2010年10月20日

バックハウス、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番

バックハウスの永遠の名盤、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集より
第1番を聴きながら出勤して、目が覚めました。

いきなり横道に入りますが、午前3時半に目覚めてしまって寝付かれず
早朝(深夜)4時には起床していましたので、通勤電車の中で聴いていたのは
バーンスタイン/ウィーンフィルのシューマン/交響曲第4番でした。

しかし、爆睡寸前・・・
このままだと、川崎を通り越してしまうこと必至、選んだのがこの演奏です。

pocl4692.jpgヴィルヘルム・バックハウス
イッセルシュテット指揮ウィーンフィル

このジャケットはリマスタ盤ですが、
実際に自分が持っているCDは
ずいぶん以前のもので、3枚バラで集めました。

しっかりとしたタッチ、粒立ちの良い綺麗な音です。
表情をあまり付けない硬派な演奏ながらも、自然な流れで進んでゆきます。
レーゼルのとは違って、しっかりとした芯、それを感じます。

ベートーヴェン直系の弟子でもあり、また「鍵盤の獅子王」とも呼ばれ、
若い頃は、技巧と大きなスケールで鳴らしたバックハウスでしょうが、
この録音当時は、75歳位だと思います。

ここではベートーヴェン演奏の権威・威厳・風格・・・
そんな仰々しさは感じられず、でも、枯淡の境地、とも一線を画しています。

気品と煌めくような力強さ、その素晴らしい演奏に目が覚めたしだいです。

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2010年10月18日

ブロムシュテット/SKD、ベートーヴェン/交響曲第2番

自宅にて録音してきたブロムシュテットによるベートーヴェン交響曲全集
先日より、1→5→2→4番と聴き進んでいます。

いずれも素晴らしい演奏には違いありませんが、
第2番のフレッシュさに加え、格調高さに気付いて、聴きなおしました。

Blomstedt_Beethoven.jpgシュターツカペレ・ドレスデン
美しくしなやかに響きつつも
重層的で芯のしっかりとした演奏です。

ベートーヴェンの将来も予感させる・・・
そんな演奏ではないでしょうか。

5番もバランスよく響きかせてオーソドックスながらも、強靭。
4番をいま聴いていますけれど、これもしなやかさに、強さが加わり、
全集として、ベートーヴェンの進化過程が感じられる、そんな気がします。

演奏者の個性よりも、
ベートーヴェンの作品の個性を重視した、素晴らしい全集だと思います。

これを聴くと、ケーゲル/ドレスデン・フィルの全集も聴きたくなりました。
今度の帰省時には、これもまた録音してみたいと思います。

それにしても、ブロムシュテット/SKDによる全集は、素晴らしい。
聴いていて面白い、知的で深い刺激を受ける演奏、であると思いました。

そしてこの交響曲第2番、この曲に新たなスポットライトを当てていませんか。
なお、写真は今のもので、保有しているのは徳間音工の1,000円盤ですけれど・・

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2010年10月14日

レーゼル、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番

帰省時、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を2つ録音してきました。

ところでベートーヴェンのピアノ協奏曲というと、第5番「皇帝」が有名で、
その次は第3番でしょうか。 でも、個人的には、第1番が最も好きです。

ピアノ協奏曲第1番、モーツァルト的なニュアンスも感じられますよね。

この曲、ベートーヴェンがウィーンに出て間もない頃に書かれたそうです。
若かりし頃、モーツァルトにも会いにも行っているベートーヴェンは
ピアニストとして活動していたので、さもありなん、という感じでしょうか。

しかし第3楽章、左手と右手が掛け合いする場面など
華麗というよりも激しさを感じさせて、ベートーヴェンらしさも出ている、
そのように思いますが、いかがでしょう。

また、第1番が作曲されたのは第2番よりも後で、
第2番に筆を加えたりして出版が遅れたため、番号も入れ替わったようです。
そしてまた第2番は、単に「協奏曲」として出版されているようですが、
第1番は「大協奏曲」と書かれ、大編成の管弦楽とピアノの丁々発止・・・
そんなことを印象させる自信作でもあったと思われます。

