人の多さもさることながら仮装してバカそうにしか見えない大量の若者を見ると
暗澹たる気持ちになるのはジジイ化が進んでいるからでしょうね。
一転して日曜、朝から雨がそぼ降ってしっとりとした部屋で聴くのは、宗教曲。
いつもどおりの音楽ですが、中世ドイツで筆写された聖歌。
中世ヨーロッパ、フランス、イタリア、英国などの教会の典礼では
積極的にポリフォニー音楽が使われていたそうですが、
中世ドイツ・神聖ローマ帝国では単旋律のグレゴリオ聖歌が中心だったようで、
それらを典礼暦の順番に並べて、典礼の再現を試みたレコードです。

IMGP0007 posted by (C)fronte360
「中世ドイツの典礼聖歌とポリフォニー」
Side A
(待降節と降誕の祝日)
1.イントロイトゥス「わが神よ、われはわが心」
2.ベネディカムス・トロープス「信ずる者はみなともに喜べ」-*
3.イントロイトゥス「おさな子われらに生まれ」
4.コンムニオ「地上のすべての国々は」
5.ベネディカムス・トロープス「ヨハネが老いし時」-!
6.行列式の聖歌「今日、太陽より光が生まれぬ」-*
(受難の時期)
7.イムヌス「栄光と讃美とほまれとは」
8.コンムニオ「主イエズスは、弟子らとともに」
9.アンティフォナ「キリストはわれらのために」
10.単旋律聖歌「エリ、エリ、わが主よ」-!!
Side B
(復活の祝日)
1.詩篇楽句とトラクトゥス「主をほめたたえよ」
2.コンドゥクトゥス「一角獣はとらわれぬ」-*
3.グラドゥアーレ「この日こそ、主の創り給える日なり」
4.モテトゥス「王国の祝宴に」-*
(聖霊降臨の祝日)
5.イントロイトゥス「主の聖霊、全地にみちたり」
6.コンムニオ「突然天より」
7.ベネディカムス・トロープス「信者たちの集まりは」-+
(主の公現)
8.ゴスペル「主は汝らとともにいませり」-*
9.レスポンソリウム楽句「天においては神に栄光」-#
R.ジョン・ブラックリー指揮 スコラ・アンティカ
*単旋律グレゴリオ聖歌
独ライプティヒ聖トマス教会蔵写本
-! 独バンベルク州立図書館蔵写本
-!! 独エルフルト大学図書館蔵写本
*ポリフォニー聖歌
-* スイス・エンゲルベルク、ベネディクト会修道院蔵写本
-+ 英オックスフォード大学ボドレー図書館蔵写本
-# 独エルフルト大学図書館蔵写本
かつてこのような単旋律のグレゴリオ聖歌など眠いだけの音楽でしたが、
やはりジジイ化が進行しているせいか、すっと心に入るものを感じます。
静かな朝にはうってつけの音楽で、最近こればかり聴いている感すらあります。
なかでもA面6曲目、男声・女声にリコーダーも加わった3声のポリフォニー、
これが可愛らしい音楽になっているのと、
続く7曲目での、男声合唱・女声合唱の単旋律での掛け合いがとても面白く、
中世でも多彩な音楽があったことを思い起こさせてくれます。
解説には定量リズムではなく等価リズムを採用していることなど
ジョン・ブラックリーの解釈のユニークさが書かれていますが、
もとより音楽知識ゼロ・・・聴いて面白ければそれで良し。
その面白さの基準というか概念が年齢とともに変化していることもまた
面白いな・・・と思いつつ、宗教曲と室内楽中心ですね。