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2020年05月30日

バルビローリ/ハレ管、シューベルト/交響曲第9番「グレート」

新型コロナの緊急事態宣言、全国で解除されましたが、お家で良い音楽を♪

ドラティによる「春の祭典」のCDが行方不明になったとき、CD棚をひっくり返していたら、新星堂の1000円盤CDも多量に出てきました。 1990年、EMIレーベルのCDを1000円でリリースしてくれた新星堂のシリーズより、ジョン・バルビローリによるシューベルトの「グレート」。 世評は低いですけれど、個人的にはこの演奏が大好きなので、久しぶりに聴きなおしてみました。

「グレート」って、その名のとおり長大なこともあって、LPレコード時代には2枚組になっていたりして、縁のない曲でした(マーラーは2枚組でも聴いていましたけれど)。 CD時代となって「グレート」も聴き始めましたが、どうもしっくりこなかったのですけれど、このバルビローリのCDで開眼しました。 以来、この曲を好きになり、色々と集めてみましたけれど、シューベルトの歌の世界をこれほどまでに美しく歌い上げた「グレート」ってないですね。

第1楽章、ホルン2本のユニゾンでの始まりよりどこか長閑な感じ。 ハレ管、分厚い響きでもないし、機能的でもありませんけれど、バルビローリの指揮に導かれ、しっとりと歌い込んだ旋律が魅力的。 しかも各声部が絡みあっていて、じつにゆったりとシューベルトの歌の世界が展開してゆきます。

白眉は第2楽章でしょうか、オーボエのソロはバルビローリ夫人のイヴリン・ロスウェルさんでしょうね。 明るく端正なオーボエにやさしく寄り添う夫唱婦随の演奏もさることながら、第2主題の旋律、レガートのかかった息の長い旋律、中間部では各楽器の旋律が繊細に絡み合って、本当に美しく優しい音楽だなぁ、と感嘆。

第3楽章、第4楽章も力でグイグイと押すのではなく、丹念に歌い込んだ旋律で巻き込むようです。 線が細いとか、オケが弱いとか、まぁ色々と意見があるようですけれど。 バルビローリ・ファンにはたまらない魅力的な演奏だと思います。 廃盤になって久しいようですね。 もったいないなぁ。

P5302983
P5302983 posted by (C)fronte360

シューベルト/交響曲第9番 ハ長調「グレート」
  ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
    録音:1966年

posted by fronte360 at 09:04| Comment(2) | 20-LP/CD音楽(Classical) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
奈良の安田さん、こんにちは。
小生もバルビローリファンです。
線が細いといわれる点、これが不思議なことに、演奏の興が乗ってくると旋律線が浮かび上がってきて、結果、線が細くなっているかのように聞こえるのですね。
これはバルビローリのドヴォルザークを聞いていても感じることです。
しかし、バルビローリの旋律を歌うということに関しては、どこか琴線にふれる感触があります。
Posted by 我太呂 at 2020年05月30日 13:34
我太呂さん、コメントありがとうございます。

バルビローリのファンだったのですね。
おっしゃる通り、うまく言えませんが、バルビ節の歌う旋律が琴線に触れ、音楽っていいなぁ、という感動につながりますよね。

今ではいないタイプの指揮者、これからも大切に聴いてゆきたいと思います。
Posted by 安田裕隆 at 2020年05月31日 11:00
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