温故知新。 古きを訪ねて新しきを知る、で、初めて全曲を聴いた曲のレコード、
少ないお小遣いより、選りによって買ったレコードを発掘して再聴する第3弾。
このレコードについては、拙ページに以下の記載があります。
1972年頃に購入したキング・レコードの世界名曲1000シリーズ(GT1064)の1枚。 クラシック音楽に興味を持ち始めた中学生のころ、学校の音楽鑑賞の時間に聴いたメンコンを気に入ってレコードが欲しくなった。 さっそく小遣いをはたいて近所の商店街にあったレコード屋に行って購入した思い出深いレコードである。
http://fronte360.html.xdomain.jp/bqcla/lp/gt1064.htm
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メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64 -*1
ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第5番 へ長調 op.24「春」 -*2
ベートーヴェン/ロマンス第1番 ト長調 op.40 -*3
ベートーヴェン/ロマンス第2番 ヘ長調 op.50 -*3
ジョーン・フィールド(vn)
ルドルフ・アルベルト指揮 ベルリン交響楽団 -*1
クリスチャン・フェラス(vn)
ピエール・バルビゼ(p) -*2
ジョーン・フィールド(vn)
アルトゥール・ローター指揮 ベルリン交響楽団 -*3
ヴァイオリン奏者ジョーン・フィールド(Joan Field)については全く知らないけれど、オケがベルリン交響楽団。 ドイツ音楽至上主義による判断で購入したのですが、そんなジョーン・フィールドについて、ネット時代となって、以下の記事を発見しました。 1965年には引退されて、録音も少なく、知る人ぞ知るの演奏家だったのですね。
ジョーン・フィールド(Joan Field、1915年4月28日 - 1988年3月18日)は、アメリカのヴァイオリン奏者。ニュージャージー州ロングブランチの生まれ。 5歳からヴァイオリンを始め、フランツ・クナイゼル、アルバート・スポールディング、ミシェル・ピアストロらに師事。その後、パリ音楽院ではマルセル・シャイエのクラスに入り、ジャック・ティボーやジョルジェ・エネスクらの指導も受けました。1934年にニューヨークのタウン・ホールでデビューを飾り、アメリカ各地のオーケストラに客演を果たしました。1937年にはホワイトハウスでルーズベルト大統領臨席によるリサイタルを成功させ、第二次世界大戦中のバレエ・リュス・ド・モンテカルロのアメリカ公演ではコンサートミストレスを務めました。1944年にはニューヨークのクラシック音楽ラジオ局で「Notes and Quotes」という番組のパーソナリティを務めたり、チャールズ・アイヴスのヴァイオリンソナタ第1番をピアニストのレオポルド・ミットマンと初録音したことで知られています。
https://wmg.jp/discography/23539/
そしてこの演奏、アメリカ人らしいというか、奇を衒わず正攻法で真正面から曲に立ち向かった演奏ですね。 この曲を知ることについては、良い意味で教科書的なのですが、それが少しも退屈ではなく、終楽章に至って、引き締まった中にも熱い感情も秘められたような演奏で、爽やかな感動すら感じてしまいます(中学生の頃に聴いたバイアスもあると思いますが、いい演奏だと思います)。
そしてB面、ベートーヴェンのロマンス。 こちらはとても可憐な演奏ですね。 ジョーン・フィールドの線の細さもあるでしょうが、音楽室の肖像画でしかめっ面のベートーヴェンが、こんなに素敵で優しい曲を作っていたのか、と驚きながらも何度も聴いていたことを思い出します。 こちらも真正面より曲に向かっている演奏で、端正な伴奏にも支えられて、虚飾を廃したいい演奏だと思います。 どちらも好きなのですが、艶やかさの感じられる第2番を推したいと思います。
なお、このジョーン・フィールドが使っていたヴァイオリンは、1698年製のストラディバリウスで、一時ヨーゼフ・ヨアヒムが所有していたものといわれているそうです。 以下によると、1958-1968年は、ジョーン・フィールドの名前がありますね。
https://tarisio.com/cozio-archive/property/?ID=40474
ジョーン・フィールドのメンデルゾーンとブルッフの協奏曲(こちらはCDでも持っていますが)、Naxos Music Library でも聴くことができます。
https://ml.naxos.jp/album/190295154387
2022年02月23日
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