モザイク文様による太陽でしょうか、リトグラフと思われる凝った初期デザイン。
ブルックナー/交響曲第7番 ホ長調
カール・シューリヒト指揮 ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団

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1965年度A.C.C.国際レコード大賞受賞と書かれているとおり、
当方の世代にとって、まだブルックナーのレコードが少なかった時代において、
ブルックナー演奏の名盤として、またシューリヒトの名を一般に知らしめた、
そのような名盤であったと記憶しています。
稀代の名盤ゆえ、当方が新たに加えることは何も無いのですが、
あえて説明するならば、シューリヒトらしい颯爽とした軽妙なブルックナーで、
重厚な演奏を期待されると、見事に肩透かしを食らってしまうでしょう。
第1楽章の展開部に入る前、金管ファンファーレがパカパカと鳴っていて、
久しぶりに聴いた当方もちょっと面食らったほどです。
しかしハーグフィルも頑張っていて、木管楽器や弦のさりげないフレーズ、
はっとさせられることがしばしばあって、聴き飽きることのない演奏です。
大自然や生み神への畏敬の念を持ったブルックナーをよく現してしている、
指揮者シューリヒトの意図を見事に再現しているように思えます。
繰り返しになりますが、何度聴いても新しい発見があるような感じです。
録音はフル・ステレオ、分離・拡がり、低音の再現とも特に問題ありません。
聴きやすくて(コンサートホール盤としては)いい録音だと思います。
難点を挙げるなら、第2楽章の収録がA・B面に分断されていること。
再発されたCDでは当然のことながら繋がっているのが羨ましいですね。
シューリヒトのブルックナーでは他に第3番が秀逸だと思います。
第3番は評論家のU氏が黙殺したために世のブルックナーファンには低評価ですが、とても静かな神々しい演奏で、名演と謳われる第8番、第9番の録音よりも私は好きなのですが・・・。
あいにく第3番は聴いたことがありません(すみません、当方はブルックナーはあまり得意ではないのです)が、シューリヒトのこの演奏は、サクサクっと進むのに、木管が細かに表情を付けているのが耳に出来たりして、上記にも書いたとおり聴き飽きることのない演奏ですね。
これから注意して聴いてゆきたいと思います。 クラシック音楽は奥が深いですね・・・だから好きなんですけど。