2005年12月25日

オーケストラ千里山 第10回定期演奏会にて


20061215_oke1000.jpg溌剌とした「くるみ割り人形」、タイトによく締まった「巨人」、このオケを始めて聴かせていただいたときには、ここまで成長するとは正直思いませんでした。 

しかも、このオケの特長である誠実な演奏がそのまま残っていることも感動を大きくする要因です。 
今後の活躍も期待させた記念すべき第10回定期演奏会、素晴らしい演奏で今年を締めくくることができました。 

来年もまた楽しみです。

(時間があまりないので手短ですが、取り急ぎ)
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2005年12月18日

奈良交響楽団 第48回定期演奏会にて

20051218 nara-so48th.jpg新鋭の小崎さんの指揮のもと、いずれの曲も集中力の高い演奏でした。

小崎さんの指揮は縦振りが基本、ぐいぐいとオケを進めてゆく感じですね。 振りは藏野さんと似ているかもしれません。 ただし音楽の解釈はより基本に忠実といった感じだったでしょうか、あと若々しくてシャープでタイトな音楽造りだったと思います。 オケも集中力を高めて、小崎さんの指揮に合わせて演じきった、そんな感じを受けました。

最初の「シチリア島の夕べの祈り」は、よく締まった演奏でしたね。 スペクタクルといっても良いような感じでしたけど、余計な贅肉はなく、カチッと纏まった演奏はとても聴き応えがありました。 演奏後にブラボーの声がかかったのも頷けます。

シューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」も、シャープでタイト、しっかりした演奏でした。 弦の分奏もバシッと決まっているし、管楽器もよく統制されているといった感じ。 ただし、フーガのように旋律を楽器間で回したり、ユニゾンで演奏するときなど、かえってよく揃っているのがシューマンらしくない、というか、もっと思索的な感じが欲しいなぁ、なんて思いながら聴いてしまいました(間違っていたならごめんなさい)。

メインのブラームスの交響曲第2番、こちらもシューマンと同傾向。 スマートでシャープで纏まりの良い演奏でした。 ただしこちらはブラームスらしく、各パートの響きを重ね、組み合わせた音楽はまさしくブラームス。 しかも聴いていると、「あっ、こんな楽器にこんな音形があったんや」という発見もあったりして、日頃よく耳にする音楽なのですけど、興味深く聴くことができました。 
こんな書き方とすると、解剖学的な冷たい演奏みたいに思われるかもしれませんが、弦楽器では中低弦がしっかりと曲を支えて、がっしりとした構成感のある演奏です。 安心して聴き進んでゆける演奏でした。

じつは風邪をひいてしまい、演奏会に行くまえには、コタツで横になって、何度も寝ては起きてを繰り返してました。 聴き手としての集中力がガクンと落ちている状態だったのですけど、まったく飽きることなく演奏を楽しみました。 若々しくも誠実な音楽造りが気持ちよかったですね。 お疲れさまでした。
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2005年12月14日

関西大学交響楽団 第57回定期演奏会にて

「シェヘラザード」の演奏、特にこのフィナーレに魅了され、感動しました。

まずコンミス(3回生宇田さん)の独奏、ここが何より素晴らしかったですねぇ。 伸びやかさが増し、魅惑的な響きにも磨きがかかって魅了されました。 そして、オケ全体の響きがしっとりとして独奏と絡み、全曲を締めたときには言葉を無くしました。 素晴らしいの一言。 会場内も同様だったのでしょうね、演奏終了後、ホール内にしばし沈黙が流れ、しだいに盛大な拍手・・・ 実に感動的な演奏でした。

指揮者の竹本さん、いつもながら大きな身振りでオケをドライブしますが、耳当たりの良い柔らかな響きが常に曲を支配しています。 大音量になっても、まったく騒々しく感じませんし、しっとりと演奏であっても華やぎを感じさせて、この曲の良さを存分に伝えてくれたのではないでしょうか。 もちろんオケも竹本さんの指揮に見事に応えていたことを特筆大書しておきたいと思います。

