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2018年09月15日

大阪市民管弦楽団 第88回定期演奏会

日時:2018年9月9日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール
曲目:ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
              「前奏曲とイゾルデの愛の死」(演奏会版)
   プーランク/バレエ組曲「牝鹿」
   ブラームス/交響曲第4番ホ短調
   (アンコール)ブラームス/ハンガリー舞曲第1番

指揮:金 洪才

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P9102162 posted by (C)fronte360

久しぶりの金洪才さんの指揮による演奏会を楽しみました。 腰の据わった弦楽アンサンブルを主軸に、響きの角を取った肌触りの良い管楽器・打楽器で彩られた上質な大人の音楽。 濃密でありながらも重くならないのは、オケの持っている技術と主体性を巧く引き出しているからでしょうね。 いずれも聴き応えのある演奏でしたが、ブラームスの交響曲第4番、金洪才さんらしい静かな情熱と誠実、そしてウェットな響きがよくマッチした充実した演奏に大きな拍手を贈りました。

金洪才さんの指揮による演奏会、調べてみると2007年7月の大阪大学交響楽団第89回定期演奏会以来となります。 大阪市民管弦楽団とは2000年9月の第55回定期演奏会以来なので18年ぶり(この年に生まれた生まれた子供は高校3年で選挙権も持てるほどの昔になってしまいました)。 ですが、見た目やや白髪になったかなと思いつつも、出てくる音楽は以前と変わらず大人の響き。 腰の据わった弦楽アンサンブルを主軸に、しかも今回、弦楽編成が 14-14-8-9-9 の通常配置。 コントラバス9本+チェロ9本と重量級ですが、まったくもたれたり引きずるようなことなどなく、バランスの良い腰の据わったサウンドを提供。 全体的にウェットに響く中高音弦ともマッチしたアンサンブルを堪能しました。

今回、前から5列目中央(目の前が指揮台)というポジションで聴いていましたが、冒頭のトリスタンとイゾルデ」の「前奏曲とイゾルデの愛の死」より弦楽アンサンブルを堪能。 分奏がしっかりとしていてステレオ効果抜群。 金洪才さん、煽ることなどなく、各パートに腕を出して「さぁどうぞ」「はい、あなた」といった感じで淡々と曲を進めてゆきますが、低弦の厳かな響き、ウェットなヴィオラ、艶やかなヴァイオリン、豊穣な響きが紡ぎ出されて進んでゆきました。

プーランクのバレエ組曲「牝鹿」。 音のパッチワークのようなこの曲を、躍動感をもって、ときには低弦の数をもって重量感も感じさせつつ、軽快に進めてゆきました。 ミュートを効かせたトランペットやホルンの活躍。 残念ながら前から5列目ではよく見えませんでしたが、音はぞんぶんに楽しませてもらいましたよ。 1曲目、軽快ながらも重量感を伴って進めます。 ホルンがいい味出していたのと、控えめながらヴィオラの渋く明るい響きがよかったな。 2曲目、オーボエを始めとする木管による上々の出だし。 ミュートしたトランペットが哀愁を感じさせました。 3曲目、リズム感よく小躍りするような感じ。金さんにきちんと統率されたオケが躍動感を持って進みますが、色合い自体はややウェットで地味な感じ(だから上質)。 4曲目、ここでも木管がチャーミング、おどけた金管と音のパッチワークみたい。 5曲目、躍動感をもった終曲、管と弦の呼応、ヴァイオリンとヴィオラの呼応もあってノリノリでしたね。 終始、金さんの棒のもと、表目的なきらびやかさとは異なった、説得力のある演奏を楽しみました。

20分の休憩のあと、メインのブラームスの交響曲第4番。 金洪才さんらしい静かな情熱と誠実、そしてウェットな響きがよくマッチした自然な高揚感、響きこそやや明るめですがじっくりと構えた濃密な大人の音楽を楽しみました。

第1楽章、舞台袖より出て来られて客席に一礼、すぐさまオケに向いて棒を振り始めます。 ちょっと性急かとも思いましたが、金さんは淡々と曲を進めてゆきます。 9本のコントラバスがしっかりと曲の重心を支え、9本のチェロもたっぷりと弾いてブラームスの世界を演出。 弦の濃密なアンサンブルですが、やや明るい響きが折り目正しく進みます。 そして自然な高揚感でもってピークを形成。 オケの持てる力・自主性に委ねているかのようにも感じました。
第2楽章、たっぷりとしたホルン、木管楽器もウェットに響いて進みます。 暖かな響きのピチカート、そしてヴァイオリン、ヴィオラのコクのある響きが良かったですね。 前から5列目、弦楽アンサンブルを堪能しました。
第3楽章、タイトな金管も低弦に支えられ、自然な高揚感でもって刺激的にはなりません。 各パート、よく鳴っていました。 決して余裕あるようには思いませんが、けっこう冷静に聴けてしまったから、余裕もあったのかな。
終楽章、'しっとり'ではなく'じっとり'と言ったほうが良いヴァイオリンとヴィオラの響きが両翼より包み込むような感じ。フルートの淡々とした響きの中に枯淡の境地のようなものを感じました。巧かったですね。 終結も熱い響きが濃密にブレンド、その熱い思いを開放させずに内包したままの大人の音楽として着地。
腰の据わった弦楽アンサンブルを主軸に、響きの角を取った肌触りの良い管楽器・打楽器で彩られたサウンドの上質な演奏をたっぷりと楽しませて頂きました。 充実した演奏に大きな拍手を贈りました。 みなさんお疲れさまでした。


posted by fronte360 at 06:10| Comment(0) | 18-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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