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2013年07月01日

天理シティーオーケストラ 第13回定期演奏会

日時:2013年6月30日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:天理市民会館やまのべホール

曲目:ブラームス/ハンガリー舞曲集より第1番、第3番、第10番
   モーツァルト/オーボエ協奏曲ハ長調 K.314
   ブラームス/交響曲第3番ヘ長調 Op.90

(アンコール)
   J.シュトラウス2世/ピチカート・ポルカ
   J.シュトラウス2世/チック・タック・ポルカ
   J.シュトラウス/ラデツキー行進曲

独奏:浅川和宏(ob)

指揮:安野英之(常任指揮者)

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誠実さ、ふりかえってみるとそんな言葉が浮かぶ演奏会を楽しみました。
ハンバリー舞曲は、重厚な響きの弦楽アンサンブルを快速に進めるしっかりとした演奏。 何より第3番のオーボエの艶やかな響きに魅了されました。 この日の演奏会、この音色を聴けたことだけでもよかった、ちょっと大げさですけれども、そう思えるほどの音色にうっとりと聞き惚れていました。
大阪フィルの浅川さんを迎えてのモーツァルトのオーボエ協奏曲、高音域の多い華やかな曲ながらも端正な響きできっちりと演奏された感じだったでしょうか。 オーケストラもしっかりとソロを支えて健闘してたのが光っていました。
メインのブラームスの交響曲第3番、じっくりと腰を落ち着けて曲と対峙していました。 すべての楽章が静かに終わって盛り上がらない曲ですが、プレトークでは弱音を美しく演奏する練習を積まれたと言われていました。 そのこともあってか音量が上がる場面でもテンペラメントに燃えることなく、やや淡々と過ぎていった感じ。 終始落ち着いた響きによるブラームスの世界を堪能しました。
そして音楽にもっと親しんでもらいたい、そんな安野さんの気持ちはアンコール曲で爆発。
おどけた安野さんの指揮によるピチカートポルカ、はずんだチック・タック・ポルカ、そしていつものラデツキー行進曲で締め。 会場に来られた皆さん、笑顔になって会場を後にしていました。 開演前のプレトーク、そしてお開きとなったあとはロビーでのアンケート回収と、今回も指揮者の安野さんは大忙し。 これはなかなか出来ることではありません。 そっと頭を下げて会場を後にしました。

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簡単に演奏会を振り返ってみたいと思います。

梅雨の合間の天候に恵まれた一日、久しぶりに天理駅に降り立ちました。 空が広いですね。 もうちょっと早めに家を出られれば、石上神宮や天理参考館にも行ってみたかったのですが、駅前で買い物をして開演20分前にホールに到着。 受付を済ませると、いつもどおり階段を上ってホール後方より入ります。 後ろから2列目のX-27に落ち着きました。

開演15分前、指揮者の安野さんが出てこられてプレトーク。 プログラムに載せていないことなど気楽に聞いて欲しいと、少々砕けた口調なども織り交ぜながら演奏会への期待を高めて下さいます。 ブラームスの交響曲第3番はどの楽章も静かな終わり方をする盛り上がらない曲、演奏し難い曲であるけれど弱音を美しく演奏する練習を積んでこれらたとのこと。 ハンガリー舞曲は3曲演奏するが、この3曲はブラームス自身が自信を持って選んだ3曲であること。 そしてオーボエ協奏曲の楽譜は3つの版の良いとこどりをしてカデンツァは浅川先生の師レイ・スティルのものであることなどなど。

プレトークが終わって安野さんが楽屋に戻られると、暗転した舞台にオケメンバーが出てきました。 対向配置で 8-9-7-5-5 の編成、中低弦が厚くなっていますね。 客席の照明が落ち、舞台の照明が照らされると2ndヴァイオリンの2プルト目に空席がありますが、コンミスが立ちあがってチューニング開始。 チューニングを終えた頃、ヴァイオリン奏者の方も現れて空席が埋まりました。 なお本日は2ndヴァイオリンでトップを弾かれている栄島さんは休演だそうです。 栄島さんの動きは躍動的で見ていて楽しいのですけれど、ちょっと残念。 とにかく準備が整い、指揮者の安野さんがゆったりとした歩みで登場して、いよいよ始まります。

