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今では時々思い出したようにしか聴かなくなりましたが、今から30年ほど前にはほぼ毎日にようにマーラーの交響曲をとっかえひっかえ聴いていたものです。 特に毎週末の金曜日はお決まりでマーラーの交響曲第9番を聴いていたものでした。 結婚前は、LPレコードからカセット・テープにダビングしたノイマン/チェコフィルの第9番の演奏がお気に入りでした。 チェコフィルの卓越した美しい響きによる整った演奏ですね。
CD時代になって期待して買ったノイマン/チェコフィルのマーラーの交響曲。 まずは第1番、下手ではないけれど、どこか掴みどころがない感じ。 続いて第5番にも期待しましたが、こちらも美しい演奏でしたが、ここぞという場面で響きが弱かったりして物足りず・・・第9番で受けていた感銘には届きませんでした。 そのうちベルリン・クラシックより、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(LGO)との第5番がリリースされ、以降第6、7、9番と買い揃えましたが、いずれも音楽に推進力があってだんぜんLGOとのマーラーが面白い。 そんな個人的評価を持っていて、今回もLGOとの演奏を採り上げるべく聴いていましたけれど、念のためにチェコフィルとの第1番、第5番も再聴。 今までの考えをちょっと改める事態に至ったので、あえて今回はチェコフィルとの第5番(1977年録音)を採り上げたいと思います。
ノイマンがマーラーの交響曲第5番を録音したのは3度、1965年のLGO、チェコフィルとは1977年、1993年の2回。 1977年録音はチェコフィルとの一連のマーラー・ツィクルスの最初期の録音。 第1楽章冒頭よりミロスラフ・ケイマルのトランペットが朗々と鳴り渡り、第1楽章はトランペット協奏曲のように美しいラッパの響きで彩られています。 またホルン、ズデニェク・ティルシャルも美しい響き。 この両者をフィルアップしながら、弦楽アンサンブルも艶やかです。 しかし全体的には抑えた表現で丹念に曲を進めてゆきます。 LGOですと、ちょっとささくれだった響き、それをグィグィとまではいきませんが、推進力をもって進めてゆきます。 比べて聴くと、解釈には大きな違いは無いようですが、少々鳴りのわるい楽器を使って自分の表現をできるだけ出そうと努力している風にも思えますね。
第3楽章スケルッオの終結部、チェコフィルとで美しい響きの余韻を残すかのようにすっと終わります。 血気盛んだった若いころは、とても物足りなく思えたものです。 LGOとでも、すっと終わろうとしていますが、オケに力みが残っている感じですね。 第4楽章のアダージェットの美しさはチェコフィルの完勝。 少々鼻につくような美しさ、これも血気盛んだった頃には受け入れがたかったのかもしれません。 この楽章が終わった余韻に浸りながら第5楽章の冒頭の響きを味わうのが好きです。 やはりチェコフィルは美しい響きですね。 木管はもとより弦楽器がすべすべしています。 美しい響きを織りなしながら、けっして無理せず穏当。 これを実現することは実際にはとても難しいことなのでしょうが、穏当で予定調和でなんとなく物足りなく感じてしまう・・・そんなこともまた分かるような年代になってしまった、ということですね。
チェコフィルとの第5番は、NAXOS MUSIC LIBRALY 。 ここではチェコフィルとの全集も聴くことができます。 またLGOとの第5番も NAXOS MUSIC LIBRALY にありました。
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マーラー/交響曲第5番
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1977年 プラハ、芸術家の家
2020年06月27日
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