先日、レコファン渋谷BEAM店で100円で捕獲してきたレコードをかけながら
ドリップで入れたコーヒーをロイヤル・アルバートのカップで頂いています。
貧乏人の貧相なプチ贅沢ですかね。
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ヘンリク・シェリングによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮によるロンドン交響楽団の伴奏で、
シェリング、2度目の録音によるものです。
正直、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は苦手です。
風格と崇高さを持って大仰に響くと、長大なこの曲を退屈に感じること度々で、
この曲がヴァイオリン協奏曲の王者という意味がよく分からないでいます。
第1楽章は勢いで聴いても、ここで疲れてしまって退屈な第2楽章で撃沈・・・
このパターンをもう何度も繰り返しているでしょうか。
しかしこのシェリングによる演奏は、それを覆す素晴らしい演奏でした。
ヨアヒムのは聴いたことがありませんが、初めて満足する演奏になりました。
シェリングによる演奏が硬質な響き、緻密かつ格調の高さが何よりいいですね。
しかもそれが自然と心に響いてくるのは何だろう・・・
作品に真摯に向き合い、作品自らを語らせるような演奏態度だからでしょうか。
第1楽章の雄大さも肩肘張るところの無い自然なスケール感があります。
第2楽章、美しくそして可憐ですね、そして幸福感に包まれながら第3楽章へ、
自然に流れ込んでゆくあたりイッセルシュテットの棒によるところ大でしょう。
イッセルシュテットによるベートーヴェンの交響曲も聴きたくなりました。
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2011年05月03日
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ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、当然いろんな聴き方があると思うのですが、第3楽章が頂点だ!、と考えながら私はいつも聴いています。長大な曲なんで、最初から気合を入れて聴くと、どうしてもクタビレテしまいますので。第3楽章のファゴットとヴァイオリンソロとの掛け合いが、やはり頂点だと思っています。シェリング=シュミット・イッセルシュテットの演奏は、やはりひとつの代表的な演奏ですね。この演奏は、私は20年前にドイツに住んでいた頃に買ったカセット版しかないので、第2楽章から裏返さなくてはならず、メンドクサイのでつい、CDで持っているもの(だいたいオイストラフ・クリュイタンス)を聴いてしまうのですが。ただ、この曲をたとえばフランチェスカッティ=ワルターなどで聴くと、これがホントに同じ曲か!、と思うほど違いますよ!。一度お試し下さい。
私の愛聴盤は、安倍さん御薦めのフランチェスカッティ=ワルター盤とシュナイダーハン=ヨッフム盤です。
前者は、夢見るような歌に溢れた、いつもながらのワルターの伴奏が好きです。後者は、典雅なヴァイオリンと端正で厚みのあるオケ(BPO)との共演はもちろん、ティンパニ(奏者はテーリヒェン?)との珍しいカデンツァの競演も素晴らしいですよ。
長大な曲ですよね、最初に生で聴いた演奏ときの印象が悪かったからでしょうか、そしてその後のCDでもあまりいい出会いがなかったこともあって、余計に気合を入れて聴いて疲れてしまっていたのかもしれませんね。
しかしシェリングの演奏は余計な力が入らず、自然に聴き進められたから良かったからかもしれません。 ご紹介いただいたものを中心にまた聴き進めてみたいと思います。 クラシック音楽って奥が深いですね。
シュナイダーハンですか、やわらかいヴァイオリンの響きが好みだったりして、ベートーヴェンのクロイツェルや春のソナタは愛聴盤だったりします。 興味沸きますね。
ひさしぶりに部屋でのんびりしているので、「ゆらこめ」も参考にしてみたいと思います。