さて、前置きはこれくらいにして、今朝聴いた演奏は

tkcc15321.jpgペーター・レーゼルのピアノ
クラウス・ペーター・フロール指揮
ベルリン交響楽団

徳間音工のドイツ・シャルプラッテン
8回目のシリーズで、捕獲したものです。

ペーター・レーゼルは、1945年ドレスデン生まれ、
旧東ドイツの戦後生まれのピアニストで、
ロシアで名ピアニストのレフ・オポーリンに学んだ、美音の持ち主ですね。

この演奏でも、それを如何なく発揮しています。
繊細な表現に徹して、ダイナミックスを抑えた演奏は、
ちょっと物足りなくも感じますが、味わいのある演奏ではないでしょうか。

ただ、伴奏がかなり気合入っているようで、
ちょっとアンバラスかな〜 なんて思ってみたりもしました。

もうちょっと聴き進めてみたいと思います。

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2010年10月13日

クーベリック/BPO、シューマン/交響曲第2番

自宅のCD棚を漁って録音したものより、
クーベリックのシューマン交響曲全集の旧盤より交響曲第2番です。

437_395-2.jpgシューマンの交響曲では、
個人的に第2番が一番好きなのですが、

クーベリックとベルリン・フィルとの演奏

これが、とてもアグレッシヴな演奏で
一番素晴らしい演奏だと思っています。

とくに、第1楽章から第2楽章にかけ、見事なドライブ感で、
音楽を追い込んでいて、今回もまた、ぞくぞくっと、きてしまいました。

クーベリックでは、ソニーに録音した、主兵だったバイエルン放送交響楽団と
録音した盤が名盤となっていると思いますが、旧盤が、実は、より素晴らしい。

そのことを、教えてくれたのは、今は亡き ゆらむぼさん でした。

最初は、レコードで持っているバイエルンとの全集に心酔していたので
半信半疑というか、そんなことは無いだろう、とも思っていましたが、
1996年頃かしら、実際に購入して聴いてみて、よく分かりました。

この録音、主兵オケではないためか、天下のベルリン・フィルだからか、
真相はよく分かりませんが、ヴァイオリンの両翼配置は行われていません。
(バイエルン放送響との録音は、両翼配置ですけれども)

でも、これで右側からコントラバスの響きがグイグイと唸っているのも聞こえ、
レガートでつないだカラヤン色が濃くなる前の質実としたベルリン・フィル、
力強く演奏していて、クーベリックの指揮にも応えている印象を持ちます。

この演奏については、あまり話題になることがないように思しますが、
シューマンの交響曲を聴く上で、是非ともおさえておきたい演奏ではないか、
そのように思ってます。

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2010年10月12日

クーベリック、モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」

自宅のCD棚を漁って録音したものより、まず
クーベリックのモーツァルト後期交響曲集からハフナーを聴いて出勤しました。

1982年、レコードアカデミー賞を受賞した懐かしい全集です。
LPレコードで持っていましたが、後年、輸入CDでも捕獲しました。
(CDジャケットは今のものなので違いますけどね)

sicc256.jpgどの演奏も、みずみずしくて、
モーツァルトを聴く喜び、それがあふれてきます。

初期のデジタル録音ですけれど、
アナログのレコードで聴くほうが
柔らかさをともなって、より素敵に響く
そんな風に思っています(妄想かも)。

ハフナーの第1楽章より、オケがたたみかけるように進み、でも、
リズムが心地よく弾んで、左右に振り分けられたヴァイオリンの響き、
そして中央奥左より聴こえてくる低弦の響きが絡んで、心も軽くなります。

とにかく、透明感のあるオケの響きに気品も感じさせ、素敵な演奏です。

ピリオド楽器、モダン楽器でもピリオド奏法が隆盛を極める現代においても、
このオーソドックスな従来型のオーケストラで奏でられた、
このオーソドックスかつ比類なき演奏は、名演奏といっても良いでしょう。

終楽章もまた、ワクワクとしながら聴き進み、聴いていると幸せになります。

告白しますと、若い頃はハフナーやリンツ、面白いとは思いませんでした・・
このCDを買って(黒い円盤で買ったときはまだそう思いませんでしたけど)
聴いているうちに、名演奏だと思うようになりました。

