もよく見えて、より一体感を持ってこの大好きな曲を聴く機会に恵まれました。

まずは指揮者の井村さん、いつもながらの大きな体躯を更にのけぞるように伸び上がらせた渾身の第1音より最後の1音まで、常に手綱を握って全身全霊でこの大曲に奉仕されていたのが強く印象に残りました。 そしてこの指揮を受けるオーケストラもまた、各奏者が全体を見据えたかのようで、よい演奏を創り上げるという思いを感じさせる誠実な演奏をしていました。 金管の咆哮や打楽器が打ち鳴らされて音量を上げたとしても野放図になることなく、木管楽器や弦楽器、なかでもヴィオラや第2ヴァイオリンの音もしっかりと聴こえてきて、この曲での色々な発見もあり、とても充実した時間となりました。

第1楽章冒頭では求心力を高めて放たれた冒頭の弦楽アンサンブルより聴き手の心を鷲掴み状態。 大きな起伏をもってダイナミックかつドラマティックな物語の始まりが見事でした。 しっかりと鳴るヴィオラの奮闘ぶりが心に残りました。 あとコールアングレの音色も良かったですね。

この楽章が終わると独唱者2名が登場、コントラバスとフルートの間に着席するちょっと珍しい配置。 独唱者もまたオーケストラの響きの一部といった考えでしょうか。 その前にオルガニストも登場しました。 合唱団は最初からクワイア席で着席していましたが、1席の空きもなくきちんと席が埋まっていて視覚的にも綺麗になってましたね。

第2楽章でもヴィオラと第2ヴァイオリンがしっかりと鳴る充実した弦楽アンサンブルが素敵。 これに寄りそう木管楽器も好演でした。 ハープのアルペジオがかなりハッキリと聴こえてきたのにちょっと驚きました。

第3楽章、リズム感良く奏られた音楽を楽しみました。 最初はちょっと早めのテンポだったかしら、次から次へといった感じで進められましたが、後半では響きをうまく内包させた充実した金管の響き、これが素晴らしかった。

第4楽章の原光、福原さんの深い声の響きがおごそかで、また落ち着いた金管がホールを埋めていました。 そして怒涛の終楽章は圧巻。 何よりバンダの演奏が素晴らしく、この曲の立体感をよく演出して惚れ惚れと聴いていました。 坂口さんの歌唱もまた柔らかな美声ながらオケにも負けずよく透っており、そして合唱団がよく訓練されていたのも印象に残りました。 そしてまた演出も良かった。 最初は座ったまま厳かに歌っていた合唱団、最後は立ち上がって歌いましたが、この時、オルガン奏者の左右にトランペットを2本づつ4本を配し、祭礼といった雰囲気。 そしてオケ・合唱・ソロ歌唱も一体となった壮麗かつ粘り強い響き、強く心を揺さぶれた感動的なフィナーレでした。

この日はマーラーの「復活」の1曲のみのプログラム。 アンコールもなし。 すべてをこの曲に捧げた意気込みがダイレクトに客席に伝わってきました。 素晴らしい演奏会でした。 またこのような素晴らしい演奏会に今回もまたご招待いただきありがとうございました。 皆さんお疲れさまでした。


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2017年06月04日

オーケストラ・アンサンブル・フォルツァ 第21回定期演奏会

日時:2017年5月28日(土) 14:00開演(13:30開場)
場所:八尾市文化会館・プリズムホール・大ホール

曲目:ヴォーン=ウィリアムズ/ノーフォーク狂詩曲 第1番 ホ短調 (*1)
   アッテルベリ/交響曲第4番 ト短調 op.14 (*2)
   シベリウス/交響曲第1番 ホ短調 op.39
   (アンコール)シベリウス/「カレリア」組曲より第3番「行進曲風に」

指揮:菊 正憲、周藤 英(*1)、大塚洋平(*2)

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「北欧の自然と人々」をテーマにしたちょっと珍しいプログラムを団内指揮者でやってしまう意欲的な演奏会でした。 プログラムノートには、ヴォーン=ウィリアムズ→アッテルベリ→シベリウスとプログラムが進むごとに響きが充実してゆく構成、と書かれていたとおり、シベリウスの交響曲第1番の腰の据わった充実したサウンド。 今年聴いた演奏会の中で一番じゃないか、と感じました。 素晴らしい演奏でしたね。 またこの前のプログラムもまた指揮者とオケが一体となった演奏で、指揮者がオケをリードするのではなく、オケ全体が団内指揮者とともに意を一つにして自分たちの音楽を届けようという意欲に溢れた清々しい演奏を堪能しました。 またアンコールも良かったですね。 お馴染みの曲ですが足取り軽やかに明るい気分で会場を後にすることが出来ました。 月並みな表現ですが、いい演奏会でした。

