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2013年06月09日

カール・シューリヒト、J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第3,5,6番

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
教会のステンドグラスをあしらったデザインもいかにもコンサートホール盤風

 J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
 J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV1048
 J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV1051
  カール・シューリヒト指揮チューリヒ・バロック・アンサンブル
   ハインツ・ホリガー(オーボエ)
   モーリス・アンドレ(トランペット)
   レイモンド・メイラン(フルート)
   ミシェル・ピゲ(ブロックフレーテ)
   クリスティアン・ランゲ(ブロックフレーテ)
   クリスティアーヌ・ジャコッテ(チェンバロ)
   ブレントン・ランクベイン(ヴァイオリン)
   ハンネローレ・ミューラー(ヴィオラ)
   ベッティナ・ベンツィンガー(ヴィオラ)
   クロード・スタルク(チェロ)

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P5264552 posted by (C)fronte360

カール・シューリヒト最後の録音と言われているブランデンブルグ協奏曲集、
先に紹介したものともども「偉大な指揮者、カール・シューリヒトの遺産」
そんなサブタイトルが付いており、解説にはアンセルメによる追悼文、
先に紹介したものにはアルフレッド・コルトーの文章が記載されていました。

なお、1966年5月録音とネットでは書かれていましたが、
解説のの「カール・シューリヒト略歴」では同年4月録音であるようです。
 1966年4月、チューリヒ・バロック・アンサンブルを指揮して「6つ
 のブランデンブルグ協奏曲」を録音。これが彼の音楽での遺言となった。
大きな違いではありませんが、ともかく最後の録音には違いありません。

ここでも老境の域での達観した演奏とは違って、生命力のある演奏ですが、
とくに第3、6番など弦楽器と通奏低音による演奏でもあることより
シューリヒトらしいまとまりの良さがより前面に出ているようです。

軽快な第5番も自由闊達というより落ち着いた音色でシックに纏めた感じで、
ジャコッテのソロの堂々とした響きが印象に残りました。
録音で高域が伸びきっていないことによるものかもしれませんが。

録音はステレオ、ノイマンSX-68カッターヘッド使用、と書かれているのは、
SMS規格であるから、CHJ規格での再発盤だとSX-74カッターヘッドでしょう。
ハープシコードの高域が延びきっていないもどかしい感じはありますけど、
コンサートホール盤らしい標準的な録音であると思います。



2013年06月01日

カール・シューリヒト、J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1,2,4番

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
楽器を並べた写真のデザインはいかにもコンサートホール盤風

 J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第1番 ヘ長調 BWV1046
 J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047
 J.S.バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049
  カール・シューリヒト指揮チューリヒ・バロック・アンサンブル
   ハインツ・ホリガー(オーボエ)
   モーリス・アンドレ(トランペット)
   レイモンド・メイラン(フルート)
   ミシェル・ピゲ(ブロックフレーテ)
   クリスティアン・ランゲ(ブロックフレーテ)
   クリスティアーヌ・ジャコッテ(チェンバロ)
   ブレントン・ランクベイン(ヴァイオリン)
   ハンネローレ・ミューラー(ヴィオラ)
   ベッティナ・ベンツィンガー(ヴィオラ)
   クロード・スタルク(チェロ)

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P5264551 posted by (C)fronte360

カール・シューリヒト最後の録音と言われているブランデンブルグ協奏曲集、
老境の域となって達観した演奏とは違って、生命力溢れる演奏です。

古楽器全盛の今日、モダン楽器による演奏に違う意味での古さを感じるか・・
いえいえ、シューリヒトらしいすっきりとした解釈もありますけれど、
各ソリストの伸び伸びとした演奏がとても印象的です。

それもそのはずジャケットに書かれたソリストの名前には一流どころが並び、
彼らの確信に満ちた響き、それをすっきりと束ねながら、堅苦しくなく、
明るくてうきうきとさせる魅力ある演奏です。

第1番より祝祭的な雰囲気が溢れんばかり、ヴァイオリンのソロが少々弱く、
それもご愛嬌でしょうか。 第2番のトランペットこそ時代を感じさせますが、
それでも第5番ともども名手の妙技もサラリと楽しめます。
いずれも時代を超える演奏であります。

