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ベーム/BPOのシューベルト交響曲全集、久しぶりに受けた感銘で、
ベルリンフィルで同じ時期に録音された二匹目のドジョウ?
カラヤン/BPO、シューマン交響曲全集を再聴しました。
先のベームのシューベルト交響曲全集が録音されたのが1963-71年、
こちらは1971年しかも1月〜2月のわずか2ヵ月間で収録されたものです。
ここでも正確無比な演奏ながら、ベームのよりもより一層馬力のある響き、
重厚なオケの響きがより魅力的ですね。
シューマンの交響曲全集も色々と集めましたけれど、今は第1番ならば
スィトナーによる1841年3月31日初演時の自筆総譜による「春の交響曲」や、
第4番もガーディナーなどによる1841年原典版をこよなく愛したり、
フローリアン・メルツ指揮クラッシェ・フィルによるティンパニ強打の全集
などなど亜流に走ってしまってます。
カラヤンのシューマンは、後年よく言われる流麗さとは一線を画した演奏で、
1970年前後のカラヤンらしく重厚かつ自信に満ちた語り口。 時に颯爽と、
時には大きくテンポを落としてじっくりと歌い込みます。
なかでも第2番の交響曲がいいな。
第1楽章、重戦車がスポーツカーのように走るようでいて、すべての楽器が
緻密に鳴っているんですよね。 ここのフィナーレ近く、金管が左右で呼応
する場面なども重厚な弦アンサンブルにすっぽりと埋め込まれた感じですが、
有無を言わさぬ感じ。 続く第2楽章もまた推進力を持って進め、ここでも
フィナーレでは低弦の太い響きが強靭にしなる粘り強い演奏に納得です。
一転して第3楽章での寂寞感、そして終楽章のティムパニの強打もまた太い
響きに魅了されました。
あと第4番も面白いなぁ。 ソロ・ヴァイオリンがあまりにも艶やかな響き、
これまで持っていたこの曲の印象が一変しました。
クレジットを確かめると、やはりミッシェル・シュヴァルベさんでしたね。
ちょっと外れますが、今から20年前(厄年42歳の時)、胸の違和感のため、
病院でトレッドミル検査をやっていたら見事に心臓が停止(正確には心臓が
微細動)そのままICUに担ぎ込まれたことがあります。 狭心症。
腕には点滴が4本刺さって、血液をサラサラにする薬や血管を拡張させて
血栓が詰まらないようにする薬などを大量投与。
この血管を拡張させる薬、当方には合わなくて、脳の毛細血管が拡張し、
ものすごい頭痛に悩まされたことがあります。
緊急入院でしたが、当時は DISCMAN とCDを何枚か持ち歩いてましたので、
病室での退屈しのぎにCDも聴いてみました。 が、激しい頭痛で楽しめ
ないなか、このカラヤンのシューマン交響曲全集のみ最後まで聴けたことを
覚えています。 頭痛にも打ち勝つ納得度の高い演奏だと感嘆したことを
思い出しました。
P4142628 posted by (C)fronte360
《CD−1》
交響曲第1番 変ロ長調 作品38《春》
交響曲第2番 ハ長調 作品61
《CD−2》
交響曲第3番 変ホ長調 作品97《ライン》
交響曲第4番 ニ短調 作品120
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1971年1月(第1,3番),2月(2,4番)