帰省時に持ってきた黒い円盤のレコードは、日本コロムビアの廉価盤ばかり。
自宅ではレーベル別にレコードを置いているので、
ちょうどのこのレーベルが埋もれていた所を発掘したからでした。
1972年頃から始まる我がクラシック音楽の歴史なかでも
日本コロムビアのエラート、パルナスの1,000円盤は異彩を放ってました。
もちろん、この当時はその価値を判らず、初心者向けのダイヤモンド1000、
日本フォノグラムのフォンタナやクレモナ・シリーズや、キングの名曲1000、
後発で出てきたビクターのグランプリ1000などに目を奪われてました。
でも中古レコードを集めるようになると、エラートやパルナス、そして、
オイルショック後に出たエオリアン(1,500円盤)に食指が伸びてしまいます。
IMGP3264 posted by (C)fronte360
前置きが長くなりましたが、これもそうして捕獲した
カール・リステンパルト指揮ザール室内管弦楽団による
モーツァルトのミサ曲「戴冠式」を聴いています。
正直言って録音も古く、そして時代遅れの感もする楷書風のモーツァルト
ソプラノのテレサ・シュティヒ=ランダルの端正な歌もまた懐かしい感じ・・
でもね、個人的には、とても落ち着く演奏なのでした。
今朝、寺神戸亮によるモーツァルトをメモリプレーヤで聴いてました。
自由闊達ともいえる軽やかな演奏も素敵なのですが、
リステンパルトの演奏は、語り継がれた上質な古典芸でしょうか。
過剰に精神に訴えかける派手さや技巧は抑えられていて、
ひたすら信じた道をまっしぐらに進んでいるような感じの演奏ですね。
安心して身を任していられる、そのような感じがし、大好きです。
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2010年12月21日
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