録音はステレオ、ノイマンSX-74カッターヘッド使用、と書かれています。
CHJ規格での再発盤、SMS規格のものはノイマンSX-68カッターヘッド使用、
いずれにしても、良く言えば落ち着いた音色による録音ですが、
コンサートホール盤らしい標準的なものであるといえます。


2013年05月26日

ロリン・マゼール、モーツァルト/交響曲第29番・第25番

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
若きマゼールの顔写真、画面半分に顔写真を配したデザインは珍しい

 モーツァルト/交響曲第29番 イ長調 K.201
 モーツァルト/交響曲第25番 ト短調 K.183
  ロリン・マゼール指揮 ベルリン放送交響楽団

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P4144026 posted by (C)fronte360

マゼールが音楽監督としてベルリン放送交響楽団を率いていた1964〜1975年、
バイロイト音楽祭に史上最年少でのデビューは1960年、30歳でしょうか、
若く才能ある指揮者が上り調子のときの録音になります。

古楽器による演奏が一般的になった今日、少々堅苦しくも聴こえますけれど、
見事な統率力を示した演奏です。 この頃の演奏にはハズレは無いようです。
モーツァルトらしくもあって巧い演奏なので、コンサートホール盤として、
初心者向け通販基本ライブラリーとしては良いラインナップと思います。

でも何故か、時々取り出して聴こう、とまでは思わない感じ・・・
整いすぎているからでしょうか。

第25番などもうちょっと荒っぽくてもいいかななどと思えてしまいますし、
第3楽章トリオではもうちょっと牧歌的な感じで対比させて・・・ とか、
終楽章はオケをもっとドライヴして、などと素人ながら欲張ってしまいます。

決して生命感の乏しい上質なだけの音楽ではありませんけれど、
もう少し若さが弾けても・・と思うのですけれど、本人は意外と、
若いのにしっかりやるなコイツ、と思われたかったのかもと勘ぐります。
久々に聴いて、そんな事を思ってしまいました。

録音はステレオで、ノイマンSX-68カッターヘッド使用、と書かれています。
落ち着いた音色で奥行き感もそこそこあるように思います。
とりたてて良いとも思いませんが、悪くない録音です。



2013年04月19日

フリードリッヒ・グルダ、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲「皇帝」

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
赤い地に双頭の鷲・王冠をあしらったリトグラフでしょうか、印象的です。

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品68「皇帝」
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 作品90
 フリードリッヒ・グルダ(p)
  ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

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P4144025 posted by (C)fronte360

グルダのグルダの弾く「皇帝」は、ホルスト・シュタイン/VPOと組んだ
気迫の籠もった筋肉質の演奏が名盤の誉れ高いものとなっていますが、
コンサートホールに収められたハンス・スワロフスキーとの録音もまた豪胆、
迫力のあるなかなかに名演奏であると思います。

シュタインとの録音は1971年、こちらは1960年代前半の録音になります。
同コンビで収録されたモーツァルトのピアノ協奏曲第21・27番は1963年録音、
グルダ32歳頃の録音です。 ちなみにモーツァルトで示したような、
通奏低音部分も常に弾いたり、装飾音を入れるなどの所作はありません。

シュタインとの競演よりも若いので当たり前でしょうが、より若々しく、
エネルギーが放散され、よりストレートな印象を受けますけれども、
弾むようなリズムや生命感など、才気煥発なグルダらしさが満載です。

オケもまたパワフルで頑張っています。
スワロフスキーの指揮には考えさせられる(惰演?)もありますけれど、
時おり木管楽器やヴィオラなどの旋律を浮かび上がらせて、おっ、と思い、
そのまま耳をそばだてさせて、曲への集中力をより高めてくれる感じ。

録音はフルステレオ、ピアノはやや左側に定位されているようです。
ヴァイオリンは左側、ヴィオラは右側と分離されステレオ感を強調した収録、
ステレオ録音初期によくあったものですが、ややオンマイクなのも相俟って、
けっこう生々しく聴こえてきます。


2013年04月14日

パウル・クレツキ、ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
フランスのバルビソンの森でしょうか、薄日の差し込むモノクロ写真が素適。

ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」作品68
  パウル・クレツキ指揮 フランス国立放送局管弦楽団

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P4063926 posted by (C)fronte360

