2013年03月30日

オイストラフ & バルシャイ、モーツァルト/協奏交響曲

コンサートホール・ソサエティ盤大会・番外編
木製譜面台にヴァイオリンとヴィオラを載せたお洒落なデザインが秀逸

 モーツァルト/ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.366
  ダヴィッド・オイストラフ(vn)
  ルドルフ・バルシャイ(va・指揮) / モスクワ室内管弦楽団
 シュポーア/ヴァイオリン二重奏曲第2番ニ長調 op.67-2
  ダヴィッド・オイストラフ(vn)
  イーゴリ・オイストラフ(vn)

P3303818
P3303818 posted by (C)fronte360

先日の日本橋遠征で立ち寄った中古店にて発見した捕獲品(300円)。
メロディア原盤による借り物音源、1960年録音によるものということを
後付けで知りました。 原盤LPは1万円位で売られていて吃驚。
いつもながらコンサートホール盤には面白い物があるのだと実感したしだい。

ターンテーブルに載せて、冒頭の重い響きにちょっと面食らいました。
モーツァルトの協奏交響曲、パイヤールに代表されるロココ調の明るい響き、
これをイメージしていていたので古典様式のしっかりとした重い出だしに、
こんな曲だったか・・とも思ったのでした。

曲が進むに連れ、聴き手も馴染んできたのでしょう、
第1楽章のカデンツア前から俄然面白くなってきました。
しっかりとした造詣ながらもイキの良い掛け合いで、バルシャイのヴィオラ、
くっきりとさせた響きでなかなかの好演で、オイストラフに絡んでいます。

オイストラフ、この曲を演奏するときは学生時代にやっていたヴィオラに回り、
ヴァイリンで演るのは珍しいそうですが、豪放な演奏とはちょっと違って、
主導権を握りながらも曲に寄り添うような感じで進めているようです。

第2楽章の彫りの深い落ち着いた演奏から、盤面をひっくり返してB面、
第3楽章での元気の良い演奏、ここも古典的な造詣ながら躍動感があって、
堂々たるモーツァルト。 バルシャイも雄弁で、濃密な演奏といった感じ。
これは素晴しい演奏です。 ホルンも落ち着いた響きで古典的な感じ。

シュポーアの二重奏曲は、父子による競演。
息子の演奏の線の細さがよく言われることですが、よく言えば対比になり、
ここでは親父が低音部を受け持っているようで、がっちりと曲を支えており、
お釈迦さんの手のひらで踊っているようにも感じますけれど・・・
先入観が強すぎでしょうか。

録音はモノラルながらしっかりとしたもので、割りあいと奥行き感もあり、
最新録音に比すと可哀想ですが、同時代のコンサートホール盤と比すならば、
上々の出来だと感じます。


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