このところ有無を言わさないような納得度の高い演奏を中心に聴いてますが、
ポール・パレーが Mercury LIVING PRESENCE に残した録音もその一群で、
集中的に聴いていますが、今回は、ベルリオーズの幻想交響曲です。
一言でいうならば、明るい音色ながら男性的で硬派な演奏ですね。
第1・2楽章、引き締まった低弦群による重低音で彩られ、木管や高音弦も
集中力の高い演奏。 精度が高いままグィグィと進めてゆくのが爽快です。
後半楽章になっても集中力の高さは衰えることなく、先のフランクでは
余計な思い入れを廃して緻密に音を重ねた、と書きましたが、
ここではギアを1段あげ、更にアクセルを踏み込んで加速させたかのようで、
熱っぽく一直線に駆け抜けてしまった感じ。
ワンポイント録音(メインマイクと2本のサブマイクの3トラック録音を
2chステレオにミックスダウン)のためでしょうかね、各ソロ楽器には
スポットライトを当てたようで判りやすく、あれよあれよと進んでゆき、
この曲こんなに短かったっけ・・・と思ってみたり。
カプリングされた小曲もまた集中力の高い演奏で聴き応えあります。

P4242739 posted by (C)fronte360
ベルリオーズ/幻想交響曲
ベルリオーズ/劇的物語「ファウストの劫罰」から「ハンガリー行進曲」
ベルリオーズ/歌劇「トロイアの人々」から「トロイ人の行進曲」
ベルリオーズ/序曲「海賊」
ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」
ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団
録音:1959年11月(幻想),1959年4月(行進曲),1958年3月(序曲)