チェコフィルを振ってベートーヴェンの交響曲全集を録音したクレツキですが、
コンサートホールには、フランス国立放送管を振った田園交響曲を残しており、
これがなかなかの名演と思います。

クレツキ/チェコフィルのベートーヴェンの交響曲は定評の高いものですが、
ここでも声高になることなく、特に第2楽章ではフランスのオケらしく
木管楽器がチャーミングに鳴り、それを浮き立たせるような弦の響きなど
見事なバランス感覚で曲を運びます。

第4楽章の嵐の場面もタイトでありながらやはり声高にならず、
かといってメロウな感じでは決してなく、きちんと嵐であったりするので、
やはりバランス感覚に優れていると思います。

自然な流れで終楽章に入り・・・そして解説に書かれているとおり、
永遠なる大自然の懐の中の平和と静かな幸福感を印象づける
そのような隠れた名演であると思っています。

録音はフル・ステレオですが、重量感に乏しいコンサートホールの標準的?
ながら奥行きも感じさせるものです。
ただし手元の盤はやや状態が悪くて(それだけよく聴かれた証左でしょう)
スクラッチノイズがあるのが残念です。 上質な盤を捕獲したいのですが、
時おり見つける中古盤も大抵くたびれた感じになっています。


2013年04月08日

ローベル・デュナン、モーツァルト/オルガン・ソナタ<全17曲>

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
教会のパイプ・オルガン写真、シックな色調とボケ気味のピントが好ましい。

モーツァルト/オルガン・ソナタ 全17曲
 フランソワ・ドゥロール(org)
  ロベール・デュナン指揮 コレギウム・アカデミクム・ジュネーヴ合奏団

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P4063855 posted by (C)fronte360

ザルツブルクの教会の典礼ミサのためにモーツァルトが書いた「教会ソナタ」
それをこの盤では「オルガン・ソナタ」と称しています。

演奏も軽快ながらも落ち着いたものです。
オルガン奏者フランソワ・ドゥロール(Francois Delor)の経歴については、
ジャケットやネット検索に記載ありませんが、軽快なオルガン演奏で、
コレギウム・アカデミクム・ジュネーヴ合奏団による演奏ともよく合って、
同窓のジュネーヴ音楽院関係かと想像します。

全17曲が収録されていますが、演奏順は作曲年代順ではなく、調性を意識し、
変化と統一という点に配慮されたと解説には書かれています。
また懐かしの藁科雅美さんの柔らかな筆致での詳細な解説が魅力的です。

Sise A
 ハ長調 第14番 K.278
 ・・・・・・・・・
 イ長調 第7番 K.225
 ・・・・・・・・・
 ニ長調 第4番 K.144
 ト長調 第7番 K.241
 ニ長調 第3番 K. 69
 ・・・・・・・・・
 ハ長調 第16番 K.328
 ヘ長調 第10番 K.244
 ハ長調 第17番 K.336

Side B
 ヘ長調 第15番 K.329
 ・・・・・・・・・
 ヘ長調 第8番 K.224
 ・・・・・・・・・
 変ロ長調 第6番 K.212
 変ホ長調 第1番 K. 67
 変ロ長調 第2番 K. 68
 ・・・・・・・・・
 ト長調 第13番 K.274
 ニ長調 第14番 K.245
 ・・・・・・・・・
 ヘ長調 第5番 K.145
 ・・・・・・・・・
 ヘ長調 第12番 K.263

録音はステレオ、ノイマンSX-68カッタヘッド使用との記載あり、
音場感なども申し分なく、自然な奥行きも感じる録音です。


2013年03月30日

オイストラフ & バルシャイ、モーツァルト/協奏交響曲

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
木製譜面台にヴァイオリンとヴィオラを載せたお洒落なデザインが秀逸

 モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.366
  ダヴィッド・オイストラフ(vn)
  ルドルフ・バルシャイ(va・指揮) / モスクワ室内管弦楽団
 シュポーア/ヴァイオリン二重奏曲第2番ニ長調 op.67-2
  ダヴィッド・オイストラフ(vn)
  イーゴリ・オイストラフ(vn)

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P3303818 posted by (C)fronte360

