2016年12月01日

オーケストラ・アンサンブル・フォルツァ Autumn Concert 2016

日時:2016年11月27日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:岸和田市立浪切ホール

曲目:ハイドン/交響曲第100番「軍隊」**
   ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 *
   プロコフィエフ/交響曲第5番

指揮:周藤 英**、菊 正憲*、大塚洋平

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フォルツァ初挑戦のハイドン、指揮者・コンサートマスターともにフォルツァ初挑戦。 ピュアでフレッシュな演奏をお楽しみください。 と、パンフレットに書かれていたとおりの清々しい演奏。 今回の演奏会でも、個人的にはこのハイドンの軍隊交響曲の演奏が素晴らしかったと第一に推したいですね。 淡々とした指揮でしたが、チャーミングで心踊る演奏を楽しみました。

続くハイドン・ヴァリーエーションは、キレよく動く指揮者との躍動感ある演奏でした。 団内指揮者による演奏は、指揮者とオケの一体感が信条。 先の軍隊交響曲とともに皆で音楽を造って届けて下さっている感じでした。 しかも皆さん巧いので好感度もUPしました。

そして大曲のプロコフィエフの交響曲第5番。 コントラバスを7名に増員してこちらも皆さん巧かったのですけれど、個人的に大好きな曲。 耳に馴染んだ演奏のバイアスがかかっていて、その呪縛から抜け出せず、もうちょっと粘り気が欲しかったな、などと思ったり・・・ 欲張りでしたね、すみません。 でもここでも団内指揮者とオケの一体感、フォルツァらしい挑戦的な演奏でした。 熱い拍手を贈りました。

蛇足ですが、あと印象に残ったは全曲でティムパニを叩いていた女性奏者の方。 特に前半プログラムでは小さなストロークより終始控え目に打っていたものの、マレットを持ち替え、また巧みに打ち分けてました。 決して目立ちはしなかったけど、しっかりと曲の要となって、曲を引き締めていたのを楽しみました。

雨の中、初めて伺った岸和田・波切ホールでしたが、とても綺麗なホール。 座席の足もとにも余裕があってとても聴きやすいホールでした。 晴れていたらハイキングも兼ねてまたやってきたいところですね。 とにかく皆さんお疲れさまでした。

簡単に演奏会を振り返ってみます。

終日雨の天気予報。 天気が良ければ早めに家を出て、久しぶりの岸和田散策もしたかったのですが、ちょっとのんびりとしていたら開演25分前に岸和田駅に到着。 初めてのホールなので、ここでホールはどっちかな? と迷ったものだから、開演5分前になんとかホールに滑り込みました。 少々焦りました。

時間も無かったのでそのまま1階席に入って14列36番の席を確保。 1階土間席の中央右隅といった感じかな。 座席を確保したのでトイレに行き、戻ってきたらすぐ開演です。
左右より整列入場。 1階土間席なのでステージの上がよく見えないのですが、12-11-10-6-4 といった編成かしら、通常配置です。 コンマスが出て来られてチューニングして準備完了です。 指揮者は周藤 英さん、ちょっと小柄な方でフォルツァ初登場。 エンビ服も初々しい感じがしました。 いよいよ始まります。

ハイドンの交響曲第100番「軍隊」、パンフレットにはフォルツァ初挑戦のハイドン、指揮者・コンサートマスターともにフォルツァ初挑戦。 ピュアでフレッシュな演奏をお楽しみください。 と書かれていたとおりフレッシュで清々しい演奏を楽しみました。 個人的にはこの演奏会で一番楽しめた演奏となりました。 団内指揮者による演奏は、指揮者とオケの一体感が信条、ハイドンは親しみやすい旋律など簡単そうに思いますけれど、逆にアマオケにとっては相当に難しいと聞きます。 オケの面々も初登場の指揮者を盛り立てようと頑張っておられたようにも感じました。 

