日時:2017年12月10日(日) 13:30開演(12:30開場)
場所:奈良県文化会館・国際ホール
曲目:ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
ブラームス/悲劇的序曲
ドヴォルザーク/交響曲第8番
(アンコール)ドヴォルザーク/スラヴ舞曲 op46-8
指揮:木下麻由加
PC129200 posted by (C)fronte360
木下麻由佳姐さんと奈良女オケのコンビを聴くのはこれで4回目かしら。 毎度このオケの良いところを自然と引き出す手腕に感心していますが、今回もまた堂々としたワーグナー、覇気あるブラームス、そして歌謡性を保ちつつも衣の下にはしっかりとした構成感を持って届けられたドヴォルザーク、これに特に感嘆しました。
ブラームスは一点一画をきちっと積み上げていけば「らしい」音楽になると思いますが、ドヴォルザークは一筋縄ではいかないリズムと親しみやすいメロディが特長。 木下さんはしっかりと読み込まれたスコアをもとに、押しては引き、緩急もつけて曲を進めます。 そして要所要所でオケが持っている力を信頼し本当に巧く力を引き出している。 奏者の方はそんな木下さんに従ってゆけば持っている力を自然と前向きで出す。 そんな構図かな。 とにかく前向きな音楽を聴いていると気持ちが良くなります。 失敗を恐れて安全運転に徹した音楽、失敗しないよう抑制かけた音楽なんて聴いていても面白くないですものね。 かといって、勢いに任せてオケをノセているのともまったく違う。
そんな意味でもドヴォルザークの交響曲第8番がとても聴き応えのある演奏でした。
美しい旋律、ソロも満載な曲ですが、オケの力量というか楽器の質もあるのでしょうけれど、全体的に朴訥とした素朴な響きで纏められていたのが印象的でした。 冒頭のフルートからピッコロ、終楽章のトランペットなどには艶も感じましたがごくあっさりとしたもの。 終楽章のチェロによる主題呈示など(豊穣な響きではなかったけど)しみじみとした響きでしっかりと音が出ていました。 全体とよくマッチしてましたよ。 そうそう第2楽章のコンミスのソロも可憐な響きでした。 機動的なアメリカのオケではなく、一時代前の東欧のオケのような誠実な響きでしたね。 しかしフィナーレ、精力的で迫力も持ち合わせた響きとしましたが、勢いに任せて飛ばすようなことはなく、しっかりと地に足をつけての演奏。 味わい深さをも備えてのフィニッシュとしました。 常に理性的、上品な音楽造りで、気持ちのいい演奏でした。
冒頭のマイスタージンガーの前奏曲、木下麻由佳姐さんと近畿フィルのコンビでも先日聴いたばかり。 たっぷりとしたオケの響きに低音金管や低弦の響きをしっかりと絡ませていたのは同じ。 刺激的な響きはなく、肌触りの良さと見晴らしの良さが先に立つ演奏でしたが、その下にはしっかりとした構成感。 必要以上な虚勢を張ることなく、かといってこじんまりと纏まる事のない、身の丈をきちんと意識した雄大さを示した佳演。 こちらも先日と同じ感じでした。
ブラームスの悲劇的序曲、冒頭より鋼のような強靭さとキレある響きでぐいぐいと進めていったのが印象的。 前曲のワーグナーより音量が大きかったようにも感じました。 集中力の高さが違っていたのかもしれません。 キレだけでなく粘り、ぐっと木下さんが踏み込んでオケから強い響きと緊張感を引き出します。 でもここでも勢いに任せるのではなくて、一音一音にしっかりと意味がある。 オケには事前にそれらがしっかりと浸透されていたうえでの熱演ですね(指揮棒を飛ばしてしまって途中から手での指揮となりましたが全然影響なし)。 とにかくテンションの高い熱演で、緊張感を持たせた演奏でしたが、あざとくならないのは常に真摯なオケの姿勢によるところ大だったと思います。 パンフレットに書いてあった「力強く、挫折せずに生き抜いていく」まさにそんな意思をオケの演奏より感じました。
アンコールはスラヴ舞曲より8番、さすが練習量が違うのでしょうね、勢いはあってもやや大づくりの音楽での大団円。 こちらは景気づけと理解しました。
次回のスプコンは団内指揮者による学内演奏会となるようですね。 オケの自力をつけるのには良いかもしれません。 でもまた木下麻由佳姐さんとの演奏会も期待します。 皆さん良い演奏ありがとうございました。 お疲れさまでした。
2017年12月13日
2017年11月28日
近畿フィルハーモニー管弦楽団 第13回ファミリーコンサート
日時:2017年11月26日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:八尾市文化会館プリズムホール・大ホール
曲目:ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」
小序曲、行進曲、金平糖の踊り、ロシアの踊り(トレパーク)、
アラビアの踊り、中国の踊り、葦笛の踊り、花のワルツ
【映画音楽特集】
ジョン・ウィリアムズ/「スターウォーズ」よりメインテーマ
ジョン・ウィリアムズ/ジュラシックパーク
エンリオ・モリコーネ/ニューシネマパラダイス
久石譲/オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」-*
さんぽ、五月の村、ススワタリ〜お母さん、トトロがいた!、
風のとおり道、まいご、ネコバス、となりのトトロ
(アンコール)日本の唱歌メドレー
ナレーター:石川未菜子(劇団ひまわり)
指揮:木下麻由加
PB288741 posted by (C)fronte360
とっても気持ちの良い演奏会でした。 子ども向けのファミリーコンサートながら、木下麻由加さんに率いられた近フィルによる演奏は、溌剌としながらもあざといアクセントや声高にメロディを主張することのない、常に上質な響きが満載。 素敵な音楽をいっぱい届けてくださいました。
冒頭の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲。 重量感のあるブラスと恰幅の良い響きが見事にブレンドされて、落ち着いて進んでゆきました。 堂々たる演奏でしたが、トランペットの旋律もきちんと抜けて聴こえてくる見晴らしの良さとオケの纏まりの良さが光っていました。
「くるみ割り人形」はチャーミングで綺麗な響きを主に、各曲の特長を巧く捉えていて、オケもまったく弛緩することのない好演の連続。 低弦がしっかりと曲を支えた上で、各パートがしっかりと持ち場を守っていて、それを木下麻由加さんによる絶妙のバランス感覚でリードされた演奏で届けられました。 大きな特徴は無いのだけれど、すっ〜心にと入ってきて琴線をちょこっとくすぐる感じ。 楽しい時間でした。
映画音楽になると、迫力を増した演奏となりましたね。 お馴染み「スターウォーズ」では畳み掛けるブラス、リズミックな音楽としましたが、ここでも何かを突出させることのない上質な音楽。 ジュラシックパークでは、より重量感ある響きを演出したりホルンやピアノなどの美しい響きを駆使しながらも、華美にならない端正な音楽造り。 ニューシネマパラダイス、響きを深めにとって柔らかくうねるようにして、懐かしさを込めたじっくりと腰の据ったサウンド。 クラリネットやバストロ、チューバも好演でしたね。
木下麻由加さん、奈良女のオケなどで何度も聴かせてもらっています。 強烈な個性はないけれど、通俗名曲といわれるような曲でも、オケの良いところを巧く引き出して、耳に馴染んだ曲ながらも聴き応えのある演奏に仕立てて届けくださって、並々ならぬ手腕、と密かに思っています。 将来が楽しみです。
さて、ここまでそんな指揮者の木下麻由加さんご自身が簡単な曲目解説をしながら進める形式でしたが、最後に演奏されたオーケストラストーリーズ「となりのトトロ」。 石川未菜子さんによる映画場面のお話しとともに奏でられた音楽は、映画の名シーンが目の前に浮かんでくるようでした。 ナレーターの石川さんの声質が主人公のメイちゃんに似ていたことも大きかったかもしれませんね。 そして演奏されていた方々もまた映画の場面を思い浮かべていたのかもしれません。 とにかく共感と臨場感のある演奏が展開されて会場は大いに盛り上がりました。 本当に素晴らしい時間を共有させていただきました。
そしてアンコールの日本の唱歌メドレー。 客席を向いて指揮する木下麻由加さんに合せて歌詞を口ずさむなど、大人も参加もできる演奏会となっていて、子どもから大人まで、文字通りファミリーでのとても楽しい演奏会がお開きとなりました。 演奏者の皆さん、お疲れさまでした。 そして素敵な時間をありがとうございました。
場所:八尾市文化会館プリズムホール・大ホール
曲目:ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」
小序曲、行進曲、金平糖の踊り、ロシアの踊り(トレパーク)、
アラビアの踊り、中国の踊り、葦笛の踊り、花のワルツ
【映画音楽特集】
ジョン・ウィリアムズ/「スターウォーズ」よりメインテーマ
ジョン・ウィリアムズ/ジュラシックパーク
エンリオ・モリコーネ/ニューシネマパラダイス
久石譲/オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」-*
さんぽ、五月の村、ススワタリ〜お母さん、トトロがいた!、
風のとおり道、まいご、ネコバス、となりのトトロ
(アンコール)日本の唱歌メドレー
ナレーター:石川未菜子(劇団ひまわり)
指揮:木下麻由加
