ヴァイオリンの持つ肉感的なフォルムをシックな色合いで収めたジャケット。
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ
サン=サーンス/ハバネラ
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
ショーソン/ポエム
リカルド・オドノポゾフ(vn)
ジャンフランコ・リヴォリ指揮 ジュネーヴ放送交響楽団

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何といってもB面1曲目のツィゴイネルワイゼン、
ゆったりと歌う第1部、詠嘆的で甘美な第2部、そして疾走する第3部、
ここでも情熱の嵐が吹き荒れているかのようで、濃厚なロマンが漂います。
もっと技巧的な人が現代にはいっぱい居ると思いますけれども、
この鼻にかかるような美音、情熱的で魅惑的でありますが、潔さもあって、
見世物的な曲からちょっと次元を脱しているようにも感じられます。
ウィーンフィルのコンサートマスターとして活動もされてきたので、
気品を持って弾きこまれているのでしょうか。
気品といえばショーソンのポエム、詩曲と書かれるのが一般的でしょうか、
情熱的でドラマティックな部分を抑えながら、情緒的な抑揚でもって、
華やかさを封印した美音で最後まで弾ききっている感じ。
美しく伸びやかな演奏としては、A面冒頭のサン=サーンス、
序奏とロンド・カプリチオーソでしょう、しかし全般的に落ち着いた印象で、
丁寧に弾き込んでいます。
やはりソロ楽器にスポットライトの当たったようなステレオ録音。
ネットで調べてみると、1960年3月10日、ジュネーヴでの録音らしいです。