日本人指揮者にちなんで、鶴が横笛(?)を咥えて飛ぶデザインが印象的です。
リスト/ハンガリー狂詩曲
第2番、第15番「ラコッツィ行進曲」、第6番、第5番、第12番
岩城宏之指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

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「日本の指揮者がヨーロッパで録音した最初の本格的LP」
冒頭にこう書かれ、かつて貴志康一がベルリンフィルと録音した例や、
上田仁がレニングラードフィルと録音した例を挙げつつ、この録音については、
コンサート・ホール・ソサエティが、岩城宏之をミュンヘンからウィーンに招き、
録音したことは、我が国の芸術的な力量が認められたからだとあります。
録音は、1963年4月末〜5月初、ウィーンのバイヤリッシャー・ホール。
同時期に本欄でも紹介したシューリヒトがウィンナ・ワルツを録音しており、
同じウィーン国立歌劇場管弦楽団、つまりウィーンフィルを振った録音であると、
ジャケットの記載からも読み取れます。
またこの録音直後の岩城さんが書いた手紙の一部も記載されています。
興味深い内容なので、長文ですが引用しておきます。
ミュンヘンの放送交響楽団を指揮した翌日、すぐにウィーンに飛んで<コンサート・ホール>のためのレコーディングをしました。・・・・・・バイヤリッシャー・ホールというのは連れ込み宿のようなボロ・ホテルで、初めて入った時には、こんなバカな所でと思いましたが、音響効果は実に良いのです。楽譜はウィーン・フィルハーモニーのものを使いましたが、スコアに今まで使った指揮者のサインがしてあり・・・・・・ワインガルトナーやリヒャルト・シュトラウスの名前もあって、大変ありがたい感じがします。あまり演奏されない曲でワインガルトナーがウィーンでやり、その何年か後にシュトラウスが南米の演奏旅行の時に演奏したというサインがあり、前者がオーケストレーションを何ヶ所か変えた物を、後者が赤エンピツで元通りに直し返し、しかも<こんなバカなことをしやがって!>と悪口を書いたものもあったりで、たいへん興味深いスコアでした。
さて肝心の演奏ですが、かつて欧州で「火山のごとき」と評されたとおり、
しっかりとした構成感を保ちつつ、若々しい生命力が迸り出るような演奏です。
オーケストラをぐいぐいとドライブしているのを聴くと、
「若さの特権」この言葉がふっと浮かんできました。
この意味から言っても故岩城宏之さんの記念碑的な演奏であると思われます。
手持ちのは、あいにくのモノラル録音盤。
同時期に良質なステレオでシューリヒトが録音しているので残念です。
安田さんの紹介される
CH盤
ジャケット
そして 演者を眺め
楽しいひと時を、過ごしております。
このアルバム
今夕
我家の一員となりました。
久しぶりに求めた
オーケストラ盤
何時もの様に
自家製クリーニング液にて
溝掃除 乾燥
準備完了
今宵
モノラル針
スピーカー1台
古の機器達にて、楽しんでおります。
ステレオとは、異なる
密度のある音色
魅了されております。
岩城さんのアルバムを捕獲されたとのこと。 おめでとうございます。
そして、さずが・・・スピーカー1本での再生とは !!
岩城宏之さんもあの世で喜んでおられるかもしれませんね。 覇気ある演奏がより濃密な空気で包まれていることでしょう。
羨ましい限り。