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とっても気持ちの良い演奏会でした。 子ども向けのファミリーコンサートながら、木下麻由加さんに率いられた近フィルによる演奏は、溌剌としながらもあざといアクセントや声高にメロディを主張することのない、常に上質な響きが満載。 素敵な音楽をいっぱい届けてくださいました。
冒頭の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲。 重量感のあるブラスと恰幅の良い響きが見事にブレンドされて、落ち着いて進んでゆきました。 堂々たる演奏でしたが、トランペットの旋律もきちんと抜けて聴こえてくる見晴らしの良さとオケの纏まりの良さが光っていました。
「くるみ割り人形」はチャーミングで綺麗な響きを主に、各曲の特長を巧く捉えていて、オケもまったく弛緩することのない好演の連続。 低弦がしっかりと曲を支えた上で、各パートがしっかりと持ち場を守っていて、それを木下麻由加さんによる絶妙のバランス感覚でリードされた演奏で届けられました。 大きな特徴は無いのだけれど、すっ〜心にと入ってきて琴線をちょこっとくすぐる感じ。 楽しい時間でした。
映画音楽になると、迫力を増した演奏となりましたね。 お馴染み「スターウォーズ」では畳み掛けるブラス、リズミックな音楽としましたが、ここでも何かを突出させることのない上質な音楽。 ジュラシックパークでは、より重量感ある響きを演出したりホルンやピアノなどの美しい響きを駆使しながらも、華美にならない端正な音楽造り。 ニューシネマパラダイス、響きを深めにとって柔らかくうねるようにして、懐かしさを込めたじっくりと腰の据ったサウンド。 クラリネットやバストロ、チューバも好演でしたね。
木下麻由加さん、奈良女のオケなどで何度も聴かせてもらっています。 強烈な個性はないけれど、通俗名曲といわれるような曲でも、オケの良いところを巧く引き出して、耳に馴染んだ曲ながらも聴き応えのある演奏に仕立てて届けくださって、並々ならぬ手腕、と密かに思っています。 将来が楽しみです。
さて、ここまでそんな指揮者の木下麻由加さんご自身が簡単な曲目解説をしながら進める形式でしたが、最後に演奏されたオーケストラストーリーズ「となりのトトロ」。 石川未菜子さんによる映画場面のお話しとともに奏でられた音楽は、映画の名シーンが目の前に浮かんでくるようでした。 ナレーターの石川さんの声質が主人公のメイちゃんに似ていたことも大きかったかもしれませんね。 そして演奏されていた方々もまた映画の場面を思い浮かべていたのかもしれません。 とにかく共感と臨場感のある演奏が展開されて会場は大いに盛り上がりました。 本当に素晴らしい時間を共有させていただきました。
そしてアンコールの日本の唱歌メドレー。 客席を向いて指揮する木下麻由加さんに合せて歌詞を口ずさむなど、大人も参加もできる演奏会となっていて、子どもから大人まで、文字通りファミリーでのとても楽しい演奏会がお開きとなりました。 演奏者の皆さん、お疲れさまでした。 そして素敵な時間をありがとうございました。
2017年11月25日
京都教育大学管弦楽団 第48回定期演奏会
日時:2017年11月23日(木・祝) 14:00開演(13:30開場)
場所:文化パルク城陽・プラムホール
曲目:スッぺ/「軽騎兵」序曲-*
チャイコフスキー/幻想交響曲「ロメオとジュリエット」
ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」
(アンコール)アーグナー/歌劇「ローエングリン」から「エルザの大聖堂への行進」
指揮:藏野雅彦(客演)、東谷ひとみ(学生)-*
PB258740 posted by (C)fronte360
失礼ですが正直こんな気迫に満ちた真摯な「運命」に接することなど想定外。 藏野さん入魂の「運命」に大きく心揺さぶられました。 単科大学ゆえOB/OGや近隣オケの方の賛助を得て演奏会なので、そんなに鳴りの良いオーケストラではないけれど、藏野さんの気迫が乗り移ったのでしょうね、失敗を恐れず攻めの姿勢での演奏が実に潔く、気持ちの良い演奏に感動しました。 ベートーヴェンって凄いな、運命って名曲だな、などと改めて感じ入った素晴らしい演奏に出会えて幸せでした。
文化パルク城陽での演奏会、ここのホールに来る楽しみの一つに市民プラザの催しがあって、この日はフリーマーケット。 お気楽にあれこれと覗いていたら開演10分前、慌ててホールに駆け込みました。 2・3階席はクローズされていたのでやや混み合う1階席 U-37 の席を確保、慌ててトイレに行って準備完了です。 オケの皆さんが整列入場され、弦楽器編成 13-12-9-8-7 での対向配置で着席されました。
スッペの「軽騎兵」序曲は、オケ始まって以来の女性指揮者・東谷ひとみさんによる指揮。
小柄な体躯が伸び伸びとして大きく見える指揮姿でしっかりとリードしていたのが印象的でした。 冒頭のファンファーレより明るい音色で快活に進めて、ブラスの響きの重なりも良かったな。 お馴染みのメロディ、元気よく進めてゆきます。 ヴァイオリンのアンサンブルにやや纏まりが欠けていたようにも思えたりもしましたが、抑揚をきっちりと付けるなど、しっかりとした構成を崩さす、オケもまた指揮者にしっかりと応えていました。 最後は一段と音量を増した若さ溢れる演奏として見事にフィニッシュを決めました。
オケがいったん全員掃けたあと再入場。 準備を整えると藏野さんが出てこられてチャイコフスキーの幻想交響曲「ロメオとジュリエット」。 厳かで重みのある序奏がこれから始まる悲劇を予感させる上々の滑り出し。 コントラバスが鋼のようにキレを持った重い響き、ヴァイオリンの奥深い響きを駆使し、音楽を十分に練り込みつつ進めてゆきます。 場面転換、緊張感を持った音楽でスピードアップしますけれど、しっかりと地に足がついた音楽としているのは藏野さんらしいところ。 見ていても実に判りやすい棒で、端正な音楽造りなんだけれど、要所を決めてエキサイティングな音楽でもあります。 また落ち着くと、ちょっとウエットなコールアングレやホルンの響きでしみじみとさせたあと、小さく振って集中力を高めたクライマックス。 タイトに打つティムパニにゾクゾクっときました。 音量が上っても音が前に飛ぶのではなく、ホールを包む込むように響きが押し寄せてくる感じ。 十分練り込まれた響きが良かったですね。 そして終結、力強くも引き締まった響きでの着地。 十二分なタメに熱くなりました。 会場からも大きな拍手が沸き起こっていました。
15分間の休憩を挟んでいよいよメインの「運命」、勝手知ったる名曲中の名曲、長くない曲なので、15時半にはお開きかな、などと軽い気持ちで臨みましたけれど、冒頭の気迫に満ちた真摯な響きで、そんな気持ちは吹き飛び姿勢を正しました。 藏野さん、腰をぐっと落して力を入れる渾身の指揮で、ホルンのタイトな響きも素晴らしく、スピード感溢れる演奏についてゆくのが精一杯。 オーボエのソロもしみじみとして良かったし、再現部ではティムパニが芯となってドラマティックな演奏として盛り上げたのを、すっと力を抜いてふわっとした着地がまた素晴らしかった。 あまりの迫力ある演奏に会場より大きな拍手が湧いたのもうなずけました。
第2楽章は一転して豊かな弦の響き。 ヴィオラとチェロの見事なアンサンブルで始まって、湧き上がってくるようなヴァイオリンの響き、やや明るめの木管へと繋いでゆきます。 中音弦がたっぷりと鳴っていて、恰幅の良さが際立ちますね。 藏野さん、ここでも充分に響きを練り込んでいますが、ダイナミックレンジも大き目にとっていて、堂々たる名曲として存分にオケを鳴らしています。 失礼ですがここのオケからこんな響きが出るのかと思ったしだい。
第3楽章、コントラバスのキレのある重い響き、タイトなホルンが好演。 高音弦も強く弓を押し当てて弾いているのでしょうね。 キレの良いティムパニ、明るめの音色のトランペットにも彩られた充実したアンサンブル。 楽器の数が少なくなっても音楽の充実度が変わらない、集中力の高い演奏。 その集中力の高さを切らさずアタッカで終楽章へと昇華。
華やかなラッパの響き、重量感のあるコントラバス、オケが一丸となって進む渾身の演奏に巻き込まれた感じ。 不覚にも涙が出そうになりました。 もう音楽に身を任せるのみ、といった感じ。 藏野さんに導かれつつ、オケの皆さんが気持ちを合わせ、そして失敗を恐れない攻めの姿勢での演奏が本当に素晴らしかった。 トランペットの女性奏者の方、吹く前に掌で口元をぶるぶるとさせて気合いを入れていて、輝かしい響きで曲を見事に彩っていました。 ティムパニも曲の芯になって蔭に日向に曲を見事に支え、そしてオケが一丸となって迎えたフィニッシュ。 前の曲では藏野さんの巧さが光っていましたが、運命ではオケの攻めの姿勢が光っていました。 オケの皆さんに大きな拍手を贈りました。 気持ちのよく乗った音楽は本当に素晴らしかった。
市民プラザで何やってるかな?、などと軽い気持ちで出かけた演奏会でしたが、予想もしない真摯でかつ活力に満ちた運命の出会え、その余韻にひたりつつ会場を後にすると、フリーマーケットは既に撤収していました。 が、入場前に慌てて買ったセーターもお土産にとても充実した幸せな時間を過ごすことができました。 皆さんありがとうございました。
場所:文化パルク城陽・プラムホール
曲目:スッぺ/「軽騎兵」序曲-*
チャイコフスキー/幻想交響曲「ロメオとジュリエット」
ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」
(アンコール)アーグナー/歌劇「ローエングリン」から「エルザの大聖堂への行進」
指揮:藏野雅彦(客演)、東谷ひとみ(学生)-*
PB258740 posted by (C)fronte360
失礼ですが正直こんな気迫に満ちた真摯な「運命」に接することなど想定外。 藏野さん入魂の「運命」に大きく心揺さぶられました。 単科大学ゆえOB/OGや近隣オケの方の賛助を得て演奏会なので、そんなに鳴りの良いオーケストラではないけれど、藏野さんの気迫が乗り移ったのでしょうね、失敗を恐れず攻めの姿勢での演奏が実に潔く、気持ちの良い演奏に感動しました。 ベートーヴェンって凄いな、運命って名曲だな、などと改めて感じ入った素晴らしい演奏に出会えて幸せでした。
文化パルク城陽での演奏会、ここのホールに来る楽しみの一つに市民プラザの催しがあって、この日はフリーマーケット。 お気楽にあれこれと覗いていたら開演10分前、慌ててホールに駆け込みました。 2・3階席はクローズされていたのでやや混み合う1階席 U-37 の席を確保、慌ててトイレに行って準備完了です。 オケの皆さんが整列入場され、弦楽器編成 13-12-9-8-7 での対向配置で着席されました。
スッペの「軽騎兵」序曲は、オケ始まって以来の女性指揮者・東谷ひとみさんによる指揮。
小柄な体躯が伸び伸びとして大きく見える指揮姿でしっかりとリードしていたのが印象的でした。 冒頭のファンファーレより明るい音色で快活に進めて、ブラスの響きの重なりも良かったな。 お馴染みのメロディ、元気よく進めてゆきます。 ヴァイオリンのアンサンブルにやや纏まりが欠けていたようにも思えたりもしましたが、抑揚をきっちりと付けるなど、しっかりとした構成を崩さす、オケもまた指揮者にしっかりと応えていました。 最後は一段と音量を増した若さ溢れる演奏として見事にフィニッシュを決めました。
オケがいったん全員掃けたあと再入場。 準備を整えると藏野さんが出てこられてチャイコフスキーの幻想交響曲「ロメオとジュリエット」。 厳かで重みのある序奏がこれから始まる悲劇を予感させる上々の滑り出し。 コントラバスが鋼のようにキレを持った重い響き、ヴァイオリンの奥深い響きを駆使し、音楽を十分に練り込みつつ進めてゆきます。 場面転換、緊張感を持った音楽でスピードアップしますけれど、しっかりと地に足がついた音楽としているのは藏野さんらしいところ。 見ていても実に判りやすい棒で、端正な音楽造りなんだけれど、要所を決めてエキサイティングな音楽でもあります。 また落ち着くと、ちょっとウエットなコールアングレやホルンの響きでしみじみとさせたあと、小さく振って集中力を高めたクライマックス。 タイトに打つティムパニにゾクゾクっときました。 音量が上っても音が前に飛ぶのではなく、ホールを包む込むように響きが押し寄せてくる感じ。 十分練り込まれた響きが良かったですね。 そして終結、力強くも引き締まった響きでの着地。 十二分なタメに熱くなりました。 会場からも大きな拍手が沸き起こっていました。
15分間の休憩を挟んでいよいよメインの「運命」、勝手知ったる名曲中の名曲、長くない曲なので、15時半にはお開きかな、などと軽い気持ちで臨みましたけれど、冒頭の気迫に満ちた真摯な響きで、そんな気持ちは吹き飛び姿勢を正しました。 藏野さん、腰をぐっと落して力を入れる渾身の指揮で、ホルンのタイトな響きも素晴らしく、スピード感溢れる演奏についてゆくのが精一杯。 オーボエのソロもしみじみとして良かったし、再現部ではティムパニが芯となってドラマティックな演奏として盛り上げたのを、すっと力を抜いてふわっとした着地がまた素晴らしかった。 あまりの迫力ある演奏に会場より大きな拍手が湧いたのもうなずけました。
第2楽章は一転して豊かな弦の響き。 ヴィオラとチェロの見事なアンサンブルで始まって、湧き上がってくるようなヴァイオリンの響き、やや明るめの木管へと繋いでゆきます。 中音弦がたっぷりと鳴っていて、恰幅の良さが際立ちますね。 藏野さん、ここでも充分に響きを練り込んでいますが、ダイナミックレンジも大き目にとっていて、堂々たる名曲として存分にオケを鳴らしています。 失礼ですがここのオケからこんな響きが出るのかと思ったしだい。
第3楽章、コントラバスのキレのある重い響き、タイトなホルンが好演。 高音弦も強く弓を押し当てて弾いているのでしょうね。 キレの良いティムパニ、明るめの音色のトランペットにも彩られた充実したアンサンブル。 楽器の数が少なくなっても音楽の充実度が変わらない、集中力の高い演奏。 その集中力の高さを切らさずアタッカで終楽章へと昇華。
華やかなラッパの響き、重量感のあるコントラバス、オケが一丸となって進む渾身の演奏に巻き込まれた感じ。 不覚にも涙が出そうになりました。 もう音楽に身を任せるのみ、といった感じ。 藏野さんに導かれつつ、オケの皆さんが気持ちを合わせ、そして失敗を恐れない攻めの姿勢での演奏が本当に素晴らしかった。 トランペットの女性奏者の方、吹く前に掌で口元をぶるぶるとさせて気合いを入れていて、輝かしい響きで曲を見事に彩っていました。 ティムパニも曲の芯になって蔭に日向に曲を見事に支え、そしてオケが一丸となって迎えたフィニッシュ。 前の曲では藏野さんの巧さが光っていましたが、運命ではオケの攻めの姿勢が光っていました。 オケの皆さんに大きな拍手を贈りました。 気持ちのよく乗った音楽は本当に素晴らしかった。
市民プラザで何やってるかな?、などと軽い気持ちで出かけた演奏会でしたが、予想もしない真摯でかつ活力に満ちた運命の出会え、その余韻にひたりつつ会場を後にすると、フリーマーケットは既に撤収していました。 が、入場前に慌てて買ったセーターもお土産にとても充実した幸せな時間を過ごすことができました。 皆さんありがとうございました。
2017年11月23日
オーケストラ・アンサンブル・フォルツァ オータムコンサート2017
日時:2017年11月19日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:門真市民文化会館・ルミエールホール
曲目:フンパーディンク/歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
プロコフィエフ/交響的物語「ピーターと狼」Op.67*
ストラヴィンスキー/交響曲ハ調
指揮:大塚洋平、周藤 英*
PB208739 posted by (C)fronte360
キレッキレのストラヴィンスキーがカッコ良くて、ストラヴィンスキーってやっぱ凄いなぁ、と実感した演奏会でした。 そして今回、前半は物語をテーマにした子供向けのプログラムとされていて未就学のお子さんの声もしていましたが、後半はそんなお子さんも訳も分からずストラヴィンスキーに圧倒されてしまったのか、それとも疲れて眠ってしまったのか・・・ 「混沌としながらも調和のあるプログラム」と書かれていましたが、そのプログラムは縦書きで曲目解説がされていたり、演奏する曲の指揮者の名前で抜けていたり(これは単純なミスかも)、そんなこんなフォルツァらしい意欲的な試みが面白かったですね。 肝心な演奏がいずれの曲も素晴らしかったのは勿の論でした。
オーケストラの編成は 13-13-10-8-6 の通常配置。 今回は団員でかつ打楽器奏者の山田りささんの解説で進行しました。
冒頭の「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲。 指揮者は大塚洋平さん。 明るめの色調でたっぷりとした開始、軽く弾けるようなスッテプを挟んで丁寧に進めてゆきます。 子供向けを意識しているのでしょうか、終始ロマンたっぷりでメルヘンチックな音楽の仕上げが心地よかったですね。 なお司会の山田さんもシンバルで参加されていました。
プロコフィエフの「ピーターと狼」、山田さんのナレーションで曲が進行しました。 話し言葉の部分を関西弁にしたり、狩人のメロディをトランペットとトロンボーンで「あずさ2号」とするなどのお遊びも入れながらの愉快なステージ。 ここでの指揮者は、周藤 英さん。 やはりここでの音楽も明るめの音色で、抑揚を巧くつけながらの聴かせ上手な演奏を展開してゆきました。 各パートもまたそれに良く応えて、伸びやかな木管、艶やかなストリングスに弾力あるピチカート。 狼が登場して狩人の鉄砲の音など緊張感を持たせた臨場感たっぷりの演奏とし、聞き応え充分でした。 そしてリズミカルに進めた終結はスピード感をもった潔い幕切れ。 月並みですがいい演奏でした。
ところで蛇足ですが、明石家さんまがナレーションした「ピーターと狼」がお気に入りでよく聴いています。 だから関西弁ナレーションでは驚きませんでしたけれど、「カモ」が登場していましたが、「アヒル」じゃないのですかね。 ここでは子供向けとして「カモ」? カモならば、狼が来たら空に飛んで逃げられると思うのですけど・・・ちょっと気になりました。
さて後半は子供向けなのにストラヴィンスキー。 新古典主義時代の簡潔な中にも鋭く感性を刺激する響きがカッコ良く。 ストラヴィンスキーってやっぱ凄いなぁ、と実感させた演奏でした。 ここでの指揮者は冒頭と同じく大塚洋平さん。
大塚さんは両足を踏ん張って立ち、上体全体を揺り動かして堂々たる響きをオケより導き出していました。 低弦がズンズンと芯となって響いてきましたが、各パートの音キレが良く、リズミカルで聴き応えのあった第1楽章。 おだやかな弦楽アンサンブルに静謐なオーボエが絡んで始まった第2楽章。 弦のトップ奏者による四重奏など複雑さの中に懐かしさのようなものも感じました。 断片的な旋律をパッチワークさせた複雑な音楽ながらも琴線に触れるような音楽とした第3楽章。 各パートがよく纏まっていて管から弦への連携も見事でした。 終楽章は音の饗宴。 躍動感をもってぐぃぐぃと進めたかと思うと、シンコペーションさせたり、複雑な動きながらも掛け合いもきちんと決め、あれよあれよと進めた統率のとれた音楽。 ただただ凄いなぁと感心しているうちに終わってしまいました。 フォルツァらしい前向きで意欲的な演奏を堪能しました。
これだけの演奏をされた後なのでアンコールはなし。 当然でしょう。 皆さんお疲れさまでした。
場所:門真市民文化会館・ルミエールホール
曲目:フンパーディンク/歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
プロコフィエフ/交響的物語「ピーターと狼」Op.67*
ストラヴィンスキー/交響曲ハ調
指揮:大塚洋平、周藤 英*
PB208739 posted by (C)fronte360
キレッキレのストラヴィンスキーがカッコ良くて、ストラヴィンスキーってやっぱ凄いなぁ、と実感した演奏会でした。 そして今回、前半は物語をテーマにした子供向けのプログラムとされていて未就学のお子さんの声もしていましたが、後半はそんなお子さんも訳も分からずストラヴィンスキーに圧倒されてしまったのか、それとも疲れて眠ってしまったのか・・・ 「混沌としながらも調和のあるプログラム」と書かれていましたが、そのプログラムは縦書きで曲目解説がされていたり、演奏する曲の指揮者の名前で抜けていたり(これは単純なミスかも)、そんなこんなフォルツァらしい意欲的な試みが面白かったですね。 肝心な演奏がいずれの曲も素晴らしかったのは勿の論でした。
オーケストラの編成は 13-13-10-8-6 の通常配置。 今回は団員でかつ打楽器奏者の山田りささんの解説で進行しました。
冒頭の「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲。 指揮者は大塚洋平さん。 明るめの色調でたっぷりとした開始、軽く弾けるようなスッテプを挟んで丁寧に進めてゆきます。 子供向けを意識しているのでしょうか、終始ロマンたっぷりでメルヘンチックな音楽の仕上げが心地よかったですね。 なお司会の山田さんもシンバルで参加されていました。
プロコフィエフの「ピーターと狼」、山田さんのナレーションで曲が進行しました。 話し言葉の部分を関西弁にしたり、狩人のメロディをトランペットとトロンボーンで「あずさ2号」とするなどのお遊びも入れながらの愉快なステージ。 ここでの指揮者は、周藤 英さん。 やはりここでの音楽も明るめの音色で、抑揚を巧くつけながらの聴かせ上手な演奏を展開してゆきました。 各パートもまたそれに良く応えて、伸びやかな木管、艶やかなストリングスに弾力あるピチカート。 狼が登場して狩人の鉄砲の音など緊張感を持たせた臨場感たっぷりの演奏とし、聞き応え充分でした。 そしてリズミカルに進めた終結はスピード感をもった潔い幕切れ。 月並みですがいい演奏でした。
ところで蛇足ですが、明石家さんまがナレーションした「ピーターと狼」がお気に入りでよく聴いています。 だから関西弁ナレーションでは驚きませんでしたけれど、「カモ」が登場していましたが、「アヒル」じゃないのですかね。 ここでは子供向けとして「カモ」? カモならば、狼が来たら空に飛んで逃げられると思うのですけど・・・ちょっと気になりました。
さて後半は子供向けなのにストラヴィンスキー。 新古典主義時代の簡潔な中にも鋭く感性を刺激する響きがカッコ良く。 ストラヴィンスキーってやっぱ凄いなぁ、と実感させた演奏でした。 ここでの指揮者は冒頭と同じく大塚洋平さん。
大塚さんは両足を踏ん張って立ち、上体全体を揺り動かして堂々たる響きをオケより導き出していました。 低弦がズンズンと芯となって響いてきましたが、各パートの音キレが良く、リズミカルで聴き応えのあった第1楽章。 おだやかな弦楽アンサンブルに静謐なオーボエが絡んで始まった第2楽章。 弦のトップ奏者による四重奏など複雑さの中に懐かしさのようなものも感じました。 断片的な旋律をパッチワークさせた複雑な音楽ながらも琴線に触れるような音楽とした第3楽章。 各パートがよく纏まっていて管から弦への連携も見事でした。 終楽章は音の饗宴。 躍動感をもってぐぃぐぃと進めたかと思うと、シンコペーションさせたり、複雑な動きながらも掛け合いもきちんと決め、あれよあれよと進めた統率のとれた音楽。 ただただ凄いなぁと感心しているうちに終わってしまいました。 フォルツァらしい前向きで意欲的な演奏を堪能しました。
これだけの演奏をされた後なのでアンコールはなし。 当然でしょう。 皆さんお疲れさまでした。
2017年11月19日
アンサンブル・フリー 第26回演奏会
日時:2017年11月12日(日) 13:30開演(13:00開場)
場所:神戸文化ホール・大ホール
曲目:辻田絢菜/Collectionism Z/”QUN” for orchestra [2017年改訂版] (委嘱作品/関西初演)*
ブラームス/交響曲第3番ヘ長調
R.シュトラウス/家庭交響曲
(アンコール)ブラームス、管弦楽編曲:浦部 雪/ピアノ独奏曲「6つの小品:op.118より「ロマンス」
独奏:上水樽力(p,チェレスタ)*
指揮:浅野亮介
PB198738 posted by (C)fronte360
大編成のオーケストラでもって人間の感情に焦点を当てた意欲的な演奏会を楽しみました。
冒頭の現代音楽、辻田絢菜さんの「QUN」、胸がキュンとするの「QUN」。 これを音楽としたとのことで、終始美しい響きの饗宴。 チェレスタの煌びやかな響きが散りばめられた「QUN」から、コントラバス10本に低音金管楽器のブラス、マリンバやホイッスルも入っての盛大な「QUN」が寄せては返す。 機動力のあるオケは、盛り上がっても美しい響きをきちんと演出していて巧かったのも印象的でした。 現代音楽にしては打楽器が少なかったでしょうか。 オーケストラを見事にドライブしてゆくさまざまな感情表現に大いなる才能を感じました。 そして終演後に登壇された辻田さん、赤いフリフリのワンピースを着た妙齢の可愛らしいお嬢さん。 「QUN」と題された曲を書こうと思われたのも判るような気がしました。 大いなる才能に大きな拍手を贈りました。
続くブラームスの交響曲第3番、弦楽器の編成が 16-17-12-10-10 での対向配置のままでの2管編成。 終始弦楽器の分厚い響きによる濃厚な演奏となりました。 指揮者の浅野さん、先ほどの「QUN」では両手を左右同じように動か徒手体操みたいな動きでしたが、この曲では体幹もくねくねとさせてのタコ踊りスタイル。 感情表現を身体全体で表しているようでした。 第3楽章でのホルンソロも野太く丸くたっぷりとした響き、アタッカではいった終楽章での突き抜けるラッパ、そして轟音たなびかせて一気に進むオーケストラなどなど、大時代的なロマン溢れた演奏でしたが、演歌っぽく臭くならなかったのはオケメンバーが若いからでしょうね。 面白いブラームスを楽しませていただきました。
20分間の休憩のあとメインのR.シュトラウスの家庭交響曲。 管楽器が4管編成となってホルン10名、トランペット6名の大編成、ステージいっぱいの奏者によるカラフルかつ艶やかな演奏となりました。 ここではオーケストラが艶っぽい響きをうまく演出してR.シュトラウスらしさも良く出ていたように思います。 終演後、カーテンコールで出てこられた浅野さん、やや上気したような満足そうな表情でいらしたので、指揮者としても満足された演奏だったようにお見受けしました。 甘く響く木管や弦楽器のソロが随所にあり、終楽章でのパワフルに響くホルンの斉奏、畳みかけるように入ってきた弦楽アンサンブル、
そしてソリッドなティムパニ、オケが一丸としったますます音楽を大きくしてゆく。 絢爛たるR.シュトラウスの世界でした。 オーケストラは指揮者の意図をよく理解して表現していたように感じる一体感を強く感じた演奏でした。
アンコールはしなくても良いのに、と思っていましたが、美しい音楽が流れ出てきて何の曲かな・・・とロビーで確かめるとブラームスのピアノ曲の編曲だったのですね。 こちらにも少々驚かされました。 意欲的な演奏会でした。 素晴らしい演奏を有難うございました。
場所:神戸文化ホール・大ホール
曲目:辻田絢菜/Collectionism Z/”QUN” for orchestra [2017年改訂版] (委嘱作品/関西初演)*
ブラームス/交響曲第3番ヘ長調
R.シュトラウス/家庭交響曲
(アンコール)ブラームス、管弦楽編曲:浦部 雪/ピアノ独奏曲「6つの小品:op.118より「ロマンス」
独奏:上水樽力(p,チェレスタ)*
指揮:浅野亮介
PB198738 posted by (C)fronte360
大編成のオーケストラでもって人間の感情に焦点を当てた意欲的な演奏会を楽しみました。
