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2013年03月01日

ヨーゼフ・クリップス、ブラームス/交響曲第1番

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(47)
リトグラフによる女性の肖像画がいかにもコンサートホール盤らしいデザイン。

ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 作品68
  ヨーゼフ・クリップス指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団

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P2173282 posted by (C)fronte360

上記のはモノラル盤なので、ステレオ再発盤にて試聴しました。
こちらはブラームスのお墓の写真でしょうか。

ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 作品68
ブラームス/ハンガリー舞曲第1,2,3,5番 -*
  ヨーゼフ・クリップス指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団
  ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 -*

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P2173283 posted by (C)fronte360

チャイコフスキーの悲愴交響曲での感動がまだ残っているせいでしょうか、
こちらのブラームスはその期待には応えられなかったのですけれども、
構成感をしっかりと持ちつつも自然体な演奏でした。

ノイマンSX-68カッター・ヘッド使用による再発ステレオ盤にて聴いていますが
おおもとの録音の悪さが少々足を引っ張っているのかもしれません。

しかしよく聴くならば、第2楽章での各楽器の織り成す叙情的な美しさや、
終楽章の序奏を終えたあとに満を持して吹くホルンの雄大さとフルートの渋さ、
これが弦楽合奏に引き継がれ、自然と高揚してゆくさまなど見事です。

気品と渋さが同居、フィナーレも自然体ながらも熱さも充分に出ていて、
随所に名匠の技が光っている演奏であると思います。

話を録音に戻しますと、第1楽章冒頭部分など良く言うと荒々しいのですが、
録音の古さからくるのでしょうか、エネルギー感が乏しい感じがします。
そして第2楽章冒頭部分、右側録音レベルが瞬時下がって音がフラつきますが、
モノラル盤で確認すると問題はないので残念です。

なおモノラル盤ではA面に第2楽章まで入っていますが、
ステレオ盤ではハンガリー舞曲をカプリングしているのでA面は第3楽章まで。
でも内周部でも歪感は全くなく、全体的な録音レベルも低くなっていません。
でも録音の古さで全体的に損をしているイメージです。


2013年02月23日

レオノーラ・ミラ、ラヴェル/ピアノ協奏曲 ほか

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(46)
ローマかギリシア神殿跡の写真に、マークをあしらった後期デザイン。

ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調 -*
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲 -*
ファリャ/恋は魔術師から「火祭りの踊り」
 レオノーラ・ミラ(p)
  ピエール・コロンボ指揮 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団 -*

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P2023079 posted by (C)fronte360

レオノーラ・ミラ(p)
1942年スペイン、バルセロナ県ジェルトルに生まれの女流ピアニストで作曲家。
名教師マリア・カナルスに師事、24歳で師の名を冠するコンクールで一位。
作曲家でもあり、自身の演奏・曲を発表する「LIMIT」レーベルを持っていて、
ピアノ協奏曲を少なくとも3曲、これと別に左手のためのピアノ協奏曲、
その他色々と作曲されているようです。
またナクソス・ミュージック・ライブラリーでも演奏を聴くことができます。
調べてみるまで知りませんでしたが、なかなかの才媛であります。

さて演奏ですが、一口でいうと豪快、でしょうか。
男性的な強いタッチで、ぐいぐいと弾きこなしてゆくといった感じです。
野性味があって面白いですね。

録音のせいかもしれませんし、当方のステレオ装置の特性もあるでしょうが、
オーケストラの演奏が色彩感がちょっと乏しく、平板な感じもして、
お洒落なフランス感覚というより、スペインの土俗的な色合いを感じます。
独奏しているファリャの「火祭りの踊り」で特徴がよく出ていると思います。

ここまで書いて、ヘッドフォンで確認してみると、けっこう華やかな印象も。
強引さだけでなく閃きも感じる情熱的なピアノに、ちょっと驚きました。
オケにも華やかさは感じますけど、キレが無いのと非力さで損している感じ。

お気に入りのピアノ協奏曲の第2楽章、太い線でしみじみとした情感を描き、
オケの非力さもここでは味になっているかもしれません。

ノイマンSX-68カッターヘッド使用。 左右の音の分離は問題ありませんし、
低音も出ているのですが、なんとなく平板な印象を持つ録音です。
録音場所が狭かったのかもしれません。
ファリャの独奏曲は響きも深くとれています。

2013年02月16日

ヨーゼフ・クリップス、チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(45)
白鳥が浮かぶ湖の風景写真、ロシアの白夜のイメージでしょうか。

チャイコフスキー/交響曲第6番 ロ短調「悲愴」
  コーゼフ・クリップス指揮 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

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P1263072 posted by (C)fronte360