第1楽章、柔らかく明るい響きで序奏の開始。 ゆったりと進めて聴き入りました。 管打楽器が入ってじっくりとした盛り上がり、芯のある音楽が心地良かった。 主題、軽やかなフルート、爽やかなヴァイオリンも綺麗な響き。 ストローク小さく打つティムパニが上質な音楽ですね。 金管も全体の響きにすっぽりと収まって巧い。 主題の繰り返しではヴィオラの音もよく聴こえてきて、心地良い音楽に聞き惚れていました。 フィナーレはパワフルさも持ち合わせた緻密な音楽、勢いよく走って着地も見事に決まりました。

第2楽章、しなやかで明るい響き。 木管アンサンブルが巧かったですね。 軍楽隊の響きも全体の響きによくマッチしてオケからはみ出しません。 見事にオケ全体が同じ音色で纏まっていますね。 素晴らしい。 ティムパニ奏者の方は先が緑のマレットに持ち替え、小さなストロークでこれまた軽やかに打って曲を引き締めてます。 指揮者の周藤さん、淡々と振っていますが、音量の増減も自然で抑揚もうまくつけてました。 オケ奏者全員で曲を盛り上げているのかもしれませんね。 トランペットも渋い響き、軍楽隊もまた渋い響きが上品でした。

第3楽章、チャーミングで快活、勢いつけて始まりました。 ティムパニがここでも軽やかに打ち、音量は決して大きくはありませんけれど、オケの芯となって曲を引き締めて進めます。 存在感ありましたね。 指揮者の周藤さん、立ち位置を変えず淡々と振って曲を進めてゆき、当方はティムパニの音を中心に曲を楽しみました。

終楽章、しなやかな弦楽アサンブル、中音弦の響きがよかったですね。 快活で勢いつけて、止めて、良く纏まっています。 明るく若々しいフレッシュなハイドン。 軍楽隊が入って華やかになりますが、全体がきちんと統一されていて纏まりの良い響きが印象的。 ホルンも心地よい響きで曲を彩ってました。 こんなに活き活きとして魅力的な演奏に出会えるとは(失礼ながら)思っておらず、最初から最後まで楽しい時間。 終わるのが惜しい気もしたフィナーレでした。

ステージは暗転、ティムパニ奏者を残した全員がいったん引き上げてから、しばらくして再登場。 コントラバスが1本増えて5本になったようです。 コンミスに交代してチューニングを開始、指揮者の菊正憲さんが出てこられて始まります。

ブラームスのハイドンの主題による変奏曲。 キレよく動く指揮者の菊さんの躍動感ある演奏、終曲では重厚な響きとしてキレよくフィニッシュを決めたのが印象に残りました。 団内指揮者による演奏は、指揮者とオケの一体感が信条と書きましたが、この曲もオケのみんなが指揮者とともに音楽を造っていた感じですね。

聖アントニーの主題、しなやかに響くオーボエ、たっぷりと響き合う木管アンサンブル。 低弦の響きもあいまって豊かな響きでいきなり引き込まれました。 豊かに鳴る弦の響きに凛としたオーボエ、素敵でした。
第1変奏、爽やかな高音弦、パワフルながらきちんと抑制のかかった金管。 ティムパニの太い響きも柔らかく響いてきました。 第2変奏、勢いよく始まり、メリハリつけた演奏は変幻自在みたいで面白かった。 第3変奏、しなやかに歌わせたのを止め、キレよく動く指揮者の菊さん。 ホルンが良い響きでした。 第4変奏、しみじみとさせたヴィオラの旋律、心をこめて動く指揮者に皆さんよくついて曲を進めます。 第5変奏、深くハリのある響きでの開始、菊さんが緻密に振り分けて彩りをつけ快活でキレよく進めました。 第6変奏、ピチカートがよく揃って管楽器との会話もよかったですね。 ティムパニが入って躍動感出ますけど、そのティムパニのまろやかな響きがまた上品でした。 第7変奏、さわやかな音楽、低弦がやさしく寄り添ってます。 高音弦とに会話も決まって、素敵なホルンの響きがここでもまた曲を彩ってました。 第8変奏、指揮者の菊さん、ここでは指揮棒を持たず丁寧に振って曲を進めていました。 終曲、また指揮棒を持った菊さんが低弦の響きを導き出して開始。 ゆったりと進めて落ち着いた音楽を伸びやかにしていった盛り上がり。 主題を戻して重厚な響きで歌い上げるクライマックス。 ティムパニはここでは重い打音、軽い打音と打ち分けてました。 菊さん、最後は胴体を真っ二つに断ち切るかのような振りでのエディング。 見事に決まりました。 指揮者と奏者が一体となった演奏を楽しみました。