リズムが気持ちよく弾んみ、弦の厚みが十分にありながらも、
オケ全体の響きはあくまでも透明感を失わない・・・ 本当に素晴らしい。

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2010年10月09日

ブロムシュテット/SKD、シューベルト/交響曲第4番

ブロムシュテットのシューベルトの交響曲は、やはり素晴らしい。

第1番から始まって、第6番まで立て続けに聴いてしまいましたが、
いずれも納得度の高い演奏ですけれど、
tkcc70261.jpg特に驚いたのは、第4番でした。

特に第1楽章、強烈な一撃で開始
序奏のあとスピードを上げてゆきますが、
低弦がぐいぐいと強く弾き、
何よりティムパニが重い響きの強打
これがが印象に残ります。

しかし、これらが波打つように襲ってくるので、
単なる重厚感としてでなく、覇気を持ったしなやかさ、みたいに感じます。

実際かなり力がこもっていて、圧倒させられながら聴き進みました。

「悲劇的」と題された交響曲第4番
この標題や、また暗い感じの序奏で始まるため、ちょっととっつき難い・・・

そんな感じもしていますが、ダイナミックな第1楽章の演奏を耳にすると
ちょっと病みつきになってしまいますね。

シュータツカペレ・ドレスデンで使っているティムパニって、
羊の皮を張っていると聴いたことがあります(普通はプラスティック?)。
ウィーン・フィルもまた革張りのティムパニらしいですけれど、
だから強打しても刺激的な響きに聞えない、のかもしれません。

もちろん管楽器や高音弦楽器も、SKDらしく、刺激的に響くことがなく、
全曲通しても聴き応えのある演奏です。

結局、病みつきになって、第1楽章は3回も聴いてしまいました。

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昨夜無事帰宅して「探偵ナイトスクープ」も堪能しましたが、
本日は朝から雨雨雨・・・

薬師寺に行こうと思ってましたけれど、思案中です。

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2010年10月08日

ブロムシュテッド/SKD、シューベルト/交響曲第1番

またもやシューベルトの初期交響曲

昨朝、ブラームスの交響曲第4番を聞き、秋を感じる出勤としましたが・・
185系電車の中、気分が沈んできたので、フレッシュな音楽にバトンタッチ。

tkcc70261.jpgヘルベルト・ブロムシュテッド指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

シューベルトの交響曲第1番。

徳間シャルプラッテン20周年記念III
1994年当時、1,000円で買えるCDは貴重でした。

このシリーズで、シューベルトの初期交響曲からグレートまで全曲を揃え
聴き込み、彼の交響曲の全貌をなんとか俯瞰できるようになったつもりです。

だから、かなりバイアスがかかって聴いてしまうのですけど、
この第1番、思っていたほど軽いスマートな演奏ではないようですね。
後期にも繋がるような、恰幅の良さを感じました。

でも先日聴いたサヴァリッシュのとは違い、
トランペットの音も控えめにして全体の音量はグンと上げるけれども
力むように感じることは、皆無ですね。 素朴さ、なのかもしれません。

録音の関係でしょうか、なんとなく活舌が悪いと感じてもいたのですが、
何かを突出させたすることなく、深い息づかいからくるのかもしれません。
かなり強く演奏していても、刺激的な音は皆無。 これは素晴らしいですね。

また、もうちょっとこの全集を聴き進めてみようか、と思っています。

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2010年10月06日

シャイー、ブルックナー/交響曲第7番

久々にアンプに火を入れ、ヘッドフォンでCDをアレコレ聴いてます。

先日、岩崎さんのブログで紹介されていた
f35l50064.jpg
リッカルド・シャイー指揮ベルリン放送交響楽団

ブルックナーの交響曲第7番(ノヴァーク版)

所謂ドイツ=オーストリア系とは違う伸びやかさ
明るく美しい響きに彩られたブルックナー

シャイーという指揮者は、どんな曲でも素直なアプローチ、
押し付けがましさや、奇妙にデフォルメすることはないように思うのですが、
新鮮な感覚、みずみずしさが感じられて素敵なブルックナーだと思います。