シベリウスの交響曲第1番、ソリッドに打って更に追い込みもかけるティムパニ。 勇壮に吹く金管楽器とともに、これらが全然邪魔にならないのは、高音弦から低音弦に至る弦楽器群の充実したサウンドで下支えられているからですね。 ワーグナーやチャイコフスキー、ベートーヴェンを目標としたシンフォニストたらんシベリウスの第1番らしさが満載。 そしてまた管楽器や弦楽器のソロも巧かった。 これらをあげればキリがないほどですが、指揮者・奏者全員が持ち場をしっかりと固めてすべてを混然一体とし、ここにコクやタメもある腰の据わったサウンドですから、もうのめり込むように聴いていました。 惚れ惚れとしました。

これに先立つアッテルベリの交響曲第4番も、指揮者・奏者全員が一丸となって自分たちの音楽を届けようという意欲を感じました。 第6番のドル交響曲は単身赴任時代に図書館で借りてよく聴きましたが、こちらは初見参(のはず)。 ちょっと手探りで聴き始めましたが、冒頭より充実した弦楽器群に支えられ、また金管もよくブレンドされた響きでしたね。 第2楽章では木管楽器のソロがやわらかくフュチャーされてのどかな雰囲気もよく出てました。 そして終楽章フィナーレ、機動力を持ってリズミカルに進めたあと大きくタメを作っての着地。 曲の面白さは十分に使わってきました。

冒頭のノーフォーク狂詩曲、こちらは曲本来の持つ判りやすさというのかな馴染みやすさをそのままうまく引き出していました。 指揮者の周藤さん、指揮姿がぐいぐい引っ張っていく感じには見えず、喧騒の場面でも派手さを抑えてオケと指揮者が一体となって快活な盛り上がり、といった感じ。 全体的に伸びやかで透明感ある高音弦を主体とした弦楽アンサンブルが素敵でした。

いずれも素敵な演奏でしたけど、でも演奏会全体の印象はシベリウスの交響曲第1番の腰の据わったサウンドと明るく快活に進めたアンコール曲の印象に大きく染まってしまったみたい。 とにかく充実したいい演奏会でした。 次回は11月のオータムコンサート、「ピーターと狼」とストラヴィンスキーの交響曲ハ長調。 こちらも期待しますが、ひとまず皆さんお疲れさまでした。

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2017年05月28日

高槻フィルハーモニーオーケストラ 新緑コンサート2017

日時:2017年5月21日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:高槻現代劇場・大ホール

曲目:モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
   シューベルト/交響曲第7(8)番 ロ短調 D.759「未完成」
   シューマン/交響曲第3番 変ホ長調 op.97「ライン」
(アンコール)シュトラウス兄弟/ピチカート・ポルカ

指揮:鈴木啓哉

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新緑コンサートらしく新緑が目にまぶしいような演奏会。 中でもシューマンのラインは、マーラー版を参考にされた演奏で、冒頭よりアレアレっていった金管の響きが混じって聴こえてきましたね。 いずれの曲もメリハリをつけた音楽で、時おり華やかな金打楽器に彩られていたのは、指揮者の鈴木啓哉さんがホルン奏者ご出身だからでしょうか。 明るく元気のよい演奏を楽しみました。

オーケストラの編成は 7-7-5-5-3 の対抗配置。 残念ながら2階席が閉鎖されていたので、会場はほぼ満杯状態で、中央右側「て-38」の座席に収まりました。 前方には第2ヴァイオリンの後ろに配されたティムパニが見えます。 だからでしょうか、冒頭の「フィガロの結婚」序曲は、硬い響きのティムパニの打音がストレートに響いてきて、それが耳に残るとっても元気の良い演奏でした。 指揮者の鈴木さんは指揮棒をやや長めに持って颯爽と振っていらっしゃいました。

シューベルトの「未完成交響曲」、重厚な響きでたっぷりとした開始。 管楽器も巧く乗ってきてぐっと盛り上がりました。 ティムパニ響きは硬さが取れましたけど、鈴木さんの演奏はメリハリつけた音楽。 旋律を繰り返して、どんどんと力がこもってゆく感じ。 ただ弦楽器の数が少ないのがちょっと難点だったかな。 ちょっと余裕を感じられないのね。 前に前に出るような感じだったかな。 第2楽章もかっぷくの良い音楽構成、パワフルな盛り上がり。 冒頭のしみじみとした木管が良かったですね。 鈴木さん、ここでも丁寧に振って曲を進めてゆきますけど、元来あまり好きな曲ではないので、なんとなく聴いてしまいました。 すみません。

休憩をはさんでメインのシューマンのライン。 パンフレットには、シューマンの交響曲は楽器の重ね過ぎによる不明瞭な響きが批判されて、マーラーがオーケストレーションを改訂した話が記されていて、このアイディアを一部参考にした版での演奏を行うことが書かれてありました。 マーラー版のCDも持っていますけど、あまり好きな演奏ではなかったのでどんな演奏だったか忘れてしまっていて、ちょっと期待して演奏に臨みました。

冒頭よりいきなりアレアレっていった金管の響きもあって、パンフレットを読まなかった人は、ミスしたんじゃないかなと驚かれたのじゃないかなぁ。 旋律線のこともありますが、一斉にワッーっと楽器が鳴った感じで響いたものだから、耳慣れていないこともありますが、纏まり感がちょっと希薄な印象で鳴っちゃった感を受けました。 普段とは違う楽器の重ね方など面白かったけどね。

でもシューマンの交響曲は大好物なので、未完成交響曲とは違って面白く聴けた半面、やはり前に前にと進む演奏でちょっと辛口な印象。 せっかくのオケが対抗配置だったのに、中低弦と高音弦の構成感や、第1・2ヴァイオリンの対比などの効果も感じなく、響きを整理したのか、弦楽器の少なさもあったのでしょうね、タメとかコクといったシューマンらしさもそがれてしまったように感じました、。 第4楽章などトロンボーンなど厳かで鈴木さんは金管の扱いは巧いと思いましたけど、弦楽器には思い入れが少ないのか、サラサラっと流していて、ここぞという中低弦の切込みもなくちょっと残念な感じ。 このあたり曲への思い入れが強く出てしまって、すみません。 でもとにかく快活な演奏で、華麗な終楽章では大いに盛り上がった終結。 会場ウケはよかったですね。 後ろでブラボーと叫んでいる方もいらっしゃいました(でもサクラかな?)。

辛口な感じで書きましたが、新緑コンサートらしく新緑が目(耳)にまぶしいような明るく元気のよかった演奏会、いろいろと面白く聴かせていただきました。 次回定期演奏会は古典派音楽に戻って楽しみです。 皆さんお疲れさまでした。


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2017年05月12日

奈良女子大学管弦楽団 2017スプリングコンサート

日時:2017年4月30日(日) 13:30開演(12:30開場)
場所:橿原文化会館・大ホール

曲目:ベートーヴェン/「エグモント」序曲
   グリーク/「ペールギュント」第1組曲
    「朝」「オーセの死」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」
   シューマン/交響曲第1番「春」
(アンコール)チャイコフスキー/「くるみ割り人形」より「トレパーク」

指揮:木下麻由加(客演)

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奈良女オケのスプコン、木下麻由加姉さんとの名コンビぶりをこのところ聴かせてくれているが、今回もまたオケの持てる力をうまく引き出し、オーソドックスながらフレッシュでイキの良い演奏を楽しみました。

少々生硬な感じで突き抜けたトランペットのファンファーレ、心地よい音色のフルートが囀って始まったシューマンの「春」が素晴らしい演奏でした。 ヴィオラや第2ヴァイオリンがしっかりと鳴る盛り上がり、若い息吹が見事に表現された上々の滑り出し。 このあと勢いづいても決して浮つかないのは、麻由加姉さんがしっかりと手綱を握っているからですね。 第1楽章の後半ではオケもノッてきたようです。 音楽が伸びやかになって更に良くなりました。 そしてたっぷりとした響きで始まった第2楽章。 ここでも手綱をしっかりと握った麻由加姉さんですが、チェロの旋律をたっぷりと歌わせたり、第3楽章では弦楽アンサンブルのコクのある響きで聴かせるなど、とてもよく考えられた構成感を持って曲を進めていらして、オケもまたそれによく応えていました。 そしてまた終楽章が素晴らしかった。 重厚さと爽やかさを巧くブレンドした重層的な響き、要所でバシッと決めた後の軽やかでチャーミングな響きなどシューマンらしい躍動感にあふれた「春」の世界。 たっぷりと楽しませてもらいました。