またこれに先立って演奏された、学生指揮者の織田映子さんによる「フィンランディア」。 この演奏もまた響きがよくブレンドされ、自信に満ちた素晴らしい演奏でした。 織田さんの指揮、ゆったりとしたテンポ設定で、しっかりと拍子をとるオーソドックスな振り。 下手すると、単調に陥るところなんでしょうが、オケから自然と湧き上がるように響きを導き出し、それをコントロールしてブレンドさせる手腕は、本当に素晴らしいものがありますね。 フィナーレでも勢い込むことなく、最後は柔らかな響きで纏めたのを、すぱっと切り落とす潔さもまた気持ちいいものでした。

大塚さんによるブラームスの悲劇的序曲。 タイトな響きで切れ味よく開始したのですが、このあと逆の意味で若さが邪魔をしたのかもしれませんね。 落ち着いて振り、曲を進めているものの、慎重になっていただろうし、堅くなっていたのかもしれません。 淡々と進めて、オケのメンバーは変わらず懸命に演奏しているのですが、なんとなくバランスが悪く、管と弦の間にも隙間を感じました。 大塚さんが指揮されると、少々事故が多いのも可哀相なんですけどね。 それでもフィナーレは響きに潤いが増し、リズム感もあって充実させてタイトに締めました。 若さでガンガンやったほうが面白かったかもしれませんね。 無責任モードですけど。

とにかく、いつも色々な発見のある関大オケの演奏会、今回も大いに楽しませていただきました。
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2005年12月04日

ならチェンバーオーケストラ 第70回定期演奏会にて

創立18年、第70回定期演奏会。 いつもの100年会館中ホールから大ホールに場所を移し、いつも以上に充実した演奏を聴かせてくれました。

特にプロコフィエフの「ピーターと狼」、小学3年生〜高校1年生のキッズメンバーを加えての演奏でしたが、そんなことは全く関係なし。 実に素晴らしい演奏に惹き込まれっぱなしでした。

長くクラシック音楽を聴いてきましたが、生演奏で聴いたのは初めて。
この曲、ホルンは3本ですが、その他の管楽器は1本のみなんですね(1管編成)。 にもかかわらず、実に表現豊かな作品なので、もっと大編成の曲かと思っていました。 

そんなことにも気付いた感動もあったことは事実ですが、とにかく表現力豊かなソロが皆さん絶品(fl:待永望、ob:浅川和弘、cl:鈴木豊人、fg:佐々木威裕)、ホルンの3人の女性奏者(木山明子堺温子永武靖子)も息の合ったタイトさ、実に素晴らしかった。 
もちろん、弦楽アンサンブルも各パートが有機的な絡んで聴き応えあります。 打楽器も迫力あって耳を奪われました。 
ナレーション(大槻温子)も巧かったですし、今年もあと少しで終わりそうですが、今年の「勝手にアカデミー賞」ものの演奏でした。

これに先立って演奏された、D.ハウエル編曲のクリスマス・ファンタジーはならチェンバーらしい上質な弦楽アンサンブルを存分に楽しみました。 6-5-4-4-3の編成なのですけれど、柔らかくて綺麗なストリングス。 コントラバス・トップの女性(川田ゆかりさんでしょうか)も表情豊かに弾いてらして、リラックスしながらもしっかりした演奏を堪能しました。

メインのベートーヴェンの英雄交響曲。 今村能さんらしく理知的で緻密に構成された演奏でした。 
後半楽章は熱っぽくメリハリもあり、壮麗なホルンの斉奏も決まり、聴き応えありましたけど、前半はオケのやや硬直気味だったかな。 
ホールの響きが少ないせいもありますけどね、弦楽メンバーの数(6-5-4-4-3の編成)から、やや性急に感じた第1楽章、集中力は途切れなくても単調な傾向に陥った感のあった第2楽章など、聴き手の僕がちょっと落ちこぼれそうになってしまいました。 
でも後半、僕も集中力を取り戻すことができて楽しみました。 本当によく考えれらた指揮ですし、オケも響きの薄いホールで奮闘していました。