軽やかで躍動的な第1楽章もいいですが、
きめの細やかな第2楽章アダージョ、美しい響きに惹かれました。
とにかく、美しい響きのブルックナーが好きです。

 ●

不覚にも風邪症状が急激に悪化、喉の奥が張付いて痛く、
昨夜は早めに寝たにも関わらず、夜中に覚醒もし、体調は絶不調で朝は朦朧・・
書き溜めしておいた原稿でなんとかブログの朝のアップデートを済ませたあと、
思案しましたが、思い切って会社を休むことにして、また寝ました。

お昼には、喉の炎症を抑えるスプレーを買いに出て、
ついでにビタミンC豊富なアセロラ・ドリンクも入手しましたしね。
懸念していた熱は、微熱は続いているものの、明日は大丈夫でしょう。

ということで、久々にCDをひっくり返して聴いています。
自宅より持ってきたCDはほんの一部で、引越業者が時間より早く来たため、
未分類のものを中心にダンボールに詰めたので、あまり聴かないものばかり。
また、頂き物のCDなど、すっかり忘れているものが多くあります。

人生は短いので、せっせと聴いてあげなくては・・・

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2010年10月05日

神風協奏曲、大澤壽人/ピアノ協奏曲第3番

通勤時、シャイー/ACOのシューマンの交響曲を引き続き聴いてましたが
第4番の交響曲が終わったあと、カッコ良いピアノ協奏曲が始まりました。

おおっ、大澤壽人さんのピアノ協奏曲第3番「神風協奏曲」です。
これも先日、メモリプレーヤに入れておいたのでした。

8.557416J.jpg「神風」とは、特攻隊ではなく

東京―ロンドン間
当時の最短飛行時間記録をたてた
朝日新聞の「神風号」のこと。

久々に聴きましたが、
1930年代、日本人がこれほどまでにモダン、かつコスモポリンな曲
プロコフィエフやラヴェル、ハチャトゥリアンのようなキレの良い音楽。

当時の日本で受け入れられなかったというのも判るような気がします。
それよりも演奏できたのかしら・・

第1楽章は、エンジンをブルブルっとかけて飛翔する主題が印象的
第2楽章は、サキソフォンが物憂げな夜間飛行、ラヴェルの協奏曲みたい
第3楽章は、ラストスパート、ブルブルいいながらも、唐突に着地

そんな感じかしら
平成16年度文化庁芸術祭のレコード部門優秀賞を受賞した名演奏、
NAXOSの日本人作曲家シリーズの中の名盤ですね。

ドミトリ・ヤブロンスキー指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
エカテリーナ・サランツェヴァ (ピアノ)

手に入りやすいCDですけど、これも図書館で借りました。

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2010年10月04日

シャイー/ACO、シューマン/交響曲第2番

昨日の馬込文士村散策のお供は、本駒込図書館で借りたCDでした。

pocl1335.jpgまずは、シューマン/交響曲第2番

リッカルド・シャイー指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管

LGOとのマーラー版が出ているため旧録音

マーラー版の第2番・第4番は、小石川図書館より既に借りていて、
特に第2番、熱くてしかも歌心も失わず、めくるめく世界を感じさせて好き!!
と、このブログにも書きました。

だから、ACOとの録音も期待して聴き始めまたのですが、
ちょっと、いえ、ずいぶんと肩透かし・・・

当たり障りの無い表現、撫でているような演奏、うねりなど感じられず、
終始、頭の中で、こんなのかな、と疑問符がついてまわっていました。

第3番になると、リズム感も出て、終楽章など熱くもあって、
印象は挽回しましたけれど、大好きな第2番がこんなのでは・・・と、
でも、やはり納得いきません。

そこで、今朝はLGOとのマーラー版を聴き(やっぱり良い演奏ですね)
その直後、ACOとのこの録音を再聴しました。

耳に慣れたからでしょうか、昨日のような印象はずいぶんと減り、
かなり落ち着いて聴けたと思います。

要するに、曲へのアプローチが違うみたいですね。

この曲の持つ、狂気の手前と言ってはナニかもしれませんが、
ワイルドさを押えつつ、強弱もしっかりと丁寧につけて曲を進めています。
ボリュームを上げて聴くと、様々な楽器がきちっと鳴っていて、
踏み込みが足りない、とは感じませんでした。

でも、上手い演奏とは思うけれど、
面白味を感じるのとはまた別問題じゃないか、と勉強したしだいです。

とにかく、しっかりとした演奏だということはよく分かりました。

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