ブラームスのハンガリー舞曲第1番、お馴染みのメロディが重厚なサウンドで始まりました。 やや早めのテンポ設定でしょうね、快速に駆けてゆきます。 コントラバスの響きが芯になって、その周りを柔らかな弦アンサンブルが取り囲んでいる感じでしょうか。 いいですね。 途中、ぐっとテンポを落としてメリハリを大き目につけ、もとの重厚ながらの快速テンポで締め。 掴みはバッチリといった感じ。
第3番、木管の柔らかな響きによる開始から惹き込まれましたが、何よりオーボエのちょっとおどけたようでいて潤いのある音色に完全にノックアウト。 今日はこの音を聴けたことだけでもよかった、ちょっと大げさですけれども、そう思えるほどうっとりと聞き惚れていました。 弦楽器が活躍するとやはり重厚なサウンドに。 大太鼓がズシリとした重い響きで裏打ちをしています。 弦と木管と交互に入って、最後の柔らかな着地も見事でした。
第10番、ここでも重厚な響きが軽快に走って気持ちいいですね。 フルートの軽やかな響きも素敵でした。 安野さん、いつもながら嬉しそうな表情を浮かべての指揮で曲をぐいぐいと走らせ、あっという間にお終い。 大きな拍手に包まれました。

舞台は暗転、管と1stヴァイオリン奏者は退場、指揮台を取ってステージ中央に空間を作ります。 他のメンバーがこの空間を囲むように座り、最後に管と1stヴァイオリン奏者も戻ってきて、7-6-5-4-3 の編成となりました。 コンミスによるチューニングを終えると、浅川さんと安野さんの登場。 浅川さんを中央に送り出して拍手を浴びた後、安野さんが位置について、いよいよ始まります。 安野さんここでは指揮棒を使わず手で指揮をされます。

モーツァルトのオーボエ協奏曲、高音域の多い華やかな曲ながらも端正な響きできっちりと演奏された感じだったでしょうか。 オーケストラもしっかりとソロを支えて健闘してたのが光っていました。
第1楽章、爽やかで柔らかな響きによる開始、コントラバスが芯になった弦アンサンブルが素敵です。 浅川さんのオーボエソロはやや楷書風、可愛らしい響きで奏でていますがちょっと音量控え目だったかしら。 安野さん、しっかりとオケをコントロールして綺麗な響きで支えています。 中盤より油が回ってきたのかもしれませんね、浅川さんの動きもちょっと大きくなりました。 軽やかさが増してニュアンスも増したみたいです。 カデンツァは明るい響きで軽やかに歌って、最後はオケが柔らかく包み込むような着地。
第2楽章、ゆったりと進みます。 浅川さんのソロもしみじみと歌って端正な響きです。 安野さんの指揮によるオケの響きも同様、ソロとの一体感があります。 が、ちょっと色彩感に乏しい感じに聴こえるのは、ホール最後尾で聴いているからだ、ということに気付きました。 そう思って周りを見回してみると居眠りしている人もけっこういらして、ちょっと(かなり)残念。 この楽章もそっと包み込むような感じで終了。
第3楽章、軽やかに浅川さんのソロが歌い出します。 オケも一体となって丁寧に楷書風の演奏で纏めている感じ。 大阪フィルの第1奏者なので、やはりソロ奏者のような華やかさがちょっと乏しいのは致し方ないと思いますけれども、もっと近い位置で聴いていたならば、この響きの中に煌めきなども感じられたのではないでしょうか。 この位置では変な色がついていず、質実とした感じ。 端正に整えられた演奏を最後まで展開されて、オーケストラもしっかりとソロを支えて健闘、丁寧に全曲を纏めました。