今年も素晴らしい演奏を聴かせてくれたならチェンバー、これからも応援してゆきたいと強く思った演奏会でした。

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2005年11月27日

奈良女子大学管弦楽団 第36回定期演奏会にて

20051127678bbbb2.jpgいつもながら、このオケの飛躍振りには目を見張るものがあります。 今回もいい演奏会でしたねぇ。 指揮者の牧村さんも楽しそうでした。

会場は奈良県文化会館国際ホール、このところ2階席への立ち入りが禁止されていましたけど、今回は開放。 それだけお客さんが入っているということで、関係者ではありませんが、嬉しい限りです。

開演前から自由入場でやる気満々、ってな感じ(実は整列入場は好きではありません)。

確かにその気合は、ドヴォルザークのスラヴ舞曲集に篭ってました。 この舞曲集より4曲が演奏されましたが、いずれも遅いテンポながら充実した演奏。 言い方は悪いですが、噛んで含めるような感じなんですけどね、堂々としていて立派なんです。 

よくよく考えれば牧村さん、オトマール・スウィトナーさんに師事されていました。 スィトナーさんの録音でもこの曲を聴いたことはありませんが、スウィトナーさんが指揮されるとこんな感じになったと思えるほど、構成感があり、熱い演奏でした。 これはドイツ風の素晴らしい演奏でした。

休憩を挟んでチャイコフスキーの悲愴交響曲。 こちらも構成感があって見事な演奏でしたね。 初めてこのオケを聴いたのは2000年だったかしら、このような演奏ができるとは夢にも思いませでした(というと失礼かな)。 

だから、あえて言わせてもらいますけど、牧村さん、1〜3楽章までかなり抑え目の指揮。 第3楽章など、なりふり構わずにワッ〜と前面に出るかと思っていたら、この楽章はパワーを前面に出しても巧く纏めているような感じ。 だったら第4楽章はもっと弱音で聞かせて欲しい気もしたんですけど・・・ 逆にこれまでと違って大きく振って、想いを込めるかのような熱い演奏で締めくくりました。 個人的に、第3楽章と終楽章の間の落差が欲しかったんですけどね。 

もっとうねって巻き込むような我武者羅さがあれば・・感じも変わっていたかもしれません。 最初にこのオケを聞いた頃は、技量は足りなくても、もっとそんな感じがしたんですけどね・・・難しいですね。

でも今回、本当に各パートがよく纏まってました。 それは見事な演奏でしたよ(だから、こんなことも言えるのかもしれません)。 ま、とにかくよく締まっていい演奏会でしたんで、満足して会場を後にしたことは事実です。 皆さん、お疲れさまでした。
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2005年11月20日

橿原交響楽団 第13回定期演奏会にて


20051120347a151c.jpg大阪フィルの首席トランペット奏者である秋月さんを迎えたハイドンのトランペット協奏曲が素晴らしかったですね。

秋月さんの艶やかで張りのある響きに魅了されました。 オケマンらしく終始落ち着いた演奏なのですけどね、ソリストとしての華やかさも充分に感じられました。 
そんなソロに対抗するオケも軽やかさや躍動感がよく出ていて、見事なハイドン・サウンド。 最初から最後まで演奏を満喫しました。 この演奏がお目当てで出かけたのですけど、本当にこれには大満足でした。

これに先立って演奏された、ヴェルディの「シチリア島の夕べの祈り」序曲は、朝倉さんの指揮のもと丁寧に纏められた演奏でした。 弦楽器にやや纏まり感が乏しくなる部分もあるのですけど、それすらも味わいに変えてしまうような感じですね。

ただメインのドヴォルザークの交響曲第8番は、さすがに大曲ですからね、朝倉さんの手腕を持ってして、端正で誠実に纏めたといった感じだったでしょうか(なんか偉そうだなぁ〜 すみません)。 

