2020年04月29日

スィトナー/SKB、シューマン/交響曲第1番「春の交響曲」

新型コロナで緊急事態宣言が出ていますので、せめてお家で良い音楽を♪

このところ圧倒的な演奏を中心に聴いてましたが、今回ちょっと渋めですが、
オトマール・スィトナーを集中的に聴いています。

シューマンの交響曲が好きな人にとっては、この1841年の初演時の演奏、
これを外すわけにはいかない(と思うのは自分だけ?)かは置いといても、
SKBの渋い音色でのシューマンのロマンたっぷりな音楽がいいですね。

シューマンの交響曲第1番は1841年2月20日に完成、3月31日初演されたのち、
この年の末に改訂されて初版パート譜(総譜は1853年)が出版されいて、
これをもとにクララとブラームスの助力を得て「全集版」となって、
現在演奏されている版になるそうです。

しかしこの「春の交響曲」の楽譜は、ワシントン国会図書館に保管されていた
184年3月31日の初演時の自筆総譜、いわゆる初稿によるものです。

冒頭のホルンとトランペットのファンファーレはマーラー版と同じく三度下、
また第1楽章の主題の持ちまわり方やフレーズの終わらせ方、終結部の音型
などに明らかな違いがありますね。 ボォーと生きてても違いが分かります。

あと第3楽章スケルツォのトリオが一つであっさりと終わったあとの終楽章、
冒頭の上昇音型のあと、フルートによる鳥の囀りのようなソロが舞います。
これってけっこう衝撃的ですね。 ここでもまた細かな違いもありますが、
主題再現部でもほんの少しフルートが顔を覗かせたり、かなり新鮮です。

録音は残響が深めですけれど、元来この教会とオケの持つ響きの特徴に加え、
1841年版という鳴りの悪いオーケストレーションにもよると思います。
スィトナー、珍しい楽譜を使いながらもオーソドックスな曲の運びですし。

カプリングのライン、たっぷりとさせた雄大な演奏で、ラインというよりも
大海原といった感さえします。 ともにシューマンのロマンをたっぷりと
味わうことのできる演奏です。

P4282746
P4282746 posted by (C)fronte360

 シューマン/交響曲第1番 変ロ長調 op.38「春の交響曲」(1841年の自筆譜)
 シューマン/交響曲第3番 変ホ長調 op.97「ライン」
  オトマール・スィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
  録音:1986年6月26,27,30,7月1,2日 東ベルリン、イエス・キリスト教会
     日本コロムビア=ドイツ・シャルプラッテン共同制作

posted by fronte360 at 07:31| Comment(0) | 20-LP/CD音楽(Classical) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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