2012年10月07日

長榮寺(ちょうえいじ)

29日、式内鴨高田神社を出て向かった先は北隣にある、百済山・長榮寺。

聖徳太子による開基と言われ、太子自ら本尊十一面観世音菩薩を刻んで安置、
百済からの渡来僧の入法をもって創建、よって山号を百済山と称されるお寺です。
考古学者には、聖徳太子が四天王寺と飛鳥寺を建立した後、
その中間にあたるこの地にも建立した説を唱えておられる方がいるようです。

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P9291926 posted by (C)fronte360

境内の中に入って真っ直ぐ先には護摩堂

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この手前、本堂前には立派な山門があります。
長栄寺の境内全体が大阪府文化財保護条例で史跡に指定されているそうです。

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中世に戦火で荒廃するも江戸中期・延享元年(1744年)高僧慈雲尊者により再興、
本堂を造営するも文政8年(1825年)に全焼し、同年に再建されたとのこと。
その本堂の前には、慈雲尊者の像が威厳正しく据えられております。

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P9291935 posted by (C)fronte360

慈雲尊者は、江戸時代後期、大阪が生んだ真言宗の高僧です。
若くして、顕教、密教、神道と宗派を問わず学び、密教の呪術的解釈を排し、
梵語の文法を研究、梵文で書かれた仏教教典を正しく読解することに尽くして、
戒律を重視する「正法律」(真言律)を提唱されました。
その初めて戒律の講義を行なったのが、この長榮寺であったそうです。

しかしながら、境内には色々な像が並んでおります。 厄除けもあれば

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水掛不動さんもおられますし、

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この方は、福禄寿でしょうか。 木彫りですね、それも立ち木で彫った??
北海道で見たらコロポックルと間違えられそうですよ(失礼)。

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涅槃堂の上には、優しそうなお顔ですが、不動明王でしょうか。

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ペット供養もされるそうで、多彩です。
あと、境内の奥に行かなかったので「雙龍庵」を見逃してしまいました。

「雙龍庵」は、慈雲尊者が宝暦8年(1758年)生駒山中・長尾の滝の上流に隠棲、
修行のために建てられた草庵で、ここに移築、保存されているのでした。
ここで千巻にも及ぶ梵語研究の大著『梵学津梁』を著されたとのこと。

なお境内に入ったすぐ脇に開山堂があります。

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P9291941 posted by (C)fronte360

失礼して扉の隙間より中を写させてもらいました。

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P9291942 posted by (C)fronte360

中央に慈雲尊者の像が据えられております(合掌)

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P9291943 posted by (C)fronte360

なお扉の脇には、こんな貼り紙もありました。

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P9291945 posted by (C)fronte360

http://twitter.com/jiunsonja
今流ですが、惜しむらくはガムテープで貼らないで欲しかったことかな。

長榮寺、慈雲尊者のことも勉強できて、色々と興味深いお寺でありました。
(おしまい)
posted by fronte360 at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 12-大阪散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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