この曲は耳に馴染みが深いということもありますし、先日の井村さん指揮による京都三大学交響楽団によるドラマティックな演奏が耳に残ってますので、聴きながら頭の中でちょっと比較してしまってました。 

でも、曲に奉仕するような朝倉さんのアプローチは、このオケにはよく合っているように思います。 次回もまた朝倉さんとのコンビが続くとのこと。 ハイドンのトランペット協奏曲、本当に素晴らしい演奏でしたしね、更なる成長を期待したいと思いつつ帰ってきました。

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2005年11月13日

天理シティーオーケストラ ファミリーコンサートにて


2005111403433ad7.jpg奈良県歯科保険フェスティヴァルでの親子で楽しめるファミリーコンサート

クラシック音楽になじみの薄い方にも楽しめるようなプログラム、とのことですが、しっかりとしてかつ生気ある演奏は日頃クラシック聴いている者にも楽しめるものでした。

個人的には冒頭の「花のワルツ」とヴィヴァルディの「調和の幻想」より第3番第1楽章が良かったですね。 まろやかなホルンの響きが終始乱れず、丁寧で柔らかな演奏なんですけどね、めくるめくような感じがよく出ていて、生演奏の良さを存分に感じた「花のワルツ」。

調和の幻想」では要所でピンと背筋を伸ばし、キリッとした表情を見せつつも楽しく美しい響きを聴かせた栄嶋さんのソロ、気持ちよかったですね。 

栄嶋さん、コンマスでも大活躍。 丁寧で誠実な曲の輪郭を作っている指揮者の安野さんのもと、にこやかに笑いながらも、時には腰を浮かしての大熱演でオケを引っ張っていたのが印象的でした。 演奏後も終始笑顔、ファミリーコンサートってやはりこのような笑顔が必要ですね。

開演早々、お客さんが少なくて、やっぱりクラシック音楽は人気がないのかな・・・、と思っていたら続々とお客さんも入ってきました。 最後は、この後に続く、腹話術こにしあき)、シンセサイザー演奏藤井哲子)、ジャズ築山昌広SEXTET)とも遜色ない入りでしたね・・・って最後までステージを楽しんでましたけど、やっぱクラシックが一番落着きますね。

おまけですが、最後の抽選は1番違いで外れ。 これが惜しくて会場を後にしましたけれど。
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2005年10月29日

京都府立医科大学交響楽団 第81回定期演奏会にて


200510306f96a1b7.jpgドラマティックな演奏の数々、じつに熱い演奏会でした。

コントラバスをステージ後方に一直線に並べたムジークフェライン流の弦楽配置もよく機能していたと思います。 熱い演奏でしたけれど、低弦がしっかりと響き、演奏の核になって充実した演奏を聞かせてくれました。

また弦楽器が3プルト目より、順次ひな壇に乗って高くなり、いわばスリ鉢状に並んだオケから響きが湧き上がってくるような感じも受けました。 
そしてそのスリ鉢の焦点にあたる部分で、大きな動作の井村さんを見ていると、なんだかストコフスキーみたいな感じさえしました。 見ていてもちょっと面白い演奏会でしたね。

なお演奏については冒頭に述べたとおりですけれど、付け加えるならば・・・

抑揚をうまく効かせてとても手馴れた「こうもり」序曲。 響きの角が綺麗に取れて、豊穣さを感じました。

幻想序曲「ロミオとジュリエット」は凝縮したオケ全体の響きに低弦が芯になって重厚な感じ。 愛の主題など、もう少しうねるような感じも欲しかったけれど、終始若々しくケレン味のない演奏は熱く充分にドラマティック。 熱い想いを込めたエンディングも見事でした。

そして圧巻だったのがドヴォルザークの交響曲第8番。 緩急を付け、井村さんが押して引いてと、自在にオケを操っての大熱演。 第2楽章などは歌が随所に感じられたのも特筆しておきたおいですね。 そして終楽章はオケが一体となり、よくコントロールされた響きで全曲を締めあげた素晴らしい演奏でした。

