クラシック音楽を聴き始めた中学生時代より名前を知っていた名匠ですが、
実際に音盤を手にできたのはCD時代になってからとなります。
シュターツカペレ・ドレスデンを指揮したブラームスの交響曲全集、
チャイコフスキーの後期交響曲、そしてベートーヴェンの交響曲全集・・・
そのベートーヴェンのはタワーレコードの安易な全集に大いに憤慨し、
EMI正規盤の優秀さに熱弁をふるっていたことも思い出します。
田園交響曲第4楽章、本当に素晴らしかったのですね。
またご子息であるトーマス・ザンデルリンクさん、
大阪シンフォニカー(現大阪交響楽団)の特別会員であった頃、
機会がある限り指揮に立会い、その音楽に大いに薫陶を受けましたが
時に執筆されるプログラムの文章において、父親クルト氏は当時ロンドン在住、
心臓病で長時間の旅行はドクターストップがかかっている事など伺い知れて、
懐かしく思ったことも思い出します。

手元に音盤はなく、
図書館より借りたベルリン交響楽団を振った
ブラームスの交響曲全集より、交響曲第4番。
これを今朝の通勤時に聴き、追悼としました。
遅いテンポで骨太なブラームス、
澱むところなど皆無、悠然と進む音楽に身を任せて聴き進んだ終結部
そのスケールの大きな終始、久しぶりにブラ4を聴いたなぁと、
充足感に満たされました。
黙祷
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2ヶ月ぶりにインターネットの様々なブログをクリックしています。そうでしたか、クルト・ザンデルリンクが亡くなったんですね。この人は結局ずっと、録音には興味なく過ごしてしまった人みたいですね。ブルックナーなど素晴らしく、#3、#4、#7しか持っていませんし、共に廉価盤(400円くらい)ですが、音も演奏も実に感動的ですね。あまり流通してないからか、話題にも、いわゆる推薦盤にもなりませんが、ギュンター・ヴァントと双璧クラスの演奏だと、私は思っています。
大阪シンフォニカー(現・大阪交響楽団)で当時Gマネージャをやっていた、高校で同級のE君が「ザンデルンクが今度振るんやで」と言い、「えっ?」「息子やけどな、ええねんで」って、心斎橋だったかの裏通りで会話したのを覚えています(たしか1990年頃でした)。
お恥ずかしながら、そのときはクルト氏の十分に名前は知っていても、ブラームスの交響曲全集くらいしか録音は持っていなかったように思います。 その後、いろいろと集めました。 でもザンデルリンクというと、冒頭に出した会話が思い出されます。
ちなみに彼は暫くして大阪シンフォニカーを離れ、録音技術者として活躍してレコード芸術誌だったかで表彰されたりもしましたが、耳を故障して業界より離れました。
市井の一介の音楽ファンですが、ザンデルリンクさんの逝去にそんなことも思い出していました。