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2015年12月14日

奈良女子大学管弦楽団 第45回定期演奏会

日時:2015年12月13日(日) 13:30開演(12:30開場)
場所:奈良県文化会館・国際ホール

曲目:ビゼー/カルメン第1・2組曲
   ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
(アンコール)ドヴォルザーク(木下麻由加:編曲)/月の寄せる歌〜歌劇「ルサルカ」より
(アンコール)ドヴォルザーク/スラヴ舞曲集第1集・第1番

指揮:木下麻由加(客演)

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木下麻由加さんの指揮のもと、カラフルな色彩感を持ってしっかりと鳴らしたカルメンが実に見事でした。 耳に馴染んだ曲ながら、よく考えられた指揮と演奏に唸りました。
また新世界交響曲は自信に満ちた演奏も聴き応え十分。 正直、今日は名曲コンサートみたいやから気楽に楽しもう・・・と思って伺いましたけれど、冒頭の前奏曲より真剣勝負にいきなり立ち会わされて、慌てて襟を正して聴かせてもらった次第です。

カルメン組曲第1番、「前奏曲」張りのある深い音色に並々ならぬものを感じ、野太いティムパニで覇気を感じて一気に惹きこまれました。 「アラゴネーゼ」可憐な管楽器、艶のあるヴァイオリンと色彩感が素晴らしかった。 「間奏曲」明るくしっとりとした美しい調べにやや堅さも感じましたが若者らしい清潔な響きに思えました。 「セギディリャ」柔らかく吹くホルンとトランペットがチャーミング。 「アルカラの竜騎兵」ファゴットとクラリネットの深くも張りのある音色が素敵でした。「トレアドール」木下さんの軽いハナ息とともにグラマラスな響きが飛び出しました。 音量上がっても刺激的な響きではなく、オケの皆さんも楽しんで演奏されているみたい。 チェロ奏者の方など笑顔も見えて楽しさが伝わってきましたね。

組曲第2番、「密輸入者の行進」抑揚を巧くつけた木下さんの聴かせ上手な演奏にオケもしっかりと応えて立体的な響きになっていました。 「ハバネラ」しっとりした軽さと美しさ、しかし要所はしっかりと決めてよく考えられた演奏でしたね。 「ノクチュルヌ」しみじみと歌わせたソロヴァイオリンが見え隠れ、各パートはよく纏まっていました。 ホルンの好演が光っていました。 「闘牛士の歌」は華やかでカラフルなオケの響きにトランペットが柔らかくもしっかりと芯のある歌を奏でて頑張ってました。 「衛兵の交替」バンダのトランペットと舞台のトランペットの呼応もバッチリ決め、可憐なピッコロそして華やかなアンサンブル、明快な響きが素敵。 「ジプシーの踊り」落ち着いて柔らかなフルートそしてハープが次第に音量増してスピードアップ、柔らかくも弾力ある響きが最後まで失われずに駆け抜けて見事な演奏でした。

以上カルメン組曲第1・2番の全12曲を休憩なしに演奏。 後半は若干スタミナ切れかと思う場面もあったように思いましたが、色彩感は衰えることなく魅力的な演奏はそのまま。 指揮者の木下麻由加さん、都合で聴けなかったスプリングコンサートも指揮されていたとのこと。 ボーイッシュなヘアスタイルは宝塚歌劇の男役のようでもあって、判りやすい指揮はスマートでカッコ良く、緩急・強弱をしっかりとつけてオーケストラをリード。 オケもまた幅の信頼を寄せての演奏でした。

15分の休憩を挟んで新世界交響曲。 こちらはスタイリッシュな演奏ながらもオケがよく鳴っていて、筋肉質とは違ってグラマラスな演奏。 さすがに奈良女オケの本領が発揮されていたように感じました。

第1楽章に入る前、木下麻由加さんが指揮台の上でしばし沈思黙考、ようやく頭を上げられ、チェロを向きおもむろに振り始めるとコクと艶のある響き。 ゆったりと奏でられました。 そのままゆったりと進めていってタイトなホルンが切り込みます。 間合いをとって慎重に進める木下さん、ハナ息とともに一気呵成にオケを走らせると、今度は機動力ある響きでオケも応えます。 「カルメン」の時よりも自信持って鳴らしている感じなのは、チェコのプラハ公演でも演奏された曲だからでしょうね。 凛とした木管も良かったですよ。 オケ全体がノッているのがよく判りました。

第2楽章、厳かかつ伸びのある金管の響き、ティムパニも太く柔らかな打音、これまたゆったりと進めたあとのコールアングレ、落ち着いた音色でした。 しっとりしみじみと大きな呼吸を持って進めていったあとの自然な盛り上がり。 纏まりのよいオケの響きが素敵ですね。 木下さん、ここでは指揮棒を持たずに手でなぞるような指揮。 抑揚を巧くつけて進めてゆきました。 オケは集中力を高く維持してドラマティックに応えていたのも印象的でした。

第3楽章、引き締まった響きでの開始、ティムパニは今度は先の細いマレットで鋭く打ち込んで惹き付けます。 オケは明るい華やかさを漂わせた響き、また時にタイトな響きと、各パートよく纏まって、また歌ってもいました。 最後はスパッと切り落として、アタッカ。

終楽章は、オケのヴォリュームがぐんと上りましたけれど、刺激的な響きになることなく自信に満ちた音楽が素晴しい。 低弦がしっかりと鳴っていますが伸びやかでいいですね。 緩急と強弱をしっかりと付けた音楽、ローカル色を排してインターナショナルな感じ。 ヴィオラがよく纏まって中音をしっかりと支えて見事でした。 ダイナミックさもありますが、小技もしっかりと効かせた音楽は聴きどころ満載。 そして最後の一音・・・ フェルマータをしっかりと長めにとっていたのも個人的に好きな演奏、もう感激!!

客席からのブラボーの声は当然でしょうが、出来ることなら指揮者が手を下してからにしてほしかったな・・・(と、余計なことですが)。 とにかく今回はこのオケの良さが最大限に引き出されていた演奏のように感じました。 大きな拍手を送りました。
木下さん、花束贈呈で受け取った花束を力強く分解し、女性奏者に渡して回りましたが、管楽器のところまでオケの外側をぐるっと走って渡してからまた走って戻って・・と大忙し。 こんなに走り回る指揮者も初めて見ましたけれど、まさに男役スターといった感じ。 颯爽としてカッコ良かったのもそのままに、今回はとてもカッコ良い演奏会でした。 皆さんお疲れさまでした。


posted by fronte360 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 15-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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