冒頭の現代音楽、辻田絢菜さんの「QUN」、胸がキュンとするの「QUN」。 これを音楽としたとのことで、終始美しい響きの饗宴。 チェレスタの煌びやかな響きが散りばめられた「QUN」から、コントラバス10本に低音金管楽器のブラス、マリンバやホイッスルも入っての盛大な「QUN」が寄せては返す。 機動力のあるオケは、盛り上がっても美しい響きをきちんと演出していて巧かったのも印象的でした。 現代音楽にしては打楽器が少なかったでしょうか。 オーケストラを見事にドライブしてゆくさまざまな感情表現に大いなる才能を感じました。 そして終演後に登壇された辻田さん、赤いフリフリのワンピースを着た妙齢の可愛らしいお嬢さん。 「QUN」と題された曲を書こうと思われたのも判るような気がしました。 大いなる才能に大きな拍手を贈りました。
続くブラームスの交響曲第3番、弦楽器の編成が 16-17-12-10-10 での対向配置のままでの2管編成。 終始弦楽器の分厚い響きによる濃厚な演奏となりました。 指揮者の浅野さん、先ほどの「QUN」では両手を左右同じように動か徒手体操みたいな動きでしたが、この曲では体幹もくねくねとさせてのタコ踊りスタイル。 感情表現を身体全体で表しているようでした。 第3楽章でのホルンソロも野太く丸くたっぷりとした響き、アタッカではいった終楽章での突き抜けるラッパ、そして轟音たなびかせて一気に進むオーケストラなどなど、大時代的なロマン溢れた演奏でしたが、演歌っぽく臭くならなかったのはオケメンバーが若いからでしょうね。 面白いブラームスを楽しませていただきました。
20分間の休憩のあとメインのR.シュトラウスの家庭交響曲。 管楽器が4管編成となってホルン10名、トランペット6名の大編成、ステージいっぱいの奏者によるカラフルかつ艶やかな演奏となりました。 ここではオーケストラが艶っぽい響きをうまく演出してR.シュトラウスらしさも良く出ていたように思います。 終演後、カーテンコールで出てこられた浅野さん、やや上気したような満足そうな表情でいらしたので、指揮者としても満足された演奏だったようにお見受けしました。 甘く響く木管や弦楽器のソロが随所にあり、終楽章でのパワフルに響くホルンの斉奏、畳みかけるように入ってきた弦楽アンサンブル、
そしてソリッドなティムパニ、オケが一丸としったますます音楽を大きくしてゆく。 絢爛たるR.シュトラウスの世界でした。 オーケストラは指揮者の意図をよく理解して表現していたように感じる一体感を強く感じた演奏でした。
アンコールはしなくても良いのに、と思っていましたが、美しい音楽が流れ出てきて何の曲かな・・・とロビーで確かめるとブラームスのピアノ曲の編曲だったのですね。 こちらにも少々驚かされました。 意欲的な演奏会でした。 素晴らしい演奏を有難うございました。
2017年10月10日
枚方フィルハーモニー管弦楽団 第86回定期演奏会
日時:2017年10月8日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:枚方市市民会館・大ホール
曲目:サン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」より「バッカナール」
ビゼー/「アルルの女」
第1組曲より「前奏曲」
第2組曲より「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」
「ファランドール」
フランク/交響曲 ニ短調(*)
(アンコール)ビゼー/「カルメン」より「間奏曲」
指揮:寺坂隆夫、生島 靖(*)
PA108466 posted by (C)fronte360
いつものことながら健全なアマチュアリズムに彩られた演奏会を楽しみました。 またこの演奏会に集う方々も演奏会を楽しむ良識に満ちていたことにも感じ入りました。
演奏会が始まる前、休憩時間には小さな子供が叫んでいたり、正直かなり騒々しくて心配していましたが、いざ演奏が始まると子どもたちは大人しくしていますし、また子どもがちょっとグズりそうになると慌ててお母さんが外に飛び出したり、お父さんが子どもの手を引いて外に導いたり…、当たり前とはいえ、先日の兵庫での演奏会の時とは大違い。
子どもは大人しくしていないものだから…、かえって親御さんが可哀そうにも思えたり。 ここには一所懸命音楽をする人と、音楽を心から楽しもうとする人が集っている幸せな空間。 そんな空間を共有できて幸せな時間となりました。
さて肝心の演奏ですが冒頭の「バッカナール」。 酒宴での踊りの曲、エキゾティックかつエロティックなメロディ満載な曲ですが、寺坂さんと枚方フィルにかかると健全な曲になるのが面白かったですね。 打点を明確にして進め、要所をきちんと決めて、最後はギアを一段上げてのフィナーレ!! 拍手喝采でした。
有名な「アルルの女」もケレン味なく真っ向勝負といった感じ。 ややぶっきらぼうとも思えるほど気合いを入れて始まった「前奏曲」、柔らかな木管アンサンブルが心地良かったですね。 でもアルトサックスが入るとその音の大きさ、他の木管の囁きが埋もれてしまうような感じとなってしまいました(少々残念)。
「パストラール」ここでも恰幅の良さとメリハリをつけた音楽運び。 木管アンサンブルになると少々スピードを落として丹念に演奏されましたが、サックスとピッコロの音量が大きくて目立ってました。 判りやすい演出でしょうね。
「間奏曲」深い響きの弦楽アンサンブル、しっとりとして良かったですね。 ここでのサックスは控えめだったかな。 そして全員でのひたむきな演奏で音楽が熱くなりました。
「メヌエット」フルートとハープによる演奏は圧巻でした。 今回の演奏会を通しても、いちばん良いところ持っていかれたような感じ。 会場全体がこの二人に聴き入ってトリップしていました。
「ファランドール」ここまでくるとガンガン行くしかない…そんな感じかな。 少々硬めの音色で大いに盛り上げての着地。 ここでも拍手喝采。 楽しめました。
さて後半うって変わって地味な、というか暗いイメージのフランクの交響曲ニ短調。 個人的にこの曲との出会いが良くなくて… 良いイメージがあまり沸かない難曲。 ですが、生島さんと枚方フィルの演奏は丹念に旋律を繋いゆく誠実な演奏に救われて、最後まで楽しませてもらいました。
第1楽章、中低弦の落ち着いた音色を軸にしてたっぷりとじっりと曲に向き合って進めてゆき、粘り気は少なめで自然な高揚感。 寄せては返す旋律を全員一丸となって生島さんのリードのもとに進めていたのに好感が持てました。
第2楽章、端正なコールアングレ、からむホルンが最初は調子よくなかったけど、あとではしっかり挽回。 明るい色調としてここでも誠実な音楽造りで丹念に音を紡いでゆきました。
第3楽章、深みのある弦アンサブルでの上々の滑り出し。 端正ながらも覇気をしっかりと持った演奏で盛り上げます。 変な色がついていなくて、清々しさを感じさせる演奏で、要所を決めると「やったねっ!」的な明るい盛り上がりが気持ちよかった。 全休符、しっかりと止めつつ曲と真正面に向き合い、旋律を融合・展開してフィナーレへと向かいます。 そして明るくケンレ味なくスパッと切って落としての着地。 ややあっけなくも感じましたが、見栄を切らない誠実さと解釈しました。
前半プログラムと違って大きな見せ場もない曲もしっかりと聴かせていただいたあと。 前半の「アルルの女」の「メヌエット」における生島さんのエピソートでくすっと笑わせてもらったあと、よく似たフルートとハープの曲でアンコール。 素敵な時間を堪能させていただいてのお開きとなりました。
1年ぶりの枚方フィルの演奏会、今回もまた音楽を演奏すること聴くことの醍醐味を感じさせていただいた演奏会でした。 ありがとうございました。
場所:枚方市市民会館・大ホール
曲目:サン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」より「バッカナール」
ビゼー/「アルルの女」
第1組曲より「前奏曲」
第2組曲より「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」
「ファランドール」
フランク/交響曲 ニ短調(*)
(アンコール)ビゼー/「カルメン」より「間奏曲」
指揮:寺坂隆夫、生島 靖(*)
PA108466 posted by (C)fronte360
いつものことながら健全なアマチュアリズムに彩られた演奏会を楽しみました。 またこの演奏会に集う方々も演奏会を楽しむ良識に満ちていたことにも感じ入りました。
演奏会が始まる前、休憩時間には小さな子供が叫んでいたり、正直かなり騒々しくて心配していましたが、いざ演奏が始まると子どもたちは大人しくしていますし、また子どもがちょっとグズりそうになると慌ててお母さんが外に飛び出したり、お父さんが子どもの手を引いて外に導いたり…、当たり前とはいえ、先日の兵庫での演奏会の時とは大違い。
子どもは大人しくしていないものだから…、かえって親御さんが可哀そうにも思えたり。 ここには一所懸命音楽をする人と、音楽を心から楽しもうとする人が集っている幸せな空間。 そんな空間を共有できて幸せな時間となりました。
さて肝心の演奏ですが冒頭の「バッカナール」。 酒宴での踊りの曲、エキゾティックかつエロティックなメロディ満載な曲ですが、寺坂さんと枚方フィルにかかると健全な曲になるのが面白かったですね。 打点を明確にして進め、要所をきちんと決めて、最後はギアを一段上げてのフィナーレ!! 拍手喝采でした。
有名な「アルルの女」もケレン味なく真っ向勝負といった感じ。 ややぶっきらぼうとも思えるほど気合いを入れて始まった「前奏曲」、柔らかな木管アンサンブルが心地良かったですね。 でもアルトサックスが入るとその音の大きさ、他の木管の囁きが埋もれてしまうような感じとなってしまいました(少々残念)。