風邪で、行くかどうしようかと迷いましたけど行って正解でした。 
途中、咳き込みそうになって苦しかったけれど・・・ とても充実した演奏会を楽しみました。
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2005年10月09日

韶フィルハーモニー 創立記念演奏会にて


2005100948c2b607.jpg若者らしいストレートな雰囲気の演奏会でした。

午前中に指揮者の井村さんより緊急動員。 だいたい3割程度の入りだったでしょうか。
少ないお客さんではありましたけど、熱い演奏会になりました。

なんといっても井村さんの大きな身体が反り返るほど力の入ったニールセンの不滅。 ダブル・ティムパニがタイトで強烈でした。 また中間楽章では繊細な木管アンサンブル、素適でした。
惜しむらくは、弦楽器にもう少し粘りとうねりが欲しかったところかな。 でも若者らしいストレートな演奏には好感が持てました。

このところ疲れ気味ではありましたけど、元気をいただいて帰ってきました。

なお、これに先立って演奏された、関大オケ副指揮者の大塚さんによるイーゴリ公序曲も、今一歩押し強さが欲しい感じでしたけど、端正ながらもノリの良い演奏でした。

先の関大オケ正指揮者の中山さんによるマスネの組曲第4番「絵のような風景」は、しなやかかつメリハリのきちんとついた演奏。 これは素晴らしかった。 いいものを聴かせてもらった、そんな感じ。

それぞれ、よく頑張っているのを見て、聴いていると、気持ちがスッキリしますね。 爽やかな演奏会でした。
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2005年10月02日

三田市民オペラ第6回公演 「こうもり」にて


200510022e12a6e7.jpg軽妙洒脱、限られた資源をうまく使った「こうもり」でした。

冒頭、井村さんのスピーチがあって、オペラではなくオペレッタ、気軽に見て欲しい、大きな声で無理して笑って欲しい・・・ とのこと。 大声では難しかったけれど、その意図は通じたのではなかったでしょうか。 

大阪弁を交えて親近感を持たせ、また出演者に先のストーリーをそれとなく語らせることにより、初めての人でも話の展開を理解しやすくする工夫もありましたね。
もっとギャグが出てきてアヴァギャルドな吉本風かなと思いきや、基本にはかなり忠実。 「こうもり」を観たことがある人にも違和感はありませんでした。 けっこうオーソドックスにそつなく纏めた・・・というか、「こうもり」自身の完成度の高さも垣間見たように感じました。

声楽陣では、男声が充実していましたね。 終始軽妙な演技と張りのある声で歌ったアイゼンシュタイン(澤井宏仁)、朗々と歌ったアルフレート(神田裕史)、いかにも「こうもり」らしい雰囲気を漂わせたファルケ(嶋本晃)もよかったですね。 それに刑務所長のフランク(東平聞)が声・演技ともいい味を出していました。 アイゼンシュタインのとのアンサンブル、面白かったですよ。 女声陣は、演技と歌がどっちつかずになる傾向にあったようですけど、落ち着いて演じたロザリンデ(野村佳代)、狂言回しを見事に演じきったアデーレ(牛尾加奈)を筆頭に、イーダ(又吉優香)も落ちついた演技と歌を聞かせていました。

演奏は、ヴァイオリン2本、コントラバス1本、木管五重奏にピアノという編成。 これで、しっかりと「こうもり」の音楽が流れ出てくるから不思議です。 コンパクトながらも、実に聴かせ上手な演奏でステージも息づいていました。

以前、メノッティの「アマールと3人の王様」をコミュニティ・オペラで見たことがありますが、このときはピアノ、オーボエ、フルート、コントラバスというもっと小編成(指揮:三原剛)。 このときも大そう感じ入った公演でしたけど、今回もその時のことを思い出しながら観ていました。 
金をかけて大ぶりに公演をするのではなく、無駄なもの・余計な物を削ぎ落とし、必要なもの残すようにして演ることで、より身近で、地に足のついた公演になるようにも思えます。 このような取り組みは是非とも続けていって欲しいものです。
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