これもまた小石川図書館で借りてきたCDです。
フンメルがモーツァルトのピアノ協奏曲第20、25番を室内楽に編曲したもの。
ピアノ四重奏曲による演奏で
BISレーベルの録音で演奏者は以下です。
白神典子(Fumiko Shiraga)(p)
ヘンリク・ヴィーゼ(Henrik Wiese)(fl)
ペーター・クレメント(Peter Clemente)(Vn)
ティボル・ベーニ(Tibor Benyi)(Vc)
白神典子さんは、1967年に東京で生れ、
3歳でピアノを初め、1973年、NHK交響楽団の主席ヴィオラ奏者だった父が
本拠をドイツに移すとともに家族とともに移住。
ドイツで研鑽を積んでハノーヴァー音楽大学を首席で卒業されて、
ドイツ国籍も取得されているようです。
さて、ここで聴けるのは
オリジナルのピアノ協奏曲とはまた違う華麗なモーツァルトの世界。
フンメルの編曲が要所をうまく纏めて、違和感がないのは当然でしょうが、
オリジナルにはないピアノの装飾的なフレーズ(歌いまわし)
とくに第20番の第2楽章が耳を惹きます。
フンメルは、モーツァルトの内弟子として2年間を過ごしていて、
ピアニストとしてのデビューもモーツァルトの楽曲だったそうですので、
ここで聴ける装飾的なフレーズはモーツァルト直伝の演奏法なのでしょうか。
ニ短調の第20番も、この編成で聴くと、可憐なこと。
華やかな予約演奏会の場に、暗い陰鬱なニ短調の曲をかけたことについて
モーツァルトの芸術性の高さを言われますけれど、
ここで聴くような演奏ならば、あまり違和感も無いようにも感じました。
あと第20番の終楽章のカデンツァも聴き応えありますね。
白神さんは曲によって
スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハを使い分けられるそうですが
ここでは、ベーゼンルファーを使っておられるようです。
その違いが判るかは、当方には疑問ですけれど、一応記しておきます。
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2010年09月14日
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モーツァルトのピアノ協奏曲は、全般的にまだ守備範囲外です…。アシュケナージの録音を中心に幾つかCDは持っているのですが、交響曲の研究に少し疲れたときに聴くのが定番になってしまっています。このあたりを計画的に聴いて行くと、音楽脳も人間性も磨かれてくるのでしょうが。それにしても室内楽編曲というのは面白いですね。
ところで、マーラーの「巨人」の資料、ざっと目を通し、ウィキペディアでも調べましたが、今度演奏されるものは段階的に言うと、第2段階にあたるもののようですね。その第2段階にあたるものも版が2つあり…と。かなり奥が深いですね。「花の章」が出てきただけでも戸惑ってしまうので…。マーラー、まだまだ知らない世界がたくさんありそうです。
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は、当方がクラシック音楽に傾倒したきっかけにもなる曲なので、思い入れも多い曲なんですね。
だからこそ、アシュケナージの盤も持っていますが、ピンと来ないこともあったり、好き嫌いの演奏がハッキリするのですが(たいていは嫌いですが)これはすんなりと入ってきましたよ。 何より、こうやって表現するのか・・という驚きが大きかったですけどね。
マーラーの件、当方も学者ではないですし、貴重な機会は逃さずに聴いて、何より研鑽を積むことではないかと思っています。
奥が深いですものね、音楽は・・・