クリップスは好きな指揮者の一人ですけれど、悲愴交響曲が好きではなくて、
積極的に聴くことは無いのですが、今回改めて聴きなおしてみて、吃驚。
これは素晴しい演奏ですね。 というか、自分の好みに合った演奏でした。

まず何より楷書風のきちっとした演奏です。 そして、自然な音楽の流れ、
引き締まった迫力も兼ね備え、しかもロマンティックさも漂わせています。
やはりこれは名演と言って良いと思います。

1960年10月録音ですが、この時期の悲愴交響曲としては現代的な感覚でしょう、
当時よくあったドロドロとした演奏と一線を画し、明るく見晴らしのいい演奏。
そして第3楽章の盛り上がり、これがまた素晴しい。

終結部に向かってアッチェランドをかけ、高まってゆく熱気そして高揚感。
終始きちっとオケをドライブしていたクリップスもここは興に任せたのか、
オケメンバーの熱気が徐々に高まってゆくのに感動しました。

録音もまた素晴しく、ノイマンSX-68カッターヘッド使用と書かれていて、
左右の分離や奥行きもきちんと捉えられて、迫力も十二分にありました。
録音面からいってもコンサートホール盤として一級のものであると思います。


2013年02月11日

カール・シューリヒト、ブラームス/交響曲第4番ほか

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(44)
黒地に金色を配したリトグラフでしょうか、質実とした絵柄が素晴しい。

ブラームス/交響曲第4番 作品98
ブラームス/悲劇的序曲 作品81
  カール・シューリヒト指揮 バイエルン放送交響楽団

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P1263071 posted by (C)fronte360

後年の再発盤は、風景写真を使った面白みは少ないが落着いた色あい。

ブラームス/交響曲第4番 作品98
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 作品56a -*
  カール・シューリヒト指揮 バイエルン放送交響楽団
  カール・シューリヒト指揮 南西ドイツ放送交響楽団

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P1263070 posted by (C)fronte360

前者は、1963年度フランスACC国際ディスク大賞受賞の名盤。
後者は、カプリングを変更して再発されたもので、1961年9月録音。
ただしバーデン・バーデンのオケによるハイドン変奏曲は、1962年9月録音。

よく言われるように、颯爽としたブラームスですけれども、細部をよく歌わせ、
かつオーケストラをドライヴしたしっかりとしたブラームス。

第2楽章での旋律の歌わせ方、そして各声部が絡みあわされた美しさ、
終楽章での力強さに潜む深い味わい、玄人受けのする名演奏ですので、
当方による多くの言葉は不要でしょう。

録音は、再発盤にはノイマンSX-68カッタ・ヘッド使用とあって、
音の分離、ステレオ感が良くなっていると感じます。

また再発盤はA面に第3楽章まで収録されてますが(原本は第2楽章まで)、
録音レベルが下がっていることもなく、盤質そのものも新しいこともあって、
内周での歪感も感じません。 原本が決して聴き難いことではありません。
あくまでも対比した場合の差としてそう感じるということです。

なお第3楽章フィナーレで若干録音レベルを下げているように思える箇所は
原本・再発盤とも同じでした。


2013年02月07日

デヴィッド・ジョセフォヴィッツ、シューベルト/交響曲第9番

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(43)
シューベルトの肖像画を用いながらも、淡い色彩でシックなデザイン。

シューベルト/交響曲第9番 ハ長調「ザ・グレート」
  デヴィッド・ジョセフォヴィッツ指揮 ウィーン国立管弦楽団

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P1263067 posted by (C)fronte360

コンサート・ホール・ソサエティ(Concert Hall Society)の設立は、
1946年、デヴィッドとサミュエルのジョセフォヴィッツ兄弟によるもので、
兄のデヴィッドは録音制作総監督(チーフ・プロデューサ)でした。
またデヴィッドは指揮者、ヴァイオリニストでもあって、
ロンドン王立音楽院には彼の名を冠する演奏ホールがあるとのことです。

さてそのジョセフォヴィッツによるグレート、手元の盤がモノラル録音で、
音像がやや遠いという難点によるものでしょうか・・・
なんとなく特徴の掴み難い、どことなく無難な演奏かな、そんな印象です。

第1楽章の冒頭や、第2楽章の管楽器の旋律などが引っ込んで聴こえていて、
地味で、なんとなく損をしているような感じもします。

しかしながら、よく聴くと、けっこうパワフルな面を持ち合わせていて、
弦楽アンサンブルの押しの強さ、管楽器も加わった全奏など荒々しくもあり、
聴き応えもあります。

この地味な面にパワフルさがやや唐突というか、こなれていない、というか、
多分ステレオ録音で、管楽器の艶が耳に届くと印象は変わると思います。

前述したとおり、モノラル録音盤で、奥行きがあまり感じられません。
コンサートホール盤らしい録音といった感じでしょうか。

2013年02月02日

ハインツ・ワルベルク、ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(42)
カラー写真を使った後期デザイン、面白みは少ないが落着いた色あい。

