そのまま出勤するも会社の保健師に看てもらうと36.9℃の微熱。
前日日曜は35.8℃の平熱だったので1℃上がったらしんどいのは当然で、
会社の風邪薬をいただいてなんとか小康を得て週末にたどり着きました。
このところ懐古趣味、というか原点回帰、
クラシック音楽を聴き始めた頃のレコードを再聴しています。

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ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
フランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプティヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
コロムビア・ダイヤモンド1000シリーズ
たぶん最初に買ったか2番目に買ったクラシック音楽の30cmのLPなので
中学2年生の頃、この 1,000円でひと月のお小遣いが飛んでしまう金額。
吟味に吟味を重ねての捕獲なので思い入れもまた大変大きなレコード。
当時、コンヴィチュニーのことなど知る由もなく、
またレコード盤には演奏者の来歴の記載もなく、本場ドイツの演奏だから、
そんな理由が決定打となって買った記憶がまだ残っています。
しかしその決断は結果的に正しくて、この演奏との出会いによって
更にこの後も続くクラシック音楽へのいざないとなりました。
しかし中学2年生には第2楽章がなんとも退屈に思え、第1楽章のあと、
レコード盤をひっくり返して第3楽章へと進めてよく聴いたものでしたが、
今でもこの第3から第4楽章へと入ってゆく嵐の場面、わくわくしますね。
ゆったりとしたテンポ、恰幅の良い堂々とした音楽ながらストイック。
そして質実とした終楽章、しっかりとした構成感で各楽器がゆるぎなく響く。
どこかにスポットライトを当てたようなうわべの音楽が流れてゆくのではなく、
いろいろな楽器の響きを包含したオーケストラが一つとなりゆっくりと歩む。
フィナーレも静かにそっと終わるのがいいですね。
中学生では退屈に思えた第2楽章もまた同様、
各楽器のフレーズが浮き上がっては消えて織物を紡いでゆくようですけれど、
そのつなぎ目がごく自然な風合いなんですね。
いわゆるゴツゴツとした頑固者の独逸音楽、そんなイメージではなくて、
渋い色合いで統一されていますけれど、とても上質な音楽です。
当時聴いていた電蓄ではこんなに細部まで聴き取れなかったと思うけど、
また最新録音とも比較にはなりませんが、隅々まで本当によく聴こえます。
しっかりと構成された音楽にまた感動を新たにしました。
バルビローリ、カイルベルト、コンヴィチュニーと
小生が歩んできた道そのものです。
廉価盤繋がりかもしれませんが、確かに質実剛健、派手さはないものの、真に意味のある演奏ばかりだと、自らのチョイスの正しさとともに、当時の廉価盤を編集し作った方々に敬意を感じます。
同年代の方々で、クラシック音楽が好きの方はみな当時1,000円盤と呼ばれた廉価盤で育てていただきましたよね。
そのためフリッチャイの人気が欧州よりも日本で今でも高いのはヘリオドールの1,000円盤が果たした影響なんでしょうね。RCAグランプリ・シリーズのライナー、ミュンシュなど惜しげも無く投入されたシリーズなど、おっしゃるとおり画期的で素晴らしい企画だったと思います。
もっとも今ではほとんどがパブリック・ドメインに落ちてしまい、ネットで無料で聴ける時代なんでしょうけれど・・・