人生の諸先輩方による味わい深い演奏会を今年も楽しみました。
個人的には早川正昭作曲の「バロック風日本の四季より『夏』」。 昨年の『春』でも感じましたけれど、演奏者の皆さんの共感を感じさせる演奏に心躍らされ、洗われるようでした。 気持ちのよくのった豊かなアンサンブルを聴かせた第1楽章の「我は海の子」、短調ながら馴染んだメロディを追いかけてうっとりとさせる第2楽章の「雨」、そして艶やかなヴァイオリン・ソロも相俟って爽やかな第3楽章「海」と、いずれも夏の風物をさらっと感じさせた素晴らしい演奏でした。 来年は『秋』がかかるとのこと、今から楽しみです。
ソリストに池川章子さんを迎えたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番、プログラムに書かれたとおりの「共奏曲」。 池川さん、先日の枚方フィルではベートーヴェンだったこともあり少々気負いのようなものを感じたのですが、ここでのモーツァルトは暖かみのある美しい響きでよく歌っていました。 そしてオケも指揮者の木村さんのもと雄弁に奏でて競奏して協奏。 興に乗るのではなく理知的な感じもさせるモーツァルトをたっぷりと味わいました。
そしてメインのシューベルトの交響曲第5番。 若い管楽器奏者の方に刺激されたこともあるのでしょうか、覇気を感じさせる演奏が素敵でしたね。 活きのいい第1楽章、落ちついた色合いの第2楽章、誠実に進めた第3楽章、そして終楽章の力のこもったフィナーレへと結びつけて幕。 常に低弦がしっかりと鳴った上に各パートが乗って響きを合わせた見事な演奏。 これは指揮者の木村さんの手腕によるところ大なのでしょうが、響き合わせて演奏しきったオケの皆さん、終演後の笑顔がとても爽快でした。
冒頭の「ホルベアの時代から」は少々手探りな部分も感じましたけれど、誠実なアンサンブルが味わい深くて、とくにアリア。 人生の晩秋も感じさせる静けさに心が沁みました。
昨年「理詰めで音楽を聴いたり演奏するのとは違う音楽の楽しみを感じた」と書きましたけれど、今年もまったく同じですね。 うまく年輪を重ねた方々の素適なアンサンブルを楽しみました。 ほんと、いくつになっても楽器を演奏して音楽を楽しめる、素晴らしいことですね。 元気も頂きました。
有り難うございました。
2007年06月30日
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【感想】アンサンブル・コスモリバティ 第17回定期演奏会
Excerpt: 2007年6月30日(土) 14:00 吹田市文化会館メイシアター中ホール グ
Weblog: アマオケ大好き、クラシック音楽大好き
Tracked: 2007-07-07 19:42