これに先立って演奏された「ペールギュント」も好演。 清楚な響きで彩られた「春」は軟らかなヴィオラとそっと寄り添う低弦が素敵。 集中力を高めて重層的な響きで聴かせた「オーセの死」、音量が上ってもまろやかさを失わず終結部での消え入る響きもまた心に沁みました。 「アニトラの踊り」では艶やかで透明感ある響きを基調としながら対旋律を際立たせ、「山の魔王の宮殿」でも音量が上っても刺激的な響き排除した上質で自然な盛り上がり。 耳慣れた名曲ながら、清楚な女子大オケらしいフレッシュな演奏としてうまく聴かせて下さいました。

フレッシュな演奏といえば冒頭の「エグモント」序曲も。 芯のある響きながら、やや几帳面な感じだったけれど、向かって左より高音、右から低音のステレオ効果、中央のティムパニが響きを抑えたトコトコとした打音なのは時代考証かも、などと面白く聴かせてもらいました。 肩慣らしの序曲としては上出来でしょう。

今回もまた木下麻由加姉さんに導かれ、オケの特質がうまく引き出された聴き応えのある演奏会でした。 右手親指の手術を翌日に控えた外泊許可中のひとときを有意義に過ごすことが出来ました(この手術のため感想文が遅れてしまいましたが)。 なおこの演奏会パンフレットを見て団員の減少が少々気になりましたが、さっき Twitter を覗くと今年は15名もの1回生が入団されたようですね。 12月の定演も麻由加姉さんが登場されるようなので期待します。 ありがとうございました。


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2017年04月29日

川西市民オーケストラ 第5回ファミリーコンサート2017

日時:2017年4月23日(日) 14:30開演(14:00開場)
場所:川西市文化会館・大ホール

曲目:<第1部>
    スッペ/「軽騎兵」序曲
    パッヘルベル/カノン(フルオーケストラ版)(*)
    ブラームス/ハンガリー舞曲第1番
    L.アンダーソン/ワルツィング・キャット
    ハチャトゥリアン/「仮面舞踏会」よりワルツ
    ベートーヴェン/交響曲第7番 第1楽章
   <第2部>
    L.アンダーソン/舞踏会の美女
    セイヤ編/ディズニー・クラシックス(弦楽合奏)
    ハーライン/星に願いを (*)
    モリコーネ/ニューシネマ・アパラダイス・セレクション (*)
    チャイコフスキー/「眠りの森の美女」よりワルツ
(アンコール)永六輔作詞、中村八大作曲/上を向いて歩こう (*)

指揮:白谷 隆 (* 編曲、おはなし)

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「家族で気楽にオーケストラ」のタイトルらしく老若男女ともに楽しめる内容を楽しみました。 未就学児童もOKの演奏会、子供の泣き声や走りまわる子供たちもいるなか、白谷さんの判りやすいトークで演奏会は進み、手を抜くことのない真摯な演奏を展開したオーケストラもまた17才から80才を超えるメンバーが集まっているとのこと。 昨年のこの演奏会は文化祭的な内容で少々取り留めなかったような気もしましたが、今年はしっかりとした内容のファミリーコンサートを楽しませてもらいました。

指揮台の前には保育園などで見かけるような手作りの動物プレートや箱が並んでいて、開演前のロビーでは折り紙コーナーもあって、気楽にオーケストラを実践されてました。 オケの方々も黒ズボンに黒スカートの出で立ちでしたが上着はノーネクタイ、カラーシャツの方もいらしてリラックスした雰囲気。 なお編成は 9-10-7-7-3 の通常配置でした。

白谷さんが登場されて、威勢の良い「軽騎兵」序曲よりスタート。 メリハリも効いた演奏はしっかりと音がブレンドされてにぎにぎしくてとっても良い感じやな、と聴いていると、白谷さんが客席を振り返って手拍子を要求。 これで会場に一体感が生まれて雰囲気が一気に盛り上がりました。

