日時:2017年11月26日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:八尾市文化会館プリズムホール・大ホール
曲目:ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
チャイコフスキー/バレエ組曲「くるみ割り人形」
小序曲、行進曲、金平糖の踊り、ロシアの踊り(トレパーク)、
アラビアの踊り、中国の踊り、葦笛の踊り、花のワルツ
【映画音楽特集】
ジョン・ウィリアムズ/「スターウォーズ」よりメインテーマ
ジョン・ウィリアムズ/ジュラシックパーク
エンリオ・モリコーネ/ニューシネマパラダイス
久石譲/オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」-*
さんぽ、五月の村、ススワタリ〜お母さん、トトロがいた!、
風のとおり道、まいご、ネコバス、となりのトトロ
(アンコール)日本の唱歌メドレー
ナレーター:石川未菜子(劇団ひまわり)
指揮:木下麻由加
PB288741 posted by (C)fronte360
とっても気持ちの良い演奏会でした。 子ども向けのファミリーコンサートながら、木下麻由加さんに率いられた近フィルによる演奏は、溌剌としながらもあざといアクセントや声高にメロディを主張することのない、常に上質な響きが満載。 素敵な音楽をいっぱい届けてくださいました。
冒頭の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲。 重量感のあるブラスと恰幅の良い響きが見事にブレンドされて、落ち着いて進んでゆきました。 堂々たる演奏でしたが、トランペットの旋律もきちんと抜けて聴こえてくる見晴らしの良さとオケの纏まりの良さが光っていました。
「くるみ割り人形」はチャーミングで綺麗な響きを主に、各曲の特長を巧く捉えていて、オケもまったく弛緩することのない好演の連続。 低弦がしっかりと曲を支えた上で、各パートがしっかりと持ち場を守っていて、それを木下麻由加さんによる絶妙のバランス感覚でリードされた演奏で届けられました。 大きな特徴は無いのだけれど、すっ〜心にと入ってきて琴線をちょこっとくすぐる感じ。 楽しい時間でした。
映画音楽になると、迫力を増した演奏となりましたね。 お馴染み「スターウォーズ」では畳み掛けるブラス、リズミックな音楽としましたが、ここでも何かを突出させることのない上質な音楽。 ジュラシックパークでは、より重量感ある響きを演出したりホルンやピアノなどの美しい響きを駆使しながらも、華美にならない端正な音楽造り。 ニューシネマパラダイス、響きを深めにとって柔らかくうねるようにして、懐かしさを込めたじっくりと腰の据ったサウンド。 クラリネットやバストロ、チューバも好演でしたね。
木下麻由加さん、奈良女のオケなどで何度も聴かせてもらっています。 強烈な個性はないけれど、通俗名曲といわれるような曲でも、オケの良いところを巧く引き出して、耳に馴染んだ曲ながらも聴き応えのある演奏に仕立てて届けくださって、並々ならぬ手腕、と密かに思っています。 将来が楽しみです。
さて、ここまでそんな指揮者の木下麻由加さんご自身が簡単な曲目解説をしながら進める形式でしたが、最後に演奏されたオーケストラストーリーズ「となりのトトロ」。 石川未菜子さんによる映画場面のお話しとともに奏でられた音楽は、映画の名シーンが目の前に浮かんでくるようでした。 ナレーターの石川さんの声質が主人公のメイちゃんに似ていたことも大きかったかもしれませんね。 そして演奏されていた方々もまた映画の場面を思い浮かべていたのかもしれません。 とにかく共感と臨場感のある演奏が展開されて会場は大いに盛り上がりました。 本当に素晴らしい時間を共有させていただきました。
そしてアンコールの日本の唱歌メドレー。 客席を向いて指揮する木下麻由加さんに合せて歌詞を口ずさむなど、大人も参加もできる演奏会となっていて、子どもから大人まで、文字通りファミリーでのとても楽しい演奏会がお開きとなりました。 演奏者の皆さん、お疲れさまでした。 そして素敵な時間をありがとうございました。
2017年11月28日
この記事へのコメント
コメントを書く