
とにかく超満員、補助席を出しても足りず、2階席の通路に座る人もいました。
1曲目の伊福部昭の交響譚詩、詰め掛けるお客さんのためか2階席後方のドアが開いたままで演奏を開始(そのまま最後までドアは開いたまま)。 そのためか、パワフルで機動力のあるオケの響きがストレートで、ぐいぐいと押し寄せてきた感じです(直接音が多くて少々疲れやすい響きでした)。 個人的にはもっと土俗的な響きで演って欲しかったのですけれど、でもこの演奏ではゴージャスな響きもして、ドラマティックに進む演奏を面白く楽しみました。
ドヴォルザークの交響詩「水の精」、活づいた演奏、艶やかに響く弦楽器による磨き抜かれたドヴォルザークといった感じ。 インターナショナルなドヴォルザーク、しみじみとさせてる部分でもなんとなく熱気を孕んでいました。 そしてパワフルで機動力ある響きはここでも健在。 馴染みやすい旋律をくり返しつつ、緻密に響かせては堂々と盛り上げる。 そんな繰り返しがちょっとワンパターンにも思えもしましたけれど、最後まで切れることのない高い集中力を持った演奏でもありました。
休憩を挟んでメインのベートーヴェンの交響曲第7番、しっかりとした構成感のある堂々とした演奏でした。 ともすると機動力で引っ張る感じをさせた前2曲と違い、のだめブームですが、それとは全く無縁の堂々として落ち着いてハリのある響きに満ちていました。 終楽章でも勢い込むことなく丁寧な響きを配置し、常にインテンポで進めていた今西さん。 それを受けたオケが、熱気も十二分に醸し出した素晴らしい演奏でした。
演奏終了後、オケ、とくに木管楽器奏者の方々のこぼれるような笑顔、よく演ったなぁ〜といったような満足感のある表情が印象的でもありました。 お疲れさまでした。