変わらず愛用のメモリプレーヤで音楽を楽しんでいます。
昨年は図書館で借りたCDをメモリプレーヤに移して聴いていましたが、
最近はずいぶんと以前に手持ちのCDを録音したものを聴き返していて、
とくにこの頃はクルト・ザンデルリンクを集中的に聴いています。
ベートーヴェンの交響曲全集、ブラームスの交響曲全集(旧録音)の流れより
昨日は以下を聴いて、大きな感銘を受けました。

P9244795 posted by (C)fronte360
ブルックナー/交響曲第3番(1889年版)
クルト・ザンデルリンク指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
これまでも書いてきたとおり当方はブルックナーの良い聴き手ではなくて、
版の違いやここがこうでなくては…そんなこだわった聴き方にはまったくの無知。
ですが、この演奏はパワーもあるけれど、細部をしっかりと描き込んでいて、
パワフルな響きだけれど響きが綺麗に整理されて、美しいですね。
若い時期のザンデルリンクさん、ブラームスの交響曲でも感じましたが、
終楽章で猛烈なアッチェランドかけて盛り上げても、きちっと整理された音楽を、
綺麗に響かせる統率力が素晴らしい。
メモリプレーヤで聴いていることもあり、スピーカーで聴くのと違って、
細部まで聴き込めるから余計にそう思うのでしょうが、
このブルックナーではフレーズを繰り返しながら綿々と歌い込んでゆくさまや、
大きな起伏でしっかりと盛り上ってゆく音楽にのめり込んでしまいました。
聞いた話では、ブルックナーが第二次大戦後にドイツで流行したのは、
敗戦に打ちひしがれたドイツ国民が繰り返しの多いブルックナーの曲を聴き、
痛手を癒していたから・・・そんなことも理解できる気がしました。
いつまでも聴いていたい、音楽の中に身を置き続けていたい・・・
やはり力強くも美しい音楽が素敵ですね。
大変ご無沙汰しました。何とか生きております。
ザンデルリンクのこの盤は、確かもう50年以上前の録音ですね。この人は旧東独ということもあり、遺された録音は少ないですが、この演奏は旧東独エテルナの録音で、音も悪くなく、演奏もとても厳粛で、曲に合っているという評判でしたっけ。私も持っていて、昔よく聴いたものでした。最近はもうほとんど音楽を聴かなくなってしまったので(いろんな事情で)、こういう記事は懐かしいです。
当方、定年まで1年のカウントダウンが始まってしまいましたが、日に日に慌ただしくドタバタやっています。
ザンデルリンク、これ以降はシベリウスの交響曲全集を聴き進めています。 第1番より初めて今は第6番まできました、今日は第7番でお終いですね。
楷書でしっかりと描かれたシベリウス、第3番あたりまで豪放な響きもして聴きごたえあり、茫洋としてつかみどころの無さが好みの方には180度違う演奏かな、と思います。 当方はこのほうが面白く聴けるのですけどね。
そうでしたか、「定年まで1年のカウントダウンが始まってしまいましたが」ということでしたか。私は事情があって定年が70歳なので、まあまだまだなんですが、大学同級生の友人たちはどんどん定年を迎え、その度にゆっくり話をする、という感じですね。
ザンデルリンクのシベリウスは、いわゆる評論家は話題にすることは全然ありません。実は私も持っているのですが、もう20年前に買って一度聴いておしまいだった気がします。もう聴き直す余裕もありませんが、懐かしいです。