演奏会は白谷さんのトークで進められ、オケメンバーが退屈で寝ているのを客席の拍手で起こす小芝居など、未就学児童や低学年生に向けた内容としながらも、いずれの演奏はとってもしっかりとしたもので、聴きごたえありましたね。 白谷さん編曲もまたカラフルで曲の特徴を判りやすく説明しているような感じ。 カノンでは木管や金管をうまく使ってパイプオルガンのような響きを醸し出していましたね。

第2部の「星に願いを」では楽器紹介を兼ねて fl,cl,ob,fl,hr,tp,tb,tuba,vn,va,vc,cb,timp,dr,pf がそれぞれの音色で曲を進めたのち、その楽器がオケのどこにいるかの答え合わせ。 演奏をリピートし、奏者がそれぞれのパートで立ち上がっての演奏としました。 とても判りやすく、また興味も持たせたあとは全員が立ちあがっての演奏とし、ここに客席からの手拍子も加えてまた客席との一体感も出てよかったですね。

子供向けだけでなく、お父さんお母さん世代の方には「ニューシネマ・アパラダイス・セレクション」でご夫婦が結婚される前に映画デートされたことに思いも馳せられたでしょうし、爺さん婆さんとなったなった世代には、アンコールで「上を向いて歩こう」を口ずさんで満足されたのではないかな。 オーソドックスで判りやすい内容としながらも、よく考えられた選曲でありました。

昨年は箏や合唱との共演など盛り沢山で凝った内容で出演者も多く、オケもストレートに盛上げてお仕舞い、そんな感じで少々消化不良となってましたけど、今年は白谷さんのリードと編曲によって各パートを浮き上がらせたり音をうまく重ねたりしつつも、判りやすさを基本としつつもとてもしっかりとした演奏で楽しませてもらいました。

終演後、ホールから自宅にもどるご家族連れの皆さんがとってもにこやかな笑顔で会場を後にされていたのが印象に残った演奏会でした。 出演者の皆さんお疲れさまでした。



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2017年04月23日

混声合唱団ホール・バルティカ 第6回定期演奏会

日時:2017年4月22日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:いずみホール

曲目:《ウイーンの音楽集》
   E.シュトラウス/ポルカ・シュネル「テープは切られた」op.45
   J.シュトラウス2世/南国のバラ op.388
   J.シュトラウス2世/トリッチトラッチポルカ op.214
   J.シュトラウス2世/皇帝円舞曲 op.437
   E.シュトラウス/カルメン・カドリーユ op.136
   スッペ/「軽騎兵」序曲
   《モーツァルト/レクイエム》
   モーツァルト/レクイエム ニ短調 K.626(ジェスマイヤー版)
   アンコール:モーツァルト/レクイエム (レヴィン版)より「アーメン・フーガ」

独唱(昼公演):内藤里美(S)、大賀真理子(A)、小餅谷哲男(T)、片桐直樹(Br)

合唱:混声合唱団ホール・バルティカ
管弦楽:セント・マーティン・オーケストラ

指揮:河崎 聡

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P4236659 posted by (C)fronte360

魂の叫びにも似た熱く力強い合唱によるモーツァルトのレクイエムに心揺さぶられました。 昼公演を鑑賞しましたが、夜公演でもまた同じテンションでできるのかなぁ、などと余計な心配もするほどの熱い演奏を展開。 そして前半プログラムは、ニューイヤーコンサートにも似たウィンナワルツやポルカの数々は、いずれもきちっと抑制をかけながらも悦楽感に富んだ演奏を楽しみました。 プログラムに書かれた指揮者の河崎さんのお話によると生と死がテーマであったようです。 色々な仕掛けもあったようですが、純粋に充実した演奏に満足した演奏会でした。

オーケストラは対向配置とし弦楽器を 9-9-7-4-3 とした編成。 定刻、舞台袖より整列入場でステージに集合するオケ・メンバーは起立したままで待ち、全員が揃ったのを確かめてコンミス以下一同が客席に一礼をして着席。 ちなみに演奏会終了時も、ホール内が明るくなったのち、オケ・メンバー一同が客席に一礼をして散会していて、礼に始まり礼に終わる、日本の武道のようなスタイルに客席からも暖かい拍手が贈られていました。