ブルックナー/交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
  ハインツ・ワルベルク指揮 ウィーン国立管弦楽団

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P1263068 posted by (C)fronte360

1966年以降、NHK交響楽団を160回以上にわたって指揮されたワルベルク、
知名度が高いわりに録音が少ないため、地味な指揮者というイメージでした。
2004年9月29日、享年81才、この年も来日されてN響を振っておられましたね。

さて、ブルックナーのロマンティック、派手さは無いけれども職人指揮者として、
しっかりとした仕事をされている、とてもよく考えられたいい演奏です。

旋律線をしっかりと描いて聴きやすいのが、まず全体的な特徴的でしょうか。
しかも内声部もたっぷりと歌わせていて、中低弦のピチカートなどもリズミカル、
音楽が息づいていて、音楽の流れに心臓の鼓動と同じような自然さを感じます。

ブルックナーらしさである金管ファンファーレも充分にパワフル。
ただし、きちんと抑制がかけられていて全体の枠の中からはみ出しませんので、
すっすっと聴き進んでしまう感じ。 感情を吐露したような演奏とは正反対。

自然な音楽の流れに乗ってしまうので印象が薄くなるのかもしれませんし、
旋律線を描いていても、それを磨き上げて美観たっぷりな演奏とも全っていて、
緻密なコントロールをしているんだけれども、あくまでも自然。

軽薄さとは遠いが、息苦しさも全く感じさせない、そんな感じでしょうか。
ブルックナーの入門演奏として、もってこいな演奏であるように思います。
特に終楽章、織り成す響きに聴き手を自然な高揚感にいざなってくれます。

オーケストラは、ウィーン・トーンキュスラー管弦楽団と予想します。
1963年からこの団体の芸術監督をされていたので、その頃の録音でしょうか。

録音はフル・ステレオ。 ノイマンSX-74カッターヘッド使用と書かれています。
バランス・奥行きとも申し分ありません。 聴きやすくもあっていい録音です。

2013年01月28日

イーゴリ・マルケヴィッチ、メンデルスゾーン/交響曲第4番ほか

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(41)
イタリア・ローマ帝國の遺跡と思われる風景カラー写真。

メンデルスゾーン/交響曲第4番 イ長調 作品90「イタリア」
シューベルト/「イタリア様式」序曲第2番 ハ長調 D.591
シューベルト/「アルフォンゾとエストレルラ」序曲 D.732
  イーゴリ・マルケヴィッチ指揮 日本フィルハーモニー交響楽団

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P1053006 posted by (C)fronte360

マルケヴィッチの来日公演に合わせて録音されたものですが、
何よりイタリア交響曲が素晴しい! 久しぶりに聴いて感動しました。

日本フィルが高い集中力でマルケヴィッチに食らいついて活気が漲ってます。
当時日本のオーケストラの技量は現在の巧いアマオケレベル・・・
そんな意見もありますが、ここではアマオケのような意気込みが感じられます。
もうちょっと余裕が欲しい、そんな気もしないではありませんけれど、
聴き応えのある演奏を展開、ぐぃぐぃと惹き込まれてしまいます。

B面のシューベルトの序曲、これも良い演奏には違いないでしょうけれど、
こちらは少々堅苦しく感じました。 これも余裕の少なさ故かもしれません。

録音データ
 日時 : 昭和45年5月21日〜24日
 ホール : 世田谷区民会館
 ミキサー : 若林駿介
 ディレクター : 草刈津三

ジャケットには上記の記載、聴きやすい録音はさすが名手・若林駿介ですね。

なお手持ちの盤は定価1,150円、緑色のレーベルには LONG PLAYING の文字。
いわゆるモノラル盤仕様なのですけれど・・・
ヘッドフォンでも確認しましたが、ちゃんとしたステレオ盤でした。

2013年01月19日

今井信子、ヴィオラ・リサイタル

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(40)
湖面に白鳥が浮かぶ単色タッチのカラー写真、落ち着いたデザインです。

ブラームス/ヴィオラ・ソナタ第2番 変ホ長調 作品120-2
シューマン/「おとぎの絵本」 作品113
ウェーバー/アンダンテとハンガリー風のロンド ハ短調
 今井信子(va)
 ネリーン・バレット(p)

