新型コロナで緊急事態宣言が出ていますので、せめてお家で良い音楽を♪
圧倒的な演奏へと回帰、カラヤンの対抗馬ならば、バーンスタインでしょう。
圧倒的な「春の祭典」に続くのは、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番。 終楽章の冒頭で「部長刑事」を思い出す世代ですが、ここを何の衒いもなく圧倒的な速さで駆け抜けるのが、1959年録音の演奏です。
手元には 1979年7月に東京文化会館で録音されたCDもありますが、単純にCDの収録時間を比較すると、以下のようになっています。
1959年録音 第1楽章 16:16、第2楽章 4:56、第3楽章 15:35、第4楽章 8:56
1979年録音 第1楽章 17:41、第2楽章 5:20、第3楽章 16:09、第4楽章 10:11
「ヴォルコフの証言」以降、この曲の終楽章への解釈が云々されますが、バーンスタインはこれと関係なく1979年録音も速い演奏なのですが、1959年録音の速さちょっと異常とも思えますね。
どちらが好きな演奏かというと、個人的には曲に対する深みを感じさせる 1979年録音の方が好きかな。 1959年録音も先に「春の祭典」で述べた、高機能なニューヨーク・フィルを得て、若いエネルギーを発散し、一直線に自分の演りたいことを具現化しているような演奏で、捨てがたいところですが。
なおオーケストラはともにニューヨーク・フィルですが、時代も違うので別のオケですね。
バーンスタインはニューヨーク・フィル在任中に一人のクビも切らなかったので、ミトロプーロスが鍛え上げたオケを消費する一方で、後年になるとオケの機能が落ちているのが録音でも分かりますよね。 後任のブーレーズが年寄団員の大幅なリストラをやって鍛え直し、東京文化会館で録音された1979年当時はズビン・メータの時代、彼も管楽器奏者の世代交代を積極的に進めていました。
1959年録音のショスタコーヴィッチの交響曲第5番にカプリングされているプロコフィエフの古典交響曲が 1968年録音。 バーンスタインの志向から考えるとウィットに富んだ古典交響曲って相性が良さそうな作品だと思うのですが、オケの機能が精緻ではなくなっているからでしょうか、太い筆の一筆書きのような演奏じゃないでしょうか。 これはこれで愉しさを全面に出した味わいを感じますけれど。
P5042761 posted by (C)fronte360
ショスタコーヴィッチ/交響曲第5番 ニ短調 op.47
プロコフィエフ/交響曲第1番 ニ長調 op.25 「古典交響曲」
レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1959年10月(ショスタコーヴィッチ)
1968年 3月(プロコフィエフ)
ショスタコーヴィッチ/交響曲第5番 ニ短調 op.47
ショスタコーヴィッチ/チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 op.107 -*
レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1979年7月3,4日 東京文化会館・大ホール(LIVE)
ヨーヨー・マ(vc) -*
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 -*
録音:1982年5月3日 The Scottish Rite Hall, Philadelphia -*
2020年05月05日
この記事へのコメント
コメントを書く