新型コロナで緊急事態宣言が出ていますので、せめてお家で良い音楽を♪
このところ圧倒的な演奏を中心に聴いてましたが、今回ちょっと渋めですが、
オトマール・スィトナーを集中的に聴いています。
まずスィトナーといえば、NHK交響楽団の名誉指揮者としてN響アワーに
登場していたことを思い出す世代ですが、初来日が1971年、名誉指揮者就任が
1973年でした。 当方がN響アワーを見始めたのが1972年頃だったはずで、
もっと古くから来日していたと思ってました。
1990年東西ドイツ統一、ベルリン国立歌劇場のポストを降りてからは動向が
伝えられず、後年パーキンソン病で事実上の引退生活だったことが判明。
2010年逝去。 今では忘れ去られた指揮者の一人かもしれませんね。
当時よりドイツの音楽の先生、といった印象を持っていましたけれど、
今回、その音楽の先生に教わったブルックナーのロマンティック。
整然とした音楽の運びのなかで、この曲の魅力を自然と語ってくれている、
そんな感じのする演奏です。
豊饒な弦楽アンサンブル、木管もスマートに響かせ、明快に曲を運びます。
陰鬱になりそうな第2楽章も、旋律を浮かび上がらせ、絡み合わせ、
曲の構成をきちんと掴ませてくれて、退屈しません。
第3楽章の狩りの音楽、金管の咆哮もパワフルですけれど決して荒くなく、
奥行きを感じさせる立体的な響きでしっかりと演奏、明るく理知的な感じ。
自然な流れで整然と進めながらも雄大な終楽章。 聴き応えあります。
自分の個性よりも、曲の本質をしっかりと掴み、曲の自身の持つ良さを
自然と引き出した、派手さはありませんが、巧い演奏だと思います。
この曲に開眼させてもらったバイアスもあると思いますけれど。
P4262743 posted by (C)fronte360
ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」(ノヴァーク版)
オトマール・スィトナー指揮 シュターツカペレ・ベルリン
録音:1988年10月10日〜14日 ベルリン・キリスト教会
このCD、新星堂より1991年に税込1,000円(当時消費税率 3%, 税抜971円)
で発売された SHINSEDO 1000 CLASSICS のドイツ・シャルプラッテン1000
1988年録音の3年後の発売で、ほぼ新譜なのに今更ながら気づきました。
2020年04月27日
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