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世界的なヴィオラ奏者・今井信子によるヴィオラ・リサイタルのレコード。
「ドイツ・ロマン派のヴィオラ名曲集」のサブ・タイトルが付けられていて、
ジャケットには以下のように書かれています(解説/門馬雅美、1971.11)

1971年5月に一時帰国して演奏会をひらき、絶賛の嵐をまきおこした今井信子が、それ以前にヨーロッパで録音した、彼女のファースト・レコーディングです。

女流ヴィオラ奏者として現在でも第一線で活躍されている彼女ですが、
1970年には西ドイツ最高の「音楽功労賞」を授与された前後によるこの録音、
ヴィオラというちょっと地味な楽器を楽々と鳴らして美しくもあります。


若さからきているであろう才気煥発、そんな印象も受けるアルバムです。
曲についてはよく知らないB面のシューマン、ウェーバー
これらもまたそれによって魅力を感じさせてくれるアルバムでもあります。

録音は最新のデジタル録音盤にかなうべくもありませんが、
通常聴くぶんには申し分なく、コンサートホール・ソサエティ盤としては、
残響や奥行きもちゃんと感じられて良いのではないでしょうか。

2013年01月12日

メナーエム・プレスラー、グリーグ/ピアノ協奏曲 ほか

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(39)
北欧スカンジナビア半島の断崖でしょうか、モノトーンの印象に残る写真。

グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
 メナーエム・プレスラー(p)
  ジャン=マリー・オーベルソン指揮 ウィーン音楽祭管弦楽団
グリーグ/組曲「ホルベアの時代から」 作品40
  エリアフ・インバル指揮 ラマ・ガン室内管弦楽団

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メナーエム・プレスラーとコンサートホール・ソサエティで書かれていますが、
メナヘム・プレスラーまたはメナエム・プレスラーの表記が一般的でしょうか。

世界最高峰と言われた1955年創立の米国のピアノ三重奏団ボザール・トリオ
(仏語:Beaux Arts Trio)の創始者。 72歳でカーネギーホール・デビューし、
ボザール・トリオは2008年9月6日のルツェルン音楽祭をもって解散しましたが、
御年86歳の一昨年(2011年)には来日もされていました。 昨年12月で88歳。

そのプレスラーがコンサートホール・ソサエティに残したグリーグの協奏曲、
粒立ちの良く深みのある音がこの曲によく合っているように思います。
第3楽章も力感ありますし、抑制もよく効かせていて聴き応え充分、
そして伴奏もまたしっかりとしていてキレもあって、いい演奏と思います。
通販で入門用ライブラリを提供するシリーズとしてとても良い出来でしょう。

カプリングには、まだ売れていなかった若き日のエリアフ・インバル。
イスラエルの室内楽団を指揮し、細部にまで気を配ったしっかりとした演奏、
インバルらしい演奏でしょう。

シンクロ・ステレオ盤があるようですが、手元のはモノラル録音盤。
全体的芯のある響きでしっかりと演奏を捉えられています。
聴き始めこそ拡がり感に乏しいように思いますが、演奏の良さよって、
そんな不満は消えてしまいました。

2013年01月06日

ヴラド・ペルルミュテ、ショパン/24の前奏曲集、前奏曲op45

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(38)
ブルーの下地に黒でショパンのイラストとともに CHOPIN の文字、シックです。

ショパン/24の前奏曲集 作品28
ショパン/前奏曲 嬰ハ短調 作品45
  ヴラド・ペルルミュテ(p)

PC152736
PC152736 posted by (C)fronte360

ラヴェルの弟子として有名なペルルミュテールですが、
コンサートホール・ソサエティ「ショパン・リサイタル」で気に入ってから、
ショパン弾きとして、自分のなかでは位置づけられてしまっています。

前述のシューベルトの「ます」では少々窮屈な感じがしたものですが、
「24の前奏曲集」もあっさりめの演奏に思えますが、
自然な呼吸そして高揚感、まろやかで優しく、やわらかな響き・・・
心に染み入ってきます。

休日の早朝、といっても5時頃だったりして、この時期の外は真っ暗ですが、
ステレオのボリュームを若干下げてこのレコードを聴くのが最近の定番。
24の各調性のもつ意味合いなどよく分かりませんが、これほど退屈せずに、
自然と身体に入ってくる演奏は初めてでした。

ステレオ録音もありますが、手元の盤はモノラルのもの。
録音は、粒立ちや立ち上がり、拡がりとも申し分なく、自然に聴けます。
ステレオ盤と聴き比べてませんが、多少拡がりは抑えられているでしょうが。

なお手持ちの盤のレーベルは、MMS(Musical Masterpiace Society)。
コンサートホール・ソサエティの前身のものが貼ってあります。