グランド・ピアノを線画で描いたシンプルなデザイン、落ち着いた色合いです。
モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271
モーツァルト/ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331
リリー・クラウス(p)
ヴィクトル・デサルツェンス指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

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リリー・クラウスは改めて紹介するまでもありませんが、
指揮者のヴィクトル・デサルツェンスは、1908年スイス生れ(1986年没)で、
ジョルジュ・エネスコに師事、スイス・ロマンド管のヴァイオリ奏者となり、
1940年にローザンヌ室内管弦楽団を創設、1973年までこのオケを指導しており、
1968年にはこれまでの功績よりローザンヌ大学名誉博士号が贈られています。
リリーらしい硬質なタッチの高雅なモーツァルトです。
デサルツェンスの伴奏も室内楽の達人として優雅さと気品を備えつつも
しっかりとリリーを際立たせています。
ソナタも野村光一さんが言われるとおり「のびちじみがあまりない弾き方」
ちょっと速いテンポでしょうが、ずんずんと進んでゆき、進んだあとに、
そこはかとない悲しみや喜びが漂っているようです。
個人的には正反対とも言える女性らしいヘブラーが好みなのですけれど、
リリーの演奏は現代に繋がっていることが、この演奏を聴いても、
なんとなく判るような気がします。
シンクロ・ステレオ録音盤ですが、しっかりとしたステレオ録音です。
細部もよく捉えられているし、低域も締まっています。
手持ちの盤質がイマイチなのでスクラッチノイズを拾うのが残念。