ところでベートーヴェンのピアノ協奏曲というと、第5番「皇帝」が有名で、
その次は第3番でしょうか。 でも、個人的には、第1番が最も好きです。
ピアノ協奏曲第1番、モーツァルト的なニュアンスも感じられますよね。
この曲、ベートーヴェンがウィーンに出て間もない頃に書かれたそうです。
若かりし頃、モーツァルトにも会いにも行っているベートーヴェンは
ピアニストとして活動していたので、さもありなん、という感じでしょうか。
しかし第3楽章、左手と右手が掛け合いする場面など
華麗というよりも激しさを感じさせて、ベートーヴェンらしさも出ている、
そのように思いますが、いかがでしょう。
また、第1番が作曲されたのは第2番よりも後で、
第2番に筆を加えたりして出版が遅れたため、番号も入れ替わったようです。
そしてまた第2番は、単に「協奏曲」として出版されているようですが、
第1番は「大協奏曲」と書かれ、大編成の管弦楽とピアノの丁々発止・・・
そんなことを印象させる自信作でもあったと思われます。
さて、前置きはこれくらいにして、今朝聴いた演奏は

クラウス・ペーター・フロール指揮
ベルリン交響楽団
徳間音工のドイツ・シャルプラッテン
8回目のシリーズで、捕獲したものです。
ペーター・レーゼルは、1945年ドレスデン生まれ、
旧東ドイツの戦後生まれのピアニストで、
ロシアで名ピアニストのレフ・オポーリンに学んだ、美音の持ち主ですね。
この演奏でも、それを如何なく発揮しています。
繊細な表現に徹して、ダイナミックスを抑えた演奏は、
ちょっと物足りなくも感じますが、味わいのある演奏ではないでしょうか。
ただ、伴奏がかなり気合入っているようで、
ちょっとアンバラスかな〜 なんて思ってみたりもしました。
もうちょっと聴き進めてみたいと思います。
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自分は、最近はご無沙汰ですが、第4番を推したいところです。ツィマーマンの録音の第1楽章のカデンツァが強く心に残っています。特に好きな曲なので、実演も聴いた回数が結構あります。3回くらいでしょうか。
第4番も好きですよ、順番をつけるなら、1→4→3→5→2盤といった感じでしょうか。
実は、今回録音したなかに、バックハウス(p)、イッセルシュテット指揮ウィーンフィルの全集もありますが、このコンビの第4番は白眉だと思います。 心において欲しいと思います。