先日の日本橋遠征で立ち寄った中古店にて発見した捕獲品(300円)。
メロディア原盤による借り物音源、1960年録音によるものということを
後付けで知りました。 原盤LPは1万円位で売られていて吃驚。
いつもながらコンサートホール盤には面白い物があるのだと実感したしだい。

ターンテーブルに載せて、冒頭の重い響きにちょっと面食らいました。
モーツァルトの協奏交響曲、パイヤールに代表されるロココ調の明るい響き、
これをイメージしていていたので古典様式のしっかりとした重い出だしに、
こんな曲だったか・・とも思ったのでした。

曲が進むに連れ、聴き手も馴染んできたのでしょう、
第1楽章のカデンツア前から俄然面白くなってきました。
しっかりとした造詣ながらもイキの良い掛け合いで、バルシャイのヴィオラ、
くっきりとさせた響きでなかなかの好演で、オイストラフに絡んでいます。

オイストラフ、この曲を演奏するときは学生時代にやっていたヴィオラに回り、
ヴァイリンで演るのは珍しいそうですが、豪放な演奏とはちょっと違って、
主導権を握りながらも曲に寄り添うような感じで進めているようです。

第2楽章の彫りの深い落ち着いた演奏から、盤面をひっくり返してB面、
第3楽章での元気の良い演奏、ここも古典的な造詣ながら躍動感があって、
堂々たるモーツァルト。 バルシャイも雄弁で、濃密な演奏といった感じ。
これは素晴しい演奏です。 ホルンも落ち着いた響きで古典的な感じ。

シュポーアの二重奏曲は、父子による競演。
息子の演奏の線の細さがよく言われることですが、よく言えば対比になり、
ここでは親父が低音部を受け持っているようで、がっちりと曲を支えており、
お釈迦さんの手のひらで踊っているようにも感じますけれど・・・
先入観が強すぎでしょうか。

録音はモノラルながらしっかりとしたもので、割りあいと奥行き感もあり、
最新録音に比すと可哀想ですが、同時代のコンサートホール盤と比すならば、
上々の出来だと感じます。


2013年03月10日

ヴラド・ペルルミュテ、ショパン/円舞曲全集

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(50)
水墨画風の水彩で赤いバラを描いたコンサートホール盤らしいお洒落なデザイン

ショパン/円舞曲全集
  ヴラド・ペルルミュテ(p)

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P3023495 posted by (C)fronte360

コンサートホール・ソサエティ「ショパン・リサイタル」で気に入ってから、
色々と集めたペルルミュテのレコードですが、これが現在の手持ちの最後、
円舞曲=ワルツの全集です。 これも素晴しい演奏ですね。

1962年10月ジュネーブ録音、1904年生まれなので58歳頃の録音でしょう。
ゆったりとしたテンポで詩情をたたえて、しっとりとした演奏ですが、
でも媚びることがなくサラリサラリと弾き進めてゆきます。
それがかえって演奏に深みを与えているのではないか、と思えます。

ゆったりと演奏に耳をそばだて、想いを馳せて聴いていると、
ほんのちょっと演奏が先へと進んで、あわてて想いを残しつつも聴き進む・・・
それの繰り返しであっという間に全曲を聴き終えているといった感じ。

テクニックのことはまったく判りませんけれども、
聴き手を惹きつけて離さない素晴しい演奏は、以下の順序に並んでいます。

Sise A
 ワルツ 第5番 変イ長調 op.42 「大円舞曲」
 ワルツ 第7番 嬰ハ短調 op.64-2
 ワルツ 第8番 変イ長調 op.64-3
 ワルツ 第1番 変ホ長調 op.18 「華麗なる大円舞曲」
 ワルツ 第9番 変イ長調 op.69-1 「別れのワルツ」
 ワルツ 第4番 ヘ長調 op.34-3 「華麗なる円舞曲」
 ワルツ 第13番 変ニ長調 op.70-3
 
Side B
 ワルツ 第3番 イ短調 op.34-2 「華麗なる円舞曲」
 ワルツ 第14番 ホ短調 (番号なし) 遺作
 ワルツ 第10番 ロ短調 op.69-2
 ワルツ 第11番 変ト長調 op.70-1
 ワルツ 第12番 ヘ短調 op.70-2
 ワルツ 第6番 変ニ長調 op.64-1 《小犬のワルツ》
 ワルツ 第2番 変イ長調 op.34-1 「華麗なる円舞曲」