さて前半は「ウイーンの音楽集」、ホイッスルで始まるポルカ・シュネル「テープは切られた」。 汽車の出発を想像させる曲で、原語では Bahn frei ! 、Bahnは「道」でfreiは「自由」、道(人生)の出発で自由を感じたので「生」をテーマとした前半第1曲目に選曲されたとのこと。 軽快に進めていて、まろやかな金管も相まって自然と口角もあがりました。

この種の曲はある種判りやすいこともあって几帳面に演奏されがちですけれど、どの曲も河崎さんのリードによってきちっと演奏されながらも、なんともいえない浮揚感を醸していて、中でもヴィオラ奏者の方々、皆さんにこやかで微笑むような表情で演奏されていたのがとても印象に残りました。 素晴らしかったですね。

カルメン・カドリーユ、オペラ「カルメン」の有名なメロディが次から次へとめまぐるしく出てくるパロディ的な曲も面白かったですね。 2012年のニューイヤーで演奏されて世界中を魅了したのだとプログラムに書かれていましたが、今回初めて耳にしました。 まだまだ知らない面白い曲もあるのでしょうね。 奥の深い世界ですね。

そしてお馴染みの皇帝円舞曲や「軽騎兵」序曲、前者での独奏チェロや後者のトランペットによるファンファーレも素敵でしたし、耳に馴染んだ曲ながら深さと奥行きも感じさせる演奏に大満足。 「生」を満喫させるかのような内容の充実した前半でした。

20分間の休憩、ステージ後方に合唱団用のひな壇を、指揮者の前にはソリスト用の椅子を並べて準備を整えました。 定刻、合唱団の入場。 中央に男声、向って左にソプラノ、右にアルトを配しますが、ソプラノがアルトの倍近い人数でした。 あとステージの左右には字幕表示も設置されていました。 オケ・メンバーも配置について準備完了。 ソリスト4人と河崎さんが出てこられていよいよ始まります。

後半では指揮棒を持たず、たっぷりとした振りで深い響きを導き出した開始、音を重ねてゆき、合唱のバスそしてテノール、アルト、ソプラノと声が重なってゆくと鳥肌がたってきました。 ヴァイオリンがノン・ヴィブラートでしょうか無機的な響きもまたゾクゾクっとしました。 内藤里美さんの独唱は、一言でいうと美声でしょう。 落ち着いて清楚さを出していますが、華やかさが見え隠れしますね。 合唱団は重厚で力強い響きで圧倒するような感じも。 合唱団の演奏会ですからね、気合い十分なんでしょう。

「キリエ」も真摯ながら重厚でドラマティック、圧倒するような感じで推し進めましたが、間髪を入れず「怒りの日」が超高速なのにた驚かされました。 それでもソプラノ合唱はしっかりとに声を伸び縮みさせていましたね。 一気呵成で進めたあと、少し呼吸をとってトロンボーンの落ち着いたソロが心に滲みました。 片桐直樹さんのバリトン・ソロも深くて良い声ですね。 テノールの小餅谷哲男はドラマティクな感じ、大賀真理子のアルトもまた陰影のある落ち着いた声、そして艶やかなソプラノの内藤里美とつないで、重唱は粒が揃っていて聴き応えありますね。

「オッフェトリウム」柔らかな女声合唱、パワフルな男声合唱が絡み、メリハリもつけつつ躍動的としたあと、オスティアスでの暖かなやわらかな響きの合唱。 声が横に拡がって聴こえるなか、ピリオド奏法の高音弦がストイックに絡んで進んで素晴らしかったですね。 ここまでがモーツァルト。 そして輝かしく力強い「サンクトゥス」よりジャスマイヤーによるモーツァルトへの鎮魂歌だそうです。 各声部が有機的に絡んで壮大な世界を創り上げてゆきました。

豊かで暖かなオケの響きで始まったベネディクトゥス、滋味あるアルトの独唱に美しいソプラノが絡み、高音弦も寄り添って美しい響き。 バスのソロが艶のある深い響きで歌い、独唱そしてオケが立体的に絡んでドラマティクに進めて素敵。 合唱が雄大で熱気を孕んで歌い上げました。

