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シューベルトの「グレート」を聴いて久しぶりにバルビ節を堪能したので、LPレコード時代より親しんでいたドヴォルザークの「イギリス」も引っ張り出してきました。 1998年頃、EMI原盤を廉価に出していた DISKY の輸入盤CD。 「グレート」で聴かせるしっとりと歌い込むバルビ節とは違い、ロマンティックで濃厚な歌で彩られたバルビ節です。
「イギリス」の出版社より出されたので「イギリス」と呼ばれていましたが、最近このように言わないみたいですね。 そもそも音楽そのものは英国とは関係なく、郷愁に満ち溢れたボヘミヤの旋律が満載な曲。
バルビローリは、郷愁のボヘミヤの旋律に感情を過多と思えるほどに込め、独特な熱い歌いまわし、金管や打楽器を強奏させるなど変幻自在。 「グレート」では、ゆったりとシューベルトの歌の世界を展開、グイグイと押すのではなく、丹念に歌い込んだ旋律で巻き込むよう・・・と書きましたけれど、こちらはもうグイグイと押してきます。 ハレ管も少々荒っぽく豪快な演奏で応えていますが、終楽章など力を出し切ったのか響きが混濁しているようにも思いますが、音楽の推進力は健在(なんか一所懸命なアマオケみたい?)。 巧い演奏ではないと思うけれども、血沸き肉躍る聴き応え十分な名演です。
今回比較試聴として、名盤との誉れ高いセル/クリーヴランドの「イギリス」も聴きなおしてみましたが、丹念な棒とオケの巧さで、精緻ながらも伸びやかな歌で聴かせます。 しかしバルビローリの後だからかな、巧いけれども、ちょっと曲を外から見ている感じもして物足りなくも感じました。
バルビローリのこの DISKY のシリーズで、交響曲第7番、第9番「新世界」のCDも持っているので聴きなおしてみましたが、いずれも熱い演奏です。 その中でもこの第8番が出色ですね。 LPレコード時代からの思い入れも大きいからでしょうけれど。 なおこの3曲とも NAXOS MUSIC LIBRALY でも聴けます。
P5302984 posted by (C)fronte360
ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調 op.88
ドヴォルザーク/スケルツォ・カプリチオーソ op.66
ドヴォルザーク/「伝説」 op.59〜第4曲、第6曲、第7曲
ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
録音:1957年6月28,29日、8月3日(伝説)