録音はフル・ステレオ、音場感なども申し分なく自然な感じのする録音です。

 ●

SANSUI AU-D707F + TRIO KP-7300 による我が家のステレオ・サブ・システム、
これを稼動させた記念として、コンサートホール・ソサエティ盤を取り出し、
とっかえひっかえ聴いてきましたが、50枚を区切りとし、いったん完結します。

コンサートホール・ソサエティのレコード自体は、200枚ちょっと持っており、
ネタはまだあります。 これらの試聴記は思い出したときに書くとして、
ステレオ・サブ・システム稼動記念はこれにて終了、有難うございました。


2013年03月08日

カール・シューリヒト、ブルックナー/交響曲第7番

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(49)
モザイク文様による太陽でしょうか、リトグラフと思われる凝った初期デザイン。

ブルックナー/交響曲第7番 ホ長調

  カール・シューリヒト指揮 ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団

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P3023494 posted by (C)fronte360

1965年度A.C.C.国際レコード大賞受賞と書かれているとおり、
当方の世代にとって、まだブルックナーのレコードが少なかった時代において、
ブルックナー演奏の名盤として、またシューリヒトの名を一般に知らしめた、
そのような名盤であったと記憶しています。

稀代の名盤ゆえ、当方が新たに加えることは何も無いのですが、
あえて説明するならば、シューリヒトらしい颯爽とした軽妙なブルックナーで、
重厚な演奏を期待されると、見事に肩透かしを食らってしまうでしょう。

第1楽章の展開部に入る前、金管ファンファーレがパカパカと鳴っていて、
久しぶりに聴いた当方もちょっと面食らったほどです。

しかしハーグフィルも頑張っていて、木管楽器や弦のさりげないフレーズ、
はっとさせられることがしばしばあって、聴き飽きることのない演奏です。
大自然や生み神への畏敬の念を持ったブルックナーをよく現してしている、
指揮者シューリヒトの意図を見事に再現しているように思えます。
繰り返しになりますが、何度聴いても新しい発見があるような感じです。

録音はフル・ステレオ、分離・拡がり、低音の再現とも特に問題ありません。
聴きやすくて(コンサートホール盤としては)いい録音だと思います。
難点を挙げるなら、第2楽章の収録がA・B面に分断されていること。
再発されたCDでは当然のことながら繋がっているのが羨ましいですね。


2013年03月03日

ニキタ・マガロフ、シューマン/謝肉祭、交響的練習曲

ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会(48)
ゴヤの絵画でしょうか、カーニヴァルの場面と思われる絵をあしらっています。

シューマン/謝肉祭 作品9
シューマン/交響的練習曲 作品13
  ニキタ・マガロフ(p)

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P2173284 posted by (C)fronte360

ニキタ・マガロフは、1912年にロシア・サンクトペテルブルクに生まれ、
1992年12月26日スイス・ヴヴェイで没した世界的ピアニストです。
フランスで勉強し、ヨーゼフ・シゲティの伴奏者を務めた縁でその娘と結婚、
ジュネーヴ湖畔に居を構え、リパッティの後を受けて1949年から1960年まで、
ジュネーブ音楽院でも教鞭をとるなど、スイス国籍を持って活躍しました。

コンサートホール・ソサエティの欧州本拠がジュネーブにあった縁でしょう、
このマガロフの録音もその1枚ですが、これもなかなか素晴しい演奏です。
シューマンにしては少々美音にすぎるかもしれませんが、折り目正しく典雅、
知的な演奏であると思います。

美音といった意味では「謝肉祭」に似合っているかもしれませんし、
折り目正しく知的な演奏としては「交響的練習曲」であると思いますが、
いかがでしょうか。

個人的にも後者はあまり耳にしない曲ですが、主題と12の練習曲より成り、
変奏されてゆくわけですけれども、詩的で幻想的な感じなど多彩に弾き分けて、
退屈などさせない、理由は判らずともそれが名演奏、である所以。

録音が良いのもまたいいですね。 粒立ち、力強さに奥行きも感じられます。
ノイマンSX-68カッター・ヘッド使用、とあります。