一転して重厚な合唱で始まった「アニュス・デイ」、敬虔だけれども熱い合唱は力強くて、少々抑えても良いかな、と思いましたが、終曲となるとじっくりと進める河崎さんに合唱も深い響きでよく応えていました。 最後はぐっと盛り上げて着地するのかと思いきや・・・ゆっくりと音を絞って消え入るようなエンディング。 最後の音が終わっても静寂がホールを包み込むモーツァルトへの鎮魂歌らしい感動的な幕切れでした。 モーツァルトへのジェスマイヤーの想いに見事な光を当てたような素晴らしい演奏でした。

アンコールは、レヴィンが補筆時に偶然発見したというアーメン・フーガ。 珍しいオマケまでいただきとても満足した演奏会でした。 耳慣れた曲でしたが、また違った角度より楽しむことができました。 皆さんお疲れさまでした、そしてこんな素晴らしい演奏会にご招待いただき有難うございました。


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2017年03月26日

六甲フィルハーモニー管弦楽団 第43回定期演奏会

日時:2017年3月20日(月・祝) 14:00開演(13:30開場)
場所:神戸文化ホール・大ホール

曲目:プロコフィエフ/交響曲第7番
   ショスタコーヴィチ/交響曲第10番
(アンコール)ショスタコーヴィチ/「ジャズ組曲」よりワルツ

指揮:ヴィヤチェスラフ・プラソロフ

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IMGP0004 posted by (C)fronte360

1950年代の「ソヴィエト音楽」特集、ともに重厚な弦の響きを基調としながらもスッキリと纏めた見通しの良い演奏。 統制をしっかりととったパワフルな盛り上がりが印象的でした。 逆にアンコールでは指揮者のプラソロフさんがアコーディオンを掲げて出てきて、リズムを大きく揺らせたりする楽しい演奏で心も温まりました。

オーケストラの編成は 12-12-8-9-8 の通常配置。 弦楽アンサンブルの各パートがしっかりと纏まって分厚い響きを形成していましたが、特筆しておきたいのはヴィオラの健闘。 相対的に人数が少ないものの、要所でしっかりとした響きでの主張があってこそ、ともすると表層的流れやすい場面でも奥行きの深さを演出していたのが印象に残りました。

プロコフィエフの「青春」とも呼ばれる交響曲第7番、第1楽章冒頭より奥行きのある充実した弦アンサンブルを堪能できたのもヴィオラの健闘があってこそでしょう。 青春らしく明るく張りのある響き、第2楽章では重厚ながらチャーミングなワルツも楽しむことができました。 木管楽器の健闘が光ったのは第3楽章、そして弦と管と受け渡しもよくよどみなく音楽が流れてカッコよかった終楽章。 重厚な響きながら軽やかなステップを踏んで進む音楽はとても伸びやかでしたね。 大きく呼吸していたフィナーレ、いったん弱音になったあと元気よく終わるタイプ。 しかしながらちょっとあっさりと付け足した感じでの終結でした。 個人的にはオリジナルな終わり方がよかったかな。

休憩をはさんで大曲ショスタコーヴィチの交響曲第10番、しっかりと地に足をつけてハードな盛り上がりでも各パートがよく纏まって落ち着いたクールな演奏でした。 ブラソロフさんの指揮は明快、見晴らしの良い演奏として、オケもまたそれに良く応えてました。 第1楽章のソリッドな盛り上がりもさることながら、憂色を含んだ響きで彩られていて聴き応えありました。 第2楽章での統制とれたソリッドで重層的な響きはカッコ良く、ティムパニ奏者の思い切り良さも光ってました。 しかし当方ちょっと体調悪くこのところの疲れもあって、後半となって暗い響きで哀愁漂う場面になると集中力が切れて意識が時おり飛ぶというテイタラク、パワフルな場面になって覚醒する有様でしたが、オケは集中力を切らすことなく、低弦の凝縮した響きでのしっかりとした終結は大熱演となっていました。

終演後オケの皆さんを見ていると肩で息をされていた方もちらほら見かけるほどの熱演でしたが、アンコールとなって指揮者のプラソロフさんがアコーディオンを掲げて出てきたのに会場が沸きました。 これまでとは違ってリズムを大きく揺らせたり、金管を立たせて演奏させる楽しい雰囲気の演奏。 本来陽気な性格であったショスタコーヴィチも1950年代にあってはまだ社会体制のなかで複雑な心境であったことを示すアンコールだったのでしょうね。 ともかく楽しい演奏に心は温まって帰路につくことができました。 ご招待いただきありがとうございました。 そして皆さんお疲れさまでした。


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