クラリネットとホルンをあしらったカラフルでお洒落なデザイン。
モーツァルト/クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
モーツァルト/ホルン協奏曲第1番 ニ長調 K.412
モーツァルト/ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447
ロルフ・アイヒラー(cl)
ローベルト・フロインド(hr)
ウィルフリード・ベッチャー指揮 ウィーン国立交響楽団

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クラリネットのロルフ・アイヒラーは、プリンツと並びウラッハの最後の弟子。
長くウィーン・トーンキュンストラ管弦楽団の首席奏者を務め、1952-4年には、
NHK交響楽団首席奏者を務める傍ら東京芸術大学でも指導にあたっており、
現在もクラリネットを学ぶ必携の教則本「Scales for clarinet」を執筆。
日本のクラリネット界では非常に有名な人とのことです。
ホルンのローベルト・フロインドは、ウィーン生まれでフライベルクに師事。
フィルハーモニカ・フンガリカの団員ののちウィーン交響楽団第1ホルン奏者、
サヴァリッシュ指揮のもと同団で来日しています。
ウィーン響首席によるウィーン管楽五重奏団や、ウィーンフィルにも加わって、
バーンスタイン指揮のマーラーの交響曲では5番奏者で名を連ねていました。
指揮のウィルフリード・ベッチャーはジャケットに以下の記載があります。
1962年10月にウィーン室内合奏団をひきいて来日しましたが(1929年ブレーメン生)、チェロ独奏家としても令名があり、1958年からウィーン音楽大学のチェロと室内楽の主任教授という要職にあります。ウィーン室内合奏団がバッロク音楽の権威であるノイマイヤー教授とベッチャーの指導によって1959年創立後まもなく国際的に高い評価をえたことからも知られるとおり、彼はモーツァルトをその一人とするウィーン古典派の音楽に通暁し、すぐれた指導力の持ち主として、近年は広くヨーロッパで活躍しています。
演奏のウィーン国立交響楽団は正体不明ですが、国立歌劇場のオーケストラ、
そう見るのが妥当だと思います。
演奏もまた落ち着いた解釈の中に、香りたつような華やかさがにじみ出ていて、
名人芸を堪能するより曲そのものを十二分に楽しめる演奏に仕上がっています。
先生による演奏にありがちな端正すぎたり、噛んで含めるようだったりと、
面白みに欠けるようなことはなく、なかなかの佳演であると思います。
フロインドのホルンが渋い響きながら明朗、若々しい生命力を感じますけれど、
それを振り回すことなくしっかりとした演奏に好感が持てました。
アイヒラーのクラリネットはまろやかな響きが特徴でしょうか、声高にならず、
常に落ち着いた雰囲気を漂わせている感じでしょうか。
録音は、シンクロ・ステレオとなっていますが、ヘッドフォンで確認しても、
しっかりとしたステレオ録音で左右の分離も無理がありません。
低域にも芯があってよく纏まった録音だと思います。
ただ手持ちの盤質が良くなくスクラッチノイズも時おり拾う状態なので、
内周でホルンなどが歪むのは仕方ない感じでしょうか。
「ウィーン国立交響楽団」というのは、たしかハインツ・ワルベルグが指揮者をしていたオーケストラですね。その頃から、一体これはどういうオーケストラだろう、と思っていました。
ウィーン国立交響楽団・・・コンサートホールソサエティでは、ご指摘のようにハインツ・ワルベルグが指揮した盤や、他にもあったように思います。
バイエルン国立歌劇場のオーケストラで、バイエルン国立交響楽団とか、ハンブルグ国立歌劇場のオーケストラでは、ハンブルグ国立フィルとか呼ぶ例もあったりしますので、ウィーン国立歌劇場のオーケストラを、このように呼んでいると考えています。
あと、先日紹介したシューリヒトや今日紹介した岩城宏之さんの指揮したオケは、実質ウィーンフィル(ウィーン国立歌劇場管弦楽団からの選抜メンバー)ながら、契約の関係上ウィーンフィルと名乗れなくて、ウィーン国立歌劇場管弦楽団としているとどこかに書いてました。
いろいろあって難しいですね。