このところ懐古趣味というか原点回帰。
クラシック音楽を聴き始めた頃の懐かしいレコードを再聴しています。
1971〜2年頃、平凡社より 680円で売られていたのが「ファブリ世界名曲集」、
25cm のLPがついてまして、1,000円盤を買うようになる前、
まだクラシック音楽ってどんなんやろ? そんな疑問に応えてくれました。
これが最初に買ったモーツァルトのレコードになります。
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モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
カレル・シェイナ指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番 K.466
イングリッド・ヘブラー(p)、
カール・メレス指揮 ウィーン交響楽団
イングリッド・ヘブラー、巻末の演奏家紹介で現代最高のモーツァルト弾き、
そう書かれていたのが購入の引き金でした。 オーケストラも欧州ですし。
まず、カレル・シェイナの指揮する「フィガロの結婚」序曲が素晴らしいね。
快活ながらピシッと引き締まった演奏、当時はシェイナの事など知りませんが、
手慣れた職人的な演奏に心踊らしてもらった記憶が蘇ってきました。
そして薄暗い序奏が延々と流れて始まるモーツァルトの短調のピアノ協奏曲、
この曲・演奏との出会いも大きかった。 深い音楽ですね。
若きヘブラーさんのピアノは情感に流れることなくしっかりとしていますし、
第1楽章のカデンツァなどちょっと息を詰めて聴き込んでしまいます。
地味ながら伴奏のカール・メレス指揮ウィーン響もちょっと荒いけど誠実です。
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そして解説は海老沢敏。 初心者向けの物語調での解説を読み、図版を見て、
音楽を楽しむ・・・ではなく、覚える、そんな感じでしたけれども、
それもまた幸せな出会いでありました。
なおこれを買ったあと 1972年にアンネローゼ・シュミットさまが来日して、
大阪フィルの第99回定期演奏会に登場、この第20番を演奏されたのを
770円 だったかの一番安い席で聴いたのが、初コンサート。
当然のことながらアンネローゼ・シュミットさまの事もまだ知る由もなく
ドイツの女流ピアニストが第20番を演奏するから、というのが理由で、
それほどこの第20番、このレコードにハマっていたのでした。