15分間の休憩。 お客さんは7割くらい入っているでしょうか。 客席後方は空いていますけど、前の方はけっこう埋まってますよ。 天理市民会館やまのべホール、座席がちょっと広くて座り心地良いのがいいですね。 席でアンケートなど書きながら開演を待ちます。
定刻に近くなると暗転した舞台にメンバーが集合、各自が練習を始めて騒々しくなって期待を高めてくれます。 そして定刻、客席の照明が落ち、舞台が照らされるとコンミスによるチューニング実施。 準備万端整ったので安野さんが登場し、メインプログラムが始まります。

ブラームスの交響曲第3番、じっくりと腰を落ち着けて曲と対峙していた演奏に感じました。 弱音を美しく演奏する練習を積まれたとのこと、そのこともあってか音量が上がる場面でもテンペラメントに燃えることなく、やや淡々と過ぎていった感じ。 誠実の文字が浮かびました。 そして終始落ち着いた響きによるブラームスの世界を堪能しました。

第1楽章、冒頭のファンファーレ、やや抑え気味だったでしょうか、柔らかく奏された開始より端正に進めてゆきました。 主題を繰り返しました。 ティムパニのロールがこのときいい感じでしたね。 そしてゆったりと構えた安野さん、丁寧に進め、しだいに音量を上げた展開部は豊かな弦楽アンサンブル。 再現部ではトロンボーンとトランペットも厚みのある響きでした。 じっくりと間合いを取って進めていったあと、ゆっくりと歩みを止めて上々の滑り出し。

第2楽章、クラリネットの柔らかな響きと裏で吹くファゴットがとても良い開始でしたね。 ほわっとした温かみ、これが良かったなぁ。 凛としたオーボエ、そして明るい響きの弦楽アンサンブル。 この楽章もじっくりと構えられた音楽で、決して急がず、しかもコンパクトに纏って進んでゆきます。 盛り上がる場面も淡々と過ぎてゆくような感じ。 いつもなら弦楽アンサンブルを歌わせる妙を聴かせてくれる安野さんも、今日は指揮棒を縦に振ることに終始しているようで、オケを纏めることに重きを置かれていたみたい。 この楽章、最後までクラリネットの響きに魅了されていました。

第3楽章、チューニングを行って仕切り直してからの開始となりました。 チェロの深く艶のある響きが魅力的な開始。 ゆったりと、でもサラリと歌って進め、透明感のあるヴァイオリン。 これもまたゆったりとしていて、変な色などつけない誠実な演奏ですね。 安野さんはやはり棒を縦に振ってオケを纏め、じっくりと腰を落ち着け、曲と対峙しているとの印象を持ちました。 淡々としながらも心に響くオーボエ、そして艶やかな弦楽アンサンブルが戻ってきて、静かなピチカートで締めました。

第4楽章、少しの間合いでもってアタッカで入りました。 落ち着いた弦楽アンサンブルでの開始。 弾力のあるティムパニが入って、曲は徐々に音量を上げてゆきますけれども、端正さはそのまま。 金管が加わってもテンペラメントに燃えることなどなく、渋い金管の響きがホールを包みます。 そんな嵐が収まると、少しテンポを落としたでしょうか、安野さんここでも指揮棒を上下に振って、じっくりと腰の座った音楽。 これを最後まで押し通しての幕となりました。 終始落ち着いた響きによるブラームスの世界を堪能しました。

アンコールは、クラシック音楽も楽しい音楽もあります、と安野さんが言われて始まったピチカート・ポルカ。 思いっきりタメを作ったり、また指揮台の上でトライアングル演奏をしたりと、見た目にも分かりやすい楽しい音楽を演出。 そして時間がまだあるからと演奏されたチック・タック・ポルカ、最後は客席を向いてチクタクと歌ってサービス満点。 そしてアンコールではお馴染みのラデツキー行進曲、これを全員で手拍子をしてお開きとしました。

最後の最後まで安野さん、自分たちのオケが出演する以外の演奏会にも行って音楽に親しんで欲しい、と言われていました。 開演前のプレトーク、そしてお開きとなったあとはロビーでのアンケート回収と、今回も大忙しいの安野さんでした。 これはなかなか出来ることではありません。 そっと頭を下げて会場を後にしました。


posted by fronte360 at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 13-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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