「パストラール」ここでも恰幅の良さとメリハリをつけた音楽運び。 木管アンサンブルになると少々スピードを落として丹念に演奏されましたが、サックスとピッコロの音量が大きくて目立ってました。 判りやすい演出でしょうね。
「間奏曲」深い響きの弦楽アンサンブル、しっとりとして良かったですね。 ここでのサックスは控えめだったかな。 そして全員でのひたむきな演奏で音楽が熱くなりました。
「メヌエット」フルートとハープによる演奏は圧巻でした。 今回の演奏会を通しても、いちばん良いところ持っていかれたような感じ。 会場全体がこの二人に聴き入ってトリップしていました。
「ファランドール」ここまでくるとガンガン行くしかない…そんな感じかな。 少々硬めの音色で大いに盛り上げての着地。 ここでも拍手喝采。 楽しめました。
さて後半うって変わって地味な、というか暗いイメージのフランクの交響曲ニ短調。 個人的にこの曲との出会いが良くなくて… 良いイメージがあまり沸かない難曲。 ですが、生島さんと枚方フィルの演奏は丹念に旋律を繋いゆく誠実な演奏に救われて、最後まで楽しませてもらいました。
第1楽章、中低弦の落ち着いた音色を軸にしてたっぷりとじっりと曲に向き合って進めてゆき、粘り気は少なめで自然な高揚感。 寄せては返す旋律を全員一丸となって生島さんのリードのもとに進めていたのに好感が持てました。
第2楽章、端正なコールアングレ、からむホルンが最初は調子よくなかったけど、あとではしっかり挽回。 明るい色調としてここでも誠実な音楽造りで丹念に音を紡いでゆきました。
第3楽章、深みのある弦アンサブルでの上々の滑り出し。 端正ながらも覇気をしっかりと持った演奏で盛り上げます。 変な色がついていなくて、清々しさを感じさせる演奏で、要所を決めると「やったねっ!」的な明るい盛り上がりが気持ちよかった。 全休符、しっかりと止めつつ曲と真正面に向き合い、旋律を融合・展開してフィナーレへと向かいます。 そして明るくケンレ味なくスパッと切って落としての着地。 ややあっけなくも感じましたが、見栄を切らない誠実さと解釈しました。
前半プログラムと違って大きな見せ場もない曲もしっかりと聴かせていただいたあと。 前半の「アルルの女」の「メヌエット」における生島さんのエピソートでくすっと笑わせてもらったあと、よく似たフルートとハープの曲でアンコール。 素敵な時間を堪能させていただいてのお開きとなりました。
1年ぶりの枚方フィルの演奏会、今回もまた音楽を演奏すること聴くことの醍醐味を感じさせていただいた演奏会でした。 ありがとうございました。
2017年09月10日
紫苑交響楽団 第30回記念定期演奏会
日時:2017年9月3日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:長岡京記念文化会館
曲目:ドヴォルザーク/スラヴ舞曲 第6番、第15番、第5番、第12番
マーラー/交響曲第9番
指揮:森口真司
P9048159 posted by (C)fronte360
森口真司さんの指揮のもと、各パートがよく纏まって気持ちのよく乗ったマーラーの第九に感激しました。
開演25分前、いつもよりちょっと早めに会場に着いたつもりでしたが、めぼしい席が埋まっていたので、ステージに向かって右側サイドの一番前のブロックに腰を据えての鑑賞となりました。 この席ですと、指揮者の森口さんの動作や表情もよく見るかとができたのも大きかったと思いますが、オケは森口さんの指揮に見事に応えていて素晴らしい演奏を展開していたのがよく判りました。
オーケストラの編成は 13-13-12-10-8 でヴァイオリンを左右に振分けながらも、チェロとコントラバスを舞台右側に配置。 当方の席からはヴィオラがよく見えたのですけれど、このヴィオラのパートと、当方の位置からは背中向きになっていたましたが第2ヴァイオリン。 この2つのパートがとても良い仕事をしていたのが強く印象に残りました。 もちろん良く纏まって芯となって響く低音弦や、同じく良く纏まって透明感を損なわない第1ヴァイオリンが曲を綺麗に形造っていましたけれど、こららの中音弦での内声部、時にメロディラインを豊かに弾いてこそオケとしての陰影のついた充実した響きとなり、雄弁な音楽になったのだと感じました。 そして弦楽器のソロパート、浮上して聴こえるのだけれどオケ全体の響きにとてもよくマッチして自然な流れのなかでの演奏にはハッとさせられるのものを感じました。
この曲はLP時代よりCDでもこれまで何種類も聴き、また実演にも何度も接してきましたが、演奏される方々を間近に感じつつ、最初から最後まで素適な時間を過ごすことができたのは稀有な機会でした。 大きく深い呼吸で進めた第1楽章、重量感のあった第2楽章、張りのある響きで見事な着地を決めた第3楽章より終楽章は森口さんらしい理知的な切り口。 客観的ながら豊穣な響きを荘厳なものに変え、それが間遠く消えていったあとの静寂もまた音楽でしたね。 素晴らしい幕切れでした。
なおこれに先立って演奏されたドヴォルザークのスラヴ舞曲。 冒頭の第6番より全開で少々荒っぽくも聴こえましたが、森口さんの理知的なドライブで筋肉質で都会的な演奏でした。
蛇足ながらかつてこのオケが出来て数年後、解散の危機を迎えていたころには拙文をパンフレットに載せていただいたこともありました。 そんな贔屓目など入る余地などないまったくない(というか反って恥ずかしい思い出)素晴らしい演奏会に立ち会うことができて幸せでした。
場所:長岡京記念文化会館
曲目:ドヴォルザーク/スラヴ舞曲 第6番、第15番、第5番、第12番
マーラー/交響曲第9番
指揮:森口真司
P9048159 posted by (C)fronte360
森口真司さんの指揮のもと、各パートがよく纏まって気持ちのよく乗ったマーラーの第九に感激しました。
開演25分前、いつもよりちょっと早めに会場に着いたつもりでしたが、めぼしい席が埋まっていたので、ステージに向かって右側サイドの一番前のブロックに腰を据えての鑑賞となりました。 この席ですと、指揮者の森口さんの動作や表情もよく見るかとができたのも大きかったと思いますが、オケは森口さんの指揮に見事に応えていて素晴らしい演奏を展開していたのがよく判りました。
オーケストラの編成は 13-13-12-10-8 でヴァイオリンを左右に振分けながらも、チェロとコントラバスを舞台右側に配置。 当方の席からはヴィオラがよく見えたのですけれど、このヴィオラのパートと、当方の位置からは背中向きになっていたましたが第2ヴァイオリン。 この2つのパートがとても良い仕事をしていたのが強く印象に残りました。 もちろん良く纏まって芯となって響く低音弦や、同じく良く纏まって透明感を損なわない第1ヴァイオリンが曲を綺麗に形造っていましたけれど、こららの中音弦での内声部、時にメロディラインを豊かに弾いてこそオケとしての陰影のついた充実した響きとなり、雄弁な音楽になったのだと感じました。 そして弦楽器のソロパート、浮上して聴こえるのだけれどオケ全体の響きにとてもよくマッチして自然な流れのなかでの演奏にはハッとさせられるのものを感じました。
この曲はLP時代よりCDでもこれまで何種類も聴き、また実演にも何度も接してきましたが、演奏される方々を間近に感じつつ、最初から最後まで素適な時間を過ごすことができたのは稀有な機会でした。 大きく深い呼吸で進めた第1楽章、重量感のあった第2楽章、張りのある響きで見事な着地を決めた第3楽章より終楽章は森口さんらしい理知的な切り口。 客観的ながら豊穣な響きを荘厳なものに変え、それが間遠く消えていったあとの静寂もまた音楽でしたね。 素晴らしい幕切れでした。
なおこれに先立って演奏されたドヴォルザークのスラヴ舞曲。 冒頭の第6番より全開で少々荒っぽくも聴こえましたが、森口さんの理知的なドライブで筋肉質で都会的な演奏でした。
蛇足ながらかつてこのオケが出来て数年後、解散の危機を迎えていたころには拙文をパンフレットに載せていただいたこともありました。 そんな贔屓目など入る余地などないまったくない(というか反って恥ずかしい思い出)素晴らしい演奏会に立ち会うことができて幸せでした。
2017年09月03日
オーケストラ・ポミエ 第6回演奏会
日時:2017年9月2日(土) 13:30開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール
曲目:オネゲル/夏の牧歌
キース・エマーソン(吉松 隆編)/タルカス(Tarkus)
アッテルベリ/交響曲第2番 ヘ長調
指揮:村P 涼
P9038158 posted by (C)fronte360
意欲的なプログラム、若い団員さんが真っすぐに挑戦されて気持ちの良い演奏会でした。
今回の個人的な目玉は、何といってもEL&Pのキース・エマーソン作曲、吉松 隆編曲による「タルカス(Tarkus)」。 リアルタイムで「タルカス」を聴き、アナログのレコードも持っていて、今も時おりステレオにかけて聴いている身としては、この曲がどのように料理されて出てくるか。 とても楽しみでした。
吉松さんの編曲は原曲を忠実にオーケストレーションしたもので、曲への思い入れが強く感じられるものの、原曲が身に染みている身としては、大音響で圧倒しようとしても拭えない違和感を感じたのも事実。 総勢85名ほどオーケストラで、言い方は悪いけれどよってたかって演奏したけれど、この元曲をたった3人で演奏していたことの驚きの方が大きかったですね。 電気の力は凄かったな、とも。
