2007年01月28日

吹田市交響楽団 第62回定期演奏会にて


丸山耕路さんのリリックなピアノ、見事なピアノ・コントールによるシューマンのピアノ協奏曲に感動しました。

suikyo_62th.jpg1983年生まれのまだ若いピアニストですが、大阪音楽大学で最優秀賞を得て首席卒業した実力の持ち主なんですが、パンフレットに書かれた経歴の最初に、電子オルガン、エレクトーンという文字。 高校2年生でピアノに転向されたそうです。 偏見で申し訳ないのですが、どうかな、なんて正直思っていたのですが、感情を巧く乗せたとても綺麗な響き、そしてシューマンらしいくぐもった感じも見事に表現されていて、この曲のこと、もっと好きました。

冒頭のキレ味の良さ惹きこまれました。 透明感の高い響き、一見軽やかに弾きつつも気持ちを乗せ、ピアノをよく鳴らして弾き進みます。 抜群のピアノ・コントロール。 第1楽章の終結部も力を込めても重くならず、くぐもったシューマンらしさで弾力もあって見事でした。 素晴らしい演奏に、盛大な拍手も沸き起こりましたが納得です。

終楽章も、畳みかける部分でも軽やかに弾きこなしてゆきます。 コーダ、力任せに演奏するパターンが多いと思うのですけど、明るさを含んだリリックな表現、じつはとても好きなんです。 だから、ということもありますけれど、強靭さを秘めたしなやかな丸山さんのピアノに聴き惚れました。 もうちょっと力感が欲しい、といわれる方が多いと思いますけれどね。 

大阪音楽大学ピアノ科教授である常任指揮者米山さんの指揮のもと、オーケストラもまたしなやかな表現で見事にサポート。 素晴らしい演奏に大きな拍手を贈りました。

冒頭のシューベルト「ロザムンデ」序曲、こちらも米山さんの指揮でしたが、いつもと違って精力的な演奏。 大きな音量で畳みかけるような表現に驚きました。 いつもは省エネ運転ならぬ省エネ指揮で、淡々とした味わい深い演奏で好きだったのですけどね、だからかな、今回はオケが少々無防備に鳴っていたようにも思えた演奏にちょっと戸惑いました。

メインは、新谷さんの指揮によるブラームスの交響曲第1番。 マニアックな新谷さんの拘りでしょうね、オーケストラを対抗配置としていました。 そしてコントラバス8本は、ステージ後方に一直線に並べたムジークフェライン流。 金管も、ホルンとトランペット&トロンボーンを左右に振り分け、中央に配した低弦、両翼のヴァイオリンとで精力的な演奏を展開していました。
特に第1楽章の冒頭は凄いスピート。 重厚で張りのある響きでホールが満たされました。 なおヘンレ版によるものとのことですが、もとよりスコアは読めないのでよく分かりません。 若々しいブラームスを表現したと思います。 とても熱い演奏が展開され、盛大な拍手を受けていました。

個人的には、ちょっとやりすぎかな、なんて思ったりもしましたけどね、でもこのような意欲的な取り組みは大いに評価したいと思っています。 皆さんお疲れさまでした。

とにかく今日は、丸山さんのピアノに痺れた演奏会でした。
posted by fronte360 at 20:12| Comment(0) | TrackBack(1) | 05〜12-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

【感想】吹田市交響楽団 第62回定期演奏会
Excerpt: 2007年1月28日(日) 14:00  吹田市文化会館メイシアター・大ホール
Weblog: アマオケ大好き、クラシック音楽大好き
Tracked: 2007-02-04 08:30