新型コロナウィルス感染、第2波を抑えて、お家で良い音楽を♪
オーマンディのある種優雅な田園交響曲の響きが脳裏にこびりついているので、他の田園も聴きたくなりました。 そしてまず取り出したのが、朝比奈隆指揮大阪フィルのよる最初の録音。 学研によって録音されたものですが、これが意外と言っては失礼ですが、きちんとした演奏ですね。 これを次に取り上げようと、ネット検索していたら、なんと自分の書いた拙い文章が出てきました(朝比奈隆/大阪フィルの「田園」(学研盤)、若々しくそして懐かしい田園)。 これを書いたときは、おっちゃんまだ存命だったのですね。 とにかく、拙い文章とはいえこれ以上のことを今も言えるとは思えず、次の音盤を。
アンセルメ/スイス・ロマンド、ストラヴィンスキーの3大バレエ曲などのロシア音楽や、近代フランス音楽が守備範囲と思われがちですけれど、ベートーヴェンの交響曲も素晴らしいんですよね。 情に流されない現代的な解釈、そして何より男性的で骨太な音楽。 聴きごたえ十分です。 まっさらの部分からベートーヴェンに立ち向かってゆく朝比奈隆の学研盤の解釈にも通じる部分があるようですが、オケの重量感がまるで違いますね。
冒頭こそ密やかな感じで始まりますが、低弦の厚みが次第に増してきてしっかりと曲を支えて進んでゆきます。 第3楽章での低弦をブレンドした響き、ホルンの強奏、そして嵐の場面でのティムパニの強打などなど、独欧系とはまた違う肌触りの柔らかい重厚な響きが腹にズシリときます。 ゲルマンらしいゴツゴツとしたような解釈や響きを採り入れるのではなく、よりストレートな解釈でしょう。 そのように演奏を展開させているのは朝比奈やオーマンディも同じだと思いますが、男性的な響きの衣をかぶっているのがアンセルメの魅力ですね。 終楽章の朗々として晴れやかな(それでいて重みのある)田園交響曲です。
またオマケで収録されている「プロメテウスの創造物」も重厚な響き。 こちらもストレートに音楽を展開させて、こちらも腹にズシリと響く演奏で聴きごたえありました。
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ベートーヴェン/交響曲第6番へ長調op.68「田園」
ベートーヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲op.43
エルネスト・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1959年
なおこのレコードは、どこで捕獲したか不明ですが、キング・レコードより1961年に2,000円で発売されていたものです。 いわゆるペラ・ジャケの見開きで、開くと田園風景が広がります。 このレコードと同時期に発売されていたアンセルメのシェエラザードやカルメン組曲などのジャケットも広げることを意識したカッコ良いものでした。
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レコードは中折れの部分よりベートーヴェンやアンセルメの写真の下にあるポケットに入れる仕組みです。 解説は、村田武雄さん、簡単ながら譜例も示したアカデミックなものです。 クラシック音楽は高尚、そんな時代でしたね。
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