1990年代、旧東ドイツの放送音源をCD化していたPLIZ・EGR盤。
EGRとは、East German Revolution のこと。
PILZについては、幽霊演奏を売りさばくためにアルフレート・ショルツ設立、
そんな誤った記事もありますが、社長はPILZさんで、何かの事件で逮捕され、
倒産したレーベルですね。
気合いの入った録音の他に、ショルツなどの幽霊演奏をつかまされたものが
かなり入リ込んでしまっていたことは事実ですが、演奏に罪はありません。
話が横道にそれました。
いつも金欠な当方は廉価でCDが手に入ることを優先しつつも、質の高いもの、
これを求めていたので、このEGRは願ってもないシリーズでした。
ただし輸入盤コーナーでもあまり売っていないのが難点でもあり、
コレクター心をくすぐる存在でもあって、一時精力的に集めていました。
20枚ほどが手元に残っています。
当然聴いたことのない音楽も耳にするようになって、聴く音楽の幅も拡がる、
そんな中で、レーグナーのシューベルトの交響曲第2番、第6番と出会い、
これにすっかりはまってしまいました。
特に第2番のチャーミングなこと。こんな音楽がシューベルトにあったんだ…
大きな発見、喜びでした。

P5201156 posted by (C)fronte360
シューベルト/序曲 D.470 D.556 D.648
シューベルト/交響曲第2番 D.125
シューベルト/交響曲第6番 D.589
ハインツ・レーグナー指揮 ベルリン放送交響楽団
これを発端にシューベルトの交響曲は全集として集めるようになって、
ブロムシュテッド、ベーム、サヴァリッシュ、ヴァント、ムーティ etc.
あと古楽器ではノリントンや、図書館でカラヤンも借りてきましたけど、
一番のお気にりは、よく歌う演奏の最右翼じゃないかな、ムーティ。
でもそこに至る基本動機はこのレーグナー/ベルリン放送交響楽団。
わくわく感が止まらない第2番の第1楽章。 しっとりと歌う第2楽章。
第6番の終楽章の軽やかに歌わせるのはムーティと双璧でしょうか、
オケの特質(ウィーンフィル)でムーティは得している感じだな。
いわゆるドイツ的なかっぷくの良さを残しながら、あくまでも軽快に進め、
管楽器もチャーミングに歌って心地よいけど、軽やかさには流されず、
しなやかなんだけど、その中の強靭な芯を通し、表面には見せない。
ヴァントだとね、ここでゴリゴリと押しちゃうんですよね。
カラヤンやベームだと律儀に進めてしまうとか、聴き比べると面白い。
シューベルトの交響曲、未完成やグレート、第5番以外も面白い。
いや、これら以外のほうが面白い。
誠にご無沙汰しております、安倍禮爾です。日常の片付け仕事に追われ、例によって無駄な時間を過ごしているうちに、今日まで来てしまいました!
ハインツ・レーグナー!、懐かしい名前ですね。この人の録音はブルックナーは皆持っておりますが、シューベルトは!、全く持っていませんでした。この人の録音は、(おそらく)オケの音も地味なんで、演奏そのものも地味に聴こえる気がしますね。いろんな演奏がある中で、ひとつの見識(?)として聴くようにして、十分価値を見出しているところです。