2013年04月02日

ケンペ、ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」

先日実家にて、長男と古い週刊FM誌を見つけて開くと懐かしい顔・顔・顔・・・
その中にルドルフ・ケンペのカラー写真も見つけ、手が止まりました。

日本でようやく人気が出たと思ったら、肝臓癌で急逝されてしまいました。
その後、しばらく忘れ去られたような存在でしたが、今ではXRCDによる、
リマスターで音の良くなった盤も出ていますね。

ACANTA の輸入CDに飛びつきましたけど、イマイチ音に鮮度がなくて、
レコードで聴いた時の感激がくぐもってしまったようにも感じたものです。
それで、手元にあるテイチク(ACANTA)のレコードをかけています。

P3313819
P3313819 posted by (C)fronte360

元気な謎のカートリッジ audio-technica TT30E に交換したこともあり、
全体的に金管の咆哮が少々荒っぽく響いて、迫力あります。
しかし第2楽章の再現部、木管とピチカートによる瞑想的で深遠な表情や、
コーダへと流れ込んでゆくあたりの深々とスケール感、素晴しい演奏です。

終楽章での金管の強奏や、生々しいまでの弦合奏のうねりなどが、
ちょっと速いテンポでずんずんと進みます。 構成は堅牢ではあるけれども、
ひたむきにブルックナーの世界を体現しようとしている感じでしょうか。

ある意味メジャーな曲で耳馴染みのある「ロマンティック」ですけれども、
その行間にあって言葉に現し難く色どられたものが滲み出ているようで、
この演奏はやはりできるだけ音の良いもので聴くのが良いようです。

中庸で地味な指揮者というイメージは先のようなCDによるかもしれません。


posted by fronte360 at 22:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 13-LP/CD音楽(Classical) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
安田さん

 ケンペの演奏は、やはり今となってはどうしても、録音状態も演奏様式も時代を感じさせてしまうのは、仕方ないかもしれませんね。地味だと言われるのは、やはりこの頃のミュンヘンフィルの音にも関係あるのでは?。まあ、ケンペが要求し、作った音だと言ってしまえばそれまでですが、他の、たとえば同じケンペでもベルリンフィルとかとの録音は、感触が違う気がするもんで。バンベルグ交響楽団ほどではないにしても、ズバッと言えば、田舎のオケの音、なんだと私は思います。

 先日仕事でミュンヘンに行き、ミュンヘンフィルも聴きましたが、やはりケンペの頃(の録音)の音とは違い、(表現は難しいですが)より垢抜けた感触を持ちました。ロイヤルフィルとアルプス交響曲を録音していたはずですが、この音はどうでしたか?

 ドレスデンでの録音は、やはり地味ですが、私などにはミュンヘンフィルよりもずっと「垢抜けて」聴こえるのは、先入観の成せる技、なのかもしれませんが。
Posted by 安倍禮爾 at 2013年04月03日 23:41
安倍禮爾さん、コメント有難うございます。

実際のミュンヘンフィルの音を耳にしたことはありませんが、黒い円盤のレコードで聴くケンペの録音は南ドイツ的な明るさを持っていると思っていました。

でも没後、CD化された同曲の録音を捕獲し、聴いてみたら???で、なんかモヤモヤっとしてて、こんなのだったかな、と感動が沸いてこなかったのです。

ロイヤルフィルとのアルプス交響曲もそうで、しかも1曲まるごと1トラックの新星堂盤(1,000円)ってこともありましたが、今でもちょっと敬遠していたりします。 残念なことです。

最近の高性能化されたCDは未聴ですが、個人的には黒い円盤のレコードで聴くのから離れられないように思って今回も聴いていました。 ブラームスの交響曲もレコードの方が遥かに素晴しいと思っています。

レコード至上主義みたいなのも、先入観のなせる技かもしれませんけれども・・・

Posted by 安田裕隆 at 2013年04月04日 19:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック