自宅のCD棚を漁って録音したものより、
クーベリックのシューマン交響曲全集の旧盤より交響曲第2番です。
シューマンの交響曲では、
個人的に第2番が一番好きなのですが、
クーベリックとベルリン・フィルとの演奏
これが、とてもアグレッシヴな演奏で
一番素晴らしい演奏だと思っています。
とくに、第1楽章から第2楽章にかけ、見事なドライブ感で、
音楽を追い込んでいて、今回もまた、ぞくぞくっと、きてしまいました。
クーベリックでは、ソニーに録音した、主兵だったバイエルン放送交響楽団と
録音した盤が名盤となっていると思いますが、旧盤が、実は、より素晴らしい。
そのことを、教えてくれたのは、今は亡き ゆらむぼさん でした。
最初は、レコードで持っているバイエルンとの全集に心酔していたので
半信半疑というか、そんなことは無いだろう、とも思っていましたが、
1996年頃かしら、実際に購入して聴いてみて、よく分かりました。
この録音、主兵オケではないためか、天下のベルリン・フィルだからか、
真相はよく分かりませんが、ヴァイオリンの両翼配置は行われていません。
(バイエルン放送響との録音は、両翼配置ですけれども)
でも、これで右側からコントラバスの響きがグイグイと唸っているのも聞こえ、
レガートでつないだカラヤン色が濃くなる前の質実としたベルリン・フィル、
力強く演奏していて、クーベリックの指揮にも応えている印象を持ちます。
この演奏については、あまり話題になることがないように思しますが、
シューマンの交響曲を聴く上で、是非ともおさえておきたい演奏ではないか、
そのように思ってます。
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2010年10月13日
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国内盤で、同じCDを所有しています。まだ聴いていないので、時間を見つけて聴いてみますね。
これ、いいですね!クーベリックの各声部に対する卓越したバランス感覚とともに、精緻で力強いこの時期のBPO特有の分厚く、ほの暗い音色に惹かれます。安田さんの書かれている右側からのバスの響きも快いです。
BPOは70年代になると楽員の大幅な世代交代があったのでしょうか?音色の変化ということだけではなくて、合奏への集中力というか、技術的な側面でも少しものたりないものを感じてしまうのですが・・・。
・・・今、「春」のラルゲットが鳴っていますが、とても細やかな神経の行き届いた演奏ですね。どうやら、シューマンの交響曲を聴く時に真っ先に手が伸びるCDになりそうです。
由良さん、岩崎さん、はじめまして。マエストロ・与太と申します。
60年代にカラヤン以外が振ったBPOはどれもカラヤンとは別の味わいと魅力があるように感じます。クーベリックのシューマン、ドボルザークしかり、フリッチャイ&BPOとの盤もいずれもいいですね。由良さん言及の通り、やや暗めで分厚い音色感がたまりません。
力感の溢れるクーベリック/BPOのシューマンの交響曲全集、本当に素晴らしいものだと思います。 既成の概念に捕らわれないこと、これもゆらむぼさんのおかげだと思います。 これからも大切に聴いてゆきたいと思える演奏ですね。
そしておっしゃるとおり、1970年代を境にして、BPOの音・演奏が変わってしまったように感じます。
ベルリンの田舎オケが精一杯頑張っている姿と、天下のベルリンフィルの余裕ある演奏の違いではないか、そんな風にも勘ぐってみたりもしています。
とにかく1970年以前のBPOの演奏は力強い芯を感じますよね。
クーベリックのドヴォルザークの新世界もいい演奏ですよね。
カラヤンとのシューマンの交響曲全集も、確か1970年頃だったと思いますが、これもまた確信に満ちた演奏でした。
かつて「カラヤン文庫」というCDシリーズが出ていて(今から20年ほど前ですが)これで、1970年以前のベートーヴェンやチャイコフスキーなどの録音を集めていた時期があります。
アンチ・カラヤンで過した世代ですが、これらは、有無を言わさぬ押しの強さを演奏から感じたものです。
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ということで、是非とも聴かれることをお薦めします。
マエストロ・与太さんもご指摘の、フリッチャイとBPOとの一連の録音、確かにいいですね。両者の相性の良さを感じます。ドヴォルザーク「新世界」をはじめ、ベートーヴェンの3,5,7,9の交響曲など、この名門オーケストラの黄金時代を象徴する名演だと思います。フリッチャイがもう少し長生きしてくれていたら、BPOとの記念碑的なベートーヴェンの全集が完成していたのに・・・と悔やまれるところです。
70年代後半にもなると、BPOは昔日の凄みのある響きがすっかり影を潜めてしまいましたが、カラヤンとのブラームスの第2と第3(それぞれ2回目の全集)が意外に?良かったりもします。前者の第1楽章の歌い始め、後者の最終楽章の幕切れ(この終わりの箇所で感動できる演奏にはなかなかめぐりあえない!)、ともに詩情あふれる印象的な演奏でした。
フリッチャイ、日本では1972年頃の廉価盤ブーム、いわゆる1,000円盤ブームで多量に流れたこともあって、いまでも好事家が多いようですが、欧米ではマイナーなのだと聞いたことがあります。
でもしかし、当方はドンピシャ、この年代なのですが・・・
基本、当時はステレオ録音にこだわっていたこともあって、疎遠なんですよね。 唯一買った、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」の全曲(カートンボックス入り、でも日本語解説なし)、曲もそうなんですが、モノラルで臨場感なく、なかなか再聴に及ばず、追求できないでいたりします。
今後の課題、なんです。