15分間の休憩、開演間際にやってきたので自席に座ったまま他の演奏会のチラシのチェック。 そしてアンケートを記載していたら後半プログラムの開始時間となりました。

プロコフィエフの交響曲第5番、コントラバスを7名に増員、大曲ではありますがこちらも団内指揮者とオーケストラの一体感のある演奏でした。 皆さん巧かったのですけれど、
個人的に大好きな曲。 耳に馴染んだ演奏のバイアスがかかっていて、その呪縛から抜け出せず、もうちょっと粘り気が欲しかったな、などと思ったり・・・ 欲張りでした。 すみません。 でもフォルツァらしい挑戦的な演奏で、聴いていて清々しい印象を持ちましたよ。 熱い拍手を贈りました。

第1楽章、柔らかな木管にコントラバスの響きが割込む開始。 ここの低弦もうちょっと重量感とキレが欲しい、いきなり耳に馴染んだ演奏のバイアスが出て戸惑いました。 気を取り直して聴き進めましたが、なぜか落ち着かず手探りな状況だったかな。 スネアが入ってエンジンが暖まってきたみたい。 コトラバスによる主題、ここは良かったですよ。 すると今度は高音弦に力が欲しいかな、粘り気が欲しいかな、と亡霊のようなバイアスに悩まされていました。 すみません。 でもオケと指揮者は頑張ってましたよ。 後方一列に並んだ打楽器軍団、重厚なオケの響きとなりました。 前プロではコンパクトに打っていたティムパニもストローク大きく打って力強く幕としました。

第2楽章、クラリネットの響き、弦楽アンサンブルが走り始めてカッコ良く。 良かったですね。 弦と管楽器の連携も良く疾走感があってGood。 先の楽章では指揮者の動きにややオケが消極的かなという感じも受けましたが、ここにきて指揮者の見得も見事に決めてました。 木管アンサンブルが素敵です。 そしてまた走り始めますと、今度はヴィオラの良い音色が聴こえました。 緩急強弱つけて、金管の咆哮はストレートに響かせてキレの良い着地を決めました。

第3楽章、弦楽アンサンブルをじっくりと進めます。 スネアが入って引き締まります。 トロンボーンの落ち着いた渋い響きが良かったですね。 低弦の強い響き、緊張感を高めてブラス、そして銅鑼が鳴ってパワフルな音楽。 ストレートな音楽が前に前にと進んでいった感じかな。

第4楽章、ホルン、フルートの明るい響きに弦楽アンサンブル、中音弦がよかったですね。 ホルンのタンギングがカッコ良く響き、クラリネットの旋律がまた良かったですよね。 高音弦も頑張っていてオケが走り始めました。 低音金管楽器の落ち着いた響きが素敵。 打楽器軍団が入って走るヴァイオリン。 緩急つけて、打楽器の多彩な響きと、木管の歌。 変幻自在なプロコフィエフの音楽ですよ。 これが聴きたかった。 ぐっと盛り上がったのをスパッと絶ち切ったエンディングを見事に決めました。

個人的に耳に馴染んだ演奏のバイアスがかかってその呪縛から抜け出せず、抜け出せない葛藤もありましたが、アマオケと団内指揮者による演奏でここまで見事に造り上げたことは清々しくもあり凄いことです。 フォルツァらしい挑戦的な演奏に熱い拍手を贈りました。 アンコールはなく、いったんホールの照明が点いても拍手が止まず指揮者を引っ張り出すというオマケ付き。

雨の中、初めて伺った岸和田・波切ホールでしたが、とても綺麗なホール。 座席の足もとにも余裕があってとても聴きやすいホールでした。 晴れていたらハイキングも兼ねてまたやってきたいところですね。 とにかく皆さんお疲れさまでした。



posted by fronte360 at 04:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 16-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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