コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
赤い地に双頭の鷲・王冠をあしらったリトグラフでしょうか、印象的です。
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品68「皇帝」
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 作品90
フリードリッヒ・グルダ(p)
ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
P4144025 posted by (C)fronte360
グルダのグルダの弾く「皇帝」は、ホルスト・シュタイン/VPOと組んだ
気迫の籠もった筋肉質の演奏が名盤の誉れ高いものとなっていますが、
コンサートホールに収められたハンス・スワロフスキーとの録音もまた豪胆、
迫力のあるなかなかに名演奏であると思います。
シュタインとの録音は1971年、こちらは1960年代前半の録音になります。
同コンビで収録されたモーツァルトのピアノ協奏曲第21・27番は1963年録音、
グルダ32歳頃の録音です。 ちなみにモーツァルトで示したような、
通奏低音部分も常に弾いたり、装飾音を入れるなどの所作はありません。
シュタインとの競演よりも若いので当たり前でしょうが、より若々しく、
エネルギーが放散され、よりストレートな印象を受けますけれども、
弾むようなリズムや生命感など、才気煥発なグルダらしさが満載です。
オケもまたパワフルで頑張っています。
スワロフスキーの指揮には考えさせられる(惰演?)もありますけれど、
時おり木管楽器やヴィオラなどの旋律を浮かび上がらせて、おっ、と思い、
そのまま耳をそばだてさせて、曲への集中力をより高めてくれる感じ。
録音はフルステレオ、ピアノはやや左側に定位されているようです。
ヴァイオリンは左側、ヴィオラは右側と分離されステレオ感を強調した収録、
ステレオ録音初期によくあったものですが、ややオンマイクなのも相俟って、
けっこう生々しく聴こえてきます。
2013年04月19日
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