2018年02月04日

セル、R.シュトラウス/家庭交響曲

2月になったので、ヴィヴァルディの四季シリーズは中断(?)
パイヤール盤や早川正昭/東京ヴィヴァルディ合奏団のも聴いてましたが、
レコード棚を漁って、あっこんなのも持っていたんや、と思ったこれを
ターンテーブルに載せてみました。 これがまたなかなか面白い。

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P2049963 posted by (C)fronte360

R.シュトラウス/家庭交響曲
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」
  ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団

これも今は無き数寄屋橋ハンターで300円で捕獲したものでした。
CBSソニーではなく、日本コロムビアによる1964年発売の国内盤。
ペラ・ジャケですが、重量盤で音質も悪くありません。

STEREO"360 SOUND"の表記があり、音の分離が良くて各パートがよく聞き取れて、
セル薫陶によるクリーヴランドの面々の名人技が堪能できる仕組みです。
ほんま、巧いなぁ、と音楽そのものよりも技に耳が言ってしまうのが
かえって難点なのかもしれません。

家庭交響曲、自分の家庭内の模様をサウンドにした4部構成の標題音楽。
それぞれの家庭内の出来事を、その時の主人公たちを各楽器が表現していて、
解説を見ながら聴くと、なるほどねぇ、と納得しながら楽しく聴けるけれど、
そのぶん音楽の深みというものが浅く感じてしまいがちになる。
それをセル/クリーヴランドの技巧で納得させられてしまうという構図かな。

若くて血気盛んなころは、そんな超絶技巧にばかり耳がいってしまって、
R.シュトラウスらしい色気ってものが分からずに、オケの機能重視という、
誤ったR.シュトラウス観をスリ込まれてしまったのもこのコンビでした。
B面「ドン・ファン」は高校生の頃にオデッセイの輸入盤で持ってましたし。

ベートーヴェンが最高、交響曲重視、音楽に深みがないといけない音楽観、
そんなものが根底にあるからやろな、ということも透けて見えてきました。


posted by fronte360 at 07:04| Comment(0) | 18〜19-LP/CD音楽(Classical) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする