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ドラティによる「春の祭典」のCDが行方不明になったとき、CD棚をひっくり返していたら、新星堂の1000円盤CDも多量に出てきました。 1990年、EMIレーベルのCDを1000円でリリースしてくれた新星堂のシリーズより、ジョン・バルビローリによるシューベルトの「グレート」。 世評は低いですけれど、個人的にはこの演奏が大好きなので、久しぶりに聴きなおしてみました。
「グレート」って、その名のとおり長大なこともあって、LPレコード時代には2枚組になっていたりして、縁のない曲でした(マーラーは2枚組でも聴いていましたけれど)。 CD時代となって「グレート」も聴き始めましたが、どうもしっくりこなかったのですけれど、このバルビローリのCDで開眼しました。 以来、この曲を好きになり、色々と集めてみましたけれど、シューベルトの歌の世界をこれほどまでに美しく歌い上げた「グレート」ってないですね。
第1楽章、ホルン2本のユニゾンでの始まりよりどこか長閑な感じ。 ハレ管、分厚い響きでもないし、機能的でもありませんけれど、バルビローリの指揮に導かれ、しっとりと歌い込んだ旋律が魅力的。 しかも各声部が絡みあっていて、じつにゆったりとシューベルトの歌の世界が展開してゆきます。
白眉は第2楽章でしょうか、オーボエのソロはバルビローリ夫人のイヴリン・ロスウェルさんでしょうね。 明るく端正なオーボエにやさしく寄り添う夫唱婦随の演奏もさることながら、第2主題の旋律、レガートのかかった息の長い旋律、中間部では各楽器の旋律が繊細に絡み合って、本当に美しく優しい音楽だなぁ、と感嘆。
第3楽章、第4楽章も力でグイグイと押すのではなく、丹念に歌い込んだ旋律で巻き込むようです。 線が細いとか、オケが弱いとか、まぁ色々と意見があるようですけれど。 バルビローリ・ファンにはたまらない魅力的な演奏だと思います。 廃盤になって久しいようですね。 もったいないなぁ。
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シューベルト/交響曲第9番 ハ長調「グレート」
ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
録音:1966年