プログラムの解説が精緻であったことは鑑賞の大きな助けになりました。 カール・パーマーのドラムを忠実に再現するための5人の奏者が必要だった、と解説に書かれていましたね。 これが左右の手足と口に銜えた紐で鐘を鳴らしていたことなど知る由もない若者たちによる一所懸命な演奏に接しているいると、たぶんこの曲が出来たときにはここの演奏者は誰一人生まれていなかったのだな、そんなことに気づいて妙に感慨深いものも沸いてきました。
こうやって音楽が次世代に引き継がれてゆく。 であればプログレ・ロックらしくただただ大音量で供されるのではなく、解釈としてよりブルージーに演奏されてみるのも面白かったのではないかな、とか。 いろいろと考えさせらもした演奏でした。 しかし、演奏そのものは集中力のあるとてもしっかりとしたもので、このような現代の曲に真っすぐに挑戦されたことに敬意を持ちました。 お疲れさまでした。
これに先立つオネゲルの「夏の牧歌」は初めて聴く曲でしたが、ホルンが健闘して初夏のさわやかな草原を想起させた良い演奏でした。 弦楽アンサンブル、とくにヴィオラが核になっていたのも肌合いの良い響きに結びついていたのではないかな。 素敵な時間となりました。
メインのアッテルベリ、いわゆるドル交響曲の第6番はCDや六甲フィルで聴き、第4番も先日フォルツァで聴いていましたが、交響曲第2番は初めて聴く曲。 柔らかな響き、音量が上がっても決して刺激的になることのない見事な演奏で、アッテルベリらしく北欧の情感がよく伝わってきた演奏でした。 金管のブラスが鳴るクライマックスでは、バス・トロンボーンとチューバがたっぷりとした良い味を出していましたし、木管楽器も艶を消した朴訥な響きであったことも好印象。 第2楽章からピアノもとても効果的でした。 ただ曲としては「屋上屋を架す」のことわざがどうしても思われるものでしたね。 それでも第3楽章を堂々とした演奏とされた奮闘ぶりは見事。
いろいろと書きましたが、いずれも素敵な演奏でとても良い時間を過ごすことが出来ました。 ありがとうございました。
場所:あましんアルカイックホール
曲目:オネゲル/夏の牧歌
キース・エマーソン(吉松 隆編)/タルカス(Tarkus)
アッテルベリ/交響曲第2番 ヘ長調
指揮:村P 涼
P9038158 posted by (C)fronte360
意欲的なプログラム、若い団員さんが真っすぐに挑戦されて気持ちの良い演奏会でした。
今回の個人的な目玉は、何といってもEL&Pのキース・エマーソン作曲、吉松 隆編曲による「タルカス(Tarkus)」。 リアルタイムで「タルカス」を聴き、アナログのレコードも持っていて、今も時おりステレオにかけて聴いている身としては、この曲がどのように料理されて出てくるか。 とても楽しみでした。
吉松さんの編曲は原曲を忠実にオーケストレーションしたもので、曲への思い入れが強く感じられるものの、原曲が身に染みている身としては、大音響で圧倒しようとしても拭えない違和感を感じたのも事実。 総勢85名ほどオーケストラで、言い方は悪いけれどよってたかって演奏したけれど、この元曲をたった3人で演奏していたことの驚きの方が大きかったですね。 電気の力は凄かったな、とも。
プログラムの解説が精緻であったことは鑑賞の大きな助けになりました。 カール・パーマーのドラムを忠実に再現するための5人の奏者が必要だった、と解説に書かれていましたね。 これが左右の手足と口に銜えた紐で鐘を鳴らしていたことなど知る由もない若者たちによる一所懸命な演奏に接しているいると、たぶんこの曲が出来たときにはここの演奏者は誰一人生まれていなかったのだな、そんなことに気づいて妙に感慨深いものも沸いてきました。
こうやって音楽が次世代に引き継がれてゆく。 であればプログレ・ロックらしくただただ大音量で供されるのではなく、解釈としてよりブルージーに演奏されてみるのも面白かったのではないかな、とか。 いろいろと考えさせらもした演奏でした。 しかし、演奏そのものは集中力のあるとてもしっかりとしたもので、このような現代の曲に真っすぐに挑戦されたことに敬意を持ちました。 お疲れさまでした。
これに先立つオネゲルの「夏の牧歌」は初めて聴く曲でしたが、ホルンが健闘して初夏のさわやかな草原を想起させた良い演奏でした。 弦楽アンサンブル、とくにヴィオラが核になっていたのも肌合いの良い響きに結びついていたのではないかな。 素敵な時間となりました。
メインのアッテルベリ、いわゆるドル交響曲の第6番はCDや六甲フィルで聴き、第4番も先日フォルツァで聴いていましたが、交響曲第2番は初めて聴く曲。 柔らかな響き、音量が上がっても決して刺激的になることのない見事な演奏で、アッテルベリらしく北欧の情感がよく伝わってきた演奏でした。 金管のブラスが鳴るクライマックスでは、バス・トロンボーンとチューバがたっぷりとした良い味を出していましたし、木管楽器も艶を消した朴訥な響きであったことも好印象。 第2楽章からピアノもとても効果的でした。 ただ曲としては「屋上屋を架す」のことわざがどうしても思われるものでしたね。 それでも第3楽章を堂々とした演奏とされた奮闘ぶりは見事。
いろいろと書きましたが、いずれも素敵な演奏でとても良い時間を過ごすことが出来ました。 ありがとうございました。
2017年08月31日
オーケストラ・ソノリテ 第33回定期演奏会
日時:2017年8月27日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール
曲目:ウェーバー/「魔弾の射手」序曲
シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ
ラフ/交響曲第5番 ホ長調 作品177「レノーレ」
(アンコール)ノクターン(ジョージア出身の作曲家の作品?詳細不詳)
指揮:ギオルギ・バブアゼ
P8288157 posted by (C)fronte360
1822年にスイスに生まれたロマン派の作曲家ラフ、そんなラフの交響曲第5番という大胆なプログラミングへの挑戦もアマオケの大きな魅力のひとつですね。 もちろん初めて聴く曲でしたが、判りやすく親しみやすい音楽として届けてくださったのもソノリテの腕の良さがあったからこそでしょう。
とくに弦楽アンサンブルが良かった。 10-10-9-7-5の通常配置より華やかさや艶っぽさ悲壮感などもよく伝わってきました。 そしてよく歌った木管も光っていましたね。 オーボエを筆頭にフルート、クラリネット、ファゴットもに同じように身体を揺らせての表情付けなど、こちらも気持ちのよく伝わる熱演だったと思います。 もちろん輝かしいけれど刺激的な響きを巧く抑え込んだ金管や、短く的確なストロークで場面に緊張感を持たせる打楽器などなど、オケの全員が同じ方向しっかりと見て「伝えよう」という意気込みのよく感じられる演奏を楽しましていただきました。
またそこまできちんと統率されたゲオルグ・バブアゼさんの指揮、余計な小細工など無しにストレートな演出に徹しておられたようにお見受けしました。
ただ、といっては何ですが、おおもとの曲が皮相的なストーリーを音楽にしていることもあって、どこか映画音楽チックに流れてしまったのは致し方ないところでしょうか。 プログラムを読んでから聴いたので、余計にそんな印象になったのかも。 しかしそんなところも含めて、貴重な機会を頂きました。
なおこれに先立って演奏された「魔弾の射手」序曲、ちょっと硬めの太い線で一気に描いたような感じだったでしょうか。 バブアゼさんも先に先にと進めて終わった、という印象。
シューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」はCDも持っていて、実演でも何度か聴いています。 ここでは先の序曲よりオケの精度も上がり、またシューマンらしいくぐもったような響きとか、混沌としたメロディラインなどもしっかりと描かれていてよかったですね。 バブアゼさん、ここでも曲を前に前にと進めているようでした。 フィナーレではさらにギアを1段上げてのフィニッシュとして前半終了。
曲が進むにつれてオケの精度があがって、響きにも奥行きとか余韻とかもよく感じられるようになっていったのは練習量の差でしょうね。 そして曲への想いの差もあったでしょう。 想いはよく伝わってきました。 今後も挑戦されることを期待しています。 皆さん面白い演奏会をありがとうございました。
場所:あましんアルカイックホール
曲目:ウェーバー/「魔弾の射手」序曲
シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ
ラフ/交響曲第5番 ホ長調 作品177「レノーレ」
(アンコール)ノクターン(ジョージア出身の作曲家の作品?詳細不詳)
指揮:ギオルギ・バブアゼ
P8288157 posted by (C)fronte360
1822年にスイスに生まれたロマン派の作曲家ラフ、そんなラフの交響曲第5番という大胆なプログラミングへの挑戦もアマオケの大きな魅力のひとつですね。 もちろん初めて聴く曲でしたが、判りやすく親しみやすい音楽として届けてくださったのもソノリテの腕の良さがあったからこそでしょう。
とくに弦楽アンサンブルが良かった。 10-10-9-7-5の通常配置より華やかさや艶っぽさ悲壮感などもよく伝わってきました。 そしてよく歌った木管も光っていましたね。 オーボエを筆頭にフルート、クラリネット、ファゴットもに同じように身体を揺らせての表情付けなど、こちらも気持ちのよく伝わる熱演だったと思います。 もちろん輝かしいけれど刺激的な響きを巧く抑え込んだ金管や、短く的確なストロークで場面に緊張感を持たせる打楽器などなど、オケの全員が同じ方向しっかりと見て「伝えよう」という意気込みのよく感じられる演奏を楽しましていただきました。
またそこまできちんと統率されたゲオルグ・バブアゼさんの指揮、余計な小細工など無しにストレートな演出に徹しておられたようにお見受けしました。
ただ、といっては何ですが、おおもとの曲が皮相的なストーリーを音楽にしていることもあって、どこか映画音楽チックに流れてしまったのは致し方ないところでしょうか。 プログラムを読んでから聴いたので、余計にそんな印象になったのかも。 しかしそんなところも含めて、貴重な機会を頂きました。
なおこれに先立って演奏された「魔弾の射手」序曲、ちょっと硬めの太い線で一気に描いたような感じだったでしょうか。 バブアゼさんも先に先にと進めて終わった、という印象。
シューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」はCDも持っていて、実演でも何度か聴いています。 ここでは先の序曲よりオケの精度も上がり、またシューマンらしいくぐもったような響きとか、混沌としたメロディラインなどもしっかりと描かれていてよかったですね。 バブアゼさん、ここでも曲を前に前にと進めているようでした。 フィナーレではさらにギアを1段上げてのフィニッシュとして前半終了。
曲が進むにつれてオケの精度があがって、響きにも奥行きとか余韻とかもよく感じられるようになっていったのは練習量の差でしょうね。 そして曲への想いの差もあったでしょう。 想いはよく伝わってきました。 今後も挑戦されることを期待しています。 皆さん面白い演奏会をありがとうございました。
2017年08月10日
天理シティーオーケストラ 夏休み名曲コンサート〜エキサイティングオーケストラ!〜
日時:2017年8月6日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:天理市民会館・やまのべホール
曲目:シュランメル/ウィーンはいつもウィーン
L.アンダーソン/「ブルータンゴ」
L.アンダーソン/「忘れられた夢」
L.アンダーソン/「フィドル・ファドル」
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲より第1楽章
スメタナ/交響詩「我が祖国」より モルダウ
指揮者体験コーナー
(オッフェンバック/「天国と地獄」より「カンカン」(解説付き)
チャイコフスキー/歌劇「エフゲニーオネーギン」よりポロネーズ
(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー・マーチ
独奏:杉谷歩の佳(vn、天理小学校4年生)
指揮:安野英之(常任)
P8107261 posted by (C)fronte360
外は猛暑でしたが、クーラーの効いたホールの中は「みんなが聴ける演奏会」で爽やかになれました。 乳飲み子から老若男女がオーケストラ音楽を楽しめるように、客席の照明は落とさず、小さい子供がじっとしていられる時間を意識したちょっと短めの演奏会。 それでも時にギャーとか鳴くお子さんもいましたけれど、大勢のお客さんはにこやかに音楽を楽しんでいました。
オーケストラは対向配置で 5-5-4-4-3 の編成で、うきうきした気分になれるシュランメルの「ウィーンはいつもウィーン」で開幕。 スポーツ番組の幕開けのようでこれで気分が明るくなったように感じました。 ルロイ・アンダーソンの3曲、「ブルータンゴ」はスネアドラムが鎹(カスガイ)となって軽やかなラッパと滑るような弦楽器を結びつけたいい演奏でした。 「フィドル・ファドル」ではヴァイオリン奏者の10名が舞台上に一列に並んで立っての演奏。 ヴァイオリン奏者の方の演奏を真正面から見せたい、そんな思いがあったのだと感じました。
小学4年生にして既に京都市交響楽団とも共演経験のある杉谷歩の佳さんのヴァイオリンによるメンコン。 小柄な小学4年生だけれども、ダイナミズムのあるしっかりとした響き、カデンツァでの思い切りの良さが印象に残りました。 演奏後のトークでは「楽しかった」とのこと。 将来が大いに嘱望されますね。
そして「モルダウ」は、パンフレットに書かれたA〜Gまで譜例を順番に演奏、それぞれ何の場面であるかを解説されてから、通しでの演奏も初心者には嬉しい配慮ですね。 万年初心者の当方も、これは婚礼の場面だったのか、と知ったしだい。 楽しませていただきました。
指揮者体験コーナーは、3人の小学生が登壇しましたが、いずれも楽器を経験している子たちでした。 天理はウィーンのような音楽都市を目指していますが、着々と計画が進んでいるようですね。 そしてチャイコフスキーの「エフゲニーオネーギン」から「ポロネーズ」が演奏されて賑々しくプログラムが終了。 5型の小編成オケなの豪華絢爛なオーケストラサウンドとはいかないまでも、絢爛とした演奏で会場が盛り上りました。
そして最後はこのオケでお馴染みのラデツキー・マーチ。 会場からの拍手も手慣れたものですね。 10回目となった真夏のオーケストラ夏休み名曲コンサート。 これまでも何度か書いていますが、このような気軽に楽しめる演奏会がけっこう好きだったりします。 でも気楽に楽しませて貰っているものの、かかる曲目(プログラム構成)・お話し(解説の内容)・演奏が揃っていないと消化不良気味になってしまたったりもするものです。 が、さすがに10回目とあってとても楽しませて頂きました。 そして演奏終了後は、いつもどおり指揮者の安野さん自らロビーに出てアンケート回収。 頭が下がります。 どうも有難うございました。
場所:天理市民会館・やまのべホール
曲目:シュランメル/ウィーンはいつもウィーン
L.アンダーソン/「ブルータンゴ」
L.アンダーソン/「忘れられた夢」
L.アンダーソン/「フィドル・ファドル」
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲より第1楽章
スメタナ/交響詩「我が祖国」より モルダウ
指揮者体験コーナー
(オッフェンバック/「天国と地獄」より「カンカン」(解説付き)
チャイコフスキー/歌劇「エフゲニーオネーギン」よりポロネーズ
(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー・マーチ
独奏:杉谷歩の佳(vn、天理小学校4年生)
指揮:安野英之(常任)
P8107261 posted by (C)fronte360
外は猛暑でしたが、クーラーの効いたホールの中は「みんなが聴ける演奏会」で爽やかになれました。 乳飲み子から老若男女がオーケストラ音楽を楽しめるように、客席の照明は落とさず、小さい子供がじっとしていられる時間を意識したちょっと短めの演奏会。 それでも時にギャーとか鳴くお子さんもいましたけれど、大勢のお客さんはにこやかに音楽を楽しんでいました。
オーケストラは対向配置で 5-5-4-4-3 の編成で、うきうきした気分になれるシュランメルの「ウィーンはいつもウィーン」で開幕。 スポーツ番組の幕開けのようでこれで気分が明るくなったように感じました。 ルロイ・アンダーソンの3曲、「ブルータンゴ」はスネアドラムが鎹(カスガイ)となって軽やかなラッパと滑るような弦楽器を結びつけたいい演奏でした。 「フィドル・ファドル」ではヴァイオリン奏者の10名が舞台上に一列に並んで立っての演奏。 ヴァイオリン奏者の方の演奏を真正面から見せたい、そんな思いがあったのだと感じました。
小学4年生にして既に京都市交響楽団とも共演経験のある杉谷歩の佳さんのヴァイオリンによるメンコン。 小柄な小学4年生だけれども、ダイナミズムのあるしっかりとした響き、カデンツァでの思い切りの良さが印象に残りました。 演奏後のトークでは「楽しかった」とのこと。 将来が大いに嘱望されますね。
そして「モルダウ」は、パンフレットに書かれたA〜Gまで譜例を順番に演奏、それぞれ何の場面であるかを解説されてから、通しでの演奏も初心者には嬉しい配慮ですね。 万年初心者の当方も、これは婚礼の場面だったのか、と知ったしだい。 楽しませていただきました。
指揮者体験コーナーは、3人の小学生が登壇しましたが、いずれも楽器を経験している子たちでした。 天理はウィーンのような音楽都市を目指していますが、着々と計画が進んでいるようですね。 そしてチャイコフスキーの「エフゲニーオネーギン」から「ポロネーズ」が演奏されて賑々しくプログラムが終了。 5型の小編成オケなの豪華絢爛なオーケストラサウンドとはいかないまでも、絢爛とした演奏で会場が盛り上りました。
そして最後はこのオケでお馴染みのラデツキー・マーチ。 会場からの拍手も手慣れたものですね。 10回目となった真夏のオーケストラ夏休み名曲コンサート。 これまでも何度か書いていますが、このような気軽に楽しめる演奏会がけっこう好きだったりします。 でも気楽に楽しませて貰っているものの、かかる曲目(プログラム構成)・お話し(解説の内容)・演奏が揃っていないと消化不良気味になってしまたったりもするものです。 が、さすがに10回目とあってとても楽しませて頂きました。 そして演奏終了後は、いつもどおり指揮者の安野さん自らロビーに出てアンケート回収。